――戦闘――
フィアの絵です→
http://s3.gazo.cc/up/42939.jpg
※白猫のハルカのイラストを自分で色変えしました。
イメージにはあっていたので。というか絵が描けるようになりたい・・・。
狩場を平原から森の中に場所を移し、周囲にいるモンスターを探す。
ここまでくると一応他のパーティも狩っているのだろうか、
金属と金属がぶつかる音が時折響く。
「おい、あれ。」
グリードが指さしたのは、ゴブリンの一行に囲まれたパーティだった。
四人を取り囲むように輪を組み、ジリジリとその輪を縮めている。
「20ってとこか。 群れやがって。」
「複数戦闘ならフィアにお任せ!」
「いやいや、お前がやったらあのパーティが巻き添え食らうだろうが。
リアム、切り崩すぞ。」
もう、遠距離で1匹ずつたおせばいいんじゃ・・・
「あっ、ちょっと・・・」
グリードは一気に走り出し、地面を蹴りだし、空中に踊りだす。
そのまま空中で剣を抜き、1匹目に斬りかかる。
動揺した左右のゴブリンを切り付け、輪を切り乱す。
俺も後に続こうとするが、そのころにはゴブリンも態勢を立て直し、
戦闘態勢になっている。 はぁ、そのまま逃げ去ってくれればいいのに。
剣を構え、ゴブリンに一振りを食らわせる。
続けざまに2振り目を入れるが、棍棒に阻まれ、
鈍い音とともに俺は弾き返され、後ずさりする。
まわりのゴブリンも俺にターゲットを決め、2匹がこちらに走ってくる。
走ってきたゴブリンは棍棒を振り上げ、俺の頭上から振り下ろしてくる。
間一髪それを避け、ゴブリンに剣を突き立てる。
そのまま、突撃し、ゴブリンを押し倒す。
おぉ、1匹倒せたじゃん!
いけるいける!
そう思って次の敵に向きかえると、
俺の目に入ったのはこちらに向かってくる
くすんだ銅の装備に身を包んだゴブリンだった。
装備付とかずるくない?俺だって体一つで頑張ってるのにさ。
よだれを垂らしながら奇声を発してるから台無しなんだけどね。
てかこれ怒ってる。。。よな
剣じゃどうせ無理だし、魔法打ってみようか・・・
頭の中で言葉を並び替え、肩を伝い、湧き出るエネルギーを
指先から言葉と共に放出する。
<<ゼロ・フール・フリー「グルウアアアアアアアアアアアアアア」
俺の発した言葉は、轟音と共に耳をつんざく咆哮にかき消された。
----------------5/23 4:20 追記----------------
俺の発した言葉は、轟音で耳をつんざく咆哮にかき消された。
咆哮とともに、遠くで木が倒れる音が聞こえた。
咆哮は奇声に代わり、声の主はどんどんとこちらへ近づいてくる。
ゴブリンたちも音の方向を向き、残っていた数匹は足早に逃げ去って行った。
視界にその影が入った瞬間、恐怖に全身が揺れた。
俺たちの目の前に現れた巨大な影は大きな足跡をつけながら通り過ぎた。
木々をなぎ倒しながら開けた空間に移動し終えたそのモンスターは、
黒ずんだ翼を広げ、空へと飛び立とうとしている。
「ド、ドラゴン・・・っ!」
おとぎ話、空想上の存在、当然、俺は実際に目にするのは初めてだ。
「おいリアム、フィア、場所を変えるぞ。」
そんなことを言われる前から、俺の頭の中は逃げることでいっぱいだった。
その場を後にし、ドラゴンが来た方向へと歩みを進める。
と、その時正面から鋼と鋼がぶつかりあう甲高い音と同時に、大きな掛け声が聞こえた。
「突撃ィィィィィ!」
「うおおおおおお」
声を上げた集団は、俺たちとすれ違いながらドラゴンの方へと駆けていった。
集団の大部分は、身長と変わらない長さの盾や斧をもちながら走っていく。
その後ろからは数は少ないが、弓を構えた6,7人がついていった。
全身を鎖帷子と兜で覆った騎士が、槍を構えドラゴンに突っ込んでいく。
ドラゴンは羽ばたきをやめ、尻尾を一振りする。
騎士は左に構えた盾を前にだし、受け止めようとするが、竜の力に負け、押し返される。
その間にも戦士たちはドラゴンを取り囲み、剣を突き立てている。
「おーいリアム~ 行くよ~。」
戦闘から目をそらし、走って追いついた。
俺たちは戦闘の場となった場所を離れ、
一休みするのによい場所を探し、腰を下ろした。
「ドラゴンの子供、かわいかったねー あれじゃ倒されちゃうだろうけど。」
「あ、あれで子供!?」
「成龍ともなれば小さいのでも翼を広げれば30mぐらいになるからな。 さらに火も噴くしな。」
そういってグリードは火を噴く真似をした。
あの尻尾と鍵爪だけで脅威なのに、火もってどういうスペックだよ・・・。
「は~疲れた。 討伐数は半日で100ってとこか。あの竜横狩りすれば30くらいにはなったかもな?」
「そ、それはダメですよ・・・」
「まぁそんなことはしねぇぜ。 予選のボーダーまではやっぱまだまだだな。
ダンジョン制覇でも頑張りますか。」
「え?そんな情報どこで?」
「俺が酒飲んでるだけだと思ったら大違いだぜ。 情報収集は基本ってな。」
「じっさいただの酒好きじゃん・・・。」
突っ込まれていたが、それには耳も傾けず、
突然グリードは剣を抜きながら立ち上がった。
「ほら、立ってその剣を構えな。」
「特訓。の時間ですか・・・。」
剣を抜きながら俺が立ち上がり、じっと剣を見た。
グリードには絶対かなわないだろうけど、やるだけやってやろう。
「そうだぜ、おいフィア、頼む。」
え?俺の相手フィア?・・・
「はーい♪」
勝負したいならやってやるけど、フィアのやつ、
僕を負かすつもりなのか?さすがにフィアには負けないぞ。
フィアはグリードのほうへ行き、剣を持ったかと思うと、
「エイド・トゥ・ニーファ」と声を上げた。
手からは火花が立ち始め、フィアは手を
柄から剣先へと手をかざしていく。
「はい、どうぞ。」
「よしよし、これで本気でやっても大丈夫だな。」
切っ先を指でなぞりながら、グリードはニヤついてこっちを見る。
魔法?剣に対するバリアか?
「リアムは自分でやってねー」
「え、あ、うん。」
見様見真似で同じことをし、恐る恐る刃を確認した。
すこしのざらつきこそあるものの、手は剣に触れることはなく、何かに阻まれた。
「よし、できたよ。」
フィアは切り株に腰掛け、構える二人を眺める。
グリードはじりじりと歩きだし、少しの間にらみあったあと、
グリードが剣を振りながら飛び出してきた。
次回はこの話に追加して投稿します。
5/23 4:20 更新