表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された万能薬師は、隣国の冷徹皇帝に溺愛される  作者: La Mistral
第2章:隣国での「普通」が「異常」な無双

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/47

第9話:崩壊する王国と、王子の焦燥

お読みいただきありがとうございます。

累計800PV突破、本当にありがとうございます!

第9話は、帝国で幸せを掴みつつあるエルサとは対照的に、破滅へと突き進む王国の様子をお届けします。

自分のしでかしたことの大きさにようやく気づき始めた王子の、醜い足掻きをお楽しみください。

「——何だと? 門前払いされただと!?」


王国の豪華な会議室に、カイル王子の怒号が響き渡った。


命からがら逃げ帰ってきた使者たちは、床に額を擦り付け、ガタガタと震えている。


「は、はい……。アステリアの皇帝、ゼノスが自ら現れ、『エルサに触れたければ帝国軍すべてを相手にしろ』と……。あの恐ろしい魔圧、あれは正気ではありません……!」


「黙れ! たかが小娘一人のために、帝国が本気で戦争を仕掛けるはずがないだろう! 脅しだ、ただのハッタリに決まっている!」


カイルは机を激しく叩いた。


だが、彼の強がりとは裏腹に、王国の現状はもはや「ハッタリ」で済むレベルを超えていた。


窓の外を見れば、かつて「聖女の奇跡」と謳われた美しい王都の街並みは、どす黒い霧に包まれている。水源の腐敗は止まらず、民衆の間では「本物の聖女様を追い出したバカ王子」という噂が、止めようのない勢いで広まっていた。


「カ、カイル様ぁ……。もう、私の魔力じゃ抑えきれないわ……」


隣で新聖女のアリアが、ひび割れた水晶玉を抱えて泣きべそをかいている。


彼女の自慢だった金髪は、浄化作業のストレスでバサバサになり、かつての面影はない。


「うるさい! 役立たずめ! エルサなら、鼻歌まじりにやっていたことだぞ! なぜお前にはできないんだ!」


「そんなこと言ったって……! あの女が異常だったのよぉ!」


カイルは奥歯を噛み締めた。


(認めない……。あんな地味で、俺の顔色ばかり伺っていた女が、この国の生命線だったなどと……!)


だが、現実は残酷だ。


その時、血相を変えた騎士が飛び込んできた。


「報告します! 国境の砦が、突如として出現した魔物の大群により陥落! さらに、アステリア帝国側から『国交断絶』の親書が届きました!」


「……なっ、国交断絶……!?」


カイルの顔から血の気が引いた。


アステリア帝国は、この大陸最大の資源大国であり、軍事国家だ。


そこからの支援が途絶え、さらに魔物の侵攻が始まれば、この国は一ヶ月も持たずに地図から消える。


「エルサ……。あの女さえ、あの女さえ戻れば……!」


カイルの瞳に、狂気じみた執着が宿る。


彼はまだ理解していなかった。


自分たちが捨てたのは単なる「薬師」ではなく、一国の運命そのものだったということに。


そして、今のエルサはもう、王子の声など届かないほど、温かな「皇帝の腕の中」に守られているということに。

ついに「国交断絶」まで踏み切ったゼノス皇帝。

王国側はもう後がありませんね。

次回、エルサが「帝国の聖女」として公式に認められる、華やかな夜会の幕開けです!

もし「王子、もっと困ればいいのに!」と思った方は、ぜひブックマークや評価【☆☆☆☆☆】で応援してください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ