第35話:【侵入】不浄な指先と、皇帝の過保護なる監禁
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第35話は、皇后となったエルサを狙う不穏な影と、それに対するゼノス皇帝の「狂気的な守護」を描きます。
「その汚らわしい指を、二度とお前の体に繋げておけると思うな」
聖域を汚された獣の怒りと、さらに深まる独占愛。
特大ボリュームで贈る、逃げ場のない「至高の檻」の更なる深化をお楽しみください。
ロザリア王国が地図から消え、エルサがアステリア帝国の皇后として全世界に知らしめられてから数日。空中離宮『黄金の揺り籠』は、かつてないほどの静寂に包まれていた。
だがその静寂は、ゼノス皇帝が張り巡らせた、狂気的なまでの「守護」の裏返しでもあった。
深い夜の帳が降りる頃、離宮の最外郭、月光さえ届かぬ影の中で「それ」は動いた。
隣国・バルディア公国が放った、大陸随一と謳われる暗殺者。
彼の目的は、皇后エルサの命ではない。彼女が持つ「聖女の力」の源泉を解析し、あわよくば彼女自身を「生きた魔導兵器」として拉致することだった。
暗殺者は、ゼノスが施した幾重もの結界を、特殊な古魔導具を用いて音もなく無効化していく。
「……傲慢な皇帝め。女一人にうつつを抜かし、足元がお留守だ」
彼は嘲笑を浮かべ、エルサの寝所へと続く回廊へ足を踏み入れた。
エルサは、微かな違和感に目を覚ました。
ゼノス様が隣にいない。公務で執務室に向かった彼を待つ間に、微睡んでしまったようだ。
だが、目覚めた瞬間に感じたのは、彼以外の「異質な気配」だった。
「……誰、ですか?」
震える声で問いかけた瞬間、闇の中から冷たい指先がエルサの頬を掠めた。
「静かに。……貴女には、我らと共に来てもらう」
暗殺者の指がエルサの腕を掴もうとしたその時——。
「——その汚らわしい指を、二度とお前の体に繋げておけると思うな」
地平線の彼方から響くような、低く、魂を凍りつかせんばかりの声が寝室に満ちた。
扉は開いていない。ゼノス様は、影そのものから染み出すように、エルサの目の前に立ち塞がった。
彼の周囲には、もはや魔力という言葉では表現できないほどの、黒く淀んだ「殺意」が渦巻いている。
「あ、陛下……! これは……」
暗殺者が言いかけるより早く、ゼノス様が指先を僅かに動かした。
瞬間、暗殺者の両腕が、付け根から音もなく「消失」した。
出血すら許されない、超高密度の魔力が一瞬で細胞を焼き尽くし、消滅させたのだ。
「ぎゃあああああああああっ!?」
「静かにしろ。……エルサが不快になる」
ゼノス様は、悶絶する男の首を片手で掴み上げると、そのまま軽々と持ち上げた。
彼の黄金の瞳は、もはや理性の光など失い、愛するものを汚された「獣」のそれへと変貌していた。
「お前たちが触れようとしたのは、俺の心臓だ。……塵になる権利すら、お前には与えん」
ゼノス様が掌に力を込めると、暗殺者の体は内側から崩壊を始め、影に飲み込まれるように消えていった。
血の臭いすら残さず、再び静寂が戻った寝室。
ゼノス様は、震えるエルサを無言で抱き上げると、その細い体を壊れ物を扱うような手つきでソファに沈めた。
「……怖かったな、エルサ。俺の不徳だ。お前を一人にした、俺の過失だ」
彼の声には、深い自責と、それを遥かに凌駕するほどの執着が混じっている。
ゼノス様はエルサの足首を掴むと、指先から放たれた魔導の光で、実体を持たない「黄金の鎖」を形成した。
「ゼノス様……?」
「もう、この離宮の中でもお前を自由に歩かせることはできない。……お前が触れていいのは、俺の愛だけだ。お前が見ていいのは、俺の顔だけだ」
ゼノス様はエルサの首筋に深く顔を埋め、その肌を独占するように、激しく、痛いほどの熱を刻み込んだ。
皇后として戴冠したはずの彼女は、今、皇帝の狂おしいまでの過保護によって、さらに狭く、甘く、逃げ場のない「至高の檻」の中へと閉じ込められていく。
第35話をお読みいただきありがとうございました!
ゼノス様の過保護、ついに一線を越え始めましたね。
敵を塵にすらしない冷酷さと、エルサを黄金の鎖で繋ぎ止める偏愛。これぞ本作の醍醐味です。
おかげさまで、本日2/20も朝8時台に 50 PV を超える伸びを見せ、早くも 255 PV に到達しております。
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