411:渡河の完了とモヤモヤ
私達は薄靄の向こう岸を目指して飛行を続けていたのですが、両脇には色々な影響で悶え呻いているナタリアさんとヨーコさんが居て……そんな状態でフワフワと浮いているので気が散ってしょうがないですね!
(早く、向こう岸について欲しいのですが…)
スカート翼で2人の身体を固定しているので速度が出ませんし、水面から顔を覗かせるように浮かび上がってきているジェリーローパー達が毒液を吹きかけてきているのでなかなか進む事ができず……勿論牡丹とノワールが防いでくれているので直撃する心配は無いのですが、フヨフヨと浮いているだけなので弾けた飛沫が飛んできてしまい……これ以上媚毒に侵されない為には多少の回避運動をとらなければいけませんでした。
(ゆ、揺れて…引っ張られ、て…ぇ…)
その度に胸が揺れてしまいますし、ナタリアさんとヨーコさんが落ちないようにギュッと私の衣類を掴むとドレスを固定している乳首がギューっと刺激されて子宮が疼いてしまい、噴き出す汗と母乳に集中力が削られていきます。
(胸も…あそこも…どんどん熱くなって)
どれだけ平行移動を心がけても私の大きな胸はぶるんぶるんと揺れ動いてしまい……カチカチに膨らんだ乳首が刺激される度に息が上がり、トロトロと溢れる愛液を吸って重くなった糸のようなショーツが割れ目に食い込みドレスの動きに合わせてクリ〇リスを守る包皮を捲り上げるように動くと息が漏れてしまいました。
(集中しないと、いけないのですが…っ)
そんな状況だというのにナタリアさんとヨーコさんを両脇に抱えている状態ですからね、下着の位置を調整する事もままならなくて……下手にドレスを操作しようとすれば一番敏感な場所を無意識にクリクリしてしまいそうですからね、そう簡単に動かす事が出来ません。
「はひぃ、ぁあ…ああ…ッ!?」
あまりにももどかしすぎて太腿をモジモジと動かしてポジションを整えようとするのですが、動けば動くほど変な場所に引っかかって捲れ上がり……とうとう顔を出してしまった陰核に糸が絡まり擦り上げられると全身に電流が流れたかというように身体が跳ねてしまい、頭の中が真っ白になりかけてしまいました。
「ふぅッ、っ!?ぁ…ああ」
鋭い痛みにも似た甘い刺激に身体の方が悦んでしまい、勝手にカクカクと動いてしまう腰の動きに合わせ食い込んでいく下着が割れ目を広げていき……滴る愛液が太腿をなぞる感触だけでも力が抜けてしまい、高度が下がっていきます。
「ユリエルちゃん…」
それでも必死に高度を稼ごうと【魔翼】に力を込めていると、その頑張りを労わるようにヨーコさんが私のお腹を撫でてきて、その動きに気づいたナタリアさんが戸惑いながらもその手のひらの上に自分の手ひらを重ねるのですが……2人の顔には魅了にあてられた人特有の狂気が張り付いており、このままだと不味いという事はわかっているのですが、お腹を撫でられる度に広がる温かさとゾワゾワ感のせいで翼が震えてしまいました。
「ま、待ってください…い、今は…ぁんッ!?」
我慢しなければ墜落するというのに2人は熱に浮かされたように私の身体を撫でまわしてきますし、乳首を摘ままれ母乳を絞られると恥ずかしい声が漏れてしまい……愛液がとめどなく溢れている割れ目に2人の指先が伸びてくると子宮が疼いて呼吸が早くなってしまうのですが、もう少しで快楽に押し流されてしまうというギリギリのタイミングでニュルさんが2人を拘束してくれました。
「ニュルちゃん!?え、あ!?この体勢だと体重で…ふ、深く刺さって!?」
「はっ、アっ…あぁ…ぁあ…ぉお゙お゙お゙お゙」
そうして前と後ろの気持ち良い穴をぐちゅぐちゅと決められてしまったヨーコさんとナタリアさんの手が止まるのですが、その隙に淫さんも拘束に加わってくれて……。
(な、何とか…見えて…)
ニュルさんと淫さんのおかげで2人の凶行がおさまったのですが、昂るだけ昂った身体は中途半端な愛撫の後に放り出されてしまった事による熱が燻ぶっていて、汗ばみ喘ぎ声をあげている2人の甘い香りが私を誘惑してくるのですが……必死に自分の欲望を抑え込み、快楽に身を任せたいという思いに蓋をしながら飛行を続けると対岸が見えてきました。
『大丈夫か?』
そうして息も絶え絶えというように渡り切る事が出来たのですが、へたり込んでしまった私達に対して淫さんが声をかけてきたのですが……すぐに返事を返す事が出来ませんでした。
「は…っ、はー…はー……はい…な、なんとか」
もう少しで理性のタガが外れてしまうところだったのですが、本当にギリギリのところで何とか耐える事が出来て……呼吸を整えながら無事だと返事を返すと何故か淫さんからは肩を竦めるような気配が伝わってきたのですが……どういう意味なのでしょう?
『いや、深い意味はないんだが…こういう状況になったらお前も混ざるものだと思っていたからな』
そんな事を言いながら視線を向けていたのは一緒にへたり込んでいるナタリアさんとヨーコさんなのですが……私は垂れていた涎をぬぐいながら淫さんに返事を返します。
(愛し合っている2人の邪魔をする程野暮ではありませんし、私はT P Oを弁えていますので)
『搾精のリリム』には色々と危険な魔力が宿っていますからね、私がイチャイチャしてしまった結果2人の間に亀裂が入ってしまったなんて事になったら大変です。
『そ、そうか……お前が…TPOを…』
「ぷー?」
そして自信満々に言い切ると何故か淫さんは信じられない言葉を聞いたというように驚いていたのですが、私達を追って岸辺に上がって来ているジェリーローパー達と戦っている牡丹とノワールから「どうするのー?」と声が上がって……このまま開けた川辺に居座っているとモンスターが集まって来てしまいますし、本格的な襲撃が始まる前に移動してしまいましょう。
「2人とも…大丈夫ですか?」
媚毒の靄の中、ニュルさんの悪戯を受けながら『搾精のリリム』の魅了にやられていた2人は自然とお互いの指を絡めるように手を繋いでいたのですが……多分最後の最後でニュルさんに弄られ絶頂したのが良かったのでしょう、気まずさと恥ずかしさに頬を染めながらも何とか顔を上げました。
「だ、大丈夫よー…って言いたいんだけど…ちょっと力が入らなくて……ナタリーは大丈夫?」
「ごめん、私も足が震えて…その…」
多分地面に座り込んでしまった事により気が抜けてしまったのでしょう、身動きが取れなくなってしまった2人は曖昧な笑みを浮かべながら私の顔色を窺ってくるのですが……ここで変に注意したり蒸し返したりしても気まずくなるだけですからね、ここはいっその事犬にでも噛まれてしまったという事にしておきましょう。
「今日は妙に媚毒の濃度が濃かったみたいですし…ファントムジェリーが近くまで来ていた影響でしょうか?」
「そ、そうね~…本当に…」
私が何食わぬ顔でポンと手のひらを合わせると、2人も「媚毒は怖いわねー」と取ってつけたように笑ったのですが……ひとしきり笑った後に現実的な問題を話し合う事になりました。
「えっと、それで…これからどうするの?」
「そう、ですね……まずはレナギリー達にナタリアさん達の事を説明しようと思っていますが」
いきなり押しかけた場合はナタリアさんとヨーコさんが蜘蛛達に襲われてしまう可能性がありますからね、まずはレナギリー達に協力者が居る事を伝えておかなければいけません。
(それに…)
2人がへたりこんでいるのは大体全部ブレイクヒーローズというゲームが悪いのですが……魅了の力やニュルさんの悪戯が原因でもありますし、余韻が抜けきらない2人に無理をさせるというのも悪いので近くの木陰まで運んだ後はゆっくりしていてもらいましょう。
「2人はこのまま茂みに隠れて休憩してもらい…たぶん大丈夫だと思いますが、蜘蛛達がやって来た時の為にノワールを置いていきますので…それで牡丹は……一緒に行きましょうか」
「ぷっ!」
レナギリー達が毀棄都市の攻略をしようと戦力を集めている状況ですし、後顧の憂いを断とうと周囲に偵察部隊を送り込んでいた場合はややこしい事態に陥ってしまいますからね、そういう場合の説得要員としてノワールを残す事にしました。そして牡丹は私と離れるのが嫌だという顔をしていたという事もあり、一緒にレナギリーの元に向かってもらう事にしました。
「それでニュルさんは…」
ニュルさんに関してはどちらでも良いといいますか、本人的にもついて行っても良いし残って2人のイチャイチャを見ていても良いという感じで……足腰の立たない2人を残していくというのも一抹の不安がありますからね、護衛として残ってもらう事にします。
(2人の事をよろしくお願いします)
【意思疎通】を込めてニュルさんにお願いをすると、「了解」と言うように触手をウネウネさせていたのですが……これでレナギリー達の下に行くのが私と牡丹と淫さんの3人で、ナタリアさんとヨーコさんとノワールとニュルさんが残る事になりました。
因みに私達が残ってノワールに伝令を頼むという方法もあるにはあったのですが、その場合はムラムラしすぎている私が1人になる時間が無くて……ではなくて、レナギリー達から熊派の最新情報も聞き出さないといけませんし、機動力の高い私が向かうのが一番合理的な判断だと思います。
「ではサクッと行ってきますので」
そういう訳で妙にソワソワしてしまったのですが、説明もそこそこに……のぼせたような顔でへたり込んでいるナタリアさんとヨーコさんを茂みの中に隠して私達は一旦別行動をとる事になりました。
※ユリエルがラブラブカップルの間に入らないというのはリアルでの経験も影響しており「誰々の彼氏をとった!」みたいなトラブルに巻き込まれない為にも恋人達の仲を裂かないように一定の距離を取るようにしています。
※少しだけ修正しました(7/24)。




