赤玉の滲み
朝焼けに光る星は
一番最初に忘れられる星だ
切り傷の膿を持って
消えてはくれないか
光のスコップで掬い
暗闇の中で燃やして
塊だけが消えるように
生き物の臭いが
届かないなら
空想だけで
無重力になるらしいが
それがなんとも
滑稽なのである
ベタベタになった画面は
生物が触れた跡だ
画期的であっても
それは変わらない
順番に太陽の光がやって来る
時間軸に存在する
オートマティックな行動は
鏡の奥に見える
小綺麗な姿の人に
夕方までの計画を告げる
昨日とは変わらず
明日とも違いは無いが
今日は今日という
別の日である
先が分からないことを
嬉しく思う人間は
推測することで
その気持ちを地ならしする
分かったふりは
感情を縮めるのだ
だからこそ
爆発的になれる
いつもとは違う光景を
まるで
何か、特別なメッセージを
受信したかのように思う
推測が滑ると
立体模型になるのだ
考えられる容量が
違うだけで
何かを特別視するし
何かを素通りする
どちらが良いのか、問えない
それだけでランダムであり
傾向があるという形にしかならない
靴にまで届いた血痕の水玉は
少なからず
衝撃的な滲みを持って
そこにしがみつく
労わりと負け犬は
生物の下に
レッドカーペットがあることを
教えてくれている