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ー出発ー

誠に申し訳ございません。


昨日の投稿し忘れに加え、先程話を間違えて投稿してしまいました。


間違えて読んでしまった方は申し訳ございませんが、もう一度お読みください。


 岩山での狩りを終え、十分な収穫を得たユーグたちは拠点としている洞窟に戻っていた。


「今日は1日結構色んなことがあったね、ゴブリンチーフのグループを見つけて、ブラブを助けて、そしてロックリザードを狩って。流石に僕も疲れたよ」


「ぐぅうううう!」


「ブリューは元気だね!ブラブはどう?まだ僕らに慣れてないと思うけど、もう少ししたら家に着くからね」


「ゴブ!」


「ぐぅ?ぐぅん!」


「うん?どうしたの?ブリュー」


 拠点に戻る途中でブリューは、いつもと違う何かを見つけた。


「これはゴブリンの足跡、しかもかなりの数がある。どうしてここにあるんだろう」


〈うむ、まだわからんのじゃ。ユーグ、ブリューこの足跡はどこに続いてる?〉


「えっーと……えっ、僕らの家に向かってる?」


「ぐぅ!?」


「大変だ!このゴブリンたち僕たちの家に向かってるよ!」


〈落ち着け、今、家には誰もおらんじゃろうし、足跡から見るにかなり時間が経っとる、今から向かってももうおらんじゃろ。

 それにゴブリンたちが容易に入って来れないように罠も仕掛けておるじゃろ〉


 ユーグの拠点となる洞窟の周りは、柵で囲っており、その外には簡単に侵入できないよう殺傷力は低いが、動きを止めたり後退させるような罠が仕掛けられていた。


「そっそうだったね、こんなこと初めてだったから気が動転しちゃった」


〈しかし全てのゴブリンがいないとも限らん、慎重に戻るのじゃ〉


「わかった」


 *****


「これは……?」

 

 ゴブリンの痕跡を見つけ、慎重に拠点まで戻ってきたユーグたち、そこにあったのは全ては壊されたあとだった。


〈罠も全て壊されておるようじゃな。かかったあとも見られん、罠を全て発見して解除していったようじゃな。ただのゴブリンじゃこんなことできんぞ〉


「家の中は、採取した薬草や野菜、干し肉とかある程度置いてあったよね?」


〈うむ、見に行くか〉


 ユーグたちは拠点前から拠点の中に移動し、中を確認していった。保存してあった野菜や薬草、干し肉とかは全てなくなり、椅子やテーブルや日用品などが散乱しており、明らかに荒らされた跡であった。


「保存してたものが全部なくなってる。椅子とテーブルも壊されてるし、また作らないと……。

 ああ、そんなことより、家の守りをどうするか考えないと。はぁ今日はホントに色々な事がありすぎてよくわからなくなって来たよ」


〈ユーグ、ブリュー、ブラブこっちに来るのじゃ!〉


 ユーグがこれからのことに頭を悩ませてるとき、ソタから集合がかけられた。


「どうしたの、ソタ?」


「ぐりゅ?」


「ゴブ?」


 ユーグたちが、ソタの元に駆け寄る。


〈これを見るのじゃ〉


 ソタが示したのは大きな足跡だった。


〈これは多分ゴブリンの中でも高位な上位種にあたる、ゴブリンジェネラルの足跡じゃ。

 この大きさの足跡の持ち主はゴブリンの中でもジェネラルかキングくらいのものじゃ。ゴブリンキングは拠点から移動することは稀じゃからのう〉


「ゴブリンジェネラル?ゴブリンチーフの上位種ってこと?」


〈そうじゃが、ゴブリンチーフから1回進化したくらいじゃ、いかないくらい高位の上位種じゃ。

 ジェネラル、将軍と呼ばれるくらいのゴブリン種じゃからな群れを率いれば群れのゴブリンを強化できる。強化されたゴブリンはチーフが率いるゴブリンよりはるかに強く知能も高くなる。

 またゴブリンジェネラル単体でも同格の魔物を相手取ることもできるのじゃ〉


 ゴブリンジェネラルはゴブリンの中でも長く生きた個体がゴブリンチーフからさらに重ねて進化してようやく成れる魔物である。将軍という名前に恥じぬよう統率強化のスキルも持ち、また個の戦闘力も非常に強力であった。


「……!そんな魔物がこの森にいたなんて……」


〈いや、もしかするとそれ以上の魔物もおるかもしれん。ゴブリンジェネラルが最高位となる群れなら、その下のゴブリンナイトリーダーなどの統率種がグループを率いて遠征するのじゃが、ここには明らかにゴブリンジェネラルが複数のグループを率いて来ておる。

 そうなればこの群れを率いておるのはキングじゃ。最近森でよく見かけるゴブリンたちはその群れのやつらなんじゃろうな。ここに来ていたゴブリンたちもたぶん普通のゴブリンではないのじゃ、群れの精鋭たちじゃろうな。

 チーフなんかよりも上位種なんじゃろ、それならば罠を突破できたのは納得じゃ。チーフやナイト、もしかするとマジシャンやビショップもおったかもしれん〉


ゴブリンの上位種は多種多様に存在している。代表的もので言うとグループを率いるチーフやナイトがいる。チーフとナイトの違いは、統率力と戦闘力の違いである。個々の戦闘力が強いもので言うと、ゴブリンディフェンダーやファイターなどがいる。その中には魔法を扱う上位種もおり、それが攻撃魔法を得意とするゴブリンマジシャンと回復魔法を得意とするゴブリンビショップである。

 またサポート役や斥候役を得意とする上位種もおり、それらのゴブリンがゴブリンジェネラルやゴブリンキングに率いられるとたとえゴブリンと言えど侮れないものがあるのであった。


「僕とブリューが戦ったらどのゴブリンなら倒せる?ジェネラルやキングは?」


〈そうじゃのう。たぶんチーフやナイトに率いられた単体のグループなら協力して倒せると思うのじゃが、それが複数まとめて来られた難しいのう。

 ましてやジェネラルやキングはたとえ単体でいたとしても倒すことは不可能じゃ〉


「そんな……じゃあどうすればいいの……?」 


〈もうここの森はわしらにとって安全な森じゃなくなったからのう。

 選択肢としては二つじゃ、このままここでおびえながら暮らすかどこかまた違うとこに移動して新たな拠点を見つけるかじゃな。

 戦うことはなしじゃ、絶対にお主らは勝てん〉


「……うーん、そんなの決められないよ。今までは安全だったのに、何で急にこんなことに」


〈そうかのう、そこまで深く考える必要はないと思うのじゃが。お主の夢は何じゃ?それはここにいて叶えられることじゃったか?〉


「僕の夢……?

 (……あっ、そうだ、僕の夢……僕の夢は冒険者になって冒険することだった、それはここにいては叶えられない)」


〈ほぅ、その顔は自分の夢を想い出したようじゃな。

 そうじゃ、冒険者になるには人の営みの中に入らんといけないのじゃ、こんな誰もおらん森の中じゃいくらいても意味がないのう。それにそろそろ頃合いじゃしの〉


「頃合い?」


〈そうじゃ、お主の年ももう13歳になったからの、冒険者ギルドの本登録ができるのじゃ!〉


「じゃあ、町に行けば僕は冒険者になれるの!?」


〈そうじゃ、慣例で各国の冒険者ギルドはだいたい13歳くらいから登録が許されるのじゃ。

 それまでは【ジョブ】を得てから見習いという形で冒険者の下地を作るのが普通じゃのう〉


「なるほど、僕の冒険者になる下地はここで作ってたんだね。それならこの森から移動した方が良いかも」


〈それでユーグどの町に行くつもりじゃ?ここの近くの町はお主の父親の町じゃろ?そこは近寄るのもやめた方が良い気がするのう〉


「うん、僕もそこには行くつもりはないよ。

 でもそこ以外の町も知らないし、どうしよう……。森の中なら今までも暮らしてたから、移動しながら他の町を見つけるのがいいのかな?」


〈それならユーグ、ドライツェン王国はどうじゃ?この国より冒険者を優遇しておるし、発展もしておる。それにお主の母親の出身国じゃ〉


「!!……そうなの?母上の国……うん!そこに行く!ドライツェン王国に行くよ!」


〈よし、今日はもう遅いし、一晩だけならゴブリンたちも来んじゃろう。今日はここで寝て明日出発するとしようかのう。〉


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


「よし、準備はこれでいいかな」


 ユーグが暮らしていた洞窟の中はゴブリンたちに荒らされていたため、ろくに使えるものは残っていなかったがそれでも使えるものを集め


「ぐぅ!」


「ゴブ!」

 

〈うむ、大丈夫なようじゃな〉


「それじゃあ、新たな場所に向かって出発だ!」

 



 



昨日と本日のお詫びとして、

本日と明日は3話ずつ投稿します。

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