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ー冒険者としてー

また今日から金曜まで

21時に投稿します。


「冒険者としての予定ですか?」


「そうじゃ、冒険者としてどう進んで行きたいのか、どういう冒険者になりたいのかっていうことじゃな。

 というのもじゃな、話を聞く限りユーグ君はその従魔たちの力も合わせて新人らしからぬ技量があると思うのじゃがどうかのう?」


「えーと、[熊の腕]の皆さんには褒めてもらいましたけど、僕はまだまだだと思っています」


「俺らもユーグ君の戦いを直に見たわけじゃないですけど、ミミックオウルを倒してるからルーキー以上の技量はあると思いますよ」


 ハンスからの問いに自分ではまだ足りないと感じているユーグは素直にそう答えた。するとニルスがそれに対して新人以上の技量はあると答える。


「そうじゃろうな。それならばまずは戦闘試験での初級免除は確実に通るじゃろう。

 さっきも言ったが今日はもう夜じゃから戦闘試験は受けられないのじゃ。それは明日また来てもらうとしてじゃ、ユーグ君はどういった冒険者になりたいのじゃ?」


 すでに夜になっていて時間も時間であるため戦闘試験は出来なかった。ハンスはまた明日来るようユーグへ伝えそしてまた改めてどういった冒険者になりたいのかを問いかける。


「僕は……

 家から出されてどうすればいいのかわからなくて、ソタたちに話したら何になりたいのか聞かれ本で見ていた冒険者たちにみたいになりたいって思ったんです。

 だからなりたいのは本の中で見た憧れてた冒険者です。でもそれが具体的にどういう冒険者なのかはちょっとわからない」


 ユーグはどういう経緯で冒険者になることになったのか、そしてその思いを話した。なりたいと思う冒険者はユーグが一人で男爵家にいたときに見た本の中に登場していた冒険者たちであった。

 しかしユーグの中でそれがどういう冒険者なのか具体性が欠けていた。本の中の冒険者たちは事実かどうかはわからないが、未開の地を探索し財宝を手にしたり、国の危機的状況を解決させたりといった英雄的な活躍をしている。ユーグ自身、自らの力はまだまだだと自覚しているため英雄的な活躍はできないと考えている。本の中に登場している冒険者は皆、最初から力を持っていることが多いため参考にはできなかった。また平時においてどういう活動をしているのかという視点も欠けているため日々を生活のために生きていたユーグにはまだ想像できなかった。


「うむ、それは良い目標じゃのう。本の中の冒険者とはいえ基本的には実在した人物を描いたものが多いのじゃよ。

 彼らは実力もさることながら人としても良い尊敬すべき人物たちであったと伝わっているからのう。そういった者を目標とするのは良いことじゃ。

 まぁ具体的な目標はとりあえず冒険者活動を始めてから改めて考えればよい」


 ハンスはユーグの目標、憧れをよい目標だと褒め、本の中の冒険者たちは実在したこと、そういった者たちは実力もありながら人もよいことを教えた。そして具体的には冒険者活動をしながら決めていけばよいという。


「はい、わかりました。また明日よろしくお願いします」


 そう言ってユーグたちは応接室での会話を終え、ギルドの1階に降りるのであった。


 ・・・・・


「あっユーグ君に[熊の腕]の皆さん、支部長との話は終わったんですね」


「はい、ナディネさん。話は終わりましたよ。今から宿に行こうと思うので依頼の報酬をお願いします」


 1階に降りると数人のギルド職員が作業をしており、その中の1人の副支部長のナディネが声をかけてきた。


「わかりました。準備はできているので用意しますね。

 それとユーグ君の本登録は戦闘試験のあとになるので多分支部長からまた明日来るよう言われていると思うのですが大丈夫ですか?」

 

 ニルスがナディネに散々注意された依頼の報酬をお願いし、報酬の用意をしながらユーグに明日の戦闘試験について聞いてくる。


「大丈夫です。

 ちゃんと聞きました。特に予定など決まってなかったのでいつでもできます!」


「それならナディネさん明日の朝の混雑後の時間とかはどうだろうか?

 ユーグ君には今夜俺たちと同じ宿に泊まってもらうつもりだから案内できます」


 街に来たばかりのためユーグの予定は皆無だった。いつでも戦闘試験は受けられると答えたときに、ニルスが時間の指定と案内を買って出る。


「えっそんな大丈夫ですよ。今日もここまで案内してもらいましたから場所もわかりましたし。

 宿もこのあと案内してもらえればギルドまで来られますよ」


「俺らも明日は休みにするつもりだっからな。明日の予定は特にないから平気だぞ。

 それにこんなこというのあれなんだが、俺たちがユーグ君の戦闘試験を見てみたいんだ。その歳の少年が従魔たちとどういう戦いでミミックオウルを倒したのか少し興味があってだな」


 ハンスが次の日もユーグの案内をしようとしたのは、ただの親切心だけではなかった。ユーグたちに興味もあったからである。


「そういえば皆さんと会ってから森の中では戦ってなかったですね。魔物の気配がしても不必要な戦闘は避けてましたよね」


「やっぱり気づいてたか。そうだね、あの後気配があったのは低ランクの魔物たちだったからな。

 ウッドオウル以外なら冒険者じゃなくても狩れるようなのしかいなかったからグリムノーデンへ戻ることを優先したんだ。

 それで俺たちも明日ついて行っていいかい?」


 ユーグたちと[熊の腕]が出会ってから2体目のミミックオウルを倒したのち、[熊の腕]が捉えた魔物の気配はほとんど低位の魔物たちだった。そういった魔物たちは冒険者などの戦闘職に就いていなくても狩れるような魔物であったため、ウッドオウルの気配がした時だけ食料調達を兼ねた戦闘を行い、あとは遭遇を避けて戻ってきた。その戦闘も[熊の腕]がしていたため、彼らはユーグの戦闘は見ていなかった。


「もちろん、大丈夫ですよ!僕も戦ってるところ見せてもらったので。

 それに闘技を教えてもらいたいので、僕の試験を見てもらってアドバイスも欲しいですからね」


「ああ、もちろんだ!

 それじゃあ、ナディネさん明日はユーグ君を俺たちが案内するのでよろしくお願いします」


「はい、わかりました。また明日お願いしますね」


 ナディネに別れの挨拶をし、ユーグたちは冒険者ギルドを出るのであった。


 ・・・・・


「よし、次は宿屋への案内よ。

 私たちがいつも泊っているとこなんだけどね、少し裏路地の方にあるのよね。

 20分くらいで着くんだけど、ちょっとわかりづらいのよね。

 だからもしそこに長く滞在するのなら道をちゃんと覚えないとね」


 ロッテが言うには、これから案内する宿は[熊の腕]が定宿にしているとこであった。その宿は冒険者ギルドからそれほど遠くないとこにあるが路地を入っていくためわかりづらいとこにあるらしい。


「ここの大通りにも宿はあるんだが、少し高いんだよ。安いとこもあるんだが、そういったところは飯がなぁ。

 それに従魔と一緒に泊まれるところも少ないしな」


「これから行くところは奥まったとこにあるから値段は良心的なんだ、

 それに飯もうまいんだぞ!」


 クラウスとニルスが北西側の宿屋について解説する。北西側は魔境の森に接していることから冒険者が多く集まる地域になっていた。そのため北西側にある店や宿屋も冒険者たちが多く利用していた。その中で大通りにある宿屋は冒険者ギルド等があるメインストリートにあたるため、他の場所にある宿屋より高く値段設定が設けられている。中には安い相場で営業しているところもあるが、そういったところは食事ができないとこや部屋が狭いなどマイナス面と値段が相殺になるような宿になっていた。

明日も21時に投稿します。

しばらくの間は平日の5日間は投稿で、

土日はお休みさせていただきます。

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