472:エレオスアイ
キリアちゃんと比べるとどこか杓子定規っぽいスーリアさんの撤退には助けられたのですが、代わりに残していったエレオスアイという敵は2メートル前後の目玉を覆うドロドロの肉塊から触手が生えているというモンスターで……露出している目玉の部分を一突きすれば倒す事が出来るように思えるのかもしれませんが、その部分は魔力の膜によって守られているので意外と強度があるのですよね。
とはいえ防御膜を貫通する事が出来たら意外とあっさりと倒せるモンスターではあるのですが、生半可な攻撃だと目玉から発射される魔力ビームによって反撃を受ける事となり……何か大昔のゲームにそういう敵が居たような気がするのですが、たぶんそういうモンスターから着想を得た敵という事なのでしょう。
因みにその極端な性能と獲物を観察しようとする特性から『ディフォーテイク大森林』から動く事が出来ないデファルセントの偵察ドローンではないかと言われていたりするのですが……のんびりと相手の様子を窺っている余裕はないのかもしれません。
(なん、とか…目の前の敵だけを倒せれば…いいの…ですが)
スーリアさんの撤退に合わせてトレント達の撤退が始まっているようですし、私達を始末する為に残されたエレオスアイを倒す事が出来たら何とかこの場を切り抜ける事が出来そうなのですが……それが一番の問題なのですよね。
というのもスーリアさんが扱う水には魔力を吸収する効果があるのかMPが枯渇気味で、この状態で燃費の悪い【ルドラの火】を使っても大した威力を出す事が出来ませんし、MPを回復させようにも触手系のモンスターが相手だとドレイン系のスキルの通りが悪く……私は拘束に使われていた媚毒と自分の愛液で出来た水溜まりの中で喘ぐ事しか出来ませんでした。
(魔力に偏らせすぎている弊害かもしれませんが…今は泣き言を言っている場合ではありませんね)
『搾精のリリム』という種族は筋力の増強すら魔力頼みですからね、一度MPが枯渇してしまうと戦闘力が著しく減少してしまい……逆に言うとMPさえあれば何とかできるという事でもありますし、私は力の入らない指先で太腿のポーチから『MP回復ポーション』を掴み取ろうとしたのですが……。
「KYURURU!!」
奇妙な鳴き声を上げながら伸びて来たエレオスアイの触手によってポーションが弾かれてしまい……私が飛んで行くポーションの瓶を掴むよりも早く、エレオスアイの触手が伸びて来ました。
「本…当、にっ!」
何とか触手から逃れようと身を捩るのですが、呼吸をするだけでも甘いきしてしまうような身体で逃げだせる距離はたかが知れていて……あっさりと追い付かれた私は無数の触手に絡め捕られてしまいます。
「ぷーぃい!!」
こうなってしまうと『魔嘯剣』を振るう事もできませんし、助けに入ろうとしていたノワールも横合いから攻撃をしかけてきたオールドトレントの相手をしていて……私達の奮戦を見ながら牡丹も何かしらの援護をしようと檻の隙間からポーションを出そうとしていたのですが、スライムが脱出できないように何かしらの仕掛けが施されている水の檻ですからね、投げ渡す事も出来ないまま私の奮戦を見守る事しか出来ませんでした。
「ひぃぁ!?ん、く…っ、そ…こはッ…さわ…っぁああ!?」
なので自力で何とかしなければいけなかったのですが、密着状態という事と燃費の問題と魔力操作だけで実行可能という事で【淫気】のナイフをエレオスアイに叩き込もうとしたのですが……下の割れ目にエレオスアイの触手があてがわれただけで子宮がビックリしてしまって、愛液でぐっしょりと濡れて重くなった下着の上から軽く擦り上げられただけで集めた魔力が霧散してしまいます。
「はっ、やっ、あっ…ぁあ…く、ぅう!!?ぁあああ゙っ!!?ん゙ん゙ん゙っ!?」
そうして先端がブラシのようになっている触手がクリ〇リスに絡みついて来たのですが、そんな事をされると包皮が捲り上げられてプックリと膨らんだ陰核が顔を出してしまい……私の意識が下の方に向いてしまった瞬間に、エレオスアイが快感ビームを放ってきました。
(これ…くらい、なら!)
ビームの出力が低くて発射のタイミングも目玉が光るのでわかりやすく、発射される前に【淫気】を固めて何とか防ぐ事が出来たのですが……。
「はっ、あ…はひっ、ん゙っきゅ…ん゙ん゙ん゙ゔッ!!?」
ヌメヌメしたブラシ型の触手がクリ〇リスを挟み込むようににゅるんにゅるんと擦り上げて来たかと思うと、剥きあげられた陰核の先端を強めに擦りあげられてしまい……足をピンと伸ばして仰け反ってしまった私の剥き出しの胸目掛けて粘液を滴らせながら先端が開いた触手が齧り付いて来て、それだけで全身が痺れてしまうくらいに気持ちよくなってしまいました。
(ち…ちくびっ…母乳も…ぉお、おぉおおッ!?)
ただでさえスーリアさんにさんざん弄り回された後ですからね、そんなタイミングで放たれる二発目の快楽ビームには対処が遅れてしまい……まるで直接快楽神経に電流を流されたような刺激と強制的な絶頂に身体が跳ねるのですが、絶頂と共にただでさえ枯渇している魔力がエレオスアイに吸われてしまいます。
そうして全身をヌメヌメとした触手が這い回り、胸にしゃぶりついている触手にぢゅるるると音を立てながら母乳を啜られると頭の中が真っ白になってしまい……弛緩し脱力してしまった私は格好の獲物と認識されたのでしょう、滴る愛液に集まるように触手が伸びて来たかと思うと、複数の触手を突っ込むだけという乱暴な挿入が始まってしまいました。
「ひぃっ、あ゙ぁ…お゙っ、お゙お゙…ぉ゙ぉお゙お゙お゙ッ!!?」
快楽ビームの連射で無理やり絶頂を引き出された私の身体は些細な刺激でも敏感に感じ取ってしまいますし、むしろ膣内をてんでバラバラに弄繰り回されると我慢の仕方がわからなくて訳の分からないままいかされ続ける事になります。
(だ…めっ、こんなの耐えられ…魔力が吸われ…すっ!?やっ…あ゙っ、ん゙うっ…くっ……ゔっ!?あ゙ぁ゙あ゙あ゙ッ!!?)
そんな状態で反撃の為に残していた魔力まで吸い上げられてしまうのですが、目の前はパチパチと弾け何も考えられなくなっていて……ここまで魔力が枯渇してしまうと打つ手がありません。
「ん゙っ…きゅゔゔゔゔ~ッ!!?ほっ…お゙お゙ぉおっ!?」
それでも何とか押しのけようとエレオスアイの体に手を伸ばすのですが、巨大な目玉が怪しく光ったかと思うと快楽ビームが放たれようとしていて……。
「ああもう…面倒臭い事になっているわね!!」
そうして完全に脱力してしまった私の身体をドロリとした肉塊のような体で押し潰し、にゅるるると全身を舐め回りながら最後の魔力まで搾り取ろうとしていたエレオスアイは突然現れた巨大な戦斧によって両断されてしまいました。
「何かおっさんが考えていた以上に大変な事になっているんだけど、ユリちー…大丈夫~?」
「ユリエルさん!大丈夫ですか!?」
続いて場違いなくらい明るいスコルさんの声と、タックルを仕掛けるように跳びついて来たグレースさんの言葉で救助が駆けつけて来てくれた事が分かったのですが……。
「たまたまあたし達が近くにいたからよかったものの…しょうがないわね……で、敵の女幹部っていうのはどこに居るの?」
そうしてエレオスアイを斬り裂いたまふかさん達が、周囲に充満している媚毒に身体を火照らせながら熱い息を吐いていたのですが……立ち去ったスーリアさんの姿は見かけなかったようですね。
「あり…がとう、ございまっ…す…その、スーリアさんは…用事があるとの事で」
拘束から脱した私は『スタミナ回復ポーション』と『MP回復ポーション』を飲みながら状況を伝えようとしたのですが、絶頂の余韻と抱きついて来ているグレースさんの身体の柔らかさと温かさだけで軽くいってしまうような有様なので言葉に詰まってしまい……何とか呼吸を整えてから、すでに撤退した後である事を伝えました。
「そう、一足遅かったって事なのかもしれないけど…あんたがボロ負けするっていう事は結構やばい相手だったのよね?」
「はい…単純な戦闘力という点ではキリアちゃんより上だと思います」
何か助けられたという実感が湧いてきたら急に恥ずかしくなってきてしまったのですが……今は状況を説明する方が先ですね。
そういう訳で私は胸を隠して頬を押さえながら、単純な戦闘能力という点では媚毒を振り撒きながら水の槍を振り回すスーリアさんの方に軍配が上がるという事を伝えておきました。
(と、いうよりですが…)
私は掃討戦に移ったまふかさん達の戦いぶりを見ながら抱きついて来ているグレースさんから魔力の供給を受けておくのですが……妙にまふかさん達の救助が早かったと言いますか、駆けつけて来るのが早かったのはどういうカラクリがあるのでしょう?
(まあそのおかげで…助かりましたが)
多分その辺りの疑問が顔に出ていたのでしょう、蜘蛛達のフォローに回っていたスコルさんや、襲い掛かって来ていたトレント達にデストロイアックスを叩き込んでいたまふかさんが言うには私が最初に『エルフェリア』に行くという話をした時点で近くにやって来ていたようですね。
「別に…あんたの事が心配だった訳じゃないのよ?ほら、あんたっていっつも変な事に首を突っ込むから…先回りしようって思っただけよ」
「えー…おっさんの目にはグレグレと一緒にうっきうきで向かっているように見えたけどなー?可笑しいな~?おっさんもそろそろ老眼なのかな~?」
「そ、そうですよ!一緒にユリエルさんの所に行こうって…言っていましたよね!?」
「ああもう、うっさいわね!口を動かす暇があったらあんた達も少しは手伝いなさいよ!」
との事で、ある程度近くに来ているタイミングで敵幹部発見の報告を受けて駆け付けて来てくれたのですが、『エルフェリア』の方にも媚毒が広がりトレント達が暴れ回っていたようで……それを無視して素通りできるようなまふかさん達ではありませんからね、その対処に追われる事になったので少し遅れてしまう事になったのですが……そういう騒ぎがあったおかげでエレオスアイにやられている所を他のプレイヤーに目撃されなかったともいえますし、人が来ないという事がわかっていたらラディに本気を出してもらうべきだったのかもしれません。
まあその辺りは結果論なのですが、それより気になったのが媚毒の範囲が広がっているという点で……私が来た時より酷くなっているという事はスーリアさんが私達と戦った後に『エルフェリア』に向かったという事になるのですが、キリアちゃんと合流する為には大森林に向かわないといけないのですよね。
(方向音痴…なのでしょうか?)
見た目からして頭一つ分抜けている人ですからね、『エルフェリア』で戦っていたまふかさん達が見かけていないという事は何かしらの移動手段を持っているという事ですし……キリアちゃんクラスの敵がその辺りを徘徊しているというのは本当に止めて欲しいのですが、スーリアさんの行動についてはスーリアさん本人しかわからないのかもしれません。
「っていうか、あんた達は何時まで引っ付いてんのよ、残りの敵も倒さないといけないんだからシャキッとしなさいよシャキッと!」
「そっ、い、いえ…もうちょっとだけ、もうちょっとだけユリエルさんをチャージしたら頑張りますので!」
なんてまふかさんはグレースさんの襟首を捕まえ持ち上げようとしているのですが、私にしがみついているグレースさんはなかなか離れてくれなくて……というよりグレースさんって魅了耐性が低かったような気がするのですが、媚毒でべちゃべちゃになっている私に抱きついていて大丈夫なのでしょうか?
(…駄目そうですね)
あからさまに何処かおかしくなってしまっているグレースさんの瞳には怪しげな光が灯っていますし、抱きついて来た手が色々な所を触ろうと伸びて来ていて……。
「あの、今は…ん゙んっ!?」
「だ、か、ら!何をやっているのよ!」
胸を揉まれただけで軽くいってしまった私を見ながらグレースさんは涎を垂らしそうな表情を浮かべていますし、まふかさんは真っ赤になりながらグレースさんを引き剥がそうとしていて、スコルさんなんかは「おお~」なんていいながら目を覆うフリをしながらガン見をしてきているのですが……とにかくトレント系の敵と斧使いのまふかさんは相性が良いですし、隠れるのが上手なブラッディトレントもスコルさんの野生の勘で見つけ出す事ができるようですからね、後の事は皆に任せて少しだけ休ませてもらう事にしましょう。
※ちょこちょこと変更しました(11/29)。
※誤字報告ありがとうございます(4/1)訂正しました。




