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徳川埋蔵金の謎  作者: 伊吹 由
第3章  かけひき
32/45

第31話  完全魔方陣

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 慎吾のスピリチュアル事件簿 First season


      「徳川埋蔵金の謎」 


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前回までのあらすじ


2012年4月。大学生となった慎吾は、大学の講義で1つ上の先輩リナと出会う。課題のため、TVSへ訪れた2人は【徳川埋蔵金の謎を追え!】の観客として番組収録に参加した。


収録後、慎吾は黒ずくめの男等に誘拐される。誘拐を指示したのは、番組プロデューサーの糸見。さらに娘を人質に取られた霊能力者・江浜も糸見側につき、慎吾の前に現れた。


リナはTV局に侵入し、慎吾を救出。さらにリナが中心になり、誘拐された江浜の娘・あんずも救出する。逃走するリナと江浜の前に、謎の大男が立ちはだかった。


江浜はリナ達を逃す代わり、身代わりに捕まってしまう。敵とコンタクトをとった慎吾は、江浜とひき替えに徳川埋蔵金を差し出すと言った。


埋蔵金のありかを示したという銅板の謎に挑む3人。とうとうリナが・・・


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   第31話  完全魔方陣


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挿絵(By みてみん)


リナ「いい? この銅板の表は3×3で見るんじゃなくて、4×4で見るの」


慎吾「4かける4?」


あんず「3かける3しか見えないのですが・・・」





5月7日月曜日、午前9時過ぎ。


目を覚ました慎吾とあんずに、リナは埋蔵金が眠っているであろう場所の説明をしていた。


リナ「表に書かれた縦線と横線。

    この交わる点を【格子点】(こうしてん)と言うの。


    この格子点だけ注目したら、実は4×4になってるのよね」


慎吾とあんずは改めて銅板の表を見る。



挿絵(By みてみん)



慎吾「確かに・・・」


あんず「ほんとだ・・・」


リナはパソコンの画面で、銅板の表の地図と裏の図形を重ねて見せた。


リナ「ほら、表の格子点と裏の図形の点が重なるでしょ」



挿絵(By みてみん)



慎吾とあんずは、目を丸くして首を縦にふった。


リナ「だから、この16個の点のどこかに埋蔵金があるとよんだわけよ。

    そうすればあんずちゃんの言ってた・・・


    9分割の正方形の1つだと、広すぎて特定できないってのも・・・

    解決するでしょ?」


あんず「確かに・・・1点なら、ほぼ正確に特定できます」


慎吾「で、では・・・埋蔵金のある1点ってのは!?」


リナ「落ち着いて、ちゃんと説明するから」


そういうとリナは、パソコンの画面に銅板の裏の写メを大きく映し出した。



挿絵(By みてみん)



リナ「まず一番右上の点。これはあんずちゃんが言ってたように・・・

    隣に【宣】、すなわち6代将軍を表す言葉があるから【6】を表す。


    そして右下の点は隣に【光】、つまり3代将軍の表す言葉があるから【3】」



挿絵(By みてみん)



リナは1点1点を指さし、丁寧に解説する。


リナ「3から6へ行く間に2つの点があるので・・・

    これらを順に【4】【5】とする。


    そうすれば、残った点にも全て【1】から【8】と対応させる事ができる」


慎吾「・・・ ・・・」


数字の苦手な慎吾は、少しずつ話についていけなくなる。リナは銅板の表と裏を重ねたものを2人に見せた。


リナ「数字や線は、見やすいように色をつけてあるわ」



挿絵(By みてみん)



リナ「ならば残りの8点・・・【9】から【16】で対応するはず」


あんず「じゃぁ、【16】の対応する点に埋蔵金が?」


リナ「その通り!」


リナは笑顔で返す。


慎吾「で・・・では・・・その【16】の表す点は!?」


リナは人差し指を慎吾の前に差し出した。


リナ「この表の歸藏きぞう図が魔方陣表すって・・・

    あんた、言ってたわよね?」


慎吾「はい」


リナ「そして宝を隠すのに魔方陣が使われるってのも・・・

    珍しくないと言ったわよね?」


慎吾「言いました」


リナ「だから16個の点は、4×4の魔方陣を表すとよんだのよ。

    8個も数字があるから、すぐに残りは計算できたわ」


そう言うとリナは、地図の格子点に【1】から【16】まで対応させた画像ファイルを見せた。



挿絵(By みてみん)

 


リナ「ほら、数字だけ見て」


12  7  9  6

 1 14  4 15

 8 11  5 10

13  2 16  3


リナ「縦、横、斜め、4つの数字の和は全て34になるでしょ?」


あんず「ホントだ」


慎吾は暗算が苦手なので、とりあえず無言で頷く。


リナ「しかもこの魔方陣。

    普通の魔方陣と違って変則的な斜めの和も34になるの。


    7+1+10+16とか、7+4+10+13とかね」


あんずは数字に強いようで、すぐに暗算を始めた。


あんず「角の4つとか、中央の4つとか・・・

     たくさん34になる組合せがありますね」


リナ「えぇ。この魔方陣は特に・・・完全魔方陣と呼ばれるもの」


慎吾「な、何かわからないですけど・・・

    とにかく、この【16】の位置に・・・」


リナは赤いメガネを軽くかけ直し、自信満々で言い放つ。


リナ「えぇ・・・ ここに埋蔵金があるわ!」



挿絵(By みてみん)



3人は地図上の1点・・・【16】の対応する点を見つめた。


慎吾「でも・・・」


ふと慎吾が口を開く。


慎吾「この1点・・・民家のようですが・・・?」


リナの自信に揺らぎはなかった。


リナ「例え民家だろうと、この銅板がさしてるのはここで間違いない。

    色んな可能性を考慮し、パターンを論理的に解析したけど・・・


    ここ以外考えられない!」


慎吾もあんずも、リナの自信に感化される。


慎吾「わかりました。銅板の謎は解けたわけですね」


あんず「・・・。またあのおおとりという人に・・・電話を?」


リナは首を横にふる。


リナ「まずは私たちで確認しないと」


慎吾「そうですね・・・ すぐ行きましょう。

    あ、でもリナ先輩徹夜でしょ?」


リナは再度首を横にふった。


リナ「全然眠くない。今すぐ出ましょう!」


あんずの肩に手を置いたリナが力強く声をかける。


リナ「必ずお父さんは助けるわよ!」


あんず「は・・・ はい・・・」


リナの真剣な眼差しに、あんずは涙目で深く頷いた。



3人はすぐに支度をして、ホテルをチェックアウトした。


そして・・・ 赤城山に向けて出発した。




              (第32話へ続く)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回予告


銅板の示す1点に向かって3人は出発。


銅板のさす1点、半径100m以内の地点までたどりつくが・・・

ふと慎吾は何かに導かれるように【とある場所】に向かって歩いて行く。


そしてたどり着いた先には・・・



次回 「 第32話  行くべき場所  」

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