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徳川埋蔵金の謎  作者: 伊吹 由
第5章  それぞれの運命
45/45

最終話  愛を知る時

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 慎吾のスピリチュアル事件簿 First season


      「徳川埋蔵金の謎」 


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前回までのあらすじ


2012年4月。大学生となった慎吾は、大学の講義で1つ上の先輩リナと出会う。課題のため、TVSへ訪れた2人は【徳川埋蔵金の謎を追え!】の観客として番組収録に参加した。


収録後、慎吾は黒ずくめの男等に誘拐される。誘拐を指示したのは、番組プロデューサーの糸見。さらに娘を人質に取られた霊能力者・江浜も糸見側につき、慎吾の前に現れた。


リナはTV局に侵入し、慎吾を救出。さらに誘拐された江浜の娘・あんずも救出した。江浜はリナ達を逃がすため、身代わりに捕まってしまう。


敵とコンタクトをとった慎吾は、江浜とひき替えに徳川埋蔵金を差し出すと交渉。埋蔵金を見つけられぬまま、慎吾達は糸見の息子・小太郎を赤城山へと案内する。


糸見の体に乗りうつった風魔小太郎の霊は・・・埋蔵金を見つけられぬ慎吾達を襲い始めた。慎吾・リナ・江浜・あんずの4人は、激しい戦闘の末・・・とうとう風魔小太郎に勝利。


そして慎吾達は最後の謎を解き、徳川の御用金を見つける。


1ヶ月後・・・ リナはネットニュースで、江浜が死んだという記事を見つけた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   最終話  愛を知る時


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新着ニュース

【 スピリチュアル・カウンセラー江浜氏死亡 除霊中に事故か? 】


昨夜未明、都内マンションでケガを負ったスピリチュアル・カウンセラー江浜氏が都立病院に救急搬送された。緊急手術が行われたが、搬送から3時間後、執刀医による死亡が確認された。


江浜氏は、ある政治家に憑いた悪霊を除霊中だったとされる。その政治家や、通報した人物などの詳細は不明。警察は事件・事故の両面で捜索を開始した。




慎吾「あの強い江浜さんが・・・死ぬとは思えません」


リナ「そうだけど・・・」


2人共信じられない表情を浮かべ、ネットニュースを読んでいる。


慎吾「きっと死んだと公表しておいて・・・

    裏で何か、大きな事件を捜査してるのでは?」


リナ「そ、そうよね・・・ きっとそうに・・・

    違いないわ・・・」


江浜は生きている。2人はそう信じるしかなかった。



・・・ ・・・。


2日後。慎吾とリナは喪服姿で、江浜の告別式に参列していた。


慎吾「この告別式も・・・ フェイクでしょうか? 」


リナ「正直そうは思えない・・・

    やっぱり亡くなったのよ・・・


    でも・・・ 絶対信じられない・・・」


告別式は盛大に執り行われている。


周りを見渡すと、江浜にお世話になったであろう人物がたくさん参列していた。中にはTVで見た事のある有名な大物議員や、某巨大企業の社長などの姿もあった。


焼香の際、慎吾とリナは遺族側にいる悲しげな表情のあんずを見つける。


慎吾「・・・ ・・・」


リナ「やっぱり・・・ 亡くなったのね・・・」



・・・ ・・・。


告別式の後、慎吾とリナはあんずの元へ歩いて行く。あんずはハンカチで涙をぬぐいながら、告別式に参列した多くの人から励ましの声をかけられていた。


数分後、慎吾とリナの存在に気づいたあんず。2人の元へ自ら近づいていく。


慎吾「・・・ ・・・」


喪服姿のあんずに一瞬ドキッとする慎吾。


慎吾「あ、あの・・・ 何て声をかけたらいいのか・・・」


悲しそうな表情で声をかけた。


リナ「あの・・・ ホントに・・・

    亡くなったの? お父さん?」


リナは聞きたかった事を単刀直入に聞く。あんずは静かに頷いた。そして涙声で応える。


あんず「えぇ・・・ でも、こうなる事は・・・

     わかっていたんです・・・」


慎吾「え?」


リナ「お父さんが亡くなる事を・・・ わかっていた?」


あんず「はい・・・」


ふとあんずは告別式に参列した別の人物に声をかけられた。


あんず「あの、今日はちょっと・・・

     見ての通り、慌ただしいので・・・


     明日、お会いできませんか?」


慎吾とリナは顔を見合わせる。


慎吾「はい・・・ 僕たちは大丈夫です」


するとあんずは名刺を慎吾に渡した。


あんず「これ、父の名刺です。

     ここに父が生前、仕事の拠点としていた場所の住所・・・


     バイクがある所で、お二方も一度来てます。

     明日、お昼頃来られますか?」


リナはしっかりとあんずの目を見据えて応える。


リナ「大丈夫。必ず行くから」


あんず「では、明日・・・」


そう言うと、あんずはまた別の参列者に声をかけられ、奥へと歩いて行った。

去り際にあんずは、ちらっと慎吾を見て小さくつぶやく。


あんず「父から・・・ メッセージがありますので」


慎吾「え?」



・・・ ・・・。


翌日正午。慎吾とリナは指定された場所へと向かった。


かつて江浜とあんずも含め4人で来た、小さな庭がある古ぼけた民家。その玄関先には、生々しい銃痕がいくつもあり、襲撃された記憶が甦る。


玄関の呼び鈴を鳴らすと、奥から「はーい」という女性の声が聞こえ・・・


ガチャリ。


ドアが内側から開いた。


あんず「お待ちしてました」


開いたドアの向こうからあんずが小さな笑顔で出迎える。


そしてあんずの背後には・・・


リナ「あ・・・」


慎吾「江浜さん!!」


慎吾とリナは、あの風魔小太郎と死闘を繰り広げた・・・スピリチュアル・カウンセラーの姿を確認した。


リナ「やっぱり生きてたのね!!」


あんずの背後に立つ江浜は、ニコッと笑ってみせた。リナはすぐに江浜の元へと歩み寄り、かつて何度も命を救ってくれた男に抱きつこうとする。


リナ「・・・ ・・・」


抱きついたはずだった。


しかしリナは、空気を抱きしめたかのように・・・両腕は江浜の体をすり抜けた。


リナ「あ・・・あれ?」


それを見ていた慎吾が口を開く。


慎吾「江浜さん・・・ 霊の江浜さんだ・・・」


あんずが小さく慎吾に頷いた。


慎吾「じゃ、じゃぁ・・・ やっぱり・・・

    亡くなったんだ・・・」


悲しげな表情を浮かべたあんずは、2人を奥のリビングへと案内する。


慎吾「・・・ ・・・」


リナ「・・・ ・・・」


江浜を見つめながら、ソファーに座った慎吾とリナ。向かい側に、あんずと霊の江浜が座る。


あんず「何から話せばいいのか・・・」


娘の言葉をさえぎり、霊の江浜が口を開いた。


江浜「私が説明しよう」


リナ「あ・・・ 喋れるんだ・・・」


思わず失礼な事を言ってしまったという表情を浮かべるリナ。


慎吾「・・・ ・・・」


見た目は普通の人間。足もあれば、喋りもする。


江浜「そう、じろじろ見なくても・・・

    私は死んでいるよ」


笑いながら霊の江浜は・・・ゆっくりと語り始めた。



元々江浜の家系は代々短命である事。その血筋は60歳まで生きながらえた者を輩出した事がないという。


霊に関する仕事を、数100年引き受けてきた江浜一族。霊力、すなわち霊エネルギーは生命エネルギーでもあるため、霊力を使う事は命を削ることでもあると言う。


ただし修行をすれば、自然エネルギーも利用できる。だが、自らの生命エネルギーを使う事には変わりないと、江浜は言う。


江浜「だから慎吾君。君はむやみやたらに、その力を使ってはいけない。

    修行して、自然界のエネルギーを利用できたとしても・・・


    1時間霊力を使えば、自らの寿命が1時間縮むと思っていい。

    使った分だけ・・・寿命は短くなるってわけさ」


リナ「・・・ ・・・」


リナは自分のためにその寿命を短くしたかもしれないと思い、胸を押さえていた。それに気づいた江浜が声をかける。


江浜「私が亡くなった事と、今回の件とは関係ない。

    だから、私が死んだ事を・・・


    君達が気にする事は無い」


横からあんずが口をはさむ。


あんず「父は、元々やまいに冒されていて・・・

     もう長くはなかったんです」


その事実に慎吾が驚いた。


慎吾「え・・・? 風魔小太郎との戦いで・・・

    あんなすごい動きを見せていたのに?」


江浜「悪性の腫瘍をわずらっていた。

    まぁ、遺伝的なものもあるらしくてね」


慎吾「・・・ とてもそうは・・・ 見えなかったのに・・・」


リナ「・・・ ・・・」


そう言われても、責任を感じてしまうリナ。


江浜「言っておくが・・・

    病に冒されてなければ、私は風魔戦の時の3倍は強いぞ」


江浜は慎吾とリナに笑顔を振りまいた。


慎吾「・・・ ・・・」


リナ「・・・ ・・・」


慎吾とリナは、どんな顔をしたらいいのか・・・困惑した表情だ。


江浜「なんだ。本当はもっと強いって・・・信用してないのか?」


あえておどけて見せる。


リナ「・・・信じます。でも・・・」


言葉に詰まるリナに変わって、慎吾が声をかけた。


慎吾「あんずさんも・・・ 将来はその・・・悪い病気に・・・?」


江浜は首を強く横にふる。


江浜「いや。もうすぐこの病にも治療法が見つかる。

    こういう事は前向きに考えなくてはならない。


    【病は気から】さ」


あんず「・・・ ・・・」


あんずが必死に作り笑いを浮かべてる。ふと江浜は真剣な顔になり語り始めた。


江浜「今回の風魔小太郎の件・・・君たちに心から感謝している。

    半人前の娘を狙われるとは・・・


    まだまだ私達も未熟な証拠」


あんずが暗い表情を浮かべる。


江浜「もう1度言うが、私が死んだのは風魔のせいではない。

    それが私の宿命だったんだ。その点は・・・


    君たち2人に十分理解してもらいたい」


慎吾は、ゆっくりと首を縦にふった。


慎吾「わかりました」


リナ「・・・ ・・・」


続いて、リナも首を縦に振る。気にするなと言われても、どうしても気にしてしまう2人ではあったが・・・ここは江浜に合わせておく。


江浜はリナに笑顔を見せた後、慎吾を見つめた。


江浜「君はまだ・・・ 愛というものを知らない。

    いつか君が愛を知った時・・・


    今より、もっともっと強くなるだろう」


慎吾「愛・・・ですか?」


江浜「あぁ。君に霊能力者になれと言ってるわけではない。

    ただいつか・・・


    君の前には、君しか助ける事ができない人たちが現れるだろう」


慎吾「・・・ ・・・」


江浜「そういう人たちを・・・君には救って欲しい。

    気づいてないようだが・・・


    君の持つ霊的な力は、君が思ってる以上に強いものなんだ」


慎吾「え? 僕の力が?」


江浜「またいつか君を導く人物が現れるだろう。あるいはすでに・・・

    君はそういう人物に出会っているのかも知れない」


慎吾「その・・・ 導く人物って・・・ 江浜さんでは?」


江浜「思えば私は・・・

    君を、入り口まで案内する役目だったかもな。


    だが私はもう死んでしまった。役目は終わりさ」


江浜は軽く笑う。


慎吾「江浜・・・さん・・・」


江浜「君は・・・

    その力ゆえ、今回のような過酷な運命が待ち受けている。


    それを伝えたかった。今日よんだ理由はそれさ」



・・・ ・・・。


1時間後。


慎吾とリナは帰途につくため、玄関であんず達と別れの挨拶を交わしていた。


慎吾「いろいろな話。ありがとうございました。

    本人を目の前にして言うのも何ですが・・・


    ご冥福をお祈りします・・・」


霊の江浜は、あんずの後ろで笑顔を見せている。


リナ「日本語だと、しっくりくる言葉が見あたらない・・・

    だから英語で・・・


    I’m sorry.」


江浜の目を見つめ、リナはそう言った。


慎吾「え? それってゴメンなさいって意味じゃ・・・?」


リナ「バカ、違うわよ。

    この場合【あなたが生きてなくて残念に思う】って意味!」


2人の様子を笑顔で見ていた江浜。


江浜「2人ともホントに・・・ありがとう」

    

江浜は握手を求める。


慎吾「・・・ ・・・」


ポケットからパワーストーンを取り出した慎吾は、それを左手で握る。


慎吾「・・・ ・・・」


そして江浜の差し出された右手を・・・慎吾は右手で握り返した。


リナ「・・・ ・・・」


霊力がある人間だけが・・・霊に触れられると、リナは認識する。


江浜「早く・・・愛を知るといいな」


慎吾は照れたように笑い応えた。


慎吾「よくわからないですけど・・・

    僕も早く知りたいです。


    でも、ホントにくるのかな?

    愛を知る時が・・・」


照れ笑いを浮かべる慎吾に、江浜は大げさに笑って見せる。


江浜「くるさ。必ずね!」


慎吾にかけた最後の言葉だった。


あんず「・・・ ・・・」


慎吾「では・・・」


リナ「See you・・・」


別れを告げ、慎吾とリナは家を後にした。



・・・ ・・・。


帰り道・・・リナと肩を並べ、慎吾がふと口を開いた。


慎吾「そっかぁ・・・ 江浜さん。

    あんずさんの守護霊になったんだな~」


赤いメガネをかけ直し、リナが言葉を返す。


リナ「守護霊ってさ・・・

    なろうと思って、なれるものなの?」


慎吾「えぇ、その人を【助けたい!】という、強い気持ちがあれば」


リナ「ふ~ん・・・親子愛ね・・・ 

    霊の世界も、愛があるってわけか~」


慎吾「でも江浜さんが守護霊だったら・・・最強ですよ!

    どんな危険からも守ってくれると思います」


リナ「ふ~ん・・・」


慎吾「・・・ ・・・」


しばらく黙っていた慎吾。思い切ってリナに聞いてみた。


慎吾「リナ先輩は・・・ 愛を知ってるんですか?」


リナ「・・・ ・・・」


急にリナの表情が曇る。そしてポニーテールを止めているシュシュを抑えながら慎吾に言った。


リナ「知ってるわよ・・・ 

    話す気、ないけど・・・」


急に不機嫌な表情を見せたリナに、慎吾は聞いてはいけない事を聞いてしまったと後悔する。


慎吾「あ・・・ えっと・・・ そうだ!

    豊臣秀吉の埋蔵金って知ってます?」


リナ「気を遣う必要ないって。それに埋蔵金はもうこりごりだから。

    賭け麻雀で稼ぐ方が安全で確実よ」


慎吾「えー・・・そうですか。徳川埋蔵金と違って・・・

    発見できたら200兆円ぐらいの価値があるんですけど・・・」


リナ「200兆円!? 10%でも20兆円!?」


一瞬くいついたリナだが、すぐに首を横にふった。


リナ「あー、どうせまた時が来るまでどーのこーのって言う気でしょ?

    それよりあんたさぁ・・・」


慎吾「何です?」


リナ「大学の後期も、私と同じ授業とってよ」


慎吾「え?」


リナ「ほら・・・私、理系科目は完璧だけど、文系がダメだからさ・・・

    いや、やろうと思えば出来るんだけど、なんつーか・・・


    やる気がでないんだよねー」


慎吾「つまり、僕がリナ先輩のレポートも書けと」


リナの意図を察し、ストレートに聞く慎吾。


リナ「そゆこと。私、工学部なのにさ・・・

    文系科目も10単位必要って、おかしいわよね?


    マスメディアで2単位は確保だから、あと8単位」


慎吾「え? まさか8単位・・・

    全部、僕にレポート書かせる気です?」


リナ「当たり前っしょ! 埋蔵金を諦めた代償ってヤツよ!」


慎吾はとびっきりの笑顔で応えた。


慎吾「任せてください! 50枚でも100枚でも書きますよ!」


リナ「・・・ ・・・」


意外と慎吾の反応がいい・・・ リナにとっては予想外だ。


リナ「ふ、ふん! 単位さえ取れればいいの、私は!」


突き放すように言うリナ。変なヤツと思いながらも・・・リナは、心の中で笑顔になっていた。



・・・ ・・・。


あんず「・・・ ・・・」


家の中の窓から、慎吾達が立ち去るのを見守っていたあんず。リナと仲良くしている慎吾の姿を見ながら、胸を押さえている。


守護霊となった江浜は、背後から娘に声をかけた。


江浜「大丈夫。彼とはまた会う日が来る。必ずね・・・」


そう言うと江浜は、ふっと姿を消す。


あんず「・・・ ・・・」


慎吾を見守るあんずの目から・・・


一筋の涙がこぼれた。





                (終わり)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 慎吾のスピリチュアル事件簿 First season


      「徳川埋蔵金の謎」 


 長い間、ご愛読ありがとうございました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


登場人物


【慎吾】

沖縄出身。箱根大学1年・史学部に所属し、文学や歴史を愛する控えめな18歳男子。大学の授業でリナと出会った事をきっかけに、様々な事件に巻き込まれる事になる。江浜から譲り受けたパワーストーンは、後の慎吾の運命を大きく変える。



【リナ】 

箱根大学2年・工学部所属。プログラミングを得意とし、簡単なネットセキュリティは突破してしまう。桁の多い数字でも、一目で暗記してしまう能力を持ち、賭け麻雀で生計をたてている。今作で残されたリナの謎は、シーズン2で明らかに?



【江浜】

国内最高の霊能力者と言われ、スピリチュアルカウンセラーの肩書きを持つ。埋蔵金発掘に携わる糸見に娘を誘拐され、仕方なく慎吾をTV局で誘拐する。慎吾にパワーストーンを手渡し、霊能力者として最初の一歩を歩ませた。



【あんず】

慎吾と同い年。江浜の娘で、糸見小太郎に憑いた風魔小太郎の霊に誘拐された。リナに助け出され、後に慎吾等と徳川埋蔵金の謎に挑む。慎吾に霊能力の使い方を最初に指導した人物でもある。慎吾達と風魔小太郎の霊に立ち向かう。



【糸見】(プロデューサー)

【徳川埋蔵金の謎を追え!】の番組プロデューサー。10年越しに番組を復活させ、息子と共に徳川埋蔵金を発掘するつもりだった。鳳(正体は風魔小太郎の霊)の指示に従い、慎吾を誘拐。暴力団との関与が公になり、誘拐事件や発砲事件が発覚。逮捕される事になった。



【糸見小太郎】

プロデューサー糸見の一人息子で、慎吾やリナと同じ大学の授業を取っていた。お笑い芸人の時任マリオや、暴力団のおおとりも同一人物。風魔小太郎の霊が乗りうつり、自らの意志を長年封印された。



【風魔小太郎】

北条家に仕え、100年にわたり活躍した忍者集団・風魔一族。その5代目頭領(風魔一族の頭領は、歴代小太郎と名乗るが、本作では5代目頭領として登場)。風魔一族を滅亡に追いやった徳川家と関わりを持つ慎吾を狙う。



【松浦順】

人気アイドルグループ【山嵐】のメンバーの1人。TV局でバッグを盗まれたが、リナの活躍により犯人はすぐに捕まる。そのお礼として【徳川埋蔵金の謎を追え!】の番組収録に慎吾とリナを招待。しかし収録後、慎吾は誘拐される事になる。




※ 登場する個人や団体は、全て架空のものです。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




江浜の死から半年後・・・



リナと慎吾はラーメン屋にいた。


突然リナの携帯から、アイドルグループ【山嵐】のヒットソングの着信音が鳴り響く。


リナ「あ、ちょっとごめん・・・」


外に出たリナは、電話に出た。


リナ「ひな? 私だけど?」


声「リナ・・・だな?」


その声は人間の肉声ではなく、何らかの機械を通じての電子音声で、男女の区別すらできない。眉をひそめながら、リナは語気を強めた。


リナ「あんた誰? まさか妹の彼氏ってんじゃないでしょうね?」


声「単刀直入に言う。お前の妹を誘拐した。

   1週間以内に1億を用意してもらおう」


リナ「はぁ?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


事件は突然始まった。


すぐに学校を離れ実家へ向かうリナと慎吾。


リナの父は、世界最高と言われるネットセキュリティの開発者だった。


リナの家族を狙った謎の誘拐犯は!? 4年前に起こった事件との関連は!?


多くの散りばめられた謎の中に、かつてリナの愛したピアニストが見え隠れする。


そして事件は予想もしない大事件へと発展し、多くの命が危機に晒される・・・。



リナの家の周りで起こる連続殺人事件。


過去の殺人事件との関連を洗い出す慎吾。


恋人の残した手がかりを解いていくリナ。


2人はやがて、全く見えなかった犯人の真の目的に近づいてゆく・・・。


そして慎吾は再び・・・壮絶な霊能バトルを繰り広げる。


「いいか!? 俺と君の想い出の中に・・・ 真実はある!」


事件の謎を解く鍵は・・・ モーツァルトの楽曲に存在した。


そしてそこには・・・ 世界を揺るがす事実が隠されていた!?



 

    ~ 慎吾のスピリチュアル事件簿 ~


  NEXT SEASON 「アマデウスの謎」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

作者です。


この話は小説書き始めて、まだ間もない頃の作品。まぁ、小説形式ではありませんが。


すでに完結済みの【アマデウスの謎】を読んでから【徳川埋蔵金の謎】を読んでも、逆にこちらを読んでから【アマデウスの謎】を読んでも、つながる部分はたくさんあるはず。


実はリナが登場する前の【ホラーハウスの謎】(一応、シーズンゼロの位置づけ予定)もありますんで、おいおい載せる予定です。


でも今度は、哲学者の話を書こうかな? 笑

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