442:補充中
フィッチさん達に武器の修理をお願いする事ができましたし、消耗品の補充をしてから魔素を集めに行こうと思ったのですが……このままニュルさんやラディを【招集】しっぱなしだとお腹を空かしすぎて暴走してしまう可能性がありますからね、前回の反省を生かして魔素でも食べて空腹度を回復させておく事にしましょう。
『ね~…確かにお腹が膨れるのだけど~…その辺りに居る人を襲ったら駄目なのかしら~?』
そういう訳で人気のない路地裏で仕舞い込んでいる2人を出してから食事を開始したのですが、味の無い飴玉のような魔素に対してラディが文句を言っていて……勿論食べた分の魔素は集めなおしになるのですが、無関係の通行人を襲わせる訳にもいかないのでラディの提案は却下しておきます。
(駄目です…むしろ何故襲って良いと思っているのですか?)
『で~も~…そうね~…例えばだけど~牡丹ちゃんもユリエルの精気をチューチュー吸えたら吸いたいでしょ~?そうよね~?』
(ぷ…ぅ~…)
そして何を考えているのかわからないニュルさんはともかく、カリカリと魔素を齧っていた牡丹にしなだれかかりながら指でグリグリしているラディなのですが、絡まれている牡丹は困惑したように私の事を見上げて来ていて……。
(イチャイチャしたいのはわかりますが、手当たり次第に襲い掛かっても良いという理由にはなりませんよ?)
幼女スライムに関してはファントムジェリーのお供という事が知れ渡っていますからね、出現条件に何かしらの関係性があるのでは?という考察がネットに広がり初めていますし、そんなところにラディが出て行ったらただただ面倒な事しか起こらないと思います。
『も~ユリエルのケチー…折角ユリエルに性感帯を作ってもらったのに~…ん~っ、これだと宝の持ち腐れだわ~』
そんな事を言いながら【グリモワール】で付与した自分の性感帯を弄るラディなのですが、膨らみとも言えない胸の先端にあるぷっくりと膨らんだ乳首を弄りながら甘い息を漏らしていて……。
(別にそういう目的で付与したのではありませんし…話している途中で弄るのは止めてください)
『でもぉ、ぉおお…はぁ、ぁああ…あっ、あっ』
そうしてプルプルと震えて腰が浮いて来ている指が自分の股の辺りに伸びていったかと思うと、探り当てたGスポットをグリグリするように押し込むラディからは気持ちよさそうな声が漏れ始めてしまい……その思いが【意思疎通】経由で伝わって来るのでこっちまで身体が火照ってドキドキしてきますね。
(それにしても…)
そんなよくわからない会話をしながら、私は頬に手を当てながらラディの全身を眺めるのですが……。
(流石に裸のままというのは世間体が悪いのかもしれませんね)
自分の乳首を弄りながら震えているラディを見ながら軽く息を吐くのですが……性感帯を付与してしまった結果なのか乳首が立っていますし、肌に触れた時の反応も妙に生々しくなってしまいましたからね、隠すべき所は隠しておいた方が良いのかもしれません。
『う~…やっぱり駄目~…ユリエルが弄ってくれた時の方が気持ち良いのに~…ね~え~?』
(弄りませんよ?)
私とラディで魔力を循環させても意味が無いですし、このまま流されたら色々と大変な事になると思ったので心を鬼にしてその提案を断る事にしたのですが……逆にサクッと終わらせてしまった方が良いのでしょうか?
『ああぁ~っ、お゙お゙ぉ~~っ、これっ、これよ~…いくっ、イ゙っ…ッ!?はっ、ぁああああ!!?』
なのでラディの乳首を弄ってあげるとそれだけで簡単にいってしまったのですが、膣いきのようなじんわりとした長い絶頂の余韻に蕩けているラディを見ながら牡丹が何とも言えなさそうな顔をしていて……。
「ではこれでお終いです、アイテムの補充に行きますよ?」
あえて声に出してこれからの行動を宣言するのですが、『イースト港』から人が移動した事や毀棄都市が落ちた影響で物流が安定してきているようですし、どんな変化があったのかを確かめる事にしましょう。
『う~…折角良い調子なのに~…ねー貴方も……って?あら~?どうしたのかしら~?』
そうして渋々起き上がったラディが同意を求めるように声をかけるのですが、肝心要の淫さんの反応が鈍くて……。
『ん?ああ…すまん、少し…集中していてな』
どうやら仕舞い込んでいる『翠皇竜ゴルオダスの魔核』から漏れ出している怨念の力を抑え込むのに思考を割いているようで、私達の会話を聞いていなかったようですね。
(大丈夫ですか?)
『ああ、心配するような事は無いと思うが…コイツがなかなかじゃじゃ馬でな』
そんな軽口を言う余裕はあるようなのですが、ゴルオダスの魔石を制御するのはなかなか大変そうで……。
『それは困ったわね~…いっその事、私が預かりましょうかー?』
(止めてください……でも本当に無理そうなら早めに言ってくださいね?)
『ああ、わかった』
との事で、色々と不穏な気配が漂っている魔核の制御に集中する事になった淫さんなのですが……このままだとスカート翼の操作を任せる事が出来ませんからね、早々に魔核の使用用途を決めた方がいいのかもしれません。
(だからといって…ですね)
この大きさの魔核だと何をするにしても過剰になりすぎて……ドゥリンさんが手放したがっていた理由がわかったような気がするのですが、とにかく今は目の前の用事を一つずつ済ませていく事にしましょう。
そういう訳でニュルさんとラディを【招集】で格納し、甘えるようにじゃれついて来ていた牡丹を抱き上げてからお店を回って行くのですが、町の中を歩いているとあちらこちらから不躾な視線が飛んで来ていて……魅了の力のせいなのかもしれませんが、何かしらのトラブルに巻き込まれる前にそういう人達からは距離を取り……ポーションを10本ずつと牡丹と太腿のポーチに1本ずつという定数に達するように購入し、投げナイフも30本と牡丹と太腿のポーチに5本ずつ、後は細々とした消耗品を買い込み……。
(ラディの服も買っておきましょうか)
半透明のスライムボディーなので気にしなくてもいいのかもしれませんが、下半身はともかく上半身はリアルな幼女体型をしていますからね、このままだと世間体的にも辛いものがあるので何かしらの衣類を購入しておく事にしました。
『別に私は裸のままでも良いのだけど~こうやって全身で風を感じるのも気持ちが良いものよ~?』
(その気持ちが良いというのが別の意味に聞こえるから問題なのですが…それに貴女の場合は内部の核がやられたら終わりですからね、いくら増やしたり分散したりできるといっても小さいままだと押し潰されたらお終いですから)
ラディの体格を考えると【重鎧】は厳しいのですが、【軽鎧】辺りでスライムの核を守れるようにしておけば万が一にも備えられると思うのですが……どういう装備が良いのでしょう?
『そうね~…着るのならユリエルが着ているようなのが良いわ~…例えば~…その首から下げているのとか~?』
そうして少しだけ考え込んでいたラディが私の首からぶら下がっている『イビルストラ』を示すのですが……。
(『イビルストラ』ですか?そう、ですね…案外こういう物の方が良いのかもしれませんね)
流石にマジックバッグになっている物がたまたま市販されていたりW Mに出品されていたりするのかはわからないのですが、普通の防具の場合は巨大化した時に引き千切られてしまう可能性がありますからね、最低限の保護をしつつ耐性面に強みのある【ランジェリー】系の装備を身に着けておくというのは悪い選択ではないのかもしれません。
『そうじゃないのだけど~…まあいいわ~…』
(…?)
そんな事を考えているとやや当てが外れたというように息を吐くラディなのですが……もしかして『イビルストラ』の中に入っているゴルオダスの魔核を狙っていただけなのでしょうか?
(魔核はよくわかっていない事の方が多いですし、下手に手を出さないでくださいね?)
一応釘を刺しておくのですが……そんな会話をしながら防具屋とブレイカーズギルドに赴き、販売されているアイテムを見て回る事にしたのですが……WMもエリアごとに分かれている状態ですし、丁度良い防具が売っていませんでした。
(というより、決戦前なので良い装備が売れてしまったのでしょうか?)
需要の高いハイポーションなども出品されておりませんし、売れ残っているのはあまり実用性の無い……というと生産者に失礼なのかもしれませんが、趣味性の強い奇抜な装備が残っていて……それでも何かしらの代用品が無いかと眺めていると、少しだけ気になるアイテムを見つけたので手を止めました。
(『エナジーストリング』…ですか)
これは服というよりも素材寄りのアイテムで、『エナジークロース』という魔力を帯びた布を割いただけの……言ってしまえば生産に使った残りの端材なのですが、ラディの体格なら長さを調整して首からかければストラになりますし、そのまま体に巻き付けたら紐水着のように着こなす事が出来るのかもしれません。
(『エナジークロース』の方は…売れてしまっているようですし、これにしましょうか)
マントのように羽織れる大きさの物は出品されていなかったのですが、魔力を流せばそれなりの強度が出る『エナジーストリング』はラディ向けの装備だと思いますし、紐扱いなので【蜿々長蛇】で振るう事も出来て……しかも端材なので値段もリーズナブルと良い事づくめですね。
そういう訳でWMから長さが2メートルくらいで幅が15センチメートル程度の平紐が纏め売りされていたので最小単位である5本1セットの物を購入し……色は各色取り揃えられていたのですが、無難に白色を選んでおきました。
(後は…魔素集めですね)
実はラディの裸体を隠す以外にも使用方法を考えていたのですが、その辺りは追々試してみる事にして……本格的に『エルフェリア』に攻め込むのならもう少し入念な準備をするべきなのですが、詳細についてはまふかさんやグレースさん達と相談してからとなりますからね、食べてしまったぶんの魔素も回収しなければいけないのでそろそろフィッチさん達の依頼を果たす事にしましょう。
※少しだけ訂正しました(9/28)。
※誤字報告ありがとうございます(4/1)訂正しました。




