――準備――
朝、俺が起きると まだフィアはぐっすり寝ていたが
昨日の酔っ払いさんはすでに起きていて、
椅子に腰かけながら考え込んでいた。
「リアム、このあたりの地図はないか?」
グリードは朝ごはんを準備していた俺に話しかけてきた。
「えーと、街中の地図ならありますよ。」
「バカ、街散策して何になるってんだよ。外の地図だよ、外の。」
「外の地図、買ってないですね。。。」
「そうかー なら買いに行かなきゃならんな。」
あっ、肉切らしてんな・・・
「ご飯食べたら、市場に行きますか。
エリアレイドの出場申請もしなきゃいけないですし。」
作り終えたご飯をテーブルに置くと、即座にグリードががっつきだす。
フィアがとても眠そうにしながら、とことこ歩いてきた。
「ご飯、いる?」
「ううん、いらない。今日は外は行く?」
「俺たちは市場いってくるから、そのあとは外で特訓だ。」
「フィアはねてるね~ 帰ってきたらよんでね。」
俺とグリードは、街の中心部になっているアリーバ通りに出かけた。
通りの左右からはたくさんの店に呼ぶ声が飛び交っている。
そして通りもまた、エリアレイドの準備のためかたくさんの人であふれかえっている。
いろんなパーティの一行と思われる集団が、武器の品定めやアイテムの売り買いをしている。
「あそこに受付会場がありますね。」
受付会場の横には騎士が2人立っていて、王家のものであろう人が応対している。
ほとんどのパーティは登録はすでにすましているのだろう。
特に並ぶこともなくすぐにエントリーを済ますことができた。
「エリアレイドは3日後が予選ですからね。」
エントリーを済ませた俺たちは、市場へ戻り、地図を売ってるところを探した。
「まいど、銀貨6枚だ。」
「はいよ。」
「そういや兄ちゃん達、エリアレイドでのいい狩場情報があるんだが、どうだい、金貨2枚で」
「どうするグリード、買う?」
「狩場なんてしらねぇわ、俺らが好きなところで狩ればいいんだよ。
ってことで、おっちゃん地図ありがとな。」
よし、エントリーもして地図も買ったし、これで帰れる。
「買うものはもうないよな?帰ろうぜ」
「おまえの剣かってないじゃねぇか、いくぞ。」
「えええ?僕剣なんて使えないんだけど。」
「まぁ物は試しってな。」
「そんなぁ・・・」
グリードは武具を売ってる店の前に立ち、一度おいてあるものを全部眺めると
「一番安い剣をくれ。」
「エリアレイド用のロングソードもありますよ?」
店のほうも売り時なのだろう。
「うーん、俺なんかにはそんな高いのは扱えそうにないので。」
グリードは心にもないようなことを言って、店主にお代を押し付けた。
「じゃあ、どうも。」
俺たちは礼をいうとその店からはすぐ立ち去った。
まだ昼前だというのに、やはり通りは人であふれている。
特に消費系のアイテムの店はかなり売れているようだ。
その中でもひときわでかい人だかりができていたところに目をとられ、
見に行ってみることにした。
「魔術水晶、剣士でも魔法が使える魔術水晶はいかがですかー!」
ほらほら見ていきな、これなんかなら1日の間風魔法で飛び回れるよ、金貨200枚!
200枚!? まぁたしかに魔法が使えない剣士にとってはいい商品なのかな。
「いくぞ、特訓の時間が無くなる。」
「はぁ、頑張るか。」
家で寝ていたフィアをおこし、
昼ご飯を食った俺は1度目とは違いパーティで
2度目のアウトサイドへと足を踏み入れた。