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徳川埋蔵金の謎  作者: 伊吹 由
第1章  慎吾とリナ
1/45

第0話  始まり

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 慎吾のスピリチュアル事件簿 First season


      「徳川埋蔵金の謎」 


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     第0話  始まり  


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

20年前……。


「糸見さん! 第一子である息子さんのご生誕! おめでとうございます!」


TVSのとある一室。TVリポーターや芸能リポーター、新聞記者、TVカメラマン……20数名の報道陣が一人の男を囲んでいる。


糸見

「あぁ、ありがとうございます!」


報道陣の中心…晴れやかな笑顔でインタビューに応じる男。当時の日本を代表するコピーライター、そして作家でもある糸見だ。


TVカメラがアップで糸見の顔を捉える。


糸見

「おかげさまで昨日の夜。息子を授かりました。

 ついに僕もパパとなりました! ありがとうございます!」


短髪で端正な顔立ち。特徴である細目はたれ目になり、終始口元のゴムが緩んだがごとくニヤニヤとしている。


「結婚からちょうど1年。

 産まれたばかりの息子さんのご様子をお聞かせください!」


一人の芸能リポーターが糸見のニヤけた口元にマイクを近づけた。


糸見

「えぇっと……。そうですね。

 妻の陣痛から出産までわずか2時間という超安産でした。


 息子は……そうですねぇ、口元は妻に似てかわいらしいんですけど。

 まぁ、正直顔は……猿でした」


報道陣がどっと笑う。


「出産時の息子さんの体重はいくつでしたか?」


今度は別のベテラン女性リポーターが糸見にマイクを向けた。


糸見「4260gです」


報道陣から「おーっ」という深い歓声が沸き起こる。


「これはもう、産まれた時から元気なお子さんという感じですね」


糸見

「えぇ。僕と違って、大物になりそうな予感がしますねぇ」


その言葉に報道陣はまたしてもどっと笑った。


「息子さんのお名前はもうお決まりになりました?」


3人目のリポーターが糸見にマイクを向けた。


糸見

「えぇ。産まれる前はね、日本男児らしく【太郎】にしよう!って決めてたんですが……」


「違うお名前に?」


糸見

「息子がね。その名前では『イヤだ』ってはっきり言うんですよ」


3度目の笑いが報道陣を襲う。


「赤ん坊の息子さんが、太郎という名前を拒否した?」


糸見

「えぇ。あ、信じてないでしょ!ホントなんですよ!

 太郎って呼んだら、すぐ大泣きするんです」


「では、まだお名前は思案中という事ですか?」


糸見

「いや。決めました。実は色々な名前で息子を呼んでみたら……

 1つだけ、息子が笑顔になる名前がありましてね」


「なるほど。反応したその名前を、息子さんに名付けたわけですね?」


糸見

「えぇ、その通りです」


「では……是非、息子さんの名前を!」


今まで以上に多くのリポーターが糸見にマイクを近づける。


糸見

「えぇっと。ほら、ちょっと大きめに産まれてきた子ですからね。名前は……」


カメラを確認した糸見。そしてカメラマンも糸見をアップにしたその瞬間……


会見を放映していたTVSのワイドショーがCMを流し始めた。

TVではよくある、重大発表前のCMである。


1分半ほどのCMが明けると、先ほどの会見の続きが放送された。


「是非、息子さんの名前を!」


今まで以上にリポーターがマイクを糸見に近づける。


糸見

「えぇっと。ほら、ちょっと大きめに産まれてきた子ですからね。名前は……」


全ての始まりは…… 


ここからだった……。


(第1話へ続く)

順番が前後しますが、【アマデウスの謎】の前作になります。【アマデウスの謎】を読んだ後で、こちらを読むと・・・色々な接点があり、楽しめるかと思います。ちなみに50話足らずで終了する予定なので。

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