ーグリムノーデンのダンジョン10ー
今週もいつも通り20時に投稿していきます。
「ふぅ、グレーウルフがこんだけいたら魔法使っても一苦労だよ。
アロー系の多重発動だったらもっと楽だったかな?」
〈うん?今回も良く動けていたぞ、問題ないのじゃよ。
苦か楽なら苦になる戦い方じゃろうけど、それも経験には必要なのじゃ。
そうじゃのう、アロー系の魔法なら1体につき10本計算で60本くらい同時に打てれば倒せたかもな〉
「そっか、そんなに必要ならまだ足りないね。
今はまだ40本くらいしか同時に出せないし、40本のウォーターアロ―を精密には動かせないしね」
〈そうじゃのう、次はそれでグレーウルフを倒してみるのも良いかもしれん。
アロー系の魔法でダメージを与えてランス系の魔法で止めを刺せば今回の戦いより危なげなく倒せるじゃろうしのう〉
ユーグたちは戦闘が終わってすぐに次の戦闘への話し合いを行う。
「うん、わかった。
じゃあ移動しようか」
魔石を拾いユーグたちは再び次の階層への階段を探し始める。
・・・
ユーグたちがグレーウルフと再び遭遇したのは2回ほど魔物と遭遇、戦闘を行った後であった。この階層の魔物はグレーウルフ以外には余裕を持って戦えるため危なげなく勝利を治め、魔石を回収する。その戦闘を2回ほど終えた後、グレーウルフの魔力を見つけたユーグたちは視認できる距離まで近づき、グレーウルフと確認する。
「うん、グレーウルフだね、数は5体か。
とりあえずさっき話してたアロー系の多重発動でやってみるね」
〈次の魔法の準備も忘れるんじゃないぞ〉
「わかってるよ、ブラブ行くよ。
ブリューもこっちに来るグレーウルフがいたら、それの対処お願い」
「ゴブ!」 「ぐるぅ!」
「よし、じゃあ行くぞ!
……ウォーターアロ―×40!」
「ゴブ!……ゴブブ×10!」
ユーグとブラブの前に水の矢と闇の矢合わせて50本が出現した。多量の魔力の気配にグレーウルフたちも気づき、臨戦態勢に変わる。50本の魔法の矢はそのグレーウルフに向け一斉に飛ぶ。
「「「「「キャァァイィン」」」」」
グレーウルフたちはその矢を避けようと身体を激しく動かし回避行動を取るが、50本もあれば避けるのも難しく、その身に突き刺さる。しかしその50本全てがグレーウルフに当たったわけではなく、いくつかははずし致命傷にならなかったグレーウルフが2体ほどいた。
「2体だけ残っちゃったね。
でも何本かは刺さってるから動きは鈍いよ。
今のうちに……ウォーターランス×2」
ユーグの前に水の槍が現れる。その槍は真っすぐと傷ついたグレーウルフに向かって飛ぶ。
「「キャイィィ……」」
魔法の矢でダメージを受けていたグレーウルフたちはユーグが操る水の槍を避けることはできず突き刺さる。先に魔法の矢が当たっていたグレーウルフ同様黒い霧へと変わり魔石を残す。
「ハァ~、全部当てようと思ったけど、外しちゃったよ」
〈あれだけ動かれれば全部当てるのは難しいじゃろ。
それにアロー系の魔法はすぐに具現化、放出できるのが特徴じゃからな、そこまで操作にこだわるより、どこまで一気に具現化できることに注力したほうがいいぞ〉
アロー系の魔法は低級の魔法であり、消費する魔力が少ないものであった。扱う魔力が少ないため魔力操作に秀でているものならアロー系の具現化も一瞬で行えることができ、保持魔力が多ければ同時に出せる魔法も多くできる。そのため精密な操作をして確実に当てるというより、数で勝負する方がよいとソタは言う。
「そうなんだ、でもちゃんと操作して当てられるなら当てた方が良くない?
威力も魔力を込めれば上がるし」
〈それならアロー系の魔法を放出した後、もっと威力の高い魔法を使った方がいいじゃろな。
今までの魔物たちはアロー系でも十分効果はあったが、もっと高位の魔物には威力を上げても通用せんのじゃ。
そういう時はアロー系を牽制に使い、確実倒せる威力のある魔法を使う戦い方が求められるわけじゃ
アロー系の魔法に魔力をランス系並に込めてもランス系ほどの威力は出せんしな〉
「なるほどね、確かに戦闘試験の時にウォーターアロ―に込めた魔力はウォーターランスを超えてたしね」
〈そうじゃろう、その時も普通のランス系より具現化は早かったが、お主のランスよりは遅かったしのう。
このダンジョンの中の魔物なら倒せるじゃろうから問題ないのじゃが、魔境の森に行くなら新しい魔法が必要じゃな。
まぁこれはグリムノーデンに戻ったら考えればいいかのう〉
「わかった。
じゃあそろそろ行こうか!」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」
ユーグたちは魔石を拾い探索を再開する。
・・・
グレーウルフとの戦闘からまた数回ほど魔物との戦闘があったがすでに何度もこの階層で戦っていたこともあり、問題なく倒し魔石を回収する。そこからほどなくして7階層へと降りる階段が見つかった。すでにこの日はソタの感覚では遅くなっていたこともあり、階段を降りる前に野営を行うことにし、ユーグたちは疲れを取る。
「皆、おはよう!次は7階層だね」
「ぐる!」 「ゴブ!」
〈おはようじゃ!
うむ、そうじゃのう、7階層で守護者がいる階層じゃ。
じゃから次でこのダンジョンは最後じゃな〉
ユーグたちが冒険者ギルドで見た資料ではグリムノーデンのダンジョンは7階層までのダンジョンであった。7階層目は守護者だけがいる階層で他の魔物は出てこない、その上階層全てが守護者の間となっていた。しかし階層の広さはそこまでなく、少し大きい守護者の間ぐらいの大きさであり、出てくる魔物も決まっていた。
「うん、そうだね。
確か守護者の魔物はビックポルケピックだったよね?」
〈そうじゃ、ヤマアラシ形の魔物じゃな。
鋭い棘を全身に生やしており、その棘を時に攻撃、時に防御にも使ってくる魔物じゃよ〉
ビックポルケピックはヤマアラシ形の魔物で討伐ランクはシルバーになる。オオカミほどの身体で、他の同系統の同位の魔物より大きい身体を持つことからビックと付けられた。鋭い棘を持ちその棘を戦闘に利用してくる。魔法は使ってこないがその棘での戦闘が脅威でアイアンランクの戦闘初心者の冒険者では太刀打ちできないため討伐ランクがシルバーになっている。採れる素材は棘と肉と魔石でどれもランク相当の値段で買い取ってもらえる得も損もない魔物であった。
「ヤマアラシ形の魔物か、初めて見るよね。
どんな魔物か楽しみだな!
じゃあご飯食べてから7階層へ行こうか」
「ぐるぅ!」 「ゴブ」
ユーグたちは朝食を食べてから7階層へ向かうことにした。
・・・
「ここが7階層か」
ユーグたちは7階層へ降りてきた。ユーグたちの目には6階層と同じような森林が広がっていた。
「魔力の反応もないけど、どこに守護者はいるのかな?」
〈わからんな、とりあえず進んでみるとするか〉
「うん、そうだね。
じゃあ行こうか」
ユーグたちは階段がある付近から真っすぐ前に進む。
「うん?前に魔力が集まっている?」
〈ほう、このダンジョンではこういう風に守護者が現れるのか。
気をつけるのじゃよ、あれが守護者じゃ〉
ユーグたちの前方に急速に魔力が集まり始める。その魔力は徐々に形になり、魔物の姿になった。
「……キュワァァン!」
魔力は完全に魔物へと変わり、ユーグたちの前にビックポルケピックとして現れた。
「こんなすぐに戦闘が始まるなんて。
とりあえずブリューはビックポルケピックを近づかせないように注意して。
ブラブと僕は魔法で攻撃、サポートするね。
じゃあ行くよ……ウォーターアロ―×10」
「ゴブ!……ゴブブ×5」
「ぐるぅ!」
明日も20時に投稿します。
平日の5日間は投稿で、
土日はお休みさせていただきます。




