ーリーゲル商会グリムノーデン支店ー
今週も20時に投稿していきます。
「あっもうこんな時間か、結構長居しちゃったね」
ユーグたちはダンジョンの資料を読み終わった後も資料室に残り、魔法の本や闘技についての資料などを読んでいた。
〈そうじゃのう、そろそろ出た方が良いかもな。
もう少ししたらギルドも混むはずじゃからな〉
「そうだね、読みたい本もとりあえず読んだし今日はもう宿に帰ろうか」
「ぐるぅ!」
「えっ、ブリューはもうお腹すいたの?
もう少しで夕食の時間だからそれまで待っててよ」
まだ少し夕食の時間には早かったが、ブリューは待ちきれない様子でユーグに訴える。そんな風に話しながら資料室を出ると冒険者ギルドにはぼちぼちと冒険者たちが戻って来ていた。
「良かった、まだ混んでなくて、じゃあこのまま戻ろうか」
ユーグたちは冒険者ギルドを出て、『嵐豹』に向かう。
・・・・・
「ただいまです!」
「あら、お帰りなさい。
今日は早いわね。
夕ご飯はもう少ししたらできるから、出来たら食堂に来てね」
『嵐豹』戻ると受付にはマリーが仕事していた。
「はい、冒険者ギルドに行ってたんですけど、混む前に帰ってこようと思って」
「ああ、そうね。
朝の方が人は多いけど夕方もそれなりに混むからね。
早く帰って来て正解だったわよ。
今日はゆっくり休んで明日からのお仕事に備えたほうがいいわ。
明日からダンジョンに泊まり込むんでしょ?」
マリーは昨夜にユーグからダンジョンを踏破するために行くことを聞いていた。
「はい、そうです!」
「それじゃあ今日はゆっくり休んで明日に備えないと。
そういえばユーグ君は野営道具とかは持っているの?」
「持ってないですけど、必要ですか?
今までもなくても大丈夫だったんでまだ買ってなくて。
魔除けの石とかは錬金術で作れるみたいなんで自分で作ろうと思ってたんですけど」
「そうね、必ず必要ってわけではないけど、あった方がいいわね。
特にテントや野営用の寝具とかはあるのとないのとでは全然休息の度合いが違うわね」
ユーグは今まで森の中の洞窟で暮らしていたこともあり、野営道具などは必要としていなかった。そのためユーグの中で野営道具は優先順位が低くまだ購入は考えてなかった。
「どうしようかな?
あった方がいいのはわかるけど、今じゃなくてもいい気がするし」
〈ユーグよ、防具屋でも言ったが今は懐に余裕があるじゃろ。
じゃから今、買った方がいいんじゃないか?
この機を逃すとお前のことじゃからしばらく買わんじゃろし〉
「うん、そうだったね。
じゃあ明日街の外に出る前に買いに行こうか」
ソタからも薦められたこともあり、ユーグは明日に野営道具を購入することを決める。
「良かったわ、テントとか使わずにいたらいくら優秀な冒険者でも、周りの人からおかしな目で見られるから心配するとこだったわ」
「優秀な冒険者だなんて、そんな」
〈ユーグよ、反応するとこはそこじゃないぞ〉
「それじゃあ、食後に良い商店を教えてあげるから部屋で休んでてね。
ご飯が出来たら呼びに行くから」
「ありがとうございます!わかりました!
じゃあ皆行くよ」
マリーとの話を終えたユーグたちは部屋に戻るのであった。
・・・・・
「じゃあ、行ってきます!
またダンジョンを踏破してきたら泊まりに来ます」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」 〈行ってくるのじゃ〉
「気をつけてね!」 「ガルゥ!」 「また泊まりに来るのを待ってるわよ!」 「……またな……」
次の日ユーグたちは時間に余裕を持って『嵐豹』を出た。すでに朝食の時間は終わっていたため、マゼルたち『嵐豹』の面々は見送りに出てきてくれた。
「街を出る前に商店に行かないとね。
えっーと、マリーさんたちに教えてもらったお店はこっち側の大通りみたいだね」
〈うむ、そうみたいじゃのう。
冒険者御用達の大店の店らしいから、ユーグよ商品に目移りして目的を忘れるんじゃないぞ〉
「わかってるよ、今日はダンジョンにも行かないといけないからね。
野営道具だけ見るよ。じゃあ急ごうか!」
「ぐる!」 「ゴブ!」 〈わしは疲れるからブリューに乗るとするか〉
ユーグたちは『嵐豹』を出て大通りにある『嵐豹』の人たちが昨夜教えてくれた商店へと向かうのであった。
・・・
「うーん、教えてもらったお店はここだけど、ちょっと大きすぎない?」
〈まぁマリーたちは大店の店と言っておったからな、こんなもんじゃないか。
とりあえず入るとするか〉
「うん、じゃあ入ろうか。
うわぁ、中も広いね!」
『嵐豹』から教えてもらった店はユーグの想像よりはるかに大きな商店であった。大きさは建物の外観上はグリムノーデンにある冒険者ギルドと同じくらいであり、北東側の大通りではこの建物と冒険者ギルド以外ではこのサイズ感の建物は見当たらなかった。
当然のように店の中も広く色々な商品が置いてあった。
「こんなにいっぱいあると野営道具がどこにあるのかわからないね。
お店の人に聞いてみようか?」
〈そうじゃな、それが良いな。
今はまだ客が少ないようじゃからな、店のものも捕まるじゃろ〉
ソタがそう言うと、ユーグは声をかけやすそうな店員を探す。
「あのー、すみません」
「はい、リーゲル商会グリムノーデン本店へようこそ。
何かお探しですか?」
「えっーと、野営道具を探しててどこにありますか?」
「野営道具ですね。
どのような用途で使いますか?
当店では冒険者用から商人用、それに高級品と幅広く取り扱いしておりますので」
「冒険者用でお願いします!」
「かしこまりました。
ではこちらですので、案内しますね」
ユーグたちは店員のあとに続いて店の中を移動する。
「こちらが冒険者様たちに多く使われている野営道具ですね。
テントに寝具、それに持ち運べる炊事用具などがございます」
「へぇー、こんなにあるんだ。
どうしよう?何を買えばいいのかな?」
ユーグたちが案内された場所には多種多様な野営道具が並べられていた。店員の話ではそこにあるのは全て冒険者用にそろえたものであった。
〈とりあえず最低限の野営道具を買えばいいんじゃないか。
今回はダンジョンの中での野営じゃからな、最悪は1泊だけして戻って来られるしのう〉
「わかった!
でも最低限ってテントと寝具だけだよね?
それだけでも種類はいっぱいあるよ」
「テントと寝具をお求めなんですね。
予算もしくは利用人数などをお教え下されれば、私どもでいくつかご紹介させていただきますが」
ユーグがソタに相談している話を聞いていた店員がユーグに手伝いを申し出る。
「それはありがたいです。
えっーと、予算はあまり高くない方が良くて、基本的に今いる僕と従魔たちが使えるものがいいです」
「お客様とゴブリンの従魔様とモモンガ?形の従魔様そしてコグマ形ですか?の従魔様でご使用になられるものですね」
「あっ、今は小さくなってますが小型化を使ってるので本来はクマ形の従魔です」
「ほう、それはお客様は優秀なテイマーなんですね。
わかりました、それだとこれとこのテントがおススメできますね。
両方ともに人換算で4名が十分に入れるスペースを覆うことができます。
寝具だと今の時期なら薄めの毛布がおススメです」
「うーん、あまり複雑な作りだと組み立てられないので簡単なのはどれですか?」
「それだとこちらのテントになります。
このテントは先ほどのものよりは小さいですが4人はギリギリ入れるスペースはありますね」
「じゃあそのテントと寝具を4つお願いします!」
「わかりました。
会計はこちらでいたしますので、ご案内いたします」
ユーグたちは購入するテントと寝具を決め、会計するためにまた店内を移動する。
明日も20時に投稿します。
平日の5日間は投稿で、
土日はお休みさせていただきます。




