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人工妖精★★「純愛」 の場合

真世界魔王宮前にて


純愛「純愛でーす!」

人間陣営に潜入でーす。

純愛は人間陣営に不用心に近づいていく。


初老の兵士「おや、こんなに可愛い娘が 、ここは戦場だよ、帰りな」

純愛は見張りの初老の兵士にやすやすと見つけられた。


純愛「えっと」

純愛は初老の兵士を始末するのにためらいを覚えた。

初老の兵士「わしにも、お前さんぐらいの孫がいてな・・・」

遠くを見つめて初老の兵士は感慨深く言った。

兵士A「離れろ、そいつが魔物だ!」

初老の兵士「ええっ・・・」

初老の兵士は腰を抜かしその場にへたり込んだ。


兵士Aは呼子を吹いた。

アッという間に純愛は十重二十重にと兵士たちに取り囲まれた。

純愛は平然と辺りを見回した。


兵士たちを割ってでた大男がいた。

「その人ありと言われるキンソン様だ」

己に自信ありな感じの武将だ。

純愛「聞いたことないよーだ」

純愛はからかう様に明るく答えた。


/*************純愛のテーマ**************/


純愛でーす


純愛アイ純愛アイ

魔界の妖精だよ


私の聞きたい言葉マスターのお褒めの言葉

その為に生まれてきた

なんでも できる女の子になるんだ

今日は出来なくても

明日はできる女の子に

マスターの為に生きてる

お姉ちゃんは何時もかまってもらってうらやましい、

いつかなるんだ素敵なレディに


/*************純愛のテーマ**************/


「ぬうん」

キンソンのモーニングスターが純愛の頬をかすめる。

純愛「ひどいなー、佐藤様だって顔は狙わないのに」

純愛はウィルキンソンの一撃を素早くかわした。

「女だから手加減しているのが判らんのか」

キンソンは余裕な感じだ。

純愛「あっ、どーもさーせん」

純愛は頭をかきながら答えた。

「ふざけるなー」

キンソンは頭に来た感じだ。

モーニングスターをやたらめったら振り回す。

回りの兵士は遠巻きにして小刀を突き出している。

あまり逃げ道はない。


純愛は佐藤の組手の時に、教えてもらった硬質化を試みた。

純愛の体が徐々に硬くなる。

並みのロングソードではその身を傷つけられないだろう。

だが、相性が悪かった。

体の動きが鈍くなった所にボディに一撃をもらってしまった。

表面は何ともないが、内臓にダメージをもらい、純愛は吐血した。

純愛「ちぇっ、しょっぱいのもらっちゃったな」

純愛は瞬間的に再生した。

「一撃で死なぬとは、この化け物めが」

キンソンはかなり頭に来た感じだ。

純愛「んと、自分もそれにするわ」

純愛の手がイボ付きの鉄球に変化し、両手をぐるぐる振り回した。

「ふざけるな」

キンソンは怒り心頭だ。

純愛は体を徐々に柔くしていった。

純愛「はい、どーん」

キンソンの死角から一発軽くはいった。

「きかぬわー」

キンソンは吐血していた。

キンソンはやせ我慢していた。


「よし、お茶にしよー」

キンソンは大博打に打って出た。

戦いの最中にお茶でもないだろうが、とりあえず一息置きたかった。

キンソンは馬鹿面だが、浅知恵があった。

純愛「えー、お茶かー」

純愛は不満気だ。

「あー、誰か、甘い奴だしてやれ」

キンソンは精一杯気を聞かせて言った。

純愛「甘いのあるの?」

純愛は興味深々だ。


さっきの初老の兵士がやって来た。

「これは都で流行りのベロベロキャンディ(舌の形をしている)じゃ」

と言って初老の兵士は孫の土産用のキャンディを純愛に差し出した。

純愛「わーい、キャンディ」

純愛はベロベロキャンディに夢中だ。

「いいかい、キャンディは噛まずに、ゆっくりと舐めるもんじゃ」

初老の兵士は純愛にキャンディの食べ方を教えた。

純愛「ふーん、ペロペロ」

純愛はキャンディを無心で舐めていた。


キンソンはただのお茶ではなく、薬湯を飲み干し体力を回復していた。

「奴のお茶に・・」

キンソンは兵士Aに囁いた。

兵士A「心得ました」

純愛用のお茶が運ばれて来た。

「これは・・・」

初老の兵士はお茶に毒が入っているのに気付いた。

「あの・・」

初老の兵士はは額に油汗をかいていた。

純愛は毒茶を平然とあおった。


「いくぞ、化け物!今度は手加減なしだ」

純愛が毒茶を飲んだのを見て、キンソンは余裕だ。

キンソンは間合いをとると、ゆっくりとしたテンポで戦っていた。

純愛の顔色と動作が緩慢になってきた。

「そろそろ毒が回ってきた頃だな」

キンソンは呟くとモーニングスターを純愛の腹に叩き付けた。

全く手ごたえがなかった。

実は純愛の体は軟質化していて、打撃は通じなかった。

「はい、ドーン!」

純愛の一撃がキンソンの兜を吹き飛ばした。

「ぐわっ」

キンソンは悲鳴と血反吐を吐いた。

「これお返しね」

純愛は体を震わせた。

「誘導毒針」

純愛の体から無数の針が頭上に打ち出された。

次の瞬間針は兵士たちの無防備な部分めがけて吸い込まれていった。

針には先ほど純愛が飲んだ毒が含まれていた。

その場にいた兵士のほとんどが毒針で死んだ。

「おじちゃんは 私のこと可愛いって言ってくれたし、キャンディもくれたから、許したげる」

純愛は初老の兵士は殺さなかった。

「ひーい」

初老の兵士は逃げ出した。

「ばいばーい」

純愛は初老の兵士を見送った。


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