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ー初依頼ー

この話の最後の部分修正しました。


「おはよう!ソタ、ブリュー、ブラブ!

 昨日の夜の食事会楽しかったね!」


 戦闘試験を行った明くる日、ユーグは前日よりも早く起きていた。


「ぐるぅ!」 「ゴブ!」 〈そうじゃのう、久々に美味い酒が飲めたのう〉


「もうソタは飲みすぎだよ。皆も驚いてたよ、その体にまだ入るのかって」


 昨夜の[熊の腕]とのお別れ会があったのに、ユーグは早く起きてきた。それはユーグはまだ酒を嗜むことを覚えていないため皆より早く部屋に戻れたからであった。かわりにソタがたらふくその酒を飲んでいた。

 

〈美味い酒があればいくらでも入るのじゃ。

 それでユーグよ、今日は何をするのじゃ?〉


「今日で宿も終わりだからね、これからの生活費や防具代も稼がなきゃいけないからお金を稼ぎに冒険者ギルドで依頼を受けようと思ってるよ」


〈うむ、そうじゃのう。

 依頼を受けるのは賛成じゃが、ユーグよお主ダンジョンコアを持っていなかったか?

 それを売ればそれなりの金は手に入るんじゃないのかのう〉


「あっ!?忘れてた、そういえば持ってたね。

 うん、冒険者ギルドに行ったときに見せに行こうか」


〈それじゃあ、朝食を食べてから冒険者ギルドに行くかのう〉


 ・・・・・


「おはよう!ユーグ君!」


「おはようございます!マリーさん」


「今日は早いわね、昨夜は大丈夫だった?」


 昨夜のお別れ会は『嵐豹』の食堂で行われたのだが、アンネとマリーは早めに戻り、夜が遅くなると[熊の腕]のニルスとクラウス、カールは外に飲みに出かけた。そのタイミングでユーグは部屋に戻っていた。


「僕も途中で部屋に戻ったので大丈夫でしたよ」


「あら、そうだったのね。じゃあ朝食の準備をするわね」


 ・・・・・


「じゃあ僕たちはそろそろ冒険者ギルドに行きますね!」


「行ってらっしゃい!ユーグ君、また泊まりに来てね」

 

 ユーグは朝食を食べ終え、自分が泊った部屋の片づけを終えて宿を出る準備を整え1階に降りた。そのまま受付にいたアンネに出る旨を伝える。


「はい!またお世話になりに来ます!」


「じゃあね!」


 そうして宿屋『嵐豹』を出て、冒険者ギルドにユーグたちは向かうのであった。


 ・・・・・


「うわー、今日は人がいっぱいだ!」


「ぐるぅ」 「ゴブ」


〈うんざりするほどの人の多さじゃな〉


 ユーグは昨日より早く冒険者ギルドに到着したため、未だ冒険者たちが依頼の吟味や受注をしていた。その様子を見たソタたち従魔はうんざりとした顔をする。ギルド職員も受付で忙しそうに働いていた。


「この大きさのブリューは邪魔になっちゃうから、小さくなろうか」


「ぐるぅる!」


「ありがと、ブリュー!

 でも依頼ってどう受ければいいのかな?」


〈おー、そういえば聞いてなかったな、こうなったらちぃと面倒じゃが受付に訊きに行くしかあるまい〉

 

「わかったよ、ソタ。

 じゃああの列に並ぼうか」


 人が多く、ブリューの本来の大きさでは人の邪魔になると思ったユーグはブリューに小さくなるよう頼む。ユーグの頼みを快く受け入れブリューは小型化を使う。そのブリューをユーグは抱え、人が少ない受付の列に向かう。しばらく待っているとユーグの番になった。


「冒険者ギルドへようこそ、今日は何の依頼を受けに来たのですか?」


「あっあのー、昨日から冒険者になったんですけど、どうやって依頼を受けるのかわからなくて」


「すみません、それはこちらの不手際でした。

 ではギルドカードご提示をお願いします」


「はい、わかりました」


 ユーグは言われたようにギルドカードをギルド職員に見せる。


「アイアンランクの方ですね。

 それでしたらユーグ様から見て右後ろの掲示板に依頼が張り出されているので、そこで依頼票をお持ちになってまた受付までお越しください。

 こちらの依頼の受注をしますので」


「わかりました。ありがとうございます」


「いえ、説明を忘れていたこちらのミスなので、では依頼をお決めになったらまた来てください」


「はい!」


 ユーグたちは受付から離れアイアンランクの掲示板に向かう。


「うーん、ダブルホーンラビットの肉の納品、ホーンディアの角の納品、薬草の採集、あっこれはどう?

 マジックフォックスの魔石の納品、初めての魔物だからちょうどいいんじゃない?

 それにどれもダンジョンで会うことができる魔物みたいだし、他の魔物はだいたい戦ったことあるし」


〈今日は初めての依頼じゃからな、簡単な依頼でもいい気がするんじゃが。でもユーグよ、肉や角はダンジョンでは獲れんぞ。

 まぁわしはユーグがその依頼で良いなら問題ないのじゃ、見る限り低階層で出現する魔物のようだしのう。

 それに薬草の採集も合わせて受ければいいんじゃないか、どこにダンジョンがあるかわからんが、ダンジョンへの道中で薬草は手に入るかもしれんし、なければユーグが保管しているのを提出すれば問題ないのじゃ。それにダンジョンの中にも採集できる場所があるかもしれんしのう〉


「あっそうだった!でもこの依頼で大丈夫だよ。薬草の採集もついでに受けるよ」


 ソタの合意と提案を受け、ユーグはマジックフォックスの依頼と薬草の採集の依頼票を手に取り受付に向かう。


「ちょっと人が少なくなってきたね」


〈うむ、わしらが入ってきたときもすでにピークは終わってたみたいじゃのう。

 それであれだけ人がいたのならばピーク時はどんだけいるのか、今考えるだけうんざりするのじゃ〉


「それは想像するのもやだね、あっもう順番回ってきたよ」


 冒険者ギルド内はユーグたちが来たときよりも人が少なくなっていた。そのため受付の列もそれほど混んでなく、さきほどより待機せずに同じ職員の前にユーグたちは来られた。


「ユーグ様、先ほどぶりですね。ご依頼はお決めになりましたか?」


「はい、これをお願いします」


 ユーグは職員に2つの依頼票を渡す。


「マジックフォックスの魔石の納品、薬草の採集ですね。

 この薬草の採集は毒などの状態異常を回復させる効果のものなんですが、どの薬草かわかりますか?」


「はい、大丈夫です。

 元々森に住んでたのでそこまで難しい薬草じゃなければだいたいわかります!」


「元々森に住んでた……?ハッ、わ、わかりました。

 今、依頼の受注をしますね、あっ、ギルドカードもお願いします」


 採集する薬草の種類を問われ、森に住んでた話をしたら職員は怪訝な顔をする。だが一瞬で元に戻り、受注のためにギルドカードを求める。ユーグはギルドカードを取り出し、職員に渡す。職員はギルドカードを見ながら依頼票に何かを記入し、依頼票とギルドカードをユーグに返す。


「……はい、これで受注完了です。ダンジョン位置はこちらの地図をご参照ください。

 またアイアンランクの方は依頼完了手続きを壁外の街の冒険者ギルドでもできるので、もし帰還の時間が遅くなればそちらでお願いします。

 そして今回の依頼の場合はそのまま納品物を冒険者ギルドの解体場の職員に持ってきてください。

 その際依頼票に達成印を押されますので、そのまま受付で依頼完了の手続きを行います。

 その手続きを終えたら依頼完了です」


「わかりました!ご丁寧に説明ありがとうございます」


「くれぐれも怪我にはご注意くださいね、では良い冒険を」


「ありがとうございました!」


 そう言うとユーグは受付から離れ、冒険者ギルドを出るであった。


 ・・・・・


「今のは珍しいな、ガキが3匹も従魔も連れてギルドに来るなんて。

 貴族の関係者かと思ったが、服装が違うな、偽装にしては貧相すぎるしな。

 それにしてもドライツェンのギルドは仕事が早い。もう手を回してきてやがる

 さすがは元オリハルコンランクの冒険者か、ただまだ原因はわかってないみたいだな。

 これならまだ動き次第でどうとでもできるな」


 ユーグたちが冒険者ギルドを出る途中に1人の青年とすれ違う。その青年は冒険者ギルドの注意書きを見ながら独り言ちる。その目は蛇のように瞳孔が縦に長くなっており、蛇の目には魔境の森での注意喚起が映っていた。

明日も21時に投稿します。

しばらくの間は平日の5日間は投稿で、

土日はお休みさせていただきます。

また来週から投稿時間は平日20時に変更します。

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