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399:淫魔の因子

 薄霧広がる川の傍、カナエさんの知り合い(PTメンバー?)……だと思われるリッテルさんの斬撃を防いでいる間にファントムジェリーが無数の幼体を引き連れ襲い掛かって来たのですが、こうなったらもうなりふり構っている場合ではありませんね。


「何か触手が動いて…へ、変な所をさわらないでくだ…っ!?んーー!!?」


「な…何をしているんですか…リッテルさんは味方ですよ!?」

 このままだと話が進まないとリッテルさんに絡みついていたニュルさんに四肢を拘束してもらい口を塞いでもらうと、装填しなおしたクロスボウを構えながらカナエさんが叫び声をあげました。


「それはわかっています…が、ノワールも撤退しますよ!」

 私はリッテルさんにしがみ付いていた幼女スライムを蹴り倒しつつその運搬をニュルさんに任せ、いつの間にか少し離れた位置で幼女スライムの動きを牽制してくれていたノワールに声をかけてからカナエさんを小脇に抱えて撤退を開始しようと思ったのですが……。


「ひっ、なん…ふわぁっ!?揺れ、ああっ、あっ、ああぁ…っ!!?」

 因みにニュルさんは身体を空間に沈めて触手だけ浮かしている状態でリッテルさんを固定しているのですが、私達が逃げ出そうとしている間もリッテルさんの鎧の隙間から入り込んだ触手があちらこちらを弄り回しているようで、媚毒混じりの触手が幼女スライムに溶かされたインナーの下にある大事な穴にジュプリと入って震えて軽く前後運動をしていました。


「ふううっ、んっ…ぅうう…」

 そして最初はビックリしたような顔をしていたリッテルさんもだんだんと媚薬の効果が出て来てしまったのか、触手が前後する度にブルルと身体を震わせてしまい……シノさんの疑似精液につられて仲間になったのがニュルさんですからね、他人の精気に興味津々の食いしん坊さんはリッテルさんに「62点」と点数をつけていたりもするのですが、何が62点なのかは敢えて聞かないでおきましょう。


 とにかくそんな惨劇が目の前に広がっていたのですが、私達の目的はファントムジェリーの殲滅ではないですし……いえまあ、倒せたら倒した方が良いのかもしれませんが、無数の核を持つ薄暗いゼリー状の塊の上になかなか豊満なバスト(Mカップ)を持つ女性の上半身が乗っているというファントムジェリーは前回よりも(20メートル弱)1.5倍近くまで巨大化(30mクラス)しており……人間部分も妙に輪郭がハッキリしているといいますか、色々と吸収してレベルアップしているのかもしれません。


(出来れば倒しておきたいのですが……難しそうですね)

 他の人達(20人前後?)と協力する事が出来たら倒せるのかもしれませんが、ぬめり気のある地面からは今なお幼体がポコポコと這い出て来ている状態に混乱していますし、散り散りに逃げ出してしまっているのでこのまま反撃に出るのは難しいと言わざるを得ません。


「そこの貴女ー今度は逃がさないわよ~」 

 ただそんな私達の前に回り込んでくるのは何事もなかったように新しく顔を作り終えたファントムジェリーで、彼女が笑うとぬかるんだ地面からポコポコと幼女スライムが出て来て……集中的に私達が狙われているのは気のせいでしょうか?


『不味いな、コイツ等…意外と厄介だぞ』


(ええ、これは…地味にきついですね)

 片腕がカナエさんで塞がってしまっていますからね、微妙に造形や魔力が若干違う幼女スライムを蹴り倒していると妙に脆いスライムの身体は飛び散り辺りに広がって……ニュルニュルと足先に絡みついて来る感触がまるで指先を舐められているような感じがして気が散ってしまいます。


「うーふーふ…おいしいけど……キャー?」


「やーらーれーたーフ~リ~…だーけーど~」

 核を壊し損ねたのか上半身だけになった幼女スライムが蹴った足にしがみついて来たかと思うと小さな手をニギニギと伸びて来るのですが、彼女達の魔の手が敏感な部分に伸びてくる前に淫さんが操作しているドレスによって弾かれていき……薄く広がった媚毒の霧の中、ただでさえ蠢いて擽ったい『蒼色のサンダル』に弄られながらだと知らず知らずのうちに息が漏れてしまい、指の間や爪の間を舐められているような感触に身体中が敏感になってしまったように疼いてだんだん変な気持ちになって来てしまいますね。


 それに幼女スライムが足に絡みつく度に汗が流れて集中力が削られていくのですが、そんな汗や体液すら嬉しそうに舐め取っていく小さな舌にゾクゾクしてしまい……ここで集中力が切れたらスライム達に飲み込まれて押し切られてしまいますからね、気を引き締めようと唾を飲み込んでいるとファントムジェリーが笑いました。


「貴女には感謝しているのよー?だってこの世界にはこんなにも楽しい事があるっていう事を教えてくれたんだから~」

 と、私と視線が合うと両手を広げながらそんな事をのたまうファントムジェリーなのですが……彼女が示すのはスライム達に蹂躙されている人達であり、あちらこちらで搾り取られている人達はスライムに(たか)られビクンビクンと痙攣していて……その大半が男性だったのでどこが扱かれているかというのはあえて言いませんが、あまり楽しい状況とは言えませんね。


「何でだろー?貴女を取り込んでから頭の中がパーって冴えわたったような気がしてー……それと比べたら皆で協力して人間さんを倒すっていうのはどうなのかしらねー?それって獲物を皆で山分けするって事でしょー?自分が食べたいものを食べられないっていうのはつまらなくないのかしらー?」

 テンションが上がっているのかそれとも頭の中がお花畑になってしまっているのか、思った事を次々と言葉にするファントムジェリーには熊派からの接触があったようなのですが……共闘関係になっていないのは主義主張的なものにすれ違いがあったのかもしれません。


「別に教えようと思って教えた訳ではないのですが」

 そして敢えて会話に乗る事で時間稼ぎをしながら退路を確認するのですが、私達だけは逃がさないと決めているのか進行方向を塞ぐようにポコポコと幼女スライムが生まれてきていて……これはなかなか厳しい状況ですね。


「そう言わずー…貴女を身体を頂いてーもっともーっと沢山味合わせてもらってーそれで私達の子供を作って地上を覆いつくすのー…それで貴女の知り合いや大切な人もぜーんぶ私達が愛してあげるのよー…それって凄くワクワクする事じゃないかな~?」

 たぶんこの巨大スライムは『搾精のリリム』の因子を吸収して可笑しくなってしまったのだと思いますが、まるでこの世に楽園を作るのだというようにファントムジェリーは笑い……。


「だからこんな素晴らしい事があるという事を教えてくれた貴女にはお返しをしてあげるのーそれでもっともーっと…沢山の人を幸せにするのよ-!」

 その言葉が戦闘再開の合図だったのでしょう、まだ距離があるというのにファントムジェリーはおもいっきり右腕を振りかぶったのですが……いきなりビュルルルと凄い勢いで伸びて来たテレフォンパンチを躱すと2発目が飛んできて……尖らせた【淫気】の鞭で斬り裂きビチャビチャと飛び散る破片に目を細めます。


(本当に…厄介ですね!)

 「ひっ!?」と驚き身を竦めるカナエさんを抱きかかえなおし、辺りに飛び散るスライムの欠片を【淫気】で弾いてから手のひらに魔力を収束しなおしました。


 そして【エンチャントダガー】で【電撃】を付与した後、【淫気】のナイフをファントムジェリーの胴体部に投げつけるのですが……電撃を浴びた巨大スライムはビクン!と痺れたように痙攣してから俯き、だらりと両腕を降ろします。


『ああくそっ…全然効いてないぞ!』


(でしょうね!)

 電気を流せばスライムボディーの中に埋め込まれている大量の核を狙えるかと思ったのですが、そんなうまい話は無いのでしょう。


「やっぱりこれくらいじゃバレるのかー…でーもー…残念ながらもう終わりなのよねー?」

 やられたフリをしていたファントムジェリーが何事も無かったように顔を上げながら距離を詰めて来るのですが、距離をとろうとした瞬間いきなり乳首とクリ〇リスを捻られるような衝撃が走って息が詰まりました。


「ッ!?あ゙…はぁッ!?」

 たったそれだけの事で媚毒に犯された私の身体は屈してしまったのですが、まるで「これを待っていた」というような顔で笑うファントムジェリーが巨大な触腕を伸ばしてきて……動こうとすれば反対側に引っ張られるような脳天を貫く刺激にガクガクと震えてへたり込みかけている状態ではまともに動く事が出来なくて、咄嗟にカナエさんを牡丹とノワールに投げ渡してニュルさんに拘束されているリッテルさんを横に跳ばして(【跳躍】させて)逃がす事しか出来ません。


(なに、が!?)

 それでも伸びて来るファントムジェリーの腕を【淫気】のナイフで弾きながら倒れ込むように横転しながら自分の身体に何が起きたのかと視線を下ろしてみると、魔力を纏ったスライムの欠片が乳首やクリ〇リスを締め上げるように蠢いているのに気が付きました。


(飛び散ったスライムの欠片…ですか!?)

 それはたどたどしい動きながら的確に性感帯を扱き上げてきていて、それが動く度にゾクゾクと身体が跳ねてしまうのですが……【淫気】に対応したといいますか、魔力で魔力を弾いているといいますか、油断してしまった私の意識の外から忍び寄って来たスライム片が私の大事な所を摘まみ上げて動きを著しく阻害してきます。


「くっ…ふっ、ん゙……ッ!?」

 そしてぷっくりと膨らんだ私の弱点である乳首を吸い上げたかと思うと、溢れた母乳を吸われた時の奇妙な喪失感に全身がゾクゾクとしてしまい、剥き上げられたクリ〇リスに絡むスライムがシコシコと動くだけで脳の奥が痺れてガクガクと膝から力が抜けてしまって、そこにファントムジェリーの触腕が襲い掛かりました。


「やっぱり貴女と私の相性は最高なのよねー…ああ、ぁあ……凄い、嬉しさが溢れて来る…だーかーらー……ずっとずーっと一緒に居ましょ~?」

 巨大な触腕に飲み込まれてしまった私はファントムジェリーの身体という高濃度の媚毒の塊の中に取り込まれてしまったのですが、少し乳首を捻られただけでガボゴボと空気が抜けてしまい……代わりに入って来る強力な媚毒に溺れて窒息と絶頂がやってくるたびに魔力が吸われて頭の中がグチャグチャになるのですが、【ルドラの火】で燃やして脱出しようにも何かしらの対策を練っているのかすぐさま魔力を吸い取られてしまい発動すらしません。


「ユリエルさ…ッ、何をするの!?」


「ぷー!!」

 そんな私達に向けて放り出されていたカナエさんが膝立ちの射撃姿勢を取り、援護の為の一撃を放とうとしていたのですが……牡丹の体当たりを受けてバランスを崩していました。


「おいたは駄目よ~貴女(カナエさん)は~…まあ、おいおい?それで君達(牡丹とノワール)はーうーん?蜘蛛君に関しては何でこんな所にいるのかはわからないけど、貴女達ってあんまり美味しくなさそうなのよねー」


「なっ!?」

 そして言われた方は喜んでいいのか悲しむべきなのかわからない事を言われてショックを受けていたのですが、湧き出て来た幼女スライムがつい先ほどまでカナエさんの居た場所にべちゃりと横たわっていて……牡丹のカバーが無ければカナエさんも取り込まれてしまうところでしたね。


 それはカナエさんのフォローに入っているノワールにもいえる事(危なかった)なのですが、ファントムジェリーがどこか不思議な物を見る目(「何でいるの?」)をしているのが気になるものの……味に関してはニュルさんもリッテルさんの評価が低くてシノさんの評価が高いですからね、たぶん内包している魔力量が味の方にも影響しているのかもしれません。


「でも貴女は他の人とは違うのよねー…だから離さないしー自殺もさせないのー…これからはずっとずーっと私の中で沢山いって~沢山魔力を吐き出して~私と貴女の子供達で人類を滅茶苦茶にしちゃいましょー?」

 そんな風にカナエさん達は私の救出に動いてくれていたのですが、どこかお花畑な巨大スライムに取り込まれてしまっていた私は酸欠と絶頂の苦しみが交互にやって来ている状態で、響くようなファントムジェリーの声に揺すられながら身体が痙攣するように震えてしまい、頭の中がパチパチしていてまともに動く事も言い返す事も出来ませんでした。

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