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indigo blue  作者: Lily
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1-2

飲みはじめてみれば、見た目の割に「普通」だった。


長身のお兄さんは宏樹ひろき君。

眼鏡のお兄さんは蒼介そうすけ君。

そして目つきの悪いりょう君。

3人とも27歳の同級生。

どうやら久しぶりに地元に戻ってきた宏樹君と、最初はもう少し大人数で飲んでいたらしい。「ここまで残るのはいつもこのメンバーやもんな」と亮君が優しく笑うから、少しほっとした。

最初「僕の顔怖い?」と言われて正直にうなづいた私に、あとの2人はゲラゲラ笑っていたのに、亮君は少しも笑わなかったから、この接客スタイルは失敗したかと思っていたのだ。


昔のやんちゃ話を一通り聞いたところで、別の席から指名が入り、交代することになった。

「ご馳走様でした。楽しかったです。」

そう言って席を立つ私に、再度アフターの話をされることはなかったけれど、特に気にも留めていなかった。


ーママには悪いけど、やっぱり私が引っ張れるタイプのお客様じゃない。プライベートだと絶対関わらないタイプだもん。次の子に任せよう。


その後2組の常連のお客様と話し、お店が閉まる頃には亮君たちのことはすっかり忘れていた。





〜♪

翌日。講義が終わって帰る途中に、知らない番号からショートメールが届いた。

『亮です。昨日はありがとう。楽しかった。』


一応フリーのお客様には、全員連絡先の書いた名刺を渡している。気に入ってもらえればその場で相手の番号も教えてもらえるし、教えてもらえなくても酔っ払ったノリで後から送られてくることもある。

ただ今回は正直「はずれ」だと思っていた。亮君から連絡がくることも、ましてや翌日酔いが覚めてから送ってくることも意外だった。

『亮君から連絡来ると思ってなかったから嬉しい!こちらこそ楽しかったです。ありがとう(*^^*)』


掛け持ちしているバイトのこと、蒼介君や宏樹君の話、地元の話、おすすめのお店...

当たり障りないやり取りが数日続いた。ところどころフェイクも入れたけれど、何となく、亮君には誤魔化す必要もない気がしていた。


『今度の土曜日、おる?』

2回目の来店の約束を取り付けるまでに、そんなに時間はかからなかった。

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