ハンバーガー問題
「この小説、会話だけで作られてるらしいよ」
「マジか。それは…えらい挑戦的だな」
「ね。しかも、基本的に話ごとの繋がりがないから、一話一話が独立してるらしい。つまりどっからでも読んで良いってことだね」
「……つまり、一話一話が薄っぺらいってことか?」
「……それは言わない方がいい。作者に消されるぞ」
「それで消されたらお前、作者が認めたようなもんじゃねぇかよ笑」
「確かに笑 じゃあ消えろ」
「え? なにーー」
「これでよしっと」
「水とってきたよ~」
「ありがとー」
「よっ、こらっ、しょっと!」
「おばあちゃんかよ笑」
「うるさい笑」
「……にしても人多くない?」
「お昼だからね~。こりゃかなり待つかも」
「えーお腹空いた~! 早く食べた~い」
「騒ぐな。弱く見える」
「なにそれ。ってうわ、あの人チーズバーガー食べてる……」
「うわ~、食べて~」
「えそっち?」
「ハンバーガーはパンの中でも神みたいな存在だかんな~」
「てかふと思ったんだけどさ、ハンバーガーってパンだと思う?」
「……どうした。ついにボケたか」
「いや、なんか違和感ない?」
「ないでしょ」
「じゃあさ、もしあんたがさ、パン買ってきて~って私に言ってさ、私がハンバーガー買ってきたらどう思うよ」
「サイコーじゃん」
「この脳ミソバーガーが……例えミスった~」
「脳ミソバーガークソ不味そうでウケる。生肉とか挟んでんだろうな~」
「う……食べる前にキモい想像しちゃったんだけど。最悪~。じゃなくて。じゃあさ、あんパン、食パン、カレーパン、ハンバーガー、が並んでるとこ想像してみ?」
「頭入れ替わるヒーローみたいな配置だな」
「どう? ハンバーガーだけ仲間外れ感あるでしょ?」
「いや、なんかズルくね? ハンバーガー以外はパンってついてるじゃん」
「全く、注文が多い子だね~」
「一つしかしてないけどな」
「じゃあ……クロワッサンでも並べれば満足?」
「なんでそんな嫌々なん?」
「あんパン、食パン、カレーパン、ハンバーガー、クロワッサンがあります。仲間外れはどれですか!」
「ハンバーガーだな」
「そう! そのと――」
「ハンバーガーだけ神レベルにウマい!」
「ち、がーーーう!!」
「イッテ!」
「どう考えても! ハンバーガーだけ! パンっぽくないでしょって!」
「なんでそんなガチなんだよ……意味わかんねぇし。じゃあ分かった。調べてみよう」
「それは、違うじゃん」
「なにが違うの」
「これは私たちの問題だから! 関係ない人の意見なんてどうでもいいの!」
「私たちという所に異議を唱えつつ言わせてもらうけど、ネットには専門家の意見もあるから参考になると思うよ」
「でたよでた! これだから最近の若者は! すーぐにネットを信用するんだから!」
「あんたも若者でしょ」
「そういう細かいことはいいの!」
「ハンバーガー問題の方が細かいことだと思うけどね」
「あー。聞こえなーい」
「コイツ! 物理的に音を遮断してやがる!! ってなにやってんのよ……。あ、呼び出し音鳴った」
「待ってました! わーい!」
「はやっ!」
「おー! 美味しそ~」
「お箸いる?」
「そりゃいるでしょ。ハンバーガーじゃあるまいし、ラーメン手掴みでいったらヤバすぎるでしょ」
「読んでくれてありがとう!」
「ございました!」