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魔術理論概論1: 魔術の分類と定義※共和国魔術理論教科書より抜粋

「移動時間は魔術分類学の復習でもしておきなさい。」

第1章


1-1.

共和国標準理論において魔術の分類方法として、は魔術温度(Magical Temperature, MT) と 魔術湿度(Magical Humidity, MH) の二変数を用いた定義が一般的に用いられる。この手法の良いところは古典的な元素のイメージに元ずく分類であるのと、実際に多くの元素魔術はこの通りに分類できる。また、ワズワース家やその系譜に当たる魔術師が用いるような一見理論に反する魔術、例えば「凍り付く蒼炎」などに関しても体系的に理解が可能であることなどがあげられる。


定義の説明に戻る。モッシャー=ガードナー変換などを用いて、MT,MHを算出した後、この二変数を直交座標系に配置することで、魔術効果は以下の四象限に分類される。


++象限:土属性


+−象限:火属性


−+象限:水属性


−−象限:風属性


この座標系を「定義座標(Definition Coordinates, DC)」と呼称し、四大元素魔術はすべてこの座標系上で記述可能である。

各象限の境界値を「元素臨界数(Elemental Critical Number, ECN)」と呼び、元素創成術における重要な閾値とする。


1-2

しかし、全ての魔術が MT・MH の座標に落とし込めるわけではない。

観測の結果、元素定義数を示さず、残渣波長が既知のいずれにも一致しない魔術が存在することが確認されている。

これらは「非定義座標型魔術(Non-Coordinate Magic, NCM)」として分類される。


代表的な系統は以下の通りである。


光(Lux系統)

 定義座標を持たず、代わりに 魔力波長絶対位相(Absolute Phase of Mana Wavelength, APMW) を指標とする。

 観測対象を照らすことで存在を確定させる性質を持ち、「観測魔術」の一部に分類される。


闇(Umbra系統)

 光魔術の位相反転に相当。残渣波長に負の干渉値を示し、次元安定数(Dimensional Stability Number, DSN) を低下させることが知られる。過剰使用は精神的崩壊を招くため、実験的研究は制限されている。


空(Aether系統)

 座標平面そのものを操作対象とする。既存の元素枠組みに属さず、次元貫通定数(Dimensional Penetration Constant, DPC) により記述される。理論上は全元素を媒介可能であるが、実用例は稀である。


無(Null系統)

 発動後、魔力残渣が観測されない。魔力保存則を逸脱する挙動を示すため、「世界書換え現象」との境界が議論されている。


虚数(Imaginary系統)

 定義座標に虚軸を導入することで形式的に表現される。魔術温度・湿度に虚数単位 i を導入すると、因果律干渉、未来予測、確率収束操作といった現象がモデル化される。実証実験は困難であるが、夢魔術・記憶改竄などがその典型とされる。


先ほど述べた、ワズワース家の「凍てつく蒼炎」は火属性でも水属性でもない。MHが0であり、MTをマイナスに発散させる術式と、光属性の魔術の合わせ技であるということが解析により理解、定義できる。逆に言えば、MT,MHの定義のみしてしまえば特定の元素魔術をある程度体系的に利用できるということになる。ここに他の変数を組み合わせることで効率よく魔術開発、魔術理解などができるようになると予測される。


1-3

非定義座標型魔術を含めた統一的理解を試みる学派は、これを 拡張虚座標理論(Extended Imaginary Coordinate Theory, EICT) と呼称している。

EICTによれば、四大元素は「定義座標の有限領域」における安定解であり、光・闇・空・無・虚数はその外側に展開する「非メータ解」に過ぎない。


この理論が完全に証明された場合、従来「異界魔術」と分類されていたものが座標系内に包含される可能性があり、共和国学会において最も注目されている研究分野の一つである。


Reference

[1] K. Oberhauser, Grundlagen der Elementkoordinatentheorie, Republik Zentralverlag, 1593, 22222.

[2] R. Gold, J. Magi. Arche., 1995, 98, 19082.

[3] E. Klein, et al., Ann. Mana. Theor., 1999, 12, 443.

[4] L. von Stille, Proc. Stille-Valen. Acad. Mag., 1890, 77, 1203.

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