338:色々な変化と細々とした修正
取得するスキルも決定したので早速SPを振っていこうとしたのですが、最初に【淫魔の証明】を取得したところで色々なスキルが影響を受けてしまいいきなり再考しなければいけない事態に陥ってしまいました。
勿論基本となるスキルの変化と言う事で身体がポカポカしたり角が丸みを帯びて少し大きくなったかと思えば1メートル近い【魔翼】が10cmから2mくらいまで伸び縮みするようになって動かそうと思えば両腕のように細かな動作が出来るようになったのですが……正直これ以上脳の処理能力を使うのは止めて欲しいですね。
(動かさなくても飛べるので問題ないかもしれませんが…これはもう慣れていくしかないですね)
そして【尻尾】もしなやかに動くようになりましたし、先端の蕾が細かく制御できるようになったおかげで媚毒を相手に注入できるようになったりとより化け物らしくなりました。
(そしてこれもスキルの効果でしょうか?)
淫さんとの繋がりが強くなったような気がするのですが、その影響を受けているのかドレスの動きがスムーズになったような気がするのですよね。
『それはお前の制御能力が上がっただけだな……我より権限が強くなっただけだ』
との事なのですが、私の思考に対して何時もより過敏にドレスが反応するのでムズムズしてしまいなんだか落ち着きません。
(そんな事は…んんっ、くぅッ)
違うと意識するだけで『翠皇竜のドレス』が蠢いて私の身体を責め立てるのですが……この時点で結構いっぱいいっぱいで、まずは一旦ドレスを落ち着かせる事にしましょう。
(出来るだけ人外化していく方が強いのだと思いますが…これだと厳しいですね)
証明のスキルレベルが上がった事で人外化を進められるのですが、流石にこれ以上人外率を上げていくと色々と支障が出て来るのですよね。なので勿体ないとは思いながら【腕】や【爪】などの部位は武器を使うのに邪魔そうだと思い放置していますし、最近取得できるようになった【舌】は少しだけ気になっているのですが……何がとは言いませんが吸収力が上がるみたいなのでこれくらいなら食事の効率を上げるためにもそのうち取得しても良いのかもしれません。
そしてここまでは身体的な変化の話だったのですが、スキルとして【鑑定】寄りだった【慧眼】は【弱点看破】という集中したら相手の弱点がわかる戦闘寄りのスキルに変化していましたし、【神隠し】が【認識阻害】というスキルに変化できるようになっていたりと……これから取得するスキルはそれほど気にしなくても良いのかもしれませんが、変化させないという選択肢もあるのですでに取得しているスキルを変化させるかは悩むところですね。
まあ変化させるのにSPを1ポイント消費して割り振られていたSPが1ポイント戻って来るのでスキルレベルが1からになるというデメリットが受け入れられるのなら変化させるのも有りといえば有りなのですが……とにかく【籠絡】は【カウントダウン】というスキルに変化させられるようで、これは一種の呪いで特定条件を満たす事で回数が減っていき、0になると命令した事や植え付けた条件が発動するというスキルに変化するのですが……これって絶対エッチなスキルですよね?
一応カウント数は植え付けた条件と相手の強さによって変わるらしいのですが、対象が対人限定になりそうなところがあるので少し悩みます。
後は【発情】が【理性蒸発】になるのですが……これはデメリットを受け入れて強力なバフを得るというスキルらしいのですが、変化させると大変な事になりそうなので取得するのは止めておきましょう。
他にもスキルは変わらないけど効果が変わっているものがあり、強制的に魅了下におくという【催淫】の効果が上がり精神対抗でより深く効いたり発情させられるようになりました。
そういう細かな変化があったので一通り取得済みのスキルを調べてみたのですが……私のスキルは特殊なものが多いですからね、ネットにも詳細が載っていないものばかりなのでよくわかりません。
もしかしたら説明文には載っていない特殊な効果が発動しているものがあるのかもしれませんが、それはおいおい調べていくしかないですね。
SPを振る前に進化先が変わったスキルとしては【扇動】の上級スキルである【誘因】が【命令】となり、特定条件下で相手を無理やり従わせられるスキルになりました。
味方のバフというより敵のデバフが強調されるようになったという事なのでしょうか?やや対象や効果がわかりづらいのですが、流石にその場にいる全員にデバフを振りまけるようではないので保留にしておいた方が良いかもしれません。とはいえ考えようによってはフレンドリーファイアが出来るゲームですからね、味方も敵認定する事によって対象の拡大が出来るのかもしれませんが……まあSPが余ってきたら考える事にしましょう。
そして【感覚上昇(微)】の上級スキルである【空間認識】が【感覚共有】という対象の認識している内容を理解して対応できるというアクティブなスキルになりました。
これは今までのスキルが“視られている”という感覚をとらえている受動的なスキルだとしたら“視ている”という認識をとらえる事によって相手の考えを認識できるようになるという能動的なスキルになるらしいのですが……絶対に脳がおかしな事になりそうですね。
後は【蠱惑】の上級スキルである【堕落】も相手の精神力の弱さに応じてデバフを与える事が出来るようになったりと色々と変化がありましたし、【テイミング】の上級スキルが【使役】から【眷属】に変わっていて、テイムしたモンスターに自分の力を分け与えて強化が行えるようになりました。
その影響を受けたのかもしれませんが、【魅了】の上級スキルである【傾国】の効果がテイムしているモンスターのステータスにも影響を与えるようになったのですが、この辺りはもともと未収得なので効果がよくわかりません。ただ……。
「ぷーぷー!!」
牡丹が【眷属】スキルに興味津々で、鼻息荒く騒いでいるのですが……残りSP的にあまり無理が出来ないのですよね。
(ひと段落したらエリアボスでも倒しにいきましょうか?)
倒したらSPが貰えますしとか考えながら牡丹を説得し、スキルの変化によって変わった身体を動かしながら色々と調べていたのですが……【淫魔の証明】とは関係のないスキルの変化としては、【ルドラの火】が4になった事で種族スキルとして【バースト】という任意爆破する魔法や【翠皇竜】のスキルレベルが上がった事で【咆哮】が憶えられるようになっていました。
ただ両方とも燃費が悪いようなので取得は後回しにする事にして、後は【魔水晶】の中にいるピンク色と紫色が混じったような溶けたドラゴンも成長していました。それに伴いという訳ではないのですが、いつの間にか水晶玉を分ける事が出来るようになっていたのですよね。
(レナギリーが複数の球を操っていたので想定しておくべきでしたが)
分けようという考えが無かったのでなかなか気がつかなかったのですが、どうやらスキルレベルが上がるにつれて個数が増やせるようになっていたようで、現在のスキルレベルだと3つまで出す事ができました。
ただ増やしたぶんだけ【魔水晶】内の保有MPが減っていくようで、2つに分けると半分に、3つに分けると3分の1にと保有MPが減っていく毎に出来る事も少なくなっていきます。
一応スキルレベルが上がった事で全体MPから1割消費して2割分のMP保有みたいに効率がよくなっているのですが、それでも3つに分けた時のMP消費は一個あたり7%弱となり……それでいて操作の手間が3倍になるのでよほどの事が無ければ扱いきれません。それなら1つだけ展開して1割消費の20%ぶんのMPを使用した方が色々な事ができますし、今までのように偵察や防御に専念させるだけなら1個だけで十分ですし……まあ手数が欲しい場合は3つに分けても良いのかもしれませんが、その辺りはその時の余裕や状況を考えて動く事にしましょう。
以上の事を考慮しながらスキルを変化させるか考えながら残りのSPを振り分けていかないといけないのですが……スキルについては予定通りに取得しても良いのかもしれませんね。
つまり私は【弱点看破】と【吸精】と【蜿々長蛇】と【淫気】を取得して、牡丹は【蜿々長蛇】と【電撃】を取得する事にしました。まあ【慧眼】だけは【弱点看破】に代わっていたのですが、これで私の残りSPは1で牡丹は0となります。
その上で変化させる事が出来る取得済みのスキルについてなのですが、【発情】はデバフを受け入れられるかデバフを相手に押し付ける能力がないと使い勝手が悪いので論外ですね。
【神隠し】もスコルさんの【シャドウダイブ】のような代替えスキルを憶えるまではこのままの方が良さそうですし、牡丹に付与して買い物に行ってもらわないといけない都合上一旦保留にしておきましょう。
ただ【籠絡】についてはキリアちゃんの説得に使えるかもしれませんし、アクティブスキルなので変な暴発もなさそうなので追加で取得しておこうと思います。
これで今度こそスキルの調整が終わったので早速色々と試していこうと思うのですが……まず身体的な変化について調べた結果なのですが、角の変化は魔力操作や魔力量に影響が出ているのか認識範囲が広がったような感じですね。魔力関連のスキルがスムーズになったような気がします。
そして【魔翼】の可変性に関してなのですが、当然の事なのかもしれませんが大きくした場合は飛翔能力が増加して小さくした場合は低下しました。勿論細かく動かそうとすれば頭が痛くなるのですが、使い方によっては武器にもなりますし、固定したままでも普通に飛べるので問題はありません。
【尻尾】についても自由自在に動かせるようになり、かなりの長さまで伸び縮みするようになったのですが……これは【淫魔の証明】というよりも【蜿々長蛇】の効果でしょうか?だんだんと私の感覚も慣れてきたのでもう少ししたらこの尻尾も実戦投入出来るレベルに達すると思います。
後はずっと身体がポカポカしているような気がするのですが……淫さんが言うには耐性面での強化があったようですね。
『お前達が言うところの微耐性くらいか?進化して耐性を得たという事だと思うが…まあ感度が上がっているみたいだから触手相手だと変わらんかもしれんな』
との事で、これはかなり嬉しい効果ではあるのですが、エッチなモンスターが多いブレイクヒーローズでは一番欲しいと思われる方面にはあまり強くないようでした。
(確かに感度が良くなってしまったのはデメリットですが、媚毒に強くなれば…んいっ、ひぃいぃぃッ!?)
そうして淫さんが『試しに』というようにニュルンと乳首を舐めるだけで脳天に落雷を受けたかのような衝撃で、油断していたという事もあり意識と胸が蕩けてへたり込んでしまいそうになるのですが……ニヤニヤと笑うような淫さんの前で醜態を晒す訳にはいきません。
『具体的に言うとこれくらいだな』
(…淫さん)
『試した方がわかりやすいだろ?』
(ぷー!)
『……わかった、わかったからそう睨むな』
私と牡丹に睨まれた淫さんは参ったというように大人しくなるのですが……とにかく身体的な変化については色々とわかったのですが、これはちょっと禄でもない効果ですね。それくらい甘い余韻が残っている身体が火照ってドキドキしていたのですが……私は深呼吸をして邪な気持ちを無理やり押し込めると、それから残りのスキルを試していく事にしました。
※少し長くなったので取得したスキルの効果については次回に回したいと思います。
※少し修正しました(5/8)。




