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410:隠し切れていない2人

(ファントムジェリー達は……どこかに行ったようですね)

 橋の残骸が引っかかっている渡河地点、川辺に近づくほど媚毒の薄靄が広がり白く煙っているのですが……私達はその白い靄の中に隠れながらファントムジェリー達が居ないかを確かめていました。


(罠が残されている可能性もありましたが…そういうのも無いみたいですし)

 例えば幼女スライムをその辺りに潜ませておくとか、近づいたら発動する魔法をしかけておくなどが考えられるのですが……そのような仕掛けが設置されている様子もありません。


 それを確認してから息を吐けば薄い靄が肺の中に入って来るのですが、媚毒を含んだ空気に身体が熱を帯びてきてしまい……私は心を落ち着かせるためにゆっくりと息を吐き出しました。


(いけませんね、ナタリアさんとヨーコさんも()()()()()()()()しまいましたし、今は集中して…)


(ぷーうーうー)

 何て事を考えていると、少し離れた場所を調べてもらっていた牡丹から「敵影見えず」の報告が入り、川辺を調べていたノワールは手を振りつつ地面を指差していて……。


(何かを引きずった跡と…それを追いかけている足跡ですね)

 改めて争ったような痕跡は見当たりませんし、ファントムジェリー達が捕らえた人達(獲物)を巣穴に運び込み、カナエさん達がその痕跡を追っているという事なのでしょう。


『厄介ごとは避けられた…と、言いたいところだが…』

 そして淫さんが大きなため息を吐いていたのですが……言いたい事はわかります。


「はっ、あ…ヨーコ、ちょっと…こんな所で…」


「気持ち良いのはわかるけど…もう少し声を抑えないとユリエルちゃん達に気づかれるわよ?」


「だ、だって…ヨーコの指が柔らかくて気持ち良く…てぇ、あ゙、あ゙ああ゙ッ!?」

 第二エリアをあまり探索した事の無かったナタリアさんとヨーコさんは媚毒に対する耐性が低かったようで、媚毒の靄が漂い始めた辺りからモジモジと落ち着きが無くなってしまい……先導していたナタリアさんが火照ったような顔でふらつきかけていたので交代を申し出たところ、ある程度離れた所でいちゃつき始めてしまいました。


(2人は隠れているつもりなのだと思いますが)

 ナタリアさんは拠点の近くとはいえ第二エリアで活動していた筈なのですが、耐性系の装備やスキルは取得していなかったのか媚毒にめっぽう弱いようで……というよりかなり自然な流れでイチャイチャし始めていたのでこれが初めてという訳でもないと思いますし、ヨーコさんが媚毒を作っていたのでその調教の結果が出ているのかもしれませんが……とにかくムラムラしてしまった2人は周囲の警戒を私達に任せてイチャコラし初めてしまい、そんな喘ぎ声を聞かされ続けているとムラムラしてきてしまいますね!


「んふふっ、ナタリーはここを弄られるのが好きなのよねー?」


「駄目駄目、駄目だって…っ!?そこ擦られたら…ユリエルちゃんに気づかれ!?ん、んんんッ!!?」

 私達に気づかれていないと思っている2人は私達から隠れてイチャイチャするという配慮はあったものの、護衛に残しているニュルさんからの【意思疎通】のおかげで会話が筒抜けで……というよりそのニュルさんがニュルニュルと絡みついたせいで2人がおかしくなってしまったといいますか、『搾精のリリム』の眷属になっているニュルさんの触手には特殊な効果でもあるのか撫でられるととても気持ちよくなってしまうようで……そんな触手に胸やら股間やらを弄られている内に我慢できなくなってしまった2人が私達の目を盗むようにイチャイチャし始めてしまいました。


 なので妙に止めづらいといいますか、2人がイチャイチャしている原因というのが身内であるニュルさんのせいですし、2人に絡みついているニュルさんが精気を吸えば吸うほど私達にも還元されて来るのでフワフワとした気持ちよさが広がり色々と漏れ出してしまいそうで……。


(我慢、我慢です)

 そうしてナタリアさんの喘ぎ声を塞ぐように舌を絡め合う2人の吐息にゾクゾクしてしまうのですが……時間制限(作戦開始時間)が迫っている状態ですからね、のんびりと休憩している余裕なんてありません。


 そう思って我慢しているというのに2人のイチャイチャがエスカレートしていっているようで、微かな水音のような挿入音と押し殺したような喘ぎ声に混じってニュルさんが元気にウネウネしている気配が伝わって来て……。


「待って、そんな太いの入ら…っ!?お腹、苦しのにぃ…ヌルヌルしたのが動いたら…ふぅ、うう…あ゙ぁ゙あ゙ッ!!?」


「え、あ…私にも…入っ…待っ…はっ、あっ…あ゙あ゙っ、ぁあ゙あ゙あ゙ッッ!!?」

 どうやら我慢できなくなったニュルさんが2人の大事な所に触手を伸ばしたようで……そんな2人に声をかけるのが物凄く気まずいのですが、ファントムジェリー達が居ない事も確認できましたし、あまり同じ場所に留まっていると他のモンスター達が近寄って来てしまいますからね、ここは心を鬼にする事にしましょう。


「偵察が終わりましたが…この辺りに敵はいないようですね」


「はへぇっ!?ユリエルちゃん!?ちょ…んんっ……ヨーコ、駄目だって…ニュルちゃんも、本当に…今…は…ッ!?待っ!?今そんな所を摘んだら…イ゙ッ…ち、違っ!?ユリエルちゃん違うの!?だから向こう…にっ、はぁあ゙あ゙!?ん゙、ん゙ん゙ん゙ッ!!?」

 そうして慌てて木の陰から顔を出したナタリアさんが大変な事になっているのですが、私の立ち位置からは見えない位置でジュブジュブという何かが前後するような水音と共にナタリアさんの身体がビクンビクンと震えていて……喘ぎ声を我慢するように俯き加減に歯を食いしばっているのですが全然我慢する事が出来ていませんでした。


「そ、そふぉ…はっ、んっ…あっ、ちょ…はっ、ぁああ……ユリエル…ちゃん、ど、どうし…?……ファントムジェリー達はぁ…どう、だったのー?」

 そんなナタリアさんの横から顔を出したヨーコさんの蕩けた口元からは涎が垂れていますし、一度怪訝そうに「どうしたの?」と聞き返しかけていて……こちらもこちらで私達が索敵に出ていた事を忘れていたようですね。


「この辺りにはいないようですね、巣に戻ったのかそれとも他のプレイヤーと戦っているのかはわかりませんが…今のうちに渡ってしまいましょう」

 特にそれらしい情報がネットにも上がっていないので戦況は不明なのですが、便りの無いのは良い便りとポジティブ(こちらが押している)に捉える事にしましょう。


「そ、そーおー…?じゃあ…渡ってって言いたいけど……んっ…少し、準備をしてからでもいいかしら?その、一度イッ…じゃなくて、気持ちの整理をつけたい、というか…はぁっ、んっ…と、とにかく…ちょっとだけ待っててもらってもいいかしら~?」

 少し角度を変えたら2人の恥ずかしい痴態が丸見えになってしまいそうなので視線を逸らしておくのですが……出来るだけ平常心を維持しつつ危険が無かった事を伝えておいたのですが、私のどこか余所余所しい態度にナタリアさんもヨーコさんも気づいている事に気づいてしまったようで、それで止まるどころか盛り上がってしまうのが媚毒の凄いところですね。


 堕落したスリルの前ではまともな思考が残っていないのか取り繕う余裕もないようですし、惚けていたナタリアさんが「だから止めようって言ったのに」と言うようにヨーコさんを睨んでいるというのに睨まれているヨーコさんは膨れっ面をしているナタリアさんが可愛いというようにニコニコと笑っていて……とにかくそれから時間をかけて身支度を整えた2人はツヤツヤとした満足げな笑みを浮かべながら出て来たのですが、それなりに身だしなみは整っており……この辺りはヨーコさんが何かしらのアイテムを持っているのかもしれません。


「これから、この河を渡るんだよね?すっごい霧が出ているけど…これが媚毒の霧っていうのかな?」


「そう、ねー…濃度はそれほどでもないと思うのだけど…ユリエルちゃんは大丈夫なのー?」

 あははと笑って誤魔化す2人の顔は赤いままで……媚毒の靄の中だとなかなか身体の火照りが収まりませんからね、一回二回いった程度では落ち着かないのでしょう。


 それでも「媚毒のせいだから」という事にしておきたい2人は曖昧な笑みを浮かべながら指を絡めてモジモジしていたのですが……のんびりしようにもナタリアさんやヨーコさんという助力者の事をレナギリーに説明しておかないと繭にされてしまう可能性が高いですからね、説明と説得にかかる時間もあるのであまりのんびりしている余裕がありません。


「はい…種族的なものだとは思いますが」

 とにかく内に籠るムズムズした熱を吐き出すように息を吐き、それから「媚毒はよく受けていますから」と言うのは恥ずかしかったので『搾精のリリム』だからという事にしておいたのですが、こうして少量の媚毒を吸ったままだと頬も身体もポカポカしてきてしまいますし、少し身体を動かしただけであちこち擦れて引っ張られてピリッとした気持ちの良さが滲むように広がってしまい……そんな内なる衝動を曖昧な笑みで抑えて何食わぬ顔で誤魔化しておきました。


「それはー良いのだけどー……大丈夫なのかしらー?」

 そうして私達3人は曖昧な笑みを浮かべ合いながら色々な疑問や話題を流す事にしたのですが……川の中には獲物を待ち構えているジェリーローパー達が蠢いていますからね、「ちゃんと渡れるかしら?」と心配そうな顔をしているヨーコさんに対してナタリアさんがフォローを入れます。


「えっと、ユリエルちゃんが運んでくれるのよね?」


「はい、事前に説明した通り私が担いでいきますので…牡丹達が防衛してくれれば大丈夫かと……という訳で、さっそく移動しますね」


「え?も、もう?」

 ここでグズグズしていてもしかたがないですし、案ずるより産むが易しとスカート翼で2人を固定して両脇に抱えるように抱きしめるとナタリアさんに驚かされてしまったのですが……身支度を整えたといっても盛大にいってしまった直後ですからね、抱きかかえた時にフワリと香る体臭にナタリアさんは顔を真っ赤に染めていました。


「これはドレスの効果…よね?凄いわー…どうやって動いているのかしら?」

 ただ生産者側の思考を持っているヨーコさんは恥ずかしさよりも『翠皇竜のドレス』の方が気になっているようで……こちらもこちらでフワフワと抱き心地がよくて頭の奥がジンと痺れるような感じがするのですが、心を無にして頑張る事にしましょう。


「牡丹達もよろしくお願いしますね」


「ぷっ!」


『任せろ』

 そうして『ベローズソード』を咥えた牡丹が私の頭の上に乗り、ノワールは遊撃、ニュルさんはナタリアさんとヨーコさんに絡みついて固定のお手伝いをすると共に触手をウネウネと周囲に伸ばして迎撃の準備も万端ですね。


「擽…っ、待って…あっ、はあぁ…ああっ!?」


「やん、そこは……もう、今は敏感になっているから…」

 だというのに何かさり気なくニュルさんがナタリアさんの割れ目を擦り上げていますし、ヨーコさん自慢のTカップおっぱいをぐにゅぐにゅと(もてあそ)ぶように乳首を(いじ)ると2人は荒い息を吐きながらモジモジしているのですが……2人がイチャイチャしていたからおくれましたなんて報告したらまふかさんが大激怒してしまいますからね、ここからは少しだけ急ぐ事にしましょう。


「行きます!」

 そうして2人を抱えたまま残骸の上を飛び越えて行こうとすると、何処からともなく集まって来たジェリーローパー達が毒液を吐きかけて来て……飛び散る媚毒や揺れが与えて来る気持ち良い所への刺激、そしてなによりニュルさんの触手に悶えてしまっている2人を抱きかかえながらだとバランスを崩してしまいそうで、まともに飛行する事ができません。


(これは、意外と…辛いですね)

 それでも牡丹達が全力で迎撃をしてくれているので飛行(【魔翼】)に集中する事が出来ているのですが、疼く身体ではすぐに息が上がってしまい……なかなか対岸が見えてきませんでした。

※少しだけ修正しました(7/24)。


※誤字報告ありがとうございます(3/27)訂正しました。

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