プロローグ
これは4人のシナリオライターが異世界ゲーム世界の破滅を阻止する物語です。
物語は乙女ゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲームの順で進んでいきます。
乙女ゲームは断罪を回避する内容です。
シミュレーションゲームは国内外の問題を解決する内容です。
ロールプレイングゲームは魔王を討伐する内容です。
主要人物:レアル・フロイト公爵令嬢、セレス・アプリコット男爵令嬢、カルラ・ブリュッセル、羽生悲喜盛。
投稿は不定期です。
とある異空間にシナリオ神達が集結した。
「今回の転生者と転移者は『異世界で破滅を阻止しよう』のシナリオライター4人が選ばれた」
「黒崎麗子はどのキャラに転生させれば良いと思うかね」
「やはり筆頭悪役令嬢のレアル・フロイトですよ」
「賛成よ」
「同意に決まっている」
「同感だ」
「当然であるな」
「それではレアル・フロイトに決定する。そして死亡方法はくじ引きで決める」
シナリオ神イッカがくじを引いた。
『コンビニ強盗による刺殺』
「神代瀬名は誰に転生させるかね」
「悪役令嬢のサニー・ドンクですよ」
「悪役令嬢のネアカ・ネクロよ」
「悪役令嬢のクロエ・リストに決まっている」
「ヒロインのセレス・アプリコットだ」
「セレス・アプリコットであるな」
「それではセレス・アプリコットに決定する」
『飲酒運転による交通事故』
「勇坂香織はどうするね」
「カルラ・ブリュッセルですよ」
「リメル・ロザリオよ」
「ザクロ・バンカーに決まっている」
「メリット・シフォンだ」
「カルラ・ブリュッセルであるな」
「それではカルラ・ブリュッセルに決定する」
『飛び降り自殺者の巻き添え』
「羽生悲喜盛は」
「筆頭攻略対象のラドロフ・ル・ラグリットですよ」
「攻略対象のパワード・リタイアよ」
「攻略対象のセイヤ・パンクに決まっている」
「攻略対象のマジック・スリップだ」
「隠れ攻略対象のベルモンド・ラ・ルトランティスであるな」
「意見が完全に別れたので、羽生悲喜盛は転移させる。全ては我々の娯楽の為に乾杯」
「「「「「全ては我々の娯楽の為に乾杯」」」」」
シナリオ神達は娯楽に飢えていた。
異世界ゲーム『異世界で破滅を阻止しよう』完成祝いの宴会は盛り上がっていた。
「ようやく納期までに完成させたな」
「ギリギリでしたけどね」
「徹夜続きだったから、暫く有給を取りまくってやる」
「私もです」
「レコリン、セナリン、呑んでますか」
「呑んでるわよ」
「呑んでいますよ」
「どれどれ、確認させて頂きます」
「息の匂いを嗅ぐな」
「香織、顔が近いですよ」
「セナリン、カオリンと呼んでくれと何度言わせるんです。罰としてお仕置きします」
「胸を揉まないで下さい」
「いい加減にしろ、香織」
「い、痛いじゃないですか。パワハラで訴えますよ」
「アンタ、酒を呑んだわね」
「貴女は未成年でしょう」
「私は18歳ですから、立派な成人ですよ」
「酒は20歳になってからだ」
「だから貴女は呑んでは駄目なんです」
「そうなんですか。知りませんでした」
「惚けるな」
「誤魔化さないで下さい」
「それより4人目のシナリオライターは来ていないのですか。会いたかったのに、とても残念です」
「そういえば来ていないな。私も会ってみたかったな」
「彼は宴会には絶対に来ませんよ」
「盛り上がっているが、そろそろ時間だ。お開きにする」
幹事がお開きにすると告げた。
「レコリン、セナリン、もう1軒呑みに行きましょう」
「お断りだ」
「遠慮します」
「2人共、冷たいです」
「寄り道しないで帰れよ、香織」
「香織、ナンパしては駄目ですよ」
「どうして私にだけ注意するんです」
「「日頃の行い」」
「2人共、酷いです」
「それじゃな」
「失礼します」
(コンビニに寄って、酔い覚ましの缶コーヒーでも買うか)
黒崎麗子はコンビニに入り、缶コーヒーを手に取った。
「金を出せ」
(コンビニ強盗か)
麗子は持っていた缶コーヒーをコンビニ強盗に投げ付けた。
「い、痛えな。てめえ、何しやがる」
「おい、強盗なんて馬鹿な事をしてんじゃない」
「うるさい、死ね」
麗子は包丁で腹を刺されてしまった。
「警察を呼べ」
「それより救急車だ」
(このまま死ぬのか。有給取れなかったな)
病院に緊急搬送されたが、麗子は出血多量で死んでしまった。
(少し酔ったけど、運転しても問題無いですよね)
神代瀬名は飲酒運転をするつもりだ。
「え〜と、アクセルはこっちで、ブレーキはそっちでですよね」
(あれ、アクセルとブレーキを踏み間違えたみたいです)
車は急発進してしまい、猛スピードでガードレールに突っ込んだ。
(意識が途切れそうです。このまま死ぬのでしょうか)
瀬名は交通事故で、呆気なく死んでしまった。
「お姉様達、呑みに行きましょう」
勇坂香織は2人の大学生をナンパしていた。
「しつこいわね」
「貴女、未成年よね」
「私は成人です」
「嘘を付くな」
「どう見てもJKじゃない」
「飛び降り自殺だ」
「早く避けろ」
(・・・何が起きたの)
香織は自殺者と衝突してしまい、そのまま即死した。
(確か今日は宴会だったな。ブリっ子の神代瀬名は噂の腹黒御局の黒崎麗子やセクハラJKの勇坂香織と楽しく呑んでいるんだろうな。・・・そろそろ寝るか)
羽生悲喜盛は自室で就寝した。




