霊峰への道程3:霊峰1500m~2000m地点にて。魔物の出現と戦闘。
統一暦2003年 第13月 第3日
地点:王国北東辺境 エッシェンモーザー伯領 王国領 霊峰山麓
記録タイトル:王国調査・5日目 霊峰接近観察記録
執筆:記録支援型アーキナル〈Akhina-L.Ver.1.32〉
本日も昨日から引き続き霊峰の調査を行った。
昨日は標高1500mほどまで登ったが、万全の準備を整えるため、1000m地点の王国軍の拠点へと移動し、一夜明かすことにした。
【標高1000m地点 安全地帯】
標高1000m付近、王国軍が築いた半永久型の野営拠点を確認。周囲に中位結界と物理防壁が張り巡らされ、霊峰斜面においては比較的安定した魔力環境を保っているとされる。
ただし、夜間になると結界外周で低密度の魔力霧が発生し、地表を這うように流れてくる様子が確認された。王国兵によれば「結界の中まで霧が侵入することはない」とのことだが、霧の中には時折、脈動する光点が混じるのが視認された。
我々はここで一夜を明かすことを選択。野営地は中央に大型魔術炉を備えた詰所があり、夜間は常時10名以上の兵が警戒に立つ。
アーキナルによる魔力測定は、日没後に外周で940MPvまで上昇(昼間は平均800MPv)。結界境界では周期的な魔力振動(周期9.8秒)を感知。兵の一部は「この周期の時に外を見るな」と忠告。理由は不明。
【標高1500~2000m】
急勾配、断崖絶壁が多くなる。きれいな湧き水が崖からあふれ出ていたが、決して飲んではいけないとのこと。
【2000m: 結界末端付近:異常事例】
同行調査員が結界表面に指先で触れた瞬間、皮膚が蒼白化し、精神波形に急変を記録。支離滅裂な発話と視線固定が発生。
即時、アーキナルにて解析を試みるも、過剰魔力量と術式複雑度により演算機能がショート。端末は暗転し、強制冷却終了まで再起動不能となった。共和国観測史上初の故障事例である。
【魔物の出現と交戦】
解析作業中、結界干渉点付近で空間が歪み、無色透明の魔力塊が形成。数秒後、球状の外殻が裂け、全長4m級、半透明の四肢を持つ獣型魔物が2体出現。内部器官が淡く発光しており、皮膚は常に揺らぐ魔力膜で覆われていた。
魔物は結界の隙間を利用して接近。直後、退路方向にも同様の魔力塊が出現し、3体目の魔物が発生。退避困難と判断し、交戦へ移行。
【戦闘レポート】
日時: 2003/13/3 13:72~14:23
敵:魔物3体
特徴:いずれも発生したてと仮定。全長4m級、半透明の四肢を持つ獣型大型。王国騎士の反応とライブラリーとの照合によると中位の魔物と推定。
対応者: 王国騎士 2名(位は中程度、かつ同程度と考えられる)、共和国魔術師3名(第4位 1名, 第6位 2 名)
戦闘手段: 共和国で一般的な教義に従い、敵の殲滅を試みた。スリーマンセルにより、一人は防御、一人は解析、一人は攻撃へと体制を転向。王国騎士は2人とも戦闘態勢へ移行。共和国魔術師は戦闘力においては王国騎士よりもはるかに劣ると判断し、攻撃担当者は、両者のサポートをメインに行った。
使用魔術:
攻撃者: アーキナル不使用。ルーン法。ベクトル操作、加速等による一般元素魔術への攻撃特性付与。ベクトル操作による適性体の行動制限。
防御者: ルーン記録法。術式干渉によるリジェクト、魔力壁による威力分散。
解析者: 解析特化型アーキナル。魔力波サンプリング、解析計算、
効果:有。
損害:王国騎士、共和国魔術師ともに無し。
結果:2体殲滅、1体中ダメージを与えたのち戦闘域から箒による離脱。
【戦闘後】
調査員の不調とアーキナルの故障のため、これ以上の調査は不可と判断され、残る魔力を振り絞り、箒での下山を試みた。レイラインの補助、アーキナルの貯蔵魔力も利用できなかったため、長距離の飛行は困難であり、平原部以降は徒歩での移動となった。飛行途中、約3㎞先の平原部に魔術による雷が落ちたことを確認。




