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ー発見ー

初作品となります。拙い文章ではございますが、お楽しみいただければ幸いです。


〈そうじゃ!移動中はブリューの狩りの練習をするから、お主の魔法の練習も兼ねてそれに参加してみろ。

 いつも通りの感じで大丈夫じゃからな〉


「おー、ブリューと一緒に狩りをするのは久しぶりだ!」


「くぅ!くぅうううう!」

 

 ブリューの種族はジャイアントフォレストベアと言い森の中に住む熊の魔物であった。熊は動物の中でも脅威が強い動物であるため、その魔物であるジャイアントフォレストベアの戦闘力は高かった。

 

 しかしブリューはまだ子供でもあるためユーグやソタの手助けがなければう上手く狩りはできなかった。

 そもそもブリューとユーグの出会いは今から2年前ユーグが8歳の時にいつものように森の中で食べ物を採集してた時にまだ生まれてそう幾日も経ってないブリューを見つけたのが始まりであった。


 ブリューはジャイアントフォレストベアの変異種であり、普通のジャイアントフォレストベアがこげ茶色の体毛を持つところが白青色の体毛をしており、それが原因で親に捨てられたのであった。

 捨てられたのを自分に重ねたユーグは、そのまま見捨てられずソタと一緒に育ててきたのであった。


 〈よし、ユーグは復習として魔法の使い方を一度説明してみるのじゃ〉


「わかった!えーと、魔法はまず魔力を属性に変えて、その属性を具現化して、放出するって感じかな」


〈それでだいたい合ってるのじゃ、まぁ放出した属性魔法を操作することも忘れるんじゃないぞ。

それと放出から先はイメージと魔力操作も重要になってくるからな。

どういう属性魔法にするのかのイメージも忘れるなよ〉


「あっ、そうだったね、属性に変えて具現化して放出操作だね!」


〈お主が良く使う空間魔法はまた別の手順で使っているからの。

水魔法も具現化するくらいまでしかよく使わんし、忘れてても仕方がないのう。

今日からは放出操作を重点的に練習するのじゃよ〉


「どういう方法でブリューの狩りを手伝えばいいのかな?」


〈それは自分で考えるのじゃ。

魔法の使い方、イメージを自分で考えるのも訓練なのじゃ〉


「うーん、どうしようか…とりあえずブリューと獲物を探しに行ってくるね!」


「くぅ!」


〈わしもついていくが口は出さんからのー〉


 そう言うとユーグはブリューと一緒に森の中に獲物を探しに行った。ソタも邪魔にならないように木を駆け上り、枝と枝を飛び移りながらユーグとブリューの後を追いかけた。

 

「くっ!くぅん、くぅん!」


「ブリュー、何か見つけた?」


 しばらくするとブリューはウサギの痕跡を見つけた。熊の嗅覚は犬の7、8倍と言われてる。

その熊の魔物であるフォレストベア―は嗅覚を魔力で強化することができ、生後すぐの段階からソタとユーグに育てられたブリューは幼いながらも魔力を使い身体強化ができるのである。

 またそれらを使い日常的に獲物を探していたため、ブリューは生命察知というスキルを獲得していた。


「よし、この痕跡を追ってみよう」


「くぅわん!」


 *****


 「おっあれはウサギの巣穴かな、どう?

ブリュー巣穴の中にまだウサギはいそう?」


 痕跡を追っていくとウサギの巣穴を発見したユーグたちは、先ほど同様に身体強化を使って感覚を強化し、ウサギの気配を探した。


「ぅーん…………くぅん!」


「おっ!まだいるようだね。

どうしようかな、よし!僕の水魔法でウサギを巣穴から出すからブリューはそこを狙ってくれる?」

 

「くぅ!」

 

「OK!これでうまくつり出せればいいんだけど」


 ユーグは隠密を使い、気配を隠したまま巣穴に近づき水魔法を放出させた。放出した魔法はイメージによって形や操作をする、ユーグが出した水魔法は球体でそのまま巣穴の中に入っていく。


「あっ出てきた!ブリュー今だよ」


「くるぅー!」


 かわいい鳴き声とは裏腹にするどい爪の一撃をウサギに繰り出した。その一撃はウサギの首に当たり、ウサギの首と胴体が分かれる。


「わぁーお、凄いね」


〈ジャイアントベアは普通の森の中では最上位種じゃからな。

その幼生であるブリューでもこのくらいは造作もないじゃろう、それにどうやら無意識に爪に魔力を纏わせておるようだしな。

拠点を作ったら魔法の使い方も教えるかのう〉


「ブリューも魔法使えるの??」


〈そうじゃのう、それが変異種というものじゃ。

魔物は人と違い属性の影響をより濃く受ける、それが体毛などに表れてくるのじゃ。

ジャイアントベアは無属性で魔力を身体強化にしか使えん種だが、変異種のブリューはその体毛の色からユーグお主と同じ水、そして多分氷属性も扱えるはずじゃ〉


「ほぇー、じゃあ僕と一緒に訓練できるね!良かったねブリュー!」


「くぅくぅーーーん!」


 この世界では全てのものに魔力が宿る、そしてその魔力は世界に満ち溢れてる魔素を体に取り込み発生するものである。

魔物とは魔素を取り込み作られた魔力を操作できる人種以外の生物の総称であった。また人種以外の生物は、その魔力を影響が身体に出てくるのである。


〈しかしユーグ初めて魔力の操作にしては上出来だが、まだまだ操作のイメージが甘いのう。

巣の周りを見てみろ、具現化した水が残っておるじゃろう。

優れた魔法使いは魔法の形を変えて一滴残らず穴の中に入れることができるのじゃ!

まずは放出した魔法を動かしたまま形を変えることを目標にしてみるのじゃな〉


「うん!わかった!」


〈そうじゃな、いきなり動かしたまま形を変えるのは難しいじゃろうから、まずは放出した魔法を自由自在に動かせるように頑張るのじゃ。

スピードを上げたりできるようになれば攻撃にも転ずることができるからの〉


「はい!頑張ります!」


〈よし!その意気じゃ、とりあえずこのウサギを保管庫に仕舞っておくかの。

血の匂いはわしの風魔法で飛ばしておるがここにいてもも仕方ないのじゃ。

ブリューもユーグも成長期じゃから、まだまだこの肉の量では足りないしのう〉


「オッケー!じゃあブリューまた獲物を探してくれる?」


「くぅ!」


 *****


〈よし、もうこのくらいで十分じゃろ、それにそろそろ日も暮れるからのう。

2匹分だけでも解体を済ませんと夕食がないのじゃ〉


「くぅ!?くぅく!?」


「わかった、わかったからブリュー、落ち着いて、そうしないと解体できないよ」


「くぅ!」


〈うむ、いつもは川沿いで解体をしてるが、今日はユーグの水魔法を使った解体をするとしようか。

これも訓練のうちじゃ〉

 

「よし!じゃあちょっとやってみよう!

水魔法で血を流す感じでいいかな」


〈ああそうじゃそうじゃ、これを渡すのを忘れておったのじゃ〉


 そう言うとソタはどこからか木の枝を取り出しユーグに渡した。


「うん?これは何?」


〈それは木の枝なんじゃが、ほかのものより簡単に魔法や魔力を通したり纏わせたりできるのじゃよ。

試しにその枝に魔力を通してみろ、その際にナイフのようなイメージにすれば解体ナイフ代わりに使えるからのう〉


「ふーん、とりあえずやってみるよ」

 

 ユーグは空間魔法の保管庫から狩りで獲ったウサギを取り出したあとにもらった枝に魔力を通し、腹部の部分に当て切り込みを入れた。


「うわっ!ただの木の枝なのに凄い切れ味になったよ!」


〈まぁそんじゃそこらにある木の枝ではないからのう、魔法のイメージの補正もしてくれるから威力の倍増にもなる代物じゃ。

ほれ早く解体を済ませんと日が暮れるぞ〉


 ソタがそう言うとユーグは切り込みから手を入れ内臓を取り出し食べれるものとそうでないものを分けた。


「ブリューこれ食べていいよ」


「くぅーーー!」

 

 そしてユーグは水魔法を放出させ、その魔法でウサギを包み込んだ。そうしてしばらくすると徐々に包み込んだ水魔法が血で赤に染まっていく。


〈ほう、なるほどな。

一度水魔法で全て包み込ませることで、細かく魔法を操作することなく血を出させたのじゃな〉


「うんそう、ソタが前に教えてくれたでしょ、解体するときは冷やしながらやった方が良いって。

全部包み込んでやれば水魔法で冷やしながら流れも操れて血抜きができるんだ」


〈うむ、それは正解じゃな。

時間がかかるときは鮮度の維持のために冷やしながらやるのがベストじゃな〉


 血が十分に流れたと感じたユーグは、水魔法をウサギから離し少し遠くに移動させてから操作を解除した。解除された水魔法はそのまま落下し血が混じった水は地面に染み込んでいった。

 ユーグは慣れた手つきでウサギの皮をはがしていく。ブリューと出会ってからしばらく経ち成長したため、ブリューは狩りの練習をし始めた。その時獲った獲物はユーグが全て解体したためユーグは解体には慣れていた。


 余談だが、その時解体した肉は全て消費してあるだが、皮は卸す場所もなくもったいないとユーグは思ったため保管庫に全て仕舞ってあるのだった。すぐさま3匹ほど解体したユーグはそのまま保管庫に仕舞ったのだった。


「ふぅー、終わったね、日が暮れる前にできて良かったよ、じゃあ早く移動しようかここじゃあ野営はできないし」


〈そうじゃな今はわしの風魔法で匂いは飛ばしてあるが、なくなったわけじゃないからのう、それにこのありさまで野営はしたくないししの〉


 ソタの風魔法のおかげで匂いこそしてなく、食べられない内臓なども地面を掘って穴を作り、そこを埋めて隠してあるが血のあとなどは残っており野営には適してはいなかった。

そのためユーグたちはすぐに移動を開始し、野営をする場所を探しにいくのであった。


 

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