303:出発前の食料確保?
最近はゲームのし過ぎで運動不足だった事もあり、午前中は軽い運動をしたり色々な用事を片付けてスッキリした後に、お昼ご飯を食べてからゲームにログインしました。
(さて、今日は…)
現在地は『隠者の塔』の隠し部屋で、そこから改めて『毀棄都市ペルギィ』の攻略を進めていこうと思っているのですが……流石に最前線に行く前に細々とした消耗品を補充しておこうと、牡丹を『エルフェリア』に向かわせる事にします。
その間にやや敵対的な淫さんと話しをしながらドレスの魔力補充もしておいたのですが、我慢したのに二回もいかされてしまいましたし、魔力を吸われた分だけお腹がすくような気がするのですよね。なので淫さんが魔力を吸い終わり、身体を弄るのが少し落ち着いてから『リュミエーギィニー』の木屑で焚火を作りシールドビークのお肉を焼いていたのですが、何事もなかったように汗ばんだ身体を【水魔法】で洗い流して料理の準備を始めた私を見て淫さんが呆れたように呟きました。
『酷い目にあうとわかっていても戻ってくるのだな』
(そう、ですね……ただの慣れかもしれませんが)
こうしてドレスが蠢いている方が【淫装】のスキルレベルの上がり方が良いですし、チュパチュパと母乳を吸われる時の射乳感や変形したショーツがクリ〇リスに強く絡まりつき上下に揺らす鋭い刺激の波によって【発情】が発動して頭がホワホワして身体が熱くなってしまうのも……あまり大きな声では言えませんが、慣れてきたら癖になると言いますか、むしろ最近では刺激がない方が味気ないと思うようになってきているような気がします。
『………』
とにかくそういう風に色々と話していると淫さんは黙り込んでしまったのですが、食事で空腹度を紛らわせていると消耗アイテムを買い込んできた牡丹が帰って来て、購入品を整理してから出発する事にしました。
因みに本日の目的地である毀棄都市は現在プレイヤーの攻略対象になっている場所の一つで、設定的には魔王軍の侵略を受けて滅んだ呪いの町といった感じの場所ですね。
各町の兵士やブレイカーズギルドが詳しく調査しようとする前に魔力を含んだ霧が広がってしまい調査を断念してしまったのであまり情報はないのですが『エルフェリア』や『イースト港』に逃げ込んだ元住人に聞き込みを行ったプレイヤーによると「いきなり地中から枯れ木が生えてきたかと思ったらモンスターが噴出してきた」とか「腐った森が広がったかと思うと毒の沼地が広がった」とかいう話が聞けるようです。
その辺りの情報を辿っていけば毀棄都市を調査するクエストが発生するらしいのですが、町の全体像を把握しようにも感知系のスキルは魔力を含んだ霧のせいで働かず、一番数の多いゴーストが魔法武器でないと傷つかない事や、悪戯妖精がプレイヤーを惑わしてきたりジェリーローパーが毒の沼地に引きずり込もうとしてきたりとなかなか厄介な場所のようですね。
その為プレイヤーの調査もまだ半分ほどしか進んでおらず、町の中に広がった腐った森の中に枯れた大樹がある事が確認されているだけで奥地の様子はよくわかっていません。
(目指すべきは腐った森の中にあるという枯れた大樹かもしれませんが…流石に適当なところで引き上げるべきですね)
他のプレイヤーが攻略に手こずっている場所ですからね、あまり欲張らない方がいいでしょう。
(そしてまふかさんは……繋いでいませんね)
一声かけるように何度も注意されていますし、強敵溢れる場所でのんびりと食事をとれるかわかりませんからね、敵から精気を吸えなければすぐに空腹で動けなくなる可能性があったので出来ればまふかさんと一緒に行きたかったのですが……居ないものはしかたがないと諦めるしかありません。
一応個人サイトの方を覗いてみたら午前中に生配信をしていたようで……というより参加企画でしょうか?ワールドクエストの『レナギリーの暗躍』を融和派として参加して運送の妨害をしようとする熊派の人と戦っていたり、途中で気分を変えて『ディフォーテイク大森林』の攻略を進めようとしていたみたいなのですが、いつも通りドタバタした後に撤退して切りの良いところで配信を中断していますし、今はお昼休憩か映像の編集中なのかもしれませんね。
その事についてはログインしてきた時に改めて声をかける事にして、私達は買い物帰りの牡丹を頭の上に乗せてから枯れた大樹を目指して『隠者の塔』を出発しようとしたのですが……その途中でトボトボと歩いて塔に戻ってきているグレースさんを発見しました。
ログアウトした場所は同じですし、お互いに夏休みを満喫している学生同士という事で遭遇する確率はそこまで低くはなかったのですが……昨日調子に乗ってグレースさんを弄り回した後という事もあり気恥ずかしさによって顔が火照ってしまいますね。
視線が合っていなかったので何食わぬ顔をして通り過ぎる事も考えたのですが、グレースさんは私達が塔の周辺に生えている『リュミエーギィニー』に隠れるよりも早くこちらの存在に気づいてしまい、顔を真っ赤にしながらワタワタと挨拶してきました。
「あっ…お、おおおはようございます!」
「おはようございます」
「ぷっ!」
「今はもうお昼ですが」という言葉を飲み込みながらお互い挨拶をして、牡丹も元気よく触手を上げていたのですが……そのままどこまで踏み込んでいいのかわからないというような沈黙が続いてなかなか気まずいですね。
誤魔化そうにもグレースさんは昨日の事を意識しているのは確実で、警戒しているのかいつもみたいに飛びついてこないまま物凄くチラチラとこちらを見てきていますし……やはり嫌われてしまったのでしょうか?
「…狩りの帰りですか?」
よく見てみるとグレースさんのローブが砂埃で汚れていましたし、話を逸らす意味でもそんな話題を振ってみたのですが……グレースさんは恥ずかしそうにその汚れをパタパタとはたきながら、困ったような顔でニチャリと笑いました。
「そ…その、私っていつもスコルさんやユリエルさんに守られっぱなしで…だから特訓…っていう程の事でもないんですけど、少しでも鍛えようかと」
との事で、どうやらグレースさんは力試しとレベル上げを兼ねて『隠者の塔』周囲のモンスターと戦っていたようなのですが、ヒーラー寄りのスキル構成とメイン武器が杖という殺傷能力が低い装備のせいで色々と厳しかったようですね。
「お疲れ様です」
「い、いえいえいえ、だ、だ大丈夫ですから!これっ、くらいは!!その…ユリエルさんは?」
「これからどちらへ?」と聞かれて行き先を答えるのはいいのですが、昨日のように「ご一緒しても良いですか?」と言われた後の対応が困った事になると言いますか、流石にグレースさんを守りながら毀棄都市を攻略するとなると大変なのですが……どう返すのが最適解なのでしょう?
「あの…?」
そんな風に私が考え込んでいると、背を丸めたグレースさんが不安そうに上目遣いで私の顔色を窺ってくるのですが……これは後々拗れない為にもちゃんと説明した方がいいかもしれませんね。
「すみません、これから毀棄都市に行こうと思っているのですが…」
「じゃ、じゃあ私も!」
そして予想通り私が目的地を言うと同行を申し出るグレースさんなのですが、ブレイクヒーローズでの敗北はエッチな凌辱に繋がっていますからね、流石に攻略の最前線に連れていくのは可哀そうですし難しいと思います。
「私もグレースさんが来てくれると助かるのですが……負けたらどうなるかはわかっていますよね?」
「それ、は……ひぅっ!?」
一度色々とやってしまった後という事もあり、私は意を決してモンスターにやられた後はどうなるかという事を理解してもらう為にもグレースさんの大きな胸を鷲掴みしてみたのですが……ローブ下の鎖帷子に阻まれその下の果実まで指は届きません。
「ジェリーローパーにやられた時の事もありますし、私もお腹がすいたらグレースさんを襲ってしまう可能性があるのですよ?」
「あ、あの…それは…くぅ、ンぅ…っ!?」
無謀な行いを止めてくれるのなら嫌われてもいいという思いで大きく鎖帷子を揺すると、無数の鉄の輪っかがグレースさんの柔肌を撫でてカリカリと乳首が擦れて弾かれる感触に身体を震わせながら甘い吐息を吐きました。
そしてジェリーローパーの名前を出すとその時の事を思い出したのか、顔を赤らめながら身体を強張らせてギュッと目を閉じたのですが……何かグレースさんは満更でもない様子なのですよね。
つい慌てふためくグレースさんの反応が面白くてそのまま揺すり続けてしまったのですが、いきなり胸を揉む事はいけない事ですし、足の力が抜けてカクカクと震えてきたのでこの辺りで止めておきましょう。
(グレースさんが拒まないのも問題だと思いますが)
変な男の人にホイホイとついていかないかが心配になるのですが、そんなグレースさんは気持ちよさそうに身体を震わせながら目を開きます。
「はっ…ぁ…あ、あの…ユリエルさんがこういう事をするのって、精気を吸うため…なん、ですよね?」
「え、ええ…」
流石に半分くらいは趣味ですとは言えないので適当に同意しておいたのですが、精気を吸うためには肉体的な接触が必要だという事を知っているグレースさんはかなり都合の良い解釈をしてくれたようで、私が頷く「やっぱり!」と表情を綻ばせました。
「あ、あの!私じゃ力にはなれないかもしれませんが、こうやって栄養源にしていいですから…それでも、ご…ご一緒したら駄目ですか?」
「そう、言ってくれるのは助かりますが…」
どんな形でもいいから力になりたいというグレースさんの熱意に押されて私の方が戸惑ってしまうのですが、今まさに『隠者の塔』周辺のモンスターに苦戦した後ですしブレイクヒーローズの魔法職は不遇職ですからね、私やスコルさんくらいしかPTを組む人がいないのでしょうか?
『お前、それは…』
(ぷー…)
「それは、ユリエルさんと…じゃなくて!その、でも…絶対、絶対に役に立ちますから!!」
よくわかっていない私に対して淫さんと牡丹が呆れたように呟いていて、グレースさんはよくわからないテンションのまま顔を真っ赤にしてピョンピョンと跳ねていたのですが……グレースさんがジャンプする度に大きな胸が美味しそうにブルンブルンと揺れていて、私はその揺れにつられるように頷きます。
「え、ええ…そこまで言うのなら…」
大変な事になってもいいというのなら拒む理由はないですし、精気を吸ってもいいのなら空腹度的にもかなり助かりますからね、そのまま何かよくわからない熱意に押される形で私はグレースさんとPTを組んで毀棄都市攻略に向かう事になってしまいました。
※誤字報告ありがとうございます(3/21)訂正しました。




