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プロローグ
ゆっくり目覚めたその場所は、いつもの部屋ではなくデータのお墓だった。マスターの失敗作が、次々に放り込まれる場所。先輩からは噂でなんとなく耳にしていたけど、ここに来るとまでは思っていなかった。
『ここは、何処だっけ…そっか、ごみ箱の中だったね。あたし、このまま薄れて消えちゃうんだ...』
意識は朦朧としているのに、そう悟った。
あたりは暗く、所々、上に昇っていく無数の緑色の光がちらちらと瞬いている。椅子に座らされ拘束されているあたしの手からも、緑色の光が放たれ、ちらちらと上に昇っていく。少し幻想的で見とれてしまう。
目蓋を閉じて、深呼吸する。あたしの全部が消える覚悟をするために。
「まだ諦めちゃダメーーーー!!」
頭の後ろで微かに聞こえた声は、あたしの意識に届きそうで…届かなかった。
この話を読んでいただき、ありがとうございます。初めての小説ですので納得いかない部分もあると思いますが、大目に見てくださると嬉しいです。Twitterもやっているのでよければフォローお願いします笑