387:水晶洞窟の探索
別行動を取ろうとしていたシノさんを説得し、一緒に水晶洞窟を探索する事になった私達の目の前に広がっているのは『クリスタラヴァリー』の中央部に向かって流れる光の帯とキラキラと輝く大小さまざまな『サンハイト』というなかなか美しい光景だったのですが……横穴からひょっこり現れるジェリーローパー達を回避しながらではのんびりと景色を楽しんでいる余裕がありません。
(中央路にはあまりやって来ないので助かっていますが…魔力による警戒が出来ないのが厳しいですね)
日の光を避けて地下洞窟に潜り込んで来ているジェリーローパーやアシッドジェリー達からするとわざわざ迷いそうな奥の方まで入り込む必要がありませんからね、群れからあぶれたように中央路にまで迷い込んで来ている個体を回避していけば比較的安全に進む事が出来ました。
『だからといって油断していたら厄介な事になるぞ』
そんな事を考えていると淫さんから注意が飛び……濃縮された魔力だまりのような光の帯が魔力による探知を妨げているので目視での確認が必須となっていますからね、不意の接敵が想定されるので気を抜く事は出来ません。
(わかっています、だから牡丹とノワールに先行してもらいつつ水晶の上をコソコソと移動している訳ですし)
私は『サンハイト』の近くでウネウネと触手を動かしているジェリーローパーを避けながら淫さんに言い返すのですが……たぶん正規ルートとしてはモンスターの溜まっている側根路から侵入し、モンスターを蹴散らしながら根っこのように広がっている広大なダンジョンを攻略して行く事になるのだと思います。
なので最初から警戒態勢に入っているダンジョン内を進む事が前提になっているのだと思いますが……私達がやって来たルートはイレギュラーもイレギュラーな道といいますか、周囲は敵だらけというデメリットはあるものの、アクティブになっていないモンスター達を避けて進む事が出来れば比較的簡単に奥の方まで進む事ができました。
とはいえ、それなりの広さがあるといっても円形にくり抜かれたパイプのような空洞の中を通っていく訳ですからね、歩ける場所となるとあまり広くはありません。なので普通に歩いているとすぐに接敵して戦闘へという流れになるのですが……そこはノワールと牡丹に偵察をしてもらい安全な道を開拓しながら進み、どうしても避けられない敵が居た場合は天井から垂れ下がっているような『サンハイト』の上を通ったり『蒼色のサンダル』を絡めて逆さまになって歩いたりしながら戦闘を極力回避していきます。
「ね、ねえ…そろそろ限界、降ろして欲しいんだけど…」
ただ逆さまのまま歩いていると頭に血が上ってしまいますし、抱きかかえているシノさんも顔を真っ赤にしながらモジモジと小声で囁きかけて来るのですが……見下ろしている水晶の陰に逸れジェリーローパーがウネウネしていますし、その個体が見えなくなるまでは我慢してもらいましょう。
「降ろしてあげたいのはやまやまなのですが…近くにジェリーローパーが居るのでもう少しだけ我慢してください」
せめてもの情けとして、近くの水晶にスカート翼を引っ掛けるように体勢を立て直しながらシノさんを抱きかかえなおすと耳元で悶えられたりと……あまり色っぽい声を出されると色々とクルものがあるので止めて欲しいのですが、口をパクパクとさせるように何かを訴えてきているシノさんの肌は紅潮していて汗ばんでいて、身じろぎするたびに【呪印】の効果により発情してしまっている身体が空気や衣類に擦れて気持ちよくなってしまうようでした。
「もう少し静かに…」
「ZYURU…?」
そんな私達のやり取りに気づいたのか、ジェリーローパーは粘液が滴るような音をたてて身じろぎするのですが、丁度物陰に隠れるような形になっているのでまだこちらには気づいていないようで……いわゆる黄色判定という感じでしょうか?まだ見つかってはいないのですが、このままシノさんが騒ぎ続けていたら気づかれてしまうのかもしれません。
「だ、だって…これ…」
昂るだけ昂ってしまっている身体を抱きしめられているのは生殺しに近い感覚なのか、茹蛸のように赤くなっているシノさんはモジモジとしていて……流石にこのまま小声で会話をし続けるというのにも限界がありますからね、何かしらの連絡手段は確保していた方が良いと思います。
「それより…フレンド登録をしておきませんか?」
出来たらPTを組んでおくべきなのですが……途中で参加したり抜けたりすると経験値やアイテムの分配がややこしくなってしまいますからね、代替案として私とのフレンド登録を提案してみるとシノさんはおもいっきり嫌そうな顔をしていました。
だからといって何かしらの連絡手段が無ければ色々と不都合ですし、コソコソ喋るというのにも限界があるので渋るシノさんを説得しようと軽く耳に息を吹きかけるとゾワゾワと身体を硬直させてしまい……。
「ま、待って…な、何するのさー?やっ…あっ、ッ!?」
因みに私の事を毛嫌いしているシノさんに改めて嫌いな理由を聞いてみると単純にそりが合わないという事で……どうやらこれはシノさんから見た私達が陽キャの集団に見えるようで、陰キャ寄りであるシノさんからすると根本的な苦手意識があるそうです。
(言うほど陽キャという訳ではないと思うのですが)
母と祖父母の教育のおかげで物怖じない性格ではあると思うのですが、フルダイブのゲームをしているというのは十分オタクな趣味をしているといえますし、敢えて分類するとなると私も陰キャ寄りの立ち位置ではあるのですが……その辺りはシノさんの感覚的なものなのだそうです。
「そもそもこんな事をしているのに…好かれていると思っているのー?」
というのがシノさんの意見なのですが、そのよくわからない【呪印】を刻まれてしまっている事に興奮しながらハフハフと恍惚の表情を浮かべているので説得力は皆無ですね。
「ですが…刻まれてからの方が楽しそうですよ?」
その事を指摘するとシノさんは一瞬だけ言葉に詰まった後、涙目になりながらガーっと口を開きます。
「楽しくな…っ!?」
ただ叫ばれるとモンスターに気づかれてしまいますからね、シノさんを抱きかかえるのに両手を使っているので口と口で塞がせてもらいましょう。
「ん…っ、ふぅ…ッ…ぁあ」
小さな唇をついばみ呼吸を止めて、もう一度舌を絡めながら軽く腰をトントンと叩くだけで脳と子宮が揺さぶられているのかシノさんは軽くいってしまったようなのですが……私が嫌いだという点はまだまだあるようで、何食わぬ顔で良いとこ取りをしているような立ち回りが嫌いで、容姿に対するコンプレックスを抱えているので容姿が整っている人には憎しみの感情を抱いてしまうようで……これらの条件はまふかさんにも当て嵌まっているような気がするのですが、あわよくばコラボしたいとか実利的な欲望があるので平身低頭で頑張っているのだそうです。
「ちょっ…っと……わかっひゃ…から、んんっ……はっ…ぁ…それ…それじゃあ…っ…フレンド登録する代わりに…録画とかしてもいひの?」
甘いきの余韻が抜けきらないのかやや呂律が回っていないシノさんは口づけに対する幻想があったのか物凄くびっくりしたという顔をしていたのですが、そのまま口を塞ぎ続けていたら根負けしてしまい、何かしらの利益が自分にあればというように交換条件を出してきて……。
「良いですけど…生配信とかはやめてくださいね?」
何が起きるかわからないのがブレイクヒーローズですからね、スライムと触手だらけの場所で生配信なんてしたらどんな映像が撮れてしまうのかがわかりません。
「し、しないよー…というよりっ、ユリエルって撮られるのは大丈夫なんだ」
「撮影禁止なのかと思った」と言うシノさんなのですが、隠し撮りされるというのもままある話なので今更ですし、気にしたら負けかと思っています。
「慣れ…ですかね?」
その辺りは仕方がないと諦めているのですが、とにかくそういう交換条件でフレンド登録をする事にしたのですが……申請を送ったところで「早まったかな?」みたいにシノさんは考え込むように固まってしまいました。
「フレンド登録してくれたら声を出す事が出来ますし…ここも」
なので餌をぶら下げるようにシノさんの股間に触れるか触れないかの位置に手を置いてあげるとゴクリと唾を飲み込み、私の顔と触れそうで触れていない指先を交互に見比べていて……。
「いや、でっ、も…やっぱり…止めておこうかなー…なんて?」
そして口では拒絶しながらも身体の方は正直なもので、腰を突き出すように私の指先に擦り付けようと必死になっているのですが、もちろんじれったい程度の刺激しか味あわせてあげません。そんな状態でシノさんにフレンド登録を送るともどかしそうに身を捩りながらも登録を受け入れてくれて……。
『じゃあフレンド登録をしてくれたお礼に…少しだけスッキリしましょうか』
【呪印】によって常時発情しているシノさんの身体は準備万端で、「仕方ないなー」という顔をしながらも半笑いのシノさんを軽く膝の上に乗っけるように腰を浮かせ、ハーフパンツのボタンを外して手を突っ込むとホカホカの割れ目がぐっしょりと濡れていて……。
『ひぃう!?、あ…あっあっ!?』
『シノさんのココ、こんなにヒクヒクして吸い付いて来て…エッチな身体ですよね』
人差し指を一本、そして親指でクリ〇リスを軽く弄るだけでシノさんはガクガクと震えて嫌いな筈である私に抱きついて来てしまうのですが、折角なのでどこまで開発が進んでいるのかとお尻の穴にも手を伸ばしてみたのですが……こちらは弄った事はあるけど気持ちよくなるまではもう一歩というようですね。
『んひぃッ!!?何っ!?ユリエッ、そこは…だっ!?だめ…だってばぁあっ、や゙っ、あ゙っ゙あ゙あ゙あ゙ッ!!?』
なので【淫気】の応用で性感帯を無理やり刺激をしつつ、とどめと言わんばかりに両方の穴を弄り回すように身体の内側から揺さぶっていくと、シノさんの身体が大きく跳ねながら潮を噴いて痙攣をし始めてしまい……そのまま絶頂が続くように少しずつ刺激する場所を変えていきましょう。
『ま゙、まっへ…それ駄目、いじッ!?あたまっ、とろけ…て、おかじぐ…なっちゃっ!!?』
軽く許容できるレベルを超えてしまったのか、自分では制御できていない連続した強制絶頂にシノさんは長い髪を振り乱して暴れようとするのですが、その身体を押さえつけるようにしてそのまま何度も何度もいかせ続けて……そんなこんなで魔力を吸っていたジェリーローパーが立ち去るまで虐め続けた後に一息ついた訳なのですが、いかされ続けていたシノさんは出せるものを出し切って蕩けて脱力しきってしまい……。
『流石に、酷いよねー…その、私の唇も奪っちゃうし』
何とか息を吹き返したシノさんは照れながら憎まれ口をたたくのですが、足はガクガクの涙目で、まともに動けなさそうだったので一旦休憩しようという事になりました。
『そういえばさー…何でユリエル達はここに来ていたの?』
そして休憩の傍ら、根本的な目的を知らないシノさんはそんな事を聞いてきたのですが……ここまで巻き込んでいるのなら幼樹の話をしておいた方がいいのかもしれません。
『シノさんには説明しておいた方が良いかもしれませんね…実は…』
そして『精霊の幼樹』とレナギリーに協力している事を説明しておいたのですが、そんな話をしていると偵察に出ていた牡丹達が帰って来たのですが、どうやらこの先に広くて奇妙な空間が広がっているとの事でした。
『…という事なのですが』
その辺りの情報もシノさんと共有しておくのですが、考えている事は私と同じようですね。
『ほへー…じゃあそこがボスの間って事かな?』
『だと思います』
牡丹が言うには水晶犇めく半円形のドーム状の空間の真ん中には鎖が絡まりついている濁った水晶が鎮座しているとの事で、それはまるで『クリスタラヴァリー』に溜まっている魔力を使って何かを封印しているようだったそうです。
(まるで『蜘蛛糸の森』のような感じですが…)
あちらは張り巡らされた糸から『精霊の幼樹』に魔力が送られていたのですが、それとは反対の現象と言いますか、とにかくこれ以上進む場合は独断専行にもなりかねないですからね、まふかさん達にも連絡を入れておいた方が良いのかもしれません。
『お忙しいところ恐縮ですが、少しいいですか?』
『ユリエルさん!?は、はぃいい!だ、大丈夫です!』
『何!?今ちょっと忙しいんだけど!?』
そういう訳で改めて連絡を入れてみたのですが、2人はどうやら防衛を続けていても埒が明かないという事で打って出ていたようで……ハーピー達と戦っている最中だったのか慌ただしく返事が返って来たのですが、そんな2人に少しだけ先行偵察している事を伝えておきましょう。
『だから…何であんたはそんな所まで進んでいるのよ!?』
そして予想通りまふかさんに怒られてしまい……その怒鳴り方があまりにも予想通りだったので少し笑ってしまい、まふかさんは怪訝そうな雰囲気を醸し出しながら黙り込んでしまいます。
『すみません、モンスターに囲まれていたのでその場にとどまっているのが難しかったので』
そして私達の状況を説明しながら牡丹の言う広場が見える場所まで移動するのですが……私達が広場にやって来るのと同じくらいのタイミングで別の横穴から赤く滴るような剣を持った濃い緑色の肌を持つリザードマンが現れてしまい、私達は会話を切り上げて近くの水晶の陰に隠れる事にしました。
※誤字報告ありがとうございます(3/21)訂正しました。




