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#01プロローグ01

 嵐ヶ丘と槍ノ峰を繋ぐルートは多数ある。

 嵐ヶ丘の東のゲートを潜り、専用の移動列車に乗車して向かう方法。およそ一時間弱での到着だ。このルートは非常に安全だ。怪人も人間も乗車してはいるが、ゲート前の検査場ではしっかりと検査をし、安全を確保してから通している。おそらく、今最も安全な移動方法だ。

 だがしかし、如何せん高い。それもそのはずで、非常に堅牢なチェックをするためにはある程度の力を持った人が必要となる。ということは当然彼らへの人件費もかかるというものである。

 ありがちというかなんというかだが、往々にして彼らは社会から離脱しており、多くが傭兵としての雇われの身である。そのため、報酬が馬鹿にならないのだ。

 そのため移動列車に乗車するのは、観光目的で行く金持ちがほとんどだ。

 次のルートを考えてみよう。嵐ヶ丘の真北にもゲートがある。こちらは高速道路が走っている。万能燃料『ネルジー』を使った四輪車や二輪車を使って走行していくルートだ。こちらもなかなかに安全だ。

 近年の工業技術の成長により、四輪車や二輪車も安価で手に入れることができる。道も整備されているため質の悪い怪人や人間も現れず(というよりも時速70Km以上で走っているものに喧嘩を売るのはほとんどいないのだが……)、やはり安全性では移動列車と同じほどである。大体三時間程で到着する。

 しかし、安価で手に入ると先述したものの貧乏人にはまだまだ高価な買い物であることは間違いない。

 そこで半ば家で当然で出て行ったものやケチが冒険者は別のルートを用いる。

 それが南東から槍ノ峰への最短距離を歩くルートである。一応、徒歩十時間で到着する。無論金もかからない。道中には、露店もあり食事もできる。距離もあるため途中で宿屋もある。ならば、いいじゃないかと思うのだが……。

 まあこれが出るのだ。怪人が……。

 怪人−−主に槍ノ峰に住む連中のことである。人間と違い、羽が生えていたり、角が生えていたり火を吹いたり、力があったり……正面から人間がぶつかっても危険なだけである。無論、一昔前(嵐ヶ丘と槍ノ峰が別れていなかった紛争時代)と違って、治安もよくなり、よっぽどの理由が無い限り互いの領地で戦闘行為を行ってはダメだという『双方平和条約』のお陰でこうして観光ができている。

 いるのだが……それは互いの領地での話だ。

 つまり道中では無法地帯なのだ。そうなると、ごろつきが日夜人間どもを襲おうと切磋琢磨してれやがっているのである。

 そのため、このルートを通るのはよっぽどの貧乏人か強力なスキルを持った自衛能力が高い人間がこのルートを渡る。

 

 これはそんな全く違う種族のもの達の自分勝手な物語である。


 槍ノ峰へのルートの一つである南東ルートには、森があったり海があったり山があったり砂漠があったり氷河があったりとなんとも無茶苦茶な自然環境が連なる。これも危険なルートである理由の一つである。

 そんな南東ルートにあるT.K.砂漠に宝島凛はいた。

 黒茶色のフェードラ帽を被り、所々に薄い傷跡が目立つ革のジャンパーをサファリシャツの上から羽織っている。さながら冒険者のようだ。一見すると年頃の女らしくないそれこそ、十六歳の女子としては不合格な格好であるのだが、少し気にしているのだろうか、カーキ色のホットパンツを履いており、白い足が見えている。

 彼女は宝島凛。嵐ヶ丘に住む自称「トレジャーハンター」を名乗る人間だ。同じ年の子は皆、制服姿で学校へ通い学んでいるのだが……彼女は違っていた。

 そうそうに「私はトレジャーハンターになってお金を稼ぐ!!」と豪語して以来、至る所に走っては価値のあるのか無いのか分からないものを拾ってきている。

 さて、そんな彼女。今はT.K.砂漠にて穴を掘っている。

「一つ掘っては金のため〜。二つ掘っても金のため〜っと」

 ふうと一息ついて、スコップの手を止め汗を拭う。そして、ぐるりと周りを見渡しそして、首を上へと向ける。かれこれ五メートル程掘り進んでおり、陰のできない砂漠地帯において珍しい日陰ができるほどであった。

 凛はその日陰に置いてある水筒に手を伸ばすと、勢いよく水を飲みのどを潤す。ごく、ごくと静かな砂漠で彼女の鳴らす喉の音だけがする。

 本日の獲物はずばり、ネルジーである。

 ネルジーは車両の燃料だけになるのではなく、火を起こすのにも使える。最近では電気を発生させる発電所なる施設の燃料にも使われているとのことだ。

 五リットルの液体ネルジーで二輪車が北ルートを走行する際の片道燃料になるらしい。もちろんこのネルジーの採取もどこでもできるわけではなく、T.K.砂漠のような両領地の間にある自然地帯で採取ができるわけである。

 というわけで、凛はこのネルジーを採取すれば金になると考え単身自然地帯の至る所へ向かっているのであった。

 今回は砂漠で穴掘りを行っているわけである。当然、五メートル程で見つかるわけがなく、最低でもその十倍以上は掘り進めないと行けないらしい。なので、凛はここにキャンプを張り、採取活動を行っているわけである。

 無論、彼女が掘っている場所にあるとは限らないのだが、このお金大好き少女は信じて疑わないようだ。

 しかし、もし何も無かったら彼女が最も嫌いなただ働きという結果になるのだが……。

「ふっふっふっ……」

 刺しているスコップを見つめながら凛は気持ち悪く笑う。

「ネルジーを見つけて、億万長者になろうかな〜? うっふっふっふっふー」

 まだ笑っている気持ちが悪い。金のこととなると凛は何よりも誰よりも必死だ。それは別に彼女が貧乏の家の生まれというわけではない。ただただ、彼女はお金が好きなのだ。利益の為に行動し、それを邪魔する者には怪人だろうが人間だろうが容赦しない。トレジャーハンターとして活動するために、鍛え続けたスキルを使って戦うだけだ。

 そう、誰だろうと容赦しない。やられたなら数倍以上の利益をふんだくってやるだけである。

 

というわけでtotokoです。

ついになろうにて書いてみました。

がんばろう……。

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