373:チャレンジと【カウントダウン】
ギュッと目を閉じたグレースさんがプルプルと震えながら唇を突き出すようにして顔を近づけて来るのですが、お互いの息がかかるような距離になると「ぷいー!」っと牡丹がグレースさんの顔を押し退けるのでなかなかそれ以上進む事が出来ません。
「ぼ、牡丹さん、そこをなんとか」
「ぷい!」
そんな風に断固拒否の牡丹とグレースさんが先程から争っているのですが、そもそも何故こんな事になったかと言うと「ユリエルさんからしてくれるのは物凄く嬉しいのですが、そうじゃないんです!自分からキス出来るようになる事に意義があるんです!!」と熱弁を振るったからで……少し前にまふかさんと競い合うように襲い掛かられた事はあるのですが「あれはそのー」という事で、グレースさん的にはもう少し自発的にイチャイチャ出来るようになりたいのだそうです。
「わかりました、私も色々と試したい事がありますし…その交換条件という事で?」
そういう交換条件を出してグレースさんの練習に付き合う事にしたのですが、あまりにも開けた場所でキスの練習をするというのもどうかと思いますからね、断崖絶壁の海側に突き出た段差……一見すると死角になっているような窪みに隠れながら特訓をする事になったのですが、そこで断固拒否の態勢に入ったのが牡丹でした。
(ここまで駄々をこねるのは初めてかもしれませんが)
一体どうしたのでしょうと首を傾げていると牡丹がポヨンポヨンと跳ねながら猛抗議してくるのですが……話を聞いてみるといつもいつも自分以外とイチャイチャしているので今度は自分の番だという事ですね。
(焼きもち…という事ですか?)
(ぷっ!)
恥も外聞もなく清々しく言い切る牡丹は甘えるように擦り寄って来るのですが……半分溶けたようなトロトロしたゼリー状の体を押し付けられると何とも言えない気持ちになりますし、チュッチュとついばむようなキスを繰り返されると果物が混じり合ったような味がしました。
「あ、ああ!?ず、ズルイ…わた、わたしも!」
「ぷぃーッ!!」
そうしてキスをせがむ牡丹と私の顔から引き剥がそうとするグレースさんの戦いが始まるのですが、そんな私達から一歩引いて冷めた目をしているのが淫さんで、こちらは『もうどうでもいい』という空気を醸し出しながら口を開きます。
『何を争っているのかがわからんが、もう2人とも頂いてしまえばいいのではないか?』
因みに淫さんは岩場に長時間座っているのもきついだろうとスカート翼を敷物のように広げてくれていますし、少し外周寄りの警備をしてくれているノワールと一緒に周囲の警戒を担ってくれているのですが……煮え切らない私の態度に何か言いたげな様子ですね。
(それはそう…んっ、ぼ…牡丹?)
ただ私としてはグレースさんの好意に甘えてズブズブの関係になるのもどうかと思いささやかな理性がブレーキを踏んでいたのですが、そんな私達の会話を遮ったのは牡丹でした。
「ぷい!!」
(ぼ、牡丹…乳首を引っ張るのは…んッ!?)
グレースさんに引き剥がされまいと踏ん張ろうとしている牡丹は私の胸に抱きついて来たかと思うとそのまま弱すぎる乳首を摘まみ上げるように絡みついて来て、それだけで身体が跳ねて力が抜けてしまったのですが、根本をきつく締めあげられるように先端をグリグリされると声が漏れてしまいます。
「ぼ、ぼた…ぁあ、んあぁ…っ!?」
そうして胸全体が飲み込まれるようにニュルニュルされてしまうと乳首が切なくなってきてしまうのですが、トロトロとした無数の舌のような体で両乳首を咥えられて扱かれると母乳が溢れて子宮が疼いてしまい、射乳と授乳の幸福感だけで軽くいってしまいそうで……。
「ユリエルさんっ!?」
そんな痴態をグレースさんに見られているというだけで身体がカッと熱くなってしまい、恥ずかしさで顔から火が出そうなのですが……同じように顔を真っ赤にしていたグレースさんは目を見開いてからゴクリと唾をのみ込み、いきなり私の下半身にタックルを仕掛けてきました
「なっ、んでこういう時は動きが良く……ま…待ってくださいグレースさん、今…は、そんな所で深呼吸なんてしないでください!?」
そうして股間に顔を埋めたグレースさんは大きな染みを作ってしまった紐パンに顔を押し付けながら深呼吸をしていて、あまりの恥ずかしさに顔が火照るのですが……そのままスカートの中に潜り込んで来たグレースさんは躊躇いなく下着の上から口をつけるとそのまま割れ目に舌を這わせてきて……気持ち良いというよりビックリしたという感覚の方が強いですし、拙い舌使いに何とも言えないまま身体が跳ねてしまうのですが、ただただ私の事を気持ちよくさせてあげたいという思いに身体が熱くなってしまいます。
「んっ…くゔっ!?」
対抗するように牡丹は乳首をくにくにと甘噛みするように弄ってきますし、グレースさんの鼻先がクリ〇リスに当たると体がビクンと跳ねてしまったのですが……反応してしまった私の顔を上目遣い気味に確認していたグレースさんは一度口を離してから私の顔を窺い、ゆるゆると一番敏感な蕾に舌を這わせました。
「はっ、ぁああ…ぐ、グレースさん…そこは…」
反射的に押しのけようとグレースさんの頭を押すと余計に強くギューッと抱き着かれてしまったのですが、そのまま熱く湿った舌と唇によってクリ〇リスを舐めて吸い上げられると腰が浮いてしまい……それなのに2人は敏感な三つの突起を競い合うように刺激し続けていて、太腿を閉じようにも火事場の馬鹿力を発揮しているグレースさんに押さえ込まれてしまい動く事も逃げる事もできません。
「2人とも、少し落ち着い…っぅ、あ、ぁあ…ああッ!?ぁあああっ!!?おっ、おぉお…ッ」
強い刺激がある訳でもない愛撫はただただ緩やかに追い詰められていくような感覚で、徐々に頭と腰がフワフワしてきて何も考えられなくなっていき……。
「ちっ…ちくびほじりっ、やっ…んんっ、はぁ…っ、あ゙…っ、グレースさんっ、も…そんな所を、舐め…っ、あ゙ぁ゙あ゙あ゙ッ!!?」
一度火がついてしまった2人は競い合うように敏感な場所を弄り続け、一息つく間もない連続絶頂に一瞬意識が飛んでしまいました。
「ひ……はひ…はぁ…っ、はっ…」
そうしていつもより深い絶頂から戻って来れなくなっていると、たらふく乳首を弄り回して母乳を摂取していた牡丹は満足げな顔をしていて、いかせた側であるグレースさんは「やってしまった!?」みたいな顔でオロオロしていて……何て言いますか、グレースさんは競争相手が居ると負けてはいられないという思いが暴走してしまう人なのでしょうか?
「す、しゅみま…」
そしてとにかく謝らなければというように謝罪の言葉を口にしながら視線を彷徨わせているグレースさんなのですが、そのフヒヒというような半笑いは私をいかせた事に対する満足感で歪んでいて……少しだけ反抗心がムクムクしてしまいますね。
「これ…くらいなら……では、グレースさんの方から口づけをする事が出来たという事で…私の方も色々と試したい事があるのですが?」
私はカラカラの喉に唾を送り込んで何とか声の調子を整えると、母乳をたっぷり吸って満足げの牡丹を一旦引き剥がしながら……引き剥がそうとしたら腕に絡まりついてプイプイと揺れているのですが、それは一旦横に置いておき、このままやられっぱなしというのもどうかと思うので色々と試させてもらいましょう。
「え、あ、はい!勿論喜んで!」
そして私のお願いに対して今まで濡れた犬のようにションボリしていたグレースさんがパッと表情を輝かせるのですが、この切り替えの早さもグレースさんの良いところなのですよね。
『もしかしてあのスキルを試すのか?』
ただ、今まで黙っていた淫さんは『本当にやるのか?』みたいな様子で……。
(ええ、折角の機会ですし)
聞き取り調査が出来ないモンスター相手や良く知らない人に試す訳にもいかないと放置していたスキルがありますからね、試せる機会に色々と試す事にしましょう。
「ではまず…【魔水晶】を使った精気の吸収にどれくらいの変化があるか、ですが」
イベント中に疑似男性器を生やされた時の吸収効率は良かったのですが、日用使いした場合の効果も確かめておく必要があるでしょう。
「ひゅぃ…ッ、ゆ、ユリエルさんの股間に立派なおチ〇チ〇が!?」
そう思い股間から疑似男性を生やしてみるとグレースさんには驚かれてしまったのですが、ちゃんと任意のタイミングで生やす事が出来るようですね。
「あまり大きな声で叫ばれると恥ずかしいのですが…」
そして改めて指摘されると何でこんなものが生えてきているのでしょうと恥ずかしくなってきてしまうのですが……とにかく喉の奥で悲鳴が不発したような叫び声を上げたグレースさんが「しゅみません」と言葉を詰まらせながら謝罪してきて、ただ視線だけは生やした疑似男性器に釘付けになっているようで……凝視され続けているというのも恥ずかしいので検証を始めましょう。
「安心してください、ちゃんとほぐしてから入れますので」
いきなり挿入すると言うのはいくら何でも悪いような気がしますからね、少しでも入り口をほぐしてあげようとグレースさんの股間に手を伸ばし……ぐっしょりと湿ったタイツの上から軽くなぞってみるとそれだけでグレースさんは焦ったように私の腕を掴んで抵抗を示すのですが、布の上から軽く引っ掻くようにクリ〇リスを刺激してあげると身体を震わせて力が抜けました。
「ま、待ってください!?今、はッ!?ふひっ、ぎっ!!?これっ、ほんっ、とうに…だっめっ、で…んんんッ!!?」
そのまま割れ目をなぞり続けるとモジモジしながらタイツの染みが広がっていくのですが、可愛い叫び声を上げるグレースさんの口を塞いで舌を絡めると頭の奥が痺れたようにフワフワして……なぜキスだけでこんなにも気持ちいのでしょう?
「それじゃあ…良いですか?」
それだけではひはひと呼吸を整えながら視線を彷徨わせているグレースさんの耳元で囁くように確認すると何も考えられないというように反射的に頷いていたのですが、今回試したいのは特定の条件を満たす事で相手に呪いを付与する事が出来るという【カウントダウン】というスキルですね。
(ただ…どうやって条件付けをするのでしょう?先に呪いの内容を決めればいいのか…それとも行為の途中でスキルを発動すればいいのか…後か、先か…どうなのでしょう?)
「ゆ、ゆりえる、さ…あっ、ああ…」
私はグレースさんの首筋に舌を這わせて精気を吸いとりながら考えるのですが、手持ち無沙汰に分厚いローブ越しにグレースさんの巨胸を摩ったり乳輪のある辺りをグリグリしたりしているとグレースさんがモジモジし始めて……とにかく試行錯誤の結果、条件については呪いの内容を決めたら勝手に決められるようで、一度発動してしまうと淫紋のような印が刻まれてしまい効果は永続。
(条件はなかなか厳しいようですが…かなり嫌らしいスキルですね)
まあ永続と言ってもスキルの使用者が解除しようとすれば出来ますし、色々と頑張れば自力解除も出来てしまうようなのですが……とにかくそういう永続的なデバフを与えるというスキルなので条件達成はなかなか難しいようで、呪いの内容や条件も相手に伝える必要があるというかなり面倒臭いスキルですね。
「では試しに…感度上昇」
グレースさんは自分で弄ったりしないタイプなのか未発達な場所が多いですからね、少しでも気持ちよくなれるような条件を伝えてみたのですが……呪いの内容を決めると『50回いかせる』という目標が出て来ました。
それに伴いハートを模ったような文様の中に『50』という数字が出て来たのですが……50回も相手をいかせるというのは実質的に不可能な気がするのですが、世の中のカップルはこんなにも頑張っているのでしょうか?
「あ、あの…何を?」
「これでグレースさんが50回いったら感度が上がったままになるみたいなのですが」
そしてよくわかっていないグレースさんは怯えが半分期待が半分と言う顔で私の顔を見返してくるのですが、その視線に答えるように条件を伝えると数字のついたハート模様がグレースさんのお腹の上に浮かび上がり……これで【カウントダウン】が開始したようですね。
(スキルレベルが関係しているのかもしれませんが、意外と時間がありませんね)
浮かび上がっている模様はすぐに壊れてしまいそうなくらい儚く揺らめいていますし、かなり頑張らないと目標を達成する事が出来ないのかもしれません。
「すみません、呪いが発動してもすぐに解除しますので…いきます」
「え、え?あ、はい…わかり…ッ!?ぐっぎぃ!!?」
時間制限がありますからね、喋っている時間も勿体ないと疑似男性器にグレースさんの愛液を擦り付けるように動かして入り口をほぐし、それからゆっくりと挿入すると何かが千切れるような感触があって痛みにグレースさんの身体が硬直するのですが……流石『搾精のリリム』の名前は伊達ではないですね、痛みを逃がすようにグレースさんを抱きしめながら唇を這わせていると速攻で気持ちよくなってしまったのかグレースさんが戸惑いの声を上げました。
「な、え…なん、んんっ、ユリエルさん、ユリエル、さん!?こ、これ…ッ!?」
自分の身体に起きている急激な変化にグレースさんは混乱しているのですが、意識とは別に身体の方はフワフワと包み込むように私の疑似男性器を咥え込んできていて……優しくゆっくりほぐすように動かすと徐々にグレースさんの顔が崩れていきます。
「どうですか?」
前に意識が集中してしまうのも苦しいかと思い尻尾を利用してグレースさんのお尻を撫でるのですが……。
「ふひっ、そっちは違い…っ!?はっ、あっ、ああ…ッ!?」
私の尻尾の先端についている蕾から滴っている液体は強力な媚毒ですからね、そんな物でお尻を撫でられ穴を弄られるとグレースさんがビックリしたように目を白黒させているのですが、小さくモジモジしているグレースさんを味わうように身体を重ねているだけで温かい幸福感が広がり照れてしまいますね。
「グレースさん…」
耳元で囁きながら口づけを交わして舌を絡めあい、緩い刺激だからこそ味わえる幸福に浸かりながらゆっくりと挿入を繰り返していると牡丹も乱入して来たのですが……そんなタイミングでまふかさんから連絡が入り、私は呼吸を止めました。
※何もしなければ効果は永続しますが、流石に解呪方法が無いという訳ではありません。そしてレベルが低ければデバフの効果も高くありませんし、達成する事が難しい数字が出てきます。




