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お題シリーズ

愛と惚れ薬

作者: 透坂雨音
掲載日:2020/11/18



 愛されたくない。愛されたくない。愛されたくない。


 俺は愛なんて、そんな汚い感情、受け付けられない。


 この体が愛で満たされるなんて、嫌だ。おぞ気がはしる。鳥肌が立つ、

 想像しただけでも涙がこぼれて、吐き気がとまらない。


 だって、愛があったから、僕の両親はお互い浮気しあった。

 再婚の邪魔になる僕を捨てたんだ。


 愛があったから、僕の彼女だった人は他の男を愛したのだから。

 彼女は愛した分だけ、僕を憎んだ。


 最初から愛なんてなければ、そもそも苦しまなかったのに。

 

 今の俺がこんな事にならずにすんだのに。


「ブヒぃっ、ブヒぃっ」





 愛さたい。愛されたい。愛されたい。

 あの人に、どうしても愛されたい。

 愛して、愛して、愛しつくされたい。


 私だけをその瞳に入れて、私だけに話しかけて、私だけに触れて。


 私は愛されるために、惚れ薬を作る事にした。


 私は魔女。

 しかも天才の魔女。


 だから、頑張ればどんな薬だって作れる。

 でも、どんな優れた薬も、材料が無ければ作れない。


 天才だとしても、無から唐突に有を作り出すことができないのだ。


 私は、惚れ薬をつくらうために材料を探すことにした。





 寒気がした。

 愛が呼んでいる。

 愛がやってこようとしている。

 愛が僕を求めている。


 なぜ? どうして。

 要らない人のもとに愛なんかがやってくるんだよ。


 僕はその愛を拒絶した。


 でも愛は無敵だった。

 愛は不適だった。

 愛は大胆だった。

 愛は強大だった。


 逃げても逃げても、愛は追いかけてくる。





 やっと材料を手に入れた。

 この薬があれば、きっと誰もが私を愛してくれるはず。


 あの彼も、私を愛してくれるはず。


 かつて捨てたことがあったけど、そんな小さなこと、水に流してくれるはずわよね?


 やっぱり彼が一番だったのよ。

 彼こそが私を愛してくれる存在。


 愛を知らないで育ったわけありの彼なら、他の人も近づこうとしない。

 だから、絶対浮気なんてしない、誰かに新たに惚れ薬をかがされる事もない。


 私には、そんな彼が必要なの。


 だから、彼を手に入れるために、この捕まえた材料を早く薬にしてしまわないと。


「ブヒぃっ、ブヒぃっ、ブヒぃ!」


 ぐつぐつぐつぐつ。


「ブヒぃぃぃっ!」


 できた。


 さて、彼に会いにいきましょう。


 そういえば最後、彼と別れた時の私は何をしたんだったかしら。


 あの時の彼が必死に私をひきとめようとしてたから、あまりにもその姿が滑稽すぎて、聞くに堪えない彼の言葉を耳にしたくないとおもったの。だから、別れ際に何か魔法を使ったのよね。


 私の目の前には、きれいな液体で満たされた小瓶。


 さあ、彼に会いにいかなくっちゃ。



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