最終話 愛を知る時
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慎吾のスピリチュアル事件簿 First season
「徳川埋蔵金の謎」
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前回までのあらすじ
2012年4月。大学生となった慎吾は、大学の講義で1つ上の先輩リナと出会う。課題のため、TVSへ訪れた2人は【徳川埋蔵金の謎を追え!】の観客として番組収録に参加した。
収録後、慎吾は黒ずくめの男等に誘拐される。誘拐を指示したのは、番組プロデューサーの糸見。さらに娘を人質に取られた霊能力者・江浜も糸見側につき、慎吾の前に現れた。
リナはTV局に侵入し、慎吾を救出。さらに誘拐された江浜の娘・あんずも救出した。江浜はリナ達を逃がすため、身代わりに捕まってしまう。
敵とコンタクトをとった慎吾は、江浜とひき替えに徳川埋蔵金を差し出すと交渉。埋蔵金を見つけられぬまま、慎吾達は糸見の息子・小太郎を赤城山へと案内する。
糸見の体に乗りうつった風魔小太郎の霊は・・・埋蔵金を見つけられぬ慎吾達を襲い始めた。慎吾・リナ・江浜・あんずの4人は、激しい戦闘の末・・・とうとう風魔小太郎に勝利。
そして慎吾達は最後の謎を解き、徳川の御用金を見つける。
1ヶ月後・・・ リナはネットニュースで、江浜が死んだという記事を見つけた。
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最終話 愛を知る時
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新着ニュース
【 スピリチュアル・カウンセラー江浜氏死亡 除霊中に事故か? 】
昨夜未明、都内マンションでケガを負ったスピリチュアル・カウンセラー江浜氏が都立病院に救急搬送された。緊急手術が行われたが、搬送から3時間後、執刀医による死亡が確認された。
江浜氏は、ある政治家に憑いた悪霊を除霊中だったとされる。その政治家や、通報した人物などの詳細は不明。警察は事件・事故の両面で捜索を開始した。
慎吾「あの強い江浜さんが・・・死ぬとは思えません」
リナ「そうだけど・・・」
2人共信じられない表情を浮かべ、ネットニュースを読んでいる。
慎吾「きっと死んだと公表しておいて・・・
裏で何か、大きな事件を捜査してるのでは?」
リナ「そ、そうよね・・・ きっとそうに・・・
違いないわ・・・」
江浜は生きている。2人はそう信じるしかなかった。
・・・ ・・・。
2日後。慎吾とリナは喪服姿で、江浜の告別式に参列していた。
慎吾「この告別式も・・・ フェイクでしょうか? 」
リナ「正直そうは思えない・・・
やっぱり亡くなったのよ・・・
でも・・・ 絶対信じられない・・・」
告別式は盛大に執り行われている。
周りを見渡すと、江浜にお世話になったであろう人物がたくさん参列していた。中にはTVで見た事のある有名な大物議員や、某巨大企業の社長などの姿もあった。
焼香の際、慎吾とリナは遺族側にいる悲しげな表情のあんずを見つける。
慎吾「・・・ ・・・」
リナ「やっぱり・・・ 亡くなったのね・・・」
・・・ ・・・。
告別式の後、慎吾とリナはあんずの元へ歩いて行く。あんずはハンカチで涙をぬぐいながら、告別式に参列した多くの人から励ましの声をかけられていた。
数分後、慎吾とリナの存在に気づいたあんず。2人の元へ自ら近づいていく。
慎吾「・・・ ・・・」
喪服姿のあんずに一瞬ドキッとする慎吾。
慎吾「あ、あの・・・ 何て声をかけたらいいのか・・・」
悲しそうな表情で声をかけた。
リナ「あの・・・ ホントに・・・
亡くなったの? お父さん?」
リナは聞きたかった事を単刀直入に聞く。あんずは静かに頷いた。そして涙声で応える。
あんず「えぇ・・・ でも、こうなる事は・・・
わかっていたんです・・・」
慎吾「え?」
リナ「お父さんが亡くなる事を・・・ わかっていた?」
あんず「はい・・・」
ふとあんずは告別式に参列した別の人物に声をかけられた。
あんず「あの、今日はちょっと・・・
見ての通り、慌ただしいので・・・
明日、お会いできませんか?」
慎吾とリナは顔を見合わせる。
慎吾「はい・・・ 僕たちは大丈夫です」
するとあんずは名刺を慎吾に渡した。
あんず「これ、父の名刺です。
ここに父が生前、仕事の拠点としていた場所の住所・・・
バイクがある所で、お二方も一度来てます。
明日、お昼頃来られますか?」
リナはしっかりとあんずの目を見据えて応える。
リナ「大丈夫。必ず行くから」
あんず「では、明日・・・」
そう言うと、あんずはまた別の参列者に声をかけられ、奥へと歩いて行った。
去り際にあんずは、ちらっと慎吾を見て小さくつぶやく。
あんず「父から・・・ メッセージがありますので」
慎吾「え?」
・・・ ・・・。
翌日正午。慎吾とリナは指定された場所へと向かった。
かつて江浜とあんずも含め4人で来た、小さな庭がある古ぼけた民家。その玄関先には、生々しい銃痕がいくつもあり、襲撃された記憶が甦る。
玄関の呼び鈴を鳴らすと、奥から「はーい」という女性の声が聞こえ・・・
ガチャリ。
ドアが内側から開いた。
あんず「お待ちしてました」
開いたドアの向こうからあんずが小さな笑顔で出迎える。
そしてあんずの背後には・・・
リナ「あ・・・」
慎吾「江浜さん!!」
慎吾とリナは、あの風魔小太郎と死闘を繰り広げた・・・スピリチュアル・カウンセラーの姿を確認した。
リナ「やっぱり生きてたのね!!」
あんずの背後に立つ江浜は、ニコッと笑ってみせた。リナはすぐに江浜の元へと歩み寄り、かつて何度も命を救ってくれた男に抱きつこうとする。
リナ「・・・ ・・・」
抱きついたはずだった。
しかしリナは、空気を抱きしめたかのように・・・両腕は江浜の体をすり抜けた。
リナ「あ・・・あれ?」
それを見ていた慎吾が口を開く。
慎吾「江浜さん・・・ 霊の江浜さんだ・・・」
あんずが小さく慎吾に頷いた。
慎吾「じゃ、じゃぁ・・・ やっぱり・・・
亡くなったんだ・・・」
悲しげな表情を浮かべたあんずは、2人を奥のリビングへと案内する。
慎吾「・・・ ・・・」
リナ「・・・ ・・・」
江浜を見つめながら、ソファーに座った慎吾とリナ。向かい側に、あんずと霊の江浜が座る。
あんず「何から話せばいいのか・・・」
娘の言葉を遮り、霊の江浜が口を開いた。
江浜「私が説明しよう」
リナ「あ・・・ 喋れるんだ・・・」
思わず失礼な事を言ってしまったという表情を浮かべるリナ。
慎吾「・・・ ・・・」
見た目は普通の人間。足もあれば、喋りもする。
江浜「そう、じろじろ見なくても・・・
私は死んでいるよ」
笑いながら霊の江浜は・・・ゆっくりと語り始めた。
元々江浜の家系は代々短命である事。その血筋は60歳まで生きながらえた者を輩出した事がないという。
霊に関する仕事を、数100年引き受けてきた江浜一族。霊力、すなわち霊エネルギーは生命エネルギーでもあるため、霊力を使う事は命を削ることでもあると言う。
ただし修行をすれば、自然エネルギーも利用できる。だが、自らの生命エネルギーを使う事には変わりないと、江浜は言う。
江浜「だから慎吾君。君はむやみやたらに、その力を使ってはいけない。
修行して、自然界のエネルギーを利用できたとしても・・・
1時間霊力を使えば、自らの寿命が1時間縮むと思っていい。
使った分だけ・・・寿命は短くなるってわけさ」
リナ「・・・ ・・・」
リナは自分のためにその寿命を短くしたかもしれないと思い、胸を押さえていた。それに気づいた江浜が声をかける。
江浜「私が亡くなった事と、今回の件とは関係ない。
だから、私が死んだ事を・・・
君達が気にする事は無い」
横からあんずが口をはさむ。
あんず「父は、元々病に冒されていて・・・
もう長くはなかったんです」
その事実に慎吾が驚いた。
慎吾「え・・・? 風魔小太郎との戦いで・・・
あんなすごい動きを見せていたのに?」
江浜「悪性の腫瘍を患っていた。
まぁ、遺伝的なものもあるらしくてね」
慎吾「・・・ とてもそうは・・・ 見えなかったのに・・・」
リナ「・・・ ・・・」
そう言われても、責任を感じてしまうリナ。
江浜「言っておくが・・・
病に冒されてなければ、私は風魔戦の時の3倍は強いぞ」
江浜は慎吾とリナに笑顔を振りまいた。
慎吾「・・・ ・・・」
リナ「・・・ ・・・」
慎吾とリナは、どんな顔をしたらいいのか・・・困惑した表情だ。
江浜「なんだ。本当はもっと強いって・・・信用してないのか?」
あえておどけて見せる。
リナ「・・・信じます。でも・・・」
言葉に詰まるリナに変わって、慎吾が声をかけた。
慎吾「あんずさんも・・・ 将来はその・・・悪い病気に・・・?」
江浜は首を強く横にふる。
江浜「いや。もうすぐこの病にも治療法が見つかる。
こういう事は前向きに考えなくてはならない。
【病は気から】さ」
あんず「・・・ ・・・」
あんずが必死に作り笑いを浮かべてる。ふと江浜は真剣な顔になり語り始めた。
江浜「今回の風魔小太郎の件・・・君たちに心から感謝している。
半人前の娘を狙われるとは・・・
まだまだ私達も未熟な証拠」
あんずが暗い表情を浮かべる。
江浜「もう1度言うが、私が死んだのは風魔のせいではない。
それが私の宿命だったんだ。その点は・・・
君たち2人に十分理解してもらいたい」
慎吾は、ゆっくりと首を縦にふった。
慎吾「わかりました」
リナ「・・・ ・・・」
続いて、リナも首を縦に振る。気にするなと言われても、どうしても気にしてしまう2人ではあったが・・・ここは江浜に合わせておく。
江浜はリナに笑顔を見せた後、慎吾を見つめた。
江浜「君はまだ・・・ 愛というものを知らない。
いつか君が愛を知った時・・・
今より、もっともっと強くなるだろう」
慎吾「愛・・・ですか?」
江浜「あぁ。君に霊能力者になれと言ってるわけではない。
ただいつか・・・
君の前には、君しか助ける事ができない人たちが現れるだろう」
慎吾「・・・ ・・・」
江浜「そういう人たちを・・・君には救って欲しい。
気づいてないようだが・・・
君の持つ霊的な力は、君が思ってる以上に強いものなんだ」
慎吾「え? 僕の力が?」
江浜「またいつか君を導く人物が現れるだろう。あるいはすでに・・・
君はそういう人物に出会っているのかも知れない」
慎吾「その・・・ 導く人物って・・・ 江浜さんでは?」
江浜「思えば私は・・・
君を、入り口まで案内する役目だったかもな。
だが私はもう死んでしまった。役目は終わりさ」
江浜は軽く笑う。
慎吾「江浜・・・さん・・・」
江浜「君は・・・
その力ゆえ、今回のような過酷な運命が待ち受けている。
それを伝えたかった。今日よんだ理由はそれさ」
・・・ ・・・。
1時間後。
慎吾とリナは帰途につくため、玄関であんず達と別れの挨拶を交わしていた。
慎吾「いろいろな話。ありがとうございました。
本人を目の前にして言うのも何ですが・・・
ご冥福をお祈りします・・・」
霊の江浜は、あんずの後ろで笑顔を見せている。
リナ「日本語だと、しっくりくる言葉が見あたらない・・・
だから英語で・・・
I’m sorry.」
江浜の目を見つめ、リナはそう言った。
慎吾「え? それってゴメンなさいって意味じゃ・・・?」
リナ「バカ、違うわよ。
この場合【あなたが生きてなくて残念に思う】って意味!」
2人の様子を笑顔で見ていた江浜。
江浜「2人ともホントに・・・ありがとう」
江浜は握手を求める。
慎吾「・・・ ・・・」
ポケットからパワーストーンを取り出した慎吾は、それを左手で握る。
慎吾「・・・ ・・・」
そして江浜の差し出された右手を・・・慎吾は右手で握り返した。
リナ「・・・ ・・・」
霊力がある人間だけが・・・霊に触れられると、リナは認識する。
江浜「早く・・・愛を知るといいな」
慎吾は照れたように笑い応えた。
慎吾「よくわからないですけど・・・
僕も早く知りたいです。
でも、ホントにくるのかな?
愛を知る時が・・・」
照れ笑いを浮かべる慎吾に、江浜は大げさに笑って見せる。
江浜「くるさ。必ずね!」
慎吾にかけた最後の言葉だった。
あんず「・・・ ・・・」
慎吾「では・・・」
リナ「See you・・・」
別れを告げ、慎吾とリナは家を後にした。
・・・ ・・・。
帰り道・・・リナと肩を並べ、慎吾がふと口を開いた。
慎吾「そっかぁ・・・ 江浜さん。
あんずさんの守護霊になったんだな~」
赤いメガネをかけ直し、リナが言葉を返す。
リナ「守護霊ってさ・・・
なろうと思って、なれるものなの?」
慎吾「えぇ、その人を【助けたい!】という、強い気持ちがあれば」
リナ「ふ~ん・・・親子愛ね・・・
霊の世界も、愛があるってわけか~」
慎吾「でも江浜さんが守護霊だったら・・・最強ですよ!
どんな危険からも守ってくれると思います」
リナ「ふ~ん・・・」
慎吾「・・・ ・・・」
しばらく黙っていた慎吾。思い切ってリナに聞いてみた。
慎吾「リナ先輩は・・・ 愛を知ってるんですか?」
リナ「・・・ ・・・」
急にリナの表情が曇る。そしてポニーテールを止めているシュシュを抑えながら慎吾に言った。
リナ「知ってるわよ・・・
話す気、ないけど・・・」
急に不機嫌な表情を見せたリナに、慎吾は聞いてはいけない事を聞いてしまったと後悔する。
慎吾「あ・・・ えっと・・・ そうだ!
豊臣秀吉の埋蔵金って知ってます?」
リナ「気を遣う必要ないって。それに埋蔵金はもうこりごりだから。
賭け麻雀で稼ぐ方が安全で確実よ」
慎吾「えー・・・そうですか。徳川埋蔵金と違って・・・
発見できたら200兆円ぐらいの価値があるんですけど・・・」
リナ「200兆円!? 10%でも20兆円!?」
一瞬くいついたリナだが、すぐに首を横にふった。
リナ「あー、どうせまた時が来るまでどーのこーのって言う気でしょ?
それよりあんたさぁ・・・」
慎吾「何です?」
リナ「大学の後期も、私と同じ授業とってよ」
慎吾「え?」
リナ「ほら・・・私、理系科目は完璧だけど、文系がダメだからさ・・・
いや、やろうと思えば出来るんだけど、なんつーか・・・
やる気がでないんだよねー」
慎吾「つまり、僕がリナ先輩のレポートも書けと」
リナの意図を察し、ストレートに聞く慎吾。
リナ「そゆこと。私、工学部なのにさ・・・
文系科目も10単位必要って、おかしいわよね?
マスメディアで2単位は確保だから、あと8単位」
慎吾「え? まさか8単位・・・
全部、僕にレポート書かせる気です?」
リナ「当たり前っしょ! 埋蔵金を諦めた代償ってヤツよ!」
慎吾はとびっきりの笑顔で応えた。
慎吾「任せてください! 50枚でも100枚でも書きますよ!」
リナ「・・・ ・・・」
意外と慎吾の反応がいい・・・ リナにとっては予想外だ。
リナ「ふ、ふん! 単位さえ取れればいいの、私は!」
突き放すように言うリナ。変なヤツと思いながらも・・・リナは、心の中で笑顔になっていた。
・・・ ・・・。
あんず「・・・ ・・・」
家の中の窓から、慎吾達が立ち去るのを見守っていたあんず。リナと仲良くしている慎吾の姿を見ながら、胸を押さえている。
守護霊となった江浜は、背後から娘に声をかけた。
江浜「大丈夫。彼とはまた会う日が来る。必ずね・・・」
そう言うと江浜は、ふっと姿を消す。
あんず「・・・ ・・・」
慎吾を見守るあんずの目から・・・
一筋の涙がこぼれた。
(終わり)
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慎吾のスピリチュアル事件簿 First season
「徳川埋蔵金の謎」
長い間、ご愛読ありがとうございました。
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登場人物
【慎吾】
沖縄出身。箱根大学1年・史学部に所属し、文学や歴史を愛する控えめな18歳男子。大学の授業でリナと出会った事をきっかけに、様々な事件に巻き込まれる事になる。江浜から譲り受けたパワーストーンは、後の慎吾の運命を大きく変える。
【リナ】
箱根大学2年・工学部所属。プログラミングを得意とし、簡単なネットセキュリティは突破してしまう。桁の多い数字でも、一目で暗記してしまう能力を持ち、賭け麻雀で生計をたてている。今作で残されたリナの謎は、シーズン2で明らかに?
【江浜】
国内最高の霊能力者と言われ、スピリチュアルカウンセラーの肩書きを持つ。埋蔵金発掘に携わる糸見に娘を誘拐され、仕方なく慎吾をTV局で誘拐する。慎吾にパワーストーンを手渡し、霊能力者として最初の一歩を歩ませた。
【あんず】
慎吾と同い年。江浜の娘で、糸見小太郎に憑いた風魔小太郎の霊に誘拐された。リナに助け出され、後に慎吾等と徳川埋蔵金の謎に挑む。慎吾に霊能力の使い方を最初に指導した人物でもある。慎吾達と風魔小太郎の霊に立ち向かう。
【糸見】(プロデューサー)
【徳川埋蔵金の謎を追え!】の番組プロデューサー。10年越しに番組を復活させ、息子と共に徳川埋蔵金を発掘するつもりだった。鳳(正体は風魔小太郎の霊)の指示に従い、慎吾を誘拐。暴力団との関与が公になり、誘拐事件や発砲事件が発覚。逮捕される事になった。
【糸見小太郎】
プロデューサー糸見の一人息子で、慎吾やリナと同じ大学の授業を取っていた。お笑い芸人の時任マリオや、暴力団の鳳も同一人物。風魔小太郎の霊が乗りうつり、自らの意志を長年封印された。
【風魔小太郎】
北条家に仕え、100年にわたり活躍した忍者集団・風魔一族。その5代目頭領(風魔一族の頭領は、歴代小太郎と名乗るが、本作では5代目頭領として登場)。風魔一族を滅亡に追いやった徳川家と関わりを持つ慎吾を狙う。
【松浦順】
人気アイドルグループ【山嵐】のメンバーの1人。TV局でバッグを盗まれたが、リナの活躍により犯人はすぐに捕まる。そのお礼として【徳川埋蔵金の謎を追え!】の番組収録に慎吾とリナを招待。しかし収録後、慎吾は誘拐される事になる。
※ 登場する個人や団体は、全て架空のものです。
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江浜の死から半年後・・・
リナと慎吾はラーメン屋にいた。
突然リナの携帯から、アイドルグループ【山嵐】のヒットソングの着信音が鳴り響く。
リナ「あ、ちょっとごめん・・・」
外に出たリナは、電話に出た。
リナ「雛? 私だけど?」
声「リナ・・・だな?」
その声は人間の肉声ではなく、何らかの機械を通じての電子音声で、男女の区別すらできない。眉をひそめながら、リナは語気を強めた。
リナ「あんた誰? まさか妹の彼氏ってんじゃないでしょうね?」
声「単刀直入に言う。お前の妹を誘拐した。
1週間以内に1億を用意してもらおう」
リナ「はぁ?」
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事件は突然始まった。
すぐに学校を離れ実家へ向かうリナと慎吾。
リナの父は、世界最高と言われるネットセキュリティの開発者だった。
リナの家族を狙った謎の誘拐犯は!? 4年前に起こった事件との関連は!?
多くの散りばめられた謎の中に、かつてリナの愛したピアニストが見え隠れする。
そして事件は予想もしない大事件へと発展し、多くの命が危機に晒される・・・。
リナの家の周りで起こる連続殺人事件。
過去の殺人事件との関連を洗い出す慎吾。
恋人の残した手がかりを解いていくリナ。
2人はやがて、全く見えなかった犯人の真の目的に近づいてゆく・・・。
そして慎吾は再び・・・壮絶な霊能バトルを繰り広げる。
「いいか!? 俺と君の想い出の中に・・・ 真実はある!」
事件の謎を解く鍵は・・・ モーツァルトの楽曲に存在した。
そしてそこには・・・ 世界を揺るがす事実が隠されていた!?
~ 慎吾のスピリチュアル事件簿 ~
NEXT SEASON 「アマデウスの謎」
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作者です。
この話は小説書き始めて、まだ間もない頃の作品。まぁ、小説形式ではありませんが。
すでに完結済みの【アマデウスの謎】を読んでから【徳川埋蔵金の謎】を読んでも、逆にこちらを読んでから【アマデウスの謎】を読んでも、つながる部分はたくさんあるはず。
実はリナが登場する前の【ホラーハウスの謎】(一応、シーズンゼロの位置づけ予定)もありますんで、おいおい載せる予定です。
でも今度は、哲学者の話を書こうかな? 笑