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402:新たなる境地を目指して

 飢餓感の赴くままにリッテルさんとカナエさんを押し倒したのですが、こんな所でイチャイチャし始めたら大変な事になってしまいますからね、ギリギリのところで理性が働き踏み留まれたのは幸運だったと思います。


(牡丹)


(ぷ~…)

 なので牡丹に周囲の警戒をお願いすると「やれやれ」というようにノワールと一緒に周囲の警戒に出てくれて、ニュルさんは2人を威嚇するように触手をウネウネとしていて……これで問題無しですね。


『いや、これで問題無しですね…じゃないだろう?まったくお前という奴は見境なしだな』

 ただ淫さんだけが冷静なツッコミを入れて来るのですが……そんな事を言いながらも残り少ない布地を使ってカナエさんを拘束してくれていますし、ある意味共犯関係にある人に突っ込まれるとムッとしてしまいます。


(カナエさんを拘束している淫さんには言われたくないのですが)

 それにカナエさんを拘束する事によってただでさえ少なかった布地が取られてほぼ全裸の状態になっていますからね、そんな状態でお説教を受けるのは納得いきません。


『それはそうなのだが…お前もだんだんと割りきりがよくなっているというか開き直ったというか……まあお前が空腹だと我々が苦労するからな』

 思考を読んでいる淫さんは自問自答のようにブツブツと言っているのですが、2人から精気を頂くという事に対して反対する気はないようなのでよしとしておきましょう。


「あのー…ユリエルさん?私は植え付けられていないから調べる必要が無いのだけど?」

 そして少し冷静になったカナエさんが淫さんの魔の手から逃れようと藻掻いていますし、ほぼ全裸になってしまった私に対して気まずそうに目線を彷徨わせながらそう言ってくるのですが……どうしましょう?


「カナエさんは調べなくても良いのですか?」

 カナエさんの服装は変わらずのアーミーグリーンのタクティカルジャケットの上にハードレザーの軽鎧を着こみ下は黒い長ズボンにジャングルブーツという出で立ちで、背中にはミリタリー仕様のバックパックを背負っているといういつもの格好なのですが……各所に付けているサポーターが溶けかかっていたり前回被っていたヘルメットが無くなっていたりするのはスライム達にやられたのかもしれません。


 そして多少デザインは変わっていますし素材が『エルフェリア』産の魔法素材に変わってはいるのですが、生地の分厚さは変わっていないので一見すると何事もないように思えるのですが……なんだかんだとカナエさんも媚毒の霧の中に居ましたからね、それに『搾精のリリム』の嗅覚とでもいうのでしょうか?その身体が発情してムズムズしている事が理解出来てしまいますし、このまま放置するのも生殺しに近いのですが……本当に良いのでしょうか?


「それは……とにかく、私は大丈夫ですから!」

 そう思って確認したのですが、カナエさんは少しだけ悩むそぶりをみせ……悩むそぶりをみせてしまった事を恥ずかしがるようにキッパリと言い切りましたので、カナエさんに関しては諦める事にしました。


『本当か?』

 だというのに淫さんはどこか胡散臭そうな声色で聞いてきたのですが……どうしてここまで疑われないといけないのでしょう?


(私の事をどう思っているのかはわかりませんが、無理強いする気はありませんよ?)

 カナエさんに関してはもう本人がその気になるまでは見守ろうと思いますが……それより問題はリッテルさんの方だと向き直ると羞恥と期待が滲み出てきている半笑いを浮かべていて、ゴクリと唾を飲み込み一度目を閉じ眉を震わせながら口を開きました。


「あの…なっ、何度も言いますが…わたしにそのような趣味は…それに万が一寄生されていたとしても自分で取り出し…ひゃんッ!?」

 出来るだけキリッとした顔を作ってそんな事を言うリッテルさんなのですが、見え見えの嘘を聞いている時間も無いので説得を開始しましょう。


「自力で取りづらい事はわかっていますし、下手に弄って中で核が壊れたらたぶん大変な事になると思いますが…どうやって取り出すつもりなんですか?」

 植え付けられたスライムの核が取り出しづらい事は自分の身体で実証済みですからね、幼女スライム達に装備の大半を溶かされ丸出しになってしまっている胸を……リッテルさんが着ていた鎧は溶かされ武器もロスト(落とした)、護衛任務だからという割り切った装備(荷物は置いて来た)をしているのでなければマジックバッグも失くしているという下着姿同然の格好をしているので触り放題ですね。


(ニュルさんは62点と言っていましたが…)

 分厚い鎧の下に隠れていたのは80中盤のDカップくらいでしょうか?スラリとした160センチくらいの筋肉質の身体のフワフワした部分を軽くなぞりながら耳元で囁くと、それだけでリッテルさんは言葉を詰まらせ気まずそうに視線を逸らしました。


「ちゃんと確かめておかないと大変な事になるのはわかっていますよね?最悪の場合は町に入ってからスライムを出産するという可能性もありますし」

 キリアちゃん達が一度その手を使って『アルバボッシュ(始まりの町)』で混乱を引き起こしていましたからね、勢力が違うとはいえ警戒しなければいけません。


「しゅ…出産ですか?」


「ええ、だから確かめないといけませんし…」

 流石にスライムを生み出すのは嫌なのか赤くなったり青くなったりしているリッテルさんなのですが、こういう事に免疫が無いのか勇気が無いのか思い悩んでいるようで……まずはその不安を取り除こうとリッテルさんの頭を抱えるようにギューッと抱きしめると、『搾精のリリム』のフェロモンに包まれたリッテルさんはビクンッと身体を跳ねさせました。


「それにリッテルさんは興味が無いと言っていますが…ずっと胸を見ていましたよね?それはどうしてですか?」

 『搾精のリリム』である私の汗や吐息は媚毒となりリッテルさんの身体を蝕んでいきますからね、こうして抱きしめているだけでリッテルさんの身体から力が抜けて警戒心が薄れていきます。


「それ、は…!」

 そしてどうしてあれだけマジマジと見ていて気付かれないと思っていたのかは謎なのですが、おっぱいが大好きなリッテルさんは「気づかれていたのか!?」みたいな様子で……私の胸に埋もれながらフガフガと言っていたリッテルさんは自分の性癖をバラされて恥ずかしくなったのか耳まで真っ赤になったり鼻息が荒かったりで擽ったいですね。


「んっ、ふ…」

 それに抱きしめたリッテルさんのフワフワしたクリーム色の髪の毛は見た目よりも硬くて……いくらブレイクヒーローズのアバターが細かく弄れるといっても何も設定しなければリアルのデータが参照されますからね、たぶんこれがリッテルさん本来の髪質なのでしょう。


(おっぱい大好きなムッツリさんだと思いますが…どうなのでしょうね?)

 なんとなくそのまま髪質の違和感を楽しむように撫でてあげながら、装備が溶かされ素肌が剥き出しになっている所をなぞるとそれだけで身体を震わせていて……軽く精気を吸い取るだけでもいきそうになるくらいリッテルさんの感度が良いのですが、こんな状態で手出しされないというのは逆に辛いと思います。


「んっ…リッテルさん?」

 そうして抱きしめながら撫でる事数分、キューっと身体に力が入ってリッテルさんの腰がカクカクと動いたかと思うと慌てて押しのけようとするように胸を鷲掴みにしてきて……グニュングニュンと力いっぱい揉みしだかれてビックリしてしまいました。


「ユリエルさんが…悪いんですから!これは正当防衛ですからね!」

 元から興味津々だったおっぱいが目の前にあり、色々と吹っ切れたリッテルさんは酷い顔をしていたのですが、それがとても可愛くて……。


「好きに弄り回してくれても良いのですが……その、少し…痛いです」


「す、すみません!」

 重戦士タイプのスキルツリーをしていると思われるリッテルさんは筋力強化されていますからね、そんな人におもいっきり胸を揉まれたら痛みの方が強いのですが……絞られるような刺激に母乳が溢れてしまいます。そして慌てて手を離したリッテルさんは私の胸から母乳が出ている事に気づいて驚いたような表情を浮かべました。


「その、種族的なもので母乳が出るように…リアルでは出ていないのですよ?これはゲーム的な仕様で……飲んでみますか?」


「え、でもそれは…」

 なんとなく母乳についての説明をしたのですが、リッテルさんの視線が胸に釘付けになっていますし目をキラキラと輝かせながらとても飲みたそうにしていたので提案をしてみると、口では否定しながらも思い悩んだ後に恐る恐るというように口を近づけてきて……。


「んんッ!?はっ…ぁあ……どう、ですか?」

 チュッと咥えられる瞬間身体が跳ねてしまったのですが、長年の夢が叶ったというようなリッテルさんは私の言葉を聞いていませんでした。そして最初はチロチロとついばむような感じだった舌使いは徐々に大胆になっていきます。


「んちゅ、はっ、これが…母乳…ぅああ…あっん゙っ、あ゙ッ!!?」

 淫魔の母乳なんていう物を飲んでしまったリッテルさんは理性が飛んでしまったような気がしますし、ジュゥウウっと母乳が抜けていく搾乳感に腰が抜けそうになってしまうのですが……これくらいなら【淫気】を操作する事ができますからね、リッテルさんの意識が別の所に向いている内にスライムの核を確かめてみる事にしました。


(それにこれだけ濡れていたら大丈夫だと思いますし)

 軽く【淫気】を挿入してみるだけで中からとめどなく愛液が垂れてグチュグチュに蕩けている事がわかりますし、溢れて零れて滑りも良いので弄り回すように調べていく事にしましょう。


「ッ!?あっ…ちょ、ちょっと…今、はっ!?」

 集中力の問題もあり、自分の中にあったスライムの核を取り出す時はニュルさんにお願いする事になったのでスライムの核を排除するのは初の試みなのですが、【淫気】を使ってリッテルさんも知らないような奥の奥まで弄って探っていくと……どこにもスライムの核らしき物はありませんでした。


(植えられて…いないのでしょうか?)


「あのっ!?そっちはあまり弄っていないのでお手柔らか…っ、ゔっ!?ふゔ!!?うっ、んひッ、な、な()こりぇ!!?」

 そう思って【淫気】を使って前と後ろ、穴という穴を調べてみたのですが……結局スライムの核どころかスライムの断片すら見当たりません。


(これはもしかして…)

 スライムの核の話をした時にリッテルさんは何か思い当たる事があるような顔をしていましたからね、植え付けられた事は植え付けられていたのかもしれませんが……その後ニュルさんが弄り回してた時に邪魔なスライムの核を排除したのでしょうか?


 何となくこの推理が当たっているような気がしてニュルさんの方を見てみると、いつの間にそこまで仲良くなったのかはわからないのですが、カナエさんの左足に触手を絡めてウネウネしていて……眷属といってもニュルさんは独立独歩が強いですからね、いまいち何を考えているのかはわからなかったのですが……概ね私の推理通りのような気がします。


「あ、あの…ユリエルさん……それで、どうですか?」

 そうして全身くまなく調べられて色々と噴き出してしまったリッテルさんを心配そうに見ながら股間を押さえてモジモジしているカナエさんが訊いてきたのですが……どう答えるのが正解なのでしょう?


「大丈夫…だと思うのですが?」

 腰がカクカクと動いて潮を噴き出して脱力しきっているリッテルさんは全然大丈夫そうではないのですが……とにかくスライムの核はありませんでした。


「何ですか、それは…それじゃあ…」

 こうなると私が大騒ぎしただけになるのですが、カナエさんは責めるべきか呆れるべきかと悩むように視線を彷徨わせ……敏感な所を弄られていないとはいえニュルさんの触手が絡まり肌を撫でられていましたし、自分でもズボンの上からスリスリさすったりグリグリしてしまっているのが見えてましたからね、このまま押せばイチャイチャできるのかもしれませんが……それは止めておきましょう。


「そうですね、杞憂だったようですし……身支度を整えたら先に進みましょうか」


「え?そ…」

 私がリッテルさんから身体を離して手を打つと、カナエさんは間抜けな顔をしながら何か言いかけたのですが……まるで自分からはしたない事を言いかけたというように茹で上がりながら下を向いてしまいます。


『おい、お前…』

 ただ私の企みを知った(読んだ)淫さんが代わりに何か言いたげな様子で口を開くのですが……私とリッテルさんだけがイチャイチャするというのは不公平ですからね、カナエさんにも楽しんでもらうためにも色々と策を弄する事にした事を伝えておきましょう。

※少しだけ修正しました(7/6)。


※誤字報告ありがとうございます(3/27)訂正しました。

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