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498:キリアちゃんのお願い

 ヌルリとした黒水晶に囚われていたキリアちゃんを見つける事が出来たのですが、思わず抱きしめるとゆるゆると驚きの表情を浮かべるキリアちゃんが一筋の涙を流しながらへにゃりと笑いました。


 それから擦り寄る子猫のように身体を預けて来たのですが、何かに気付いたらしいキリアちゃんが慌てて顔を上げると何故か親の仇かというくらいの眼差しで睨まれてしまって……。


「そう…今度はこういう手で来るのね」


「キリア…ちゃん?」

 妙に冷え冷えとした言葉に驚いてしまったのですが、何故ここまで敵意を向けられているのかと考えていると……デファルセントの根っこが絡まり飲み込まれている状態のキリアちゃんがモゾモゾと暴れながら吐き捨てるように言いました。


「こんな所にユリエルが来る筈が無いのに…何がしたいのかはわからないけど、人選を誤ったみたいね?」


「待ってください、私は本物ですよ!?」

 どうやらデファルセントの精神攻撃(作り出した偽物)だと思われているようなのですが、こういう時にどうすれば本物だという事を証明できるのでしょう?


「嘘よ!じゃあなんで…全裸なのよ!?」


「いえ、まあ…それには色々とありまして…」

 ぐうの音も出ないとはこの事なのですが、助けに来た人間がほぼ全裸(武器だけ持っている)だった場合は私でも何があったのだろうと警戒してしまいますし、今までさんざんデファルセントに嬲られ続けていたキリアちゃんが警戒するのもわかります。


(だからといって…んっ、っとうに…今は言い争っている時間がないのですよね!)

 ゆるやかな愛撫に言葉を途切れさせてしまったのですが、私とキリアちゃんは黒水晶に捕らわれている状態ですし……どこから説明すればいいのかと悩んでいるとキリアちゃんからは強い疑惑や警戒、それから隠し切れない安堵や申し訳なさといった感情が流れ込んで来ていて……。


(仕方が…ありませんね!)


「ちょ、ん!?その姿…で、んんっ…ぅんンッ!!?」

 『色欲の巫女』は相手の感情を感じ取りながらムラムラとした感情を与えてしまう職業なのですが、その種族の特性を利用したら私の考えている事をキリアちゃんに伝えられないかと思って喚き続ける小さくて可愛い口を唇で塞ぐと、舌という粘膜を通して自分の思いを伝える事にしました。


(安心、してください)

 その思いを伝える為に頑張って舌を絡めるのですが、最初は「訳が分からない」と暴れていたキリアちゃんにも思いが伝わったのか徐々に抵抗が弱々しくなっていき……勿論説得をしている間もデファルセントの愛撫が続いていましたし、キリアちゃんが小さくいってしまうたびに絡めている舌に噛みつかれてしまったのですが……今はこの思いをキリアちゃんに伝える事の方が重要なので多少の痛みは我慢する事にしましょう。


「…落ち着き、ましたか?」

 警戒心が溶かされドロドロになっているキリアちゃんから唇を離すと、酸欠でぼんやりとしていたキリアちゃんの目が「信じられない」といった驚きに細められていき……。


「もし、もしもよ…本当にユリエルだったとしたら…なんで?」

 まだ完全に警戒を解いた訳では無いのですが、説得の為にキスをしてくるのは私くらいだというよくわからない納得があったようで……「何でこんな所に居るの?」なんていう疑問をぶつけてきました。


「それは…色々、っ゙…あっ!?」

 ただキリアちゃんとゆっくりとお話が出来たのはここまでのようで「もういいだろう?」と言わんばかりに黒水晶やデファルセントが私達の身体を締め付けてきますし、デファルセントの触手がGスポットからポルチオをグニグニと的確に刺激しながら子宮口の気持ち良い所を突き上げて来て……黒水晶の浸食が始まっている私の身体は簡単に屈服してしまいます。


「ユリエ…!?あっ、くっ…この、また…動きっ、出し…てッ!?」

 そしてわざと音を立てながら出し入れされると羞恥心に身体が熱くなってしまいますし、緩やかだからこそ刻まれていく敗北感に挫けてしまいそうになってしまい……。


「ふぁあ…ゥン、あッ、あっ!?」

 そんな状態で注がれるデファルセントの媚毒に身体が反応してしまいますし、耳の中にニュルリと入って来た細長い触手に冷や水を浴びせられたようにヒュンとなってしまったのですが、咄嗟に魔力(【淫気】)で侵入を防ぐとグニグニと蠢いて……それだけで脳の中が弄られたように気持ち良くなってしまうのですが、私の中の弱い心が崩れかけて汗が噴き出し挫けてしまいそうです。


(まる、でッ…逃げ出せるのなら逃げ出してっ、みろ…みたいな感じぃ…ですっ、が!)

 こんな状態でキリアちゃんとの脱出を考えなければいけないのですが、緩やかに前と後ろの穴をグニグニとされると逃げ出そうという気持ちが崩され身体が動かなくなってしまいます。


 そして従順な獲物に成り下がった私達を弄ぼうというのか、手加減をしているような動きに変わり……それとも敢えて耐えられる刺激を与え続けて壊れないようにしているのかもしれませんが、逃げ出そうにも剥き出しのクリ〇リスがドロリとした黒水晶に曝されているだけで潮を噴くくらいに気持ちが良すぎて身動きが取れませんでした。


「と、とにか、く…ぅ…ひぐッ、ゔぅぅっ!?」

 そんな状態でデファルセントに身体を弄られていると簡単にいってしまって……膣内に挿入された触手が戯れにエッチな波動を放つと内側からビリビリとした刺激が広がり私の決意が無意味なもののように崩れ落ちてしまうのですが、ここで意識が飛んでしまうと耳の中に入って来ている触手に脳の中まで弄られるような気がしますし、頑張って踏み止まらなければいけません。


「あっ、はぁ…あッ、ふあっ、な、なんでぇ?さっきまでは、我慢…んんっ、できたのに!?ぁあ…お゙っ、お゙お゙お゙!!?」


「キリア、ちゃん!?」

 なのに腕の中で甘い声を上げながらビクンビクンと痙攣しているキリアちゃんの余韻が私の中にも入って来てしまいますし、一刺しごとに奥の方に仕舞い込んでいる大事な部分が気持ち良くなってしまい……私達がどれだけ卑しいかを知らしめるようにデファルセントの根っこが嫌らしく前後に蠢きました。


(い、いま…イったら…だ、駄目…な!?ひぃぅっ!!?)

 そんな執拗で粘着質な挿入を続けながら、いきなり荒々しく突き上げて来るデファルセントの動きに翻弄されながら魔力を吸い上げられると意識が遠のいてしまい……。


「ユ、ユリエル…」

 弱々しい蕩け顔を晒しているキリアちゃんを見ているとこのまま一緒に堕ちてしまっても良いかと思ってしまうのですが、それがキリアちゃんの幸せに繋がるとは思えません。


(なん、とか…キリアちゃんに絡みついている根っこを切断する事が…出来、たら!)

 無理矢理突入してきた私とは違い、完全に取り込まれてしまっているキリアちゃんは『ルミエール(黒い幕)』から流れて来ている膨大な魔力を調整する役割を担わされている(生体部品にされている)のか、流れて来ている魔力がその小さな身体に流れる度に人間が感じてはいけないレベルの快楽を与えられているようで……痛々しいくらいに痙攣と絶頂を繰り返しているキリアちゃんを助け出そうと震える手で『ベローズソード』の残骸を握って絡みつくデファルセントを剥ぎ取りにかかるのですが……。


(くっ、っとうに…どう、しても剥がれない所が)

 デファルセントに強く浸食されているのは右腕と背中と足先の三か所で、特に右腕に関しては右半身と半ば同化しているので大きく(えぐ)る必要があるのですが……そんな事をしても本当に大丈夫なのでしょうか?


(私に、回復系の…スキルがあればっ、いいのですが)

 種族特性的(淫魔的)に吸収系のスキルしかありませんし、ニュルさんのように他人に還元するスキルも無いのでなかなか厳しい事になりそうですね。


「もう、んン…いい、わ…だって…手遅れだもの」

 そうして絶頂と余韻の中、何とか絞り出したキリアちゃんの言葉に胸が締め付けられる思いなのですが……。


「大丈夫、です…絶対に、助け出しますから!」

 離脱した後に淫さん達に預けているポーションで延命処置をおこない、それから攻略チームに混じっているグレースさんの元まで辿り着けたら本格的な治療が行える筈です。


(こうなったら…仕方がありません!)

 キリアちゃんを傷つける事になるのですが、このままデファルセントに嬲られ続けているよりかは良いだろうと『ベローズソード』を握る手に力を入れて……。


「キリアちゃん、すみません…少しだけチクっとしますね!」

 躊躇いながらジワジワと切断されたらただただ痛いだけですからね、決めたからは思い切ってバッサリいこうと残っている魔力を『ベローズソード』に込めてキリアちゃんの右腕に突き立てるのですが……皮膚の下でうねっていた黒い植物の蔦のような物に弾かれ止められてしまいます。


 むしろ突き立てた『ベローズソード』が硬質な音を立ててへし折れ砕けるのですが、私が信じられない思いで砕けた蛇腹剣(『ベローズソード』)を見ていると……キリアちゃんはどこか諦めたような顔をしながら息を吐きました。


「無駄、よ…これが、『魔剣グーイ(侵蝕剣)』の力…宿主を侵して寄生する代わりに圧倒的な力を引き出してくれていたの」

 乾坤一擲、背水の陣、キリアちゃんはすべてを理解した上で禍々しいアーティファクトの使用を決断したのだと思いますが、侵蝕の酷い右腕の内側で蠢いている植物はキリアちゃんの小さな身体を蝕んでいて……地下空洞で止めを刺そうとしていたスーリアさん(水魔法のシスター)がその不死身っぷりに首を傾げていたのですが、その時からすでに魔剣による侵蝕が始まっていたのかもしれません。


「そん、な…でも、だからといって…何か助ける方法が!」

 ここまで来て助けられなかった事より、このままだとキリアちゃんが死んでしまう(飲み込まれてしまう)のではないかという恐怖に思考が空転するのですが、考えるのを止めたら本当にキリアちゃんが死んでしまいます!


「最後に、ユリエルに…会えてよかった…っ、だって…その辺りにいるお馬鹿さん達に見つかって、ころ…」


「キリアちゃん!!」

 侵蝕が続くキリアちゃんはすべてを諦めた(死ぬ運命だった)というように口を開くのですが、キリアちゃんから流れて来る感情が、その小さな唇に浮かんだ言葉が私にはわかってしまって……無理矢理その言葉を遮りました。


「OOOooOOOxxxtt!!!!」

 そんなタイミングで鳴り響いたデファルセントの雄叫びと振動に震えたのですが、どうやら攻撃範囲に入って来た攻略チームとの戦闘が激化しているようで……デファルセントの意識が外に向いている影響なのか凌辱の手が弛み、その代わりに強まる侵蝕の痛みに言葉を途切れさせたキリアちゃんが呻き声をあげて……。


「聞かせて…何で、キリアを助けに来た…の?」

 絞り出すような疑問には「こんな状態になっているのに」とか「無駄なのに」とか諦めの感情が入り混じっているのですが、そういう負の感情に混じって「全員敵だと思っていたのに」なんていう温かい思いが溢れ出してきていたのですが……私がキリアちゃんを助けに来た理由なんていうものは、とても簡単な事でした。


「私がキリアちゃんの事が大好きだからです!」

 勿論助けると決めたからには助けたいのですが……それ以上に私がキリアちゃんが大好きだから助けたいだけで、こんな状態のまま放置していい訳がありませんし、放置するつもりもありません!


「そ、う…よか、った…キリアも、1人じゃ…じゃあ、そんなお馬鹿なユリエルに…最後の、お願い…私が、コレに()()()()()()、本当の化け物になってしまう前に…」

 純粋な好意を向けられている事への照れなのか、戸惑ったように笑ったキリアちゃんは……。


「ユリエルの手で…キリアを殺して」

 私に呪いの言葉を託してきました。

※安心安全を信条としている猫ですので、ここからたぶんきっとハッピーエンドになる予定です。


※誤字報告ありがとうございます(4/30)訂正しました。

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そう言えば全裸だった まあ何やかんやしてハッピーになりそう
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