301:内憂外患と次の目標
グレースさんが抵抗するので色々と手順が狂ってしまったのですが、何とか無事に媚毒の治療を終えたところで私は息を吐きました。
(たっぷりと精気を吸ってしまいましたが…大丈夫でしょうか?)
美味しくて手が止まらなかったのですが、吸いつくされたグレースさんはピクピクと痙攣したまま白目を剥いていて……まあ強制ログアウトが始まっている訳でもないですし、きっとそのうち目を覚ますでしょう。
『相変わらずえげつないな』
「何が相変わらずなのかはわかりませんが、隅々まで洗い流しておかないと媚毒が残っていたら大変ですか…ぁんっ!?」
そしてそんな事を言いながら共犯者が全裸のままぐったりしているグレースさんの拘束を解いたのですが、言い返し終わる前にいきなり『翠皇竜のドレス』が私の身体に絡まり敏感な個所を締め上げました。
(淫さ…ッ!?くぅんっ、待って…ください、今こんな状態で乳首を吸われたら!?舐めっ!?ふわぁああっ!!?)
仲良くなれたと思った矢先の反乱に脳が混乱するのですが、グレースさんの治療で昂ってしまった身体は溢れる母乳を舐めとりながら絡みついてくるドレスの感触に震えてしまい、わざとピチャピチャと音を立てながら舌先でツンツンと弄るような弱点への刺激に対していともたやすく屈してしまいます。
『手を組んでいたのは一時的にだ、油断するお前が悪い』
逃れようにも蠢いているのは自分の衣類ですからね、胸の根本から絞り上げるように乳首を捏ね繰り回されるだけで射乳いきが止まらず、一緒に噴き出した愛液を舐めとるように大陰唇の割れ目に食い込んだショーツが剥き出しになったクリ〇リスをなぞり上げられると頭の中がパチパチして、足がガクガクと震えて膝をついてしまいました。
「そん…な、あっ、あぁああっ!?」
いきなり手のひらを返された事に困惑しながらも全身を舐め回されるような愛撫に蕩けてしまい、さんざん弄られた身体は羞恥心や気持ち悪さよりも先に気持ちよさが勝ってしまうような有様なのですが、そんな昏い愉悦の中に堕ちてゆく私を見ながら淫さんが感心したように呟きます。
『お前のその性欲だけは我が主に相応しいかもしれんが』
「誰が…性欲お化けですかっ!!」
これは敏感な場所を弄られた時の生理的な反応であって決して私がエッチな訳ではありません!そう必死に叫ぶと淫さんは面白い冗談だとうように笑いました。
『そこまでは言っておらんが…否定の言葉の割には楽しんでいるようだが?』
「ひぃぅんっ!?」
ただただ快楽を甘受しているように見える私に対して淫さんが失礼な事を言うのですが、反論しようにも弱い所を三か所とも同時に別々の強さで吸われてしまい、下の刺激に耐えようとすれば上を、上の刺激に耐えようとすれば下を、どこに力を入れればいいのかわからないまま淫さんに責め立てられるのですが……そんなタイミングで見張りに立っている牡丹が「ぷっ!」と警告音を発しました。
(はあ…はぁあ…ッ、んっ……どう、しました?)
それで一旦私の身体を弄るのを止めてくれた淫さんなのですが、これは後でキッチリ話をつける必要があるのかもしれませんね。
「敵…ですか?」
とにかく今は牡丹が視線で示す先を目で追うのですが……そこは『隠者の塔』から見て反対側の拓けた場所で、どうやら何かが崖下から這い上がってきているようですね。
何かしらのモンスターが襲い掛かってきたのかと【淫装】の制御を取り戻すために頭の上に戻ってきた牡丹が『ベローズソード』を渡してくるのですが、私は震える手足に力を込めながら戦闘準備を整えます。
(来ます…!)
そしてある程度魔力を吸収して調子を取り戻した『翠皇竜のドレス』のスカート翼を広げながらグレースさんを守る位置に立つのですが……そんな警戒する私達の前にニュッと獣の手が伸びてきたかと思うと、その何かはガシっと崖の縁を掴みました。
「ふんぎぃ~!!頑張れおっさん!今転がり落ちたらヌチャエロプレイが待っているぞ…っと、それはそれでいいかもしれないけど、頑張れおっさんフレーフレーおっさん!!」
そうして私達が見守る中、スコルさんが崖の下からよくわからない事を叫びながら這い上がって来たのですが……なぜそんな所から這い上がって来たのかはよくわからないものの、通路が突破できなかったら別ルートを探すと言っていたスコルさんが力技で崖を昇って来たようですね。
「ぜーはーぜーは…あーおっさんも年取ったかな、結構苦しい…って、あっ、ユリちー…無事ー?グレグレは…?」
「え、ええ、なんとか…グレースさんは…」
私が構えていた蛇腹剣を下げて何て言おうかと考えていると、スコルさんはヘラリと胡散臭い笑みを浮かべながら何食わぬ顔で尻尾をパタパタと振りながら辺りを見回して……その視線が私の後ろに倒れている全裸のグレースさんに止まると、目を真ん丸にして口を開きます。
「まままさか…2人はヤっふべらッ!!?」
「ぷーっ!!」
なにか酷い勘違いを……いえ、別に勘違いではないのかもしれませんが、とにかく「まあまあ何て事を!」みたいな顔をするスコルさんに対して防衛に上げていた【魔水晶】が体当たりを仕掛けて牡丹がプンスカ怒っていたのですが、とにかくこれでPTメンバーは全員集合ですね。
「何を勘違いしているかはわかりませんが…ジェリーローパーの媚毒を洗い流していただけですよ?」
私は務めて冷静にそう説明しておくのですが、全然納得していなさそうなスコルさんはヘラヘラと笑いながら舌を出しました。
「へーん、ふーん?ま、そういう事にしておきますか」
鼻を鳴らすようにスコルさんはどこか小憎らしい顔でニヤニヤと笑うのですが、これ以上言い合っていても時間の無駄ですからね、私は赤くなった頬を押さえながら横を向きます。
「まま、おっさん的には色々と気になる事はあるけど、そろそろこの辺りも魔物がリポップするかもしれないし、流石に疲れちゃったから一旦安全な場所まで戻らない?」
「そう、ですね」
私も疲れましたし、そろそろいい時間なので今日はこの辺りで切り上げた方がいいのかもしれません。
(淫さんの問題は……また明日ですね)
バレるかバレないかのギリギリを攻めるようにヌメリと身体を舐めまわすドレスの感触に身体が震え、鼻をフンフンとさせて匂いを嗅ぎながらスコルさんが近づいて来ようとする度に背筋がゾクゾクして口元が弛みかけるのですが、とにかく今日のところは頑張って気を引き締めて誤魔化す事にしましょう。
「じゃあ…グレースさんは私が運びますので、スコルさんは索敵をお願いしてもいいですか?」
「OK~そうと決まったらすたこらさっさと行きましょうや」
機嫌よく尻尾を振りながら歩きだしたスコルさんを先頭に、頭の中がお花畑になっているグレースさんを抱きかかえたまま私達は安全にログアウト出来る場所まで戻ってくると、一旦アイテムの清算をしておいたのですが……このままログアウトする私とグレースさんとは違い、スコルさんはもう少しだけゲームを続けるようですね。
「おっさんもうちょっとでレベルが上がりそうだし、それにユリちーの為にも一肌脱いじゃおうかなーって事なのよ」
「そうですか」
どういう事なのかはサッパリわかりませんが、スコルさんはもう少しレベルを上げたいという事だったので私とグレースさんは先にログアウトする事にしたのですが……その日は疲れていた事もあり細々と用事を終わらせてお風呂に入ると、さっさと就寝する事にしました。
(何か色々と疲れる一日でしたね)
グレースさんと流れでイチャイチャしてしまいましたし、明日以降どういう顔をして会えばいいのかわからないのですが……とにかくこれで『エルフェリア』を通過せずに毀棄都市方面に抜けるルートが開拓できましたからね、明日からは本格的な攻略を再開していきたいと思います。
というより淫さんがもう少し協力的なら人間形態で町の中に入るという選択肢が生まれるのかもしれませんが、ただでさえ『搾精のリリム』に進化した事で人間状態でも魅了が滲み出して人前に出るのがなかなか難しですし、今のところは厳しいと言わざるを得ませんね。
(もし町の中で淫さんに弄られたら…)
そんな事を考えるだけでブワっと汗がにじみ身体が火照ってくるのですが……もう少し淫さんと仲良くなるまでは人気のない場所でコッソリしておいた方が良いのかもしれません。
(そうなると、行ける場所としては…)
おのずと行ける場所が決まってしまうのですが、毀棄都市方面に行けるようになりましたし、キリアちゃんが居ると噂されている『毀棄都市ペルギィ』の攻略を進めていきましょうか?
(キリアちゃん、ですか)
熊のぬいぐるみを持った若紫色の少女の事を考えると胸がキューっとなるのですが、自分でも何故そこまでキリアちゃんの事が気になるのかはよくわからないのですよね。
(次会ったら…)
この思いはただ単に特殊イベントをクリアしたいというゲーマー特有のものなのかもしれないのですが、それでも私の直感としてはこのままキリアちゃんを放っておいたら駄目なような気がして……そんな事を考えていたからか、私がゲームからログアウトしている時のキリアちゃんはいったい何をしているのだろうという事を考えながら眠りにつく事になりました。
※少し修正しました(12/6)。
※誤字報告ありがとうございます(3/21)訂正しました。




