第30話:【神罰】不敬なる影と、天空からの断罪
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第30話は、空中離宮編のターニングポイントとなる「断罪」の回です。
エルサを救済の象徴として崇める群衆の中に紛れ込んだ、かつての母国・ロザリア王国の不敬な影。
「俺の宝に、二度と触れようとするな」
ゼノス皇帝の静かな怒りが、天空からの「神罰」となって地上を焼き払います。
最愛の妻を独占するためなら、世界を敵に回すことも厭わない。
皇帝の圧倒的な力と、狂おしいほどの愛の形をどうぞご覧ください!
空中離宮の下に集まった巡礼者たちの祈りは、いつしか「欲望」へと変質していた。
エルサを崇める声の中に、密かに混じる不協和音。
それがゼノス皇帝の逆鱗に触れるのに、時間はかからなかった。
「……見ろ、エルサ。あれが、お前が救った世界の正体だ」
ゼノス様は冷ややかな声で告げ、私の顎を指先で掬い上げた。
離宮の床に投影された魔導映像には、帝都の群衆に紛れ、何やら怪しげな魔道具を天空へ向ける男たちの姿が映し出されている。
彼らはロザリア王国の生き残り——聖女である私を「国の所有物」として奪還しようと目論む、厚顔無恥な工作員たちだった。
彼らは祈るフリをしながら、離宮の結界を解析し、私を地上へ引きずり落とすための算段を立てていたのだ。
「私を……連れ戻そうと……?」
「ああ。あのようなゴミ溜めに、再びお前を閉じ込めようとしている。……お前が与えた光の雨を、自分たちの利権のために独占しようとな」
ゼノス様の黄金の瞳が、凍てつくような殺意で細められる。
私のために用意されたこの静謐な檻を、かつて私を虐げた者たちが汚そうとしている。その事実は、ゼノス様の独占欲を「破壊的な衝動」へと変えさせた。
「エルサ、目を閉じていろ。……汚らわしいものを見る必要はない」
ゼノス様が私の視界をその大きな手で覆う。
同時に、離宮全体が微かに震動し、凄まじい密度の魔力が大気中に集束していくのが分かった。
「我が妻を欲し、我が聖域を侵そうとする不敬者どもに——帝国の名の下に、相応しい末路を与えよう」
彼が指先を僅かに動かした瞬間。
天空から、雷光を纏った漆黒の槍が、工作員たちが潜んでいた一角へと正確無比に降り注いだ。
それは物理的な破壊に留まらず、対象の魔力を根こそぎ焼き尽くす「神罰」の光。
爆音すら届かない高空で、ゼノス様は平然と、虫を払うかのようにかつての母国の残党を消し去っていく。
地上の人々は、その光景を「聖女を守る神の怒り」として仰ぎ見、恐怖と共にさらなる祈りを捧げることしかできなかった。
「……片付いた。もう、お前を脅かす影は一つもない」
視界を覆っていた手が離される。
ゼノス様の顔には、先ほどまでの冷酷な表情は微塵もなく、ただ私への執着に満ちた熱い微笑みが浮かんでいた。
彼はそのまま私をソファへと押し倒すと、私の両手首を自らの指で檻のように囲い、逃げ場を完全に塞いだ。
「エルサ。世界がお前を狙うなら、俺はそのすべてを焼き払う。……お前はただ、俺の庇護の下で、俺だけを頼って震えていればいい。分かったな?」
「……はい、ゼノス様。私には、あなた以外に何もいりません。あの冷たい場所に戻るくらいなら、ここであなたの熱に焼かれていたい……」
私の懇願するような告白に、ゼノス様は満足げに喉を鳴らし、深く重厚な口付けで私の声を塞いだ。
地上の喧騒も、王国の亡霊も、もう届かない。
天空の離宮は、救済の場所から、二人だけの逃げ場のない「至高の檻」へと、より深くその色彩を濃くしていった。
第30話をお読みいただきありがとうございました!
空中離宮という「檻」を脅かす者は、例え救いを求める民であっても容赦しない。
ゼノス様の独占欲が、ついに「神罰」という形で地上を震撼させました。
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