295:沼地のジェリーローパー
「グレース…さんッ!!」
私は叫び声をあげながら崖下へ落下していったグレースさんのお腹辺りに飛びつくようにタックルをしかけたのですが、抱きしめた時のカシャリとした硬い感触と意外な重さに息が詰まりました。
「ぐっ…ぅ…」
グレースさんがローブの下に鎖帷子を着ている事を忘れていたのですが、防御面では正しい選択ではあるものの、こういう時には地味に重量物となるので色々と厳しいですね。
「ゆ、ユリ…エルさん」
まさか私が追ってくるとは思っていなかったというグレースさんは目を見開いているようだったのですが、落下中ではのんびりと会話をしている余裕がありません。
(地上が……減速っ!?)
落下までの猶予は数秒程度、崖の下には息が詰まるような濃密な霧が広がっており呼吸と視界が奪われ目を細めるのですが、このまま急浮上なんてしたらお腹辺りを固定しているグレースさんがポッキリ折れかねないですからね、浮かび上がるのは一旦諦めて着地する事に専念する事にしましょう。
(何か動いているようですが)
そうして【魔翼】で減速をかけながらこれから着地する予定の場所を観察していると、崖下に溜まっているどこか生ぬるい霧の奥でチカチカと輝くモノが蠢いている事に気が付いてしまったのですが……降りる前から嫌な予感がしますね。
(ぷ~…)
牡丹も警戒するように唸り声をあげているのですが、グレースさんを抱えながらでは今更着地を取り止める訳にもいきませんし、私達はそのまま崖の下に広がっている巨大な水溜まりの中に落下したのですが……というより沼でしょうか?水深は浅いものの妙にネバつき身体に絡まるその沼の下には柔らかな土壌が広がっているようで、油断しているとズブズブと沈んでいきかねない底なし沼のような場所に軟着陸したようです。
これでやっとひと段落……といきたかったのですが、ホッと息を吐いた瞬間私はこの霧と沼地の異常さに気づいて鳥肌が立ちました。
(この沼は……いえ、この霧も…)
媚毒……粘つく水場や濃い霧の中にはいやらしい効果を発揮する何かが含まれているようで、呼吸しただけで身体が疼いてしまい乳首と下腹部がジンジンと熱くなり集中力が削がれます。
(早く脱出しないと…)
どうやら落下中に見かけた“何か”がこの媚毒の原因だと思うのですが、霧自体に魔力を阻害する成分が含まれているのか気配がわかりづらいですし、脱出しようにも底なし沼のような水溜まりはネバネバと絡みつき私達の動きを制限しました。
(少し、強引ですがっ!!)
腕の中にいるグレースさんはこういう状態異常に耐性がないのか目をぱちくりしながら甘い吐息を漏らしていたのですが、その様子を見る限りではあまり余裕はありません。
それくらい強力な媚毒がこの辺りには広がっており、ほんの少し沼地に足を踏み入れ霧を吸っただけでゾクゾクと身体が震えてただでさえ敏感になっている乳首がその存在を自己主張し始めてしまっているのですが、とにかくこれ以上ここにいるのは危険だと無理やり【魔翼】とスカート翼を広げて離脱しようとしたところで……ニュルリとした何かが広げた翼に絡みつきました。
(っ…!?)
そうして魔力感知が阻害されている霧の中から静かに忍び寄ってきていたのはジェリーローパーという深緑色から灰色をした1メートルくらいのブヨブヨした塊で、その数は50体以上、辺りを埋め尽くすような無数の触手がウネウネといやらしく蠢き完全に私達を包囲しています。
これが『ミキュシバ森林』に居るローパー程度でしたら強引に引き千切れたのかもしれませんが、相手のレベルが32から38と私と同格かやや上くらいとなると振り切る事もできません。
「はひゅ…ゆ、ユリエルさん…」
不安そうに涙を溜めるグレースさんがギュッと身を寄せると緊張の為に流れる甘い汗の匂いが私の中の『搾精のリリム』を刺激したのですが、今はそれどころではないので思考を目の前の敵に戻します。
「安心してください…大丈夫ですから」
この大量のジェリーローパーはリポップの関係でMAPの端の方に追いやられてきたのかそれともただ水場に集まる習性でもあるのか、今のところは私達の動きを止めただけで満足しているようなのですが……トロリとした沼地と霧に捕らえられた無力な獲物に見せびらかせるように触手をキラキラと輝かせている光景はなかなか絶望的ですね。
(何とかグレースさんだけでも助けてあげたいのですが…)
飛び立とうにも足場は最悪、翼には無数の触手が絡みついていてはどうしようもありません。そしてどうやら落下中に見えたチカチカと光るものはジェリーローパーの触手についている結晶の照り返しだったようなのですが、周囲の環境にまで影響を与えるほどの濃縮された媚毒の塊が揺れる度に霧や沼地に媚毒が広がり徐々に私達の身体を蝕んでいきます。
(牡丹!)
このままでは媚毒に侵されて無力化されるだけですし、時間をかけてもしかたがないので無理やり血路を開く事にしましょう。
(ぷっ!)
絡めとられている状態でベローズソードを受け渡している余裕は無く、【ルドラの火】はグレースさんにもダメージを与えてしまう可能性が高いので使用できません。【電撃】も辺りが水場となると危険ですしとなると反撃方法は消去法で【オーラ】という事になるのですが、私と牡丹が翼に絡まる無数の触手を斬りはらうように【オーラ】を固めたナイフを振るったタイミングで、安否を確かめようとするスコルさんの言葉がPT会話経由で聞こえてきました。
『ユリちー……グレグレ!大丈夫!?』
ややタイミングが悪いと言わざるを得ない状況ではあったのですが、スコルさんまで下に降りてきてしまうといざという時に私達を救助する人がいなくなってしまいますからね、少し無理してでも返事を返す事にしましょう。
『あまり大丈夫とはいえませんね、下はモンハウです。あと霧とその下に広がっている水場には毒が仕込まれているので降りて来る場合は注意してください!』
そう一気に言い切ると私は伸びてきた触手を屈んで避けながら、左手で抱いているグレースさんの位置を調整しながら右手で触手を斬り払います。
『っと…了かーい、じゃあおっさんは迂回して降りれる所ないか探してみるわ!』
すると踏みとどまり引き返すような気配を見せるスコルさんなのですが、やはり下に降りられないかと試行錯誤していたみたいですね。
『お願いします!』
そのまま降りて来ていたら私達の二の舞だったので危ないところだったのですが……とにかく私はそんなやりとりしながら伸びて来る無数の触手を切り裂いていくのですが、これだけ大量のジェリーローパーが居ると一本二本触手を斬ったところで焼け石に水ですね。
それでもPTメンバーとも連絡が付きましたし、私達が上手く脱出できなかったとしてもスコルさんが何とかしてくれるでしょうという多少の安心感が生まれます。
『あ、あの、わ、わたしも無事です!』
そして少し遅れてスコルさんにワタワタと返事を返すグレースさんの言葉に頬を緩めたのですが、そんな一瞬のスキを突くように無数の触手が私達に迫りました。
「ッ…くっぅぅ!?」
油断していたわけではなかったのですが、やはり高濃度の媚毒にさらされていたせいで判断力と動きが鈍っていたようですね。
私と牡丹、そしてグレースさんは反撃する暇もなく触手に四肢を押さえこまれてそのまま沼地の中に押し倒されてしまいました。
「ぷっはっ!!」
肌の上を撫でるザリザリとした媚毒結晶の感触に肌を震わせながらも何とか水面上に顔を出す事はできたのですが、伸びてきた触手が緩く首を締めあげ酸素を奪っていきます。
(手加減…?ああ、いえ…違いますね…これは…)
一息に首の骨がへし折られるかそのまま窒息判定まで持ち込まれるかと思ったのですが、首にかかった触手はただ私の動きを止めるだけの力しか込められていません。
「やっぱり、こう…ん゙っ…ィッ…ッ!!?」
そして私の身体に伸びてきた触手はその一本だけではなく、そこにあるだけで発情してしまうほどの媚毒の塊ともいえる結晶が私の肌を舐めるように撫でまわし、ピンとそそり立つ乳首を少し引っ掻いただけで……私はあっさりといってしまいました。
「はぁ…っ、あぁあっ、ああっ、あぁああ~っっ!!?」
どうやらそれで私達の敗北が決定づけられてしまったようで、一瞬の空白から立ち直る前に全身に絡みついた触手によって身動きが取れなくなってしまいます。
反撃しようにも身じろぎしただけでお仕置きだというようにクリ〇リスを激しく弄られてしまい、たったそれだけの事で意識とは裏腹に身体がジェリーローパーに屈服してしまい、ただただ情けない声を上げる事しかできません。
(こう、なっ…たら!)
せめてグレースさんだけでも助けようとその身体を引き寄せようとするのですが、媚毒耐性が私より低いグレースさんは揮発した香気を吸い込むだけで軽くいってしまっているようで、媚毒結晶による暴力的な刺激にガクガクと震えて嬌声をあげる事しかできなくなっていました。
「んひぃっ!?なななに、あっ…おっぱいっ…ひぃぅ、と、とれ、はひぃぃい、あぁあああっ!!?」
グレースさんの服の下に潜り込んだ無数の触手が着込んでいる鎖帷子とぶつかり合いカチカチという音を奏でているのですが、そんな音を立てる度に厚手のローブの下ではグニュグニュと触手が蠢き、抱きしめた身体は痛いほどビクンビクンと痙攣し続けています。
「や…め…ッ、ぁああああっ、はひっ、そ、そこはユリエルさんに!!?」
カリカリと媚毒結晶で肌を撫でられるだけで喘いでいるグレースさんが私の腕の中で何度も何度も絶頂を繰り返し、たぶん初めて弄られたお尻の穴でさえ媚毒を垂れ流した触手がジュボジュボと穿り回すとはしたない嬌声をあげながらビクンビクンと身体を跳ねあげました。
「んひぃ、い、イク、いっーーッッ!!?」
そんな触手特有の動きと媚毒結晶の効果によって数えきれない絶頂と甘い叫び声を上げながら、とうとう女の子が大切にしている場所にも無理やり入って来た触手に耐えきれずにグレースさんの意識は飛んでしまったようですね。
大粒の涙を流しながらだらりと脱力したグレースさんの身体を抱きしめた私は何とかここから脱出しようと決意するのですが……そんな思いを嘲笑うようにジェリーローパーの触手が次の獲物に狙いを定めたようで、愛液の滴る私の穴という穴を抉り、明確な弱点となっている乳首をカリカリ弄られ母乳を搾り取られながらクリ〇リスまで媚毒でグチュグチュに侵していきます。
「ッんぅぅぅっ、はぁっ、あっ、あぁ…ぁあああっ!?」
私のささやかな抵抗の意思などジェリーローパーの前では無力だというように並の人間の物より太くて凶悪な触手が穴という穴に挿入され、媚毒の結晶がGスポットや膣口を抉りながら直腸やら尻尾という耐える方法のわからない場所までゾリゾリと削りあげられると、ただただ無様にいき続ける事しか出来なくなってしまいました。
※少し修正しました(11/25)。




