280:荒療治
「シノさん…ですよね?」
考えてみれば、第二エリアで単独行動している女性と言うと真っ先に思い浮かんでもいいかもしれないソロ専のシノさんがここにいるというのはおかしくないのですが、その凹凸の無い体に相応しくない程大きく膨れ上がったお腹はどうしたのでしょう?
そう思いはしたのですが、その事を聞いていいのかよくわからずに私が押し黙ると、シノさんは「嫌な奴に見つかった」みたいな表情を浮かべてしかめっ面を作りました。
「他の誰に見える…ッぁ、あっ、あぁ…今は、動か…ないでぇ…やぁ…あ…ッ」
そうして私の言葉に対して憎まれ口を叩こうとした瞬間、膨れたお腹が微かに震えたかと思うと、いつも掴みどころのないプレイをしているシノさんが額に汗をにじませながら弱々しく喘ぐ姿はくるものがあるのですが……今はそんな事より、何が起きているのかを確かめる方が先決ですね。
「すみません、少し体に触りますね…」
ジョンさんに頼まれたからと言うのもあるのですが、確かにこれを放置してどこかにと行くというのは後味が悪いですし、私はその容体を確認しようと思ったのですが……。
「って、だから、ほっといっ…てってば…」
いらぬお世話だというように、シノさんは眉を寄せました。
「ほっとけませんよ、こんな状態で…」
とはいえあからさまにその発言は強がりですし、私は抱きかかえていたまふかさんを牡丹が出した毛皮の上に寝かせてから、問答無用でシノさんの体を調べ始めます。
そうしてシノさんの汗ばんだお腹に触れると卵のような硬い感触があったのですが、ハーピー達に襲われていたようですし、これはハーピーの卵でしょうか?
(それにこの振動…)
その塊はシノさんのお腹の中でドクンドクンと鼓動しており、絶えず微細な振動がシノさんの身体を蝕んでいるようなのですが、その鈍く強く響く振動にハーピー達にやられた時の記憶が甦って来てモゾリとしてしまい、私達も反撃が遅れていればこうやって卵を植え付けられていたのかもしれませんね。
「も、もういいよ…どうせ笑うつもりなんでしょ?こんな…いっ…っ、く、あ…やられた私をみて、さ」
「だからユリエルには見られたくなかったんだ」というような事を呟くシノさんなのですが、ブレイクヒーローズはこういうゲームですからね、私もいつ何時こういう状況になってもおかしくないので、笑えるような状況ではありません。
「笑いませんよ、私も植え付けられた事がありますから」
私の場合は蜘蛛にでしたが、あれはなかなか大変でした。
「そ、そう…」
まさかそう返されるとはと言う風にシノさんが一瞬言葉を詰まらせたのですが、とりあえず寄生されているのはお腹の中だけっぽいので、その摘出から始めましょう。
「このまま成長しても不味そうですし、取り出せないか試してみますね」
やるべき事はわかったのですが、ここまでお腹が膨れ上がっていると単純に取り出すという訳にもいかず、まずは小さくする必要があるのですが……。
「やっぱり一度砕いてから掻き出しましょうか?」
「ぷぃ!?」
私の呟きに牡丹がビックリし、シノさんも目を見開いて首を振りました。
「な、何て事言うの!?っていうかお腹の中で卵何て割られたら私のお腹の中が大変な事になるよ!?」
「それは……たぶん大丈夫だと思いますが」
リアルなら専門の機材がなければ大惨事かもしれませんが、ゲームの場合は多少乱暴に扱ってもポーションをかければ治りますからね、それに前回は蜘蛛の卵がべったりと張り付けられていたり、魔力の制御もまだまだ甘かったりして自力での摘出は難しかったのですが、今の私の制御力なら十分取り出せると思います。
「少し痛いかもしれませんが、我慢してください」
「ま、待って!?」
案ずるより産むが易しと言いますし、即断即決と私が膨れたお腹の上に手を乗せると、シノさんは治療を拒もうとするように後ずさりしようとしたのですが……私は【淫装】で操作したドレスを使いシノさんの両手両足を押さえ込むと、そのままお腹の上から力をかけていきました。
「ってなにこれ!?服!?ひ…んっ…だっめ…だってば、ぁあっ…やっ…あ゙っ、あ゙ーーッッ!!?」
そして卵の抵抗なのか振動が強くなるのですが、その振動に合わせてシノさんの声色に悲壮感が混じり、暴れ始めます。
(少し、硬いですね)
とはいえ潰せない程の硬さでもないですし、私は種族補正と魔力の暴力でシノさんのお腹の中の卵を更に押し込んでいくと……ある一定の力を込めたところで、クシャリと卵の殻が割れるような感触が伝わって来ました。
「っ…あぁ、あっ、あっ!!?」
すると卵の中身っぽい緑色のドロドロがシノさんの下の口から勢いよく溢れてきたのですが、その液体は強力な媚毒にでもなっているのか、数十回分の絶頂が一気に押し寄せて来たというようにシノさんの身体が跳ね、意識を飛ばします。
「ひっ…も…もうらめ…あたまっ…とけ…ちゃう…おっ…おかしく…っ!!?」
「ッ…大丈夫ですよ、落ち着いてください」
暴れるシノさんは強引にドレスの拘束を解いて私の腕をギューっと握ってくるのですが、何かもうリミッターが外れているのか尋常じゃない握力ですね。
掴まれた所が赤くなるどころか下手したら骨に罅が入りそうなくらいの力でギチギチと握りしめられるのですが……。
「大丈夫ですよーもうすぐ終わりますからねー」
その半狂乱の様子を見ているとこの辺りで止めておきましょうかとも思わなくもないのですが、中途半端に砕いただけというのが一番いけませんからね、私はもう少し卵の破片を小さくしようと、いやいやと首を振るシノさんをあやすようにお腹に魔力を流しながら優しく撫でていきました。
「そんな事、いわれ…いわ…イッ、だ…めぇ、中で殻が擦れて…いっ、いま…イッた、ばかり、だからっ…らぇっ!!?」
その度にお腹の中で卵の殻がカチャカチャと揺れて、シノさんは電気ショックでも受けているようなレベルで身体を跳ね上げているのですが……痛みより卵から滲み出る媚毒の効果の方が強いのか、卵の破片が子宮内を刺激する度に性的な暴力を受けて痛々しいくらいに痙攣していたのですが、これもシノさんの為だと思い私は植え付けられた卵を磨り潰していきます。
「っーっ!?ん…っ、んぁっ!!?」
そうして取り出しやすい大きさまでしっかりと砕いてから手を離したのですが、その頃にはもうシノさんは汗やら涙やら鼻水やら涎やらで酷い状態で、股間からは媚毒交じりの愛液が呼吸に合わせて噴き出ているという有様ですね。
「ひ、ひど、もう…こんな…」
シノさんのお腹の中は割れた卵の殻と強力な媚毒で一杯で、少しでも動くと殻同士がぶつかる刺激が子宮内を引っ掻き回し、呼吸のたびに媚毒混じりの愛液を噴き出していたのですが、残念ながら治療としてはここからが本番です。
「それじゃあ今から取り出していきますね」
私は【オーラ】の制御に集中して、愛液と媚毒でトロトロにふやけているシノさんの膣口に指を当てて魔力を流し込むのですが……かなり入り口が狭いですね。
色々と成長していない人だとは思っていましたが、シノさんの身長は私より少し小さいくらいなのに、下の入り口は下手したらキリアちゃんより狭いくらいで、こんなに濡れているのに小指一本入りません。
「シノさん、もう少し力を抜く事は出来ませんか?」
掻き出せなくて困るのはシノさんの方ですからね、もうすこし身体から力を抜いて欲しいのですが……難しいようですね。
「だ…で、できるわ…ふぁぁああ、あっ!?あっ!!?」
恥ずかしがって躊躇している場合ではないのですが、変に力んでいるというより元からかなり狭い作りが反射でもっと締まっているという感じで、だからといって未開発と言う訳でもなく普通に感じていたりと、結構ちぐはぐな身体ですね。
「そ…んなと、こ…入ら…ひあっ!?あっ…な、なんで!?」
たぶん1人でする事はあっても狭すぎて奥へは入れないタイプの人なのだと思いますが、とにかく何とか糸のように伸ばした【オーラ】を奥まで届かせると、その辺りは未開発なのか少し反応が変わりました。
「むっ、むり!?こ、あっ、イッ…あ、う…あぁっ!!?」
まるで初めて触れられたというような初々しい反応なのですが、卵の出す媚毒に侵されている影響か痛みとかは殆ど感じていないようですね。
なので私は容赦なく卵の影響で弛んだ子宮口を押し広げながら中に残っている欠片を回収していくのですが、シノさんはもう腰をバッタンバッタン動かしたり爪をおもいっきり立ててきたりと暴れ回っている状態で、押さえつけるのが大変すぎてなかなか治療が進みません。
「ひっ、だめっだめだめだめ、くちゅくちゅしなっ、イッ、ぁああああ!!!?」
「シノさん…」
「ぷぃー…」
途中から牡丹にも協力してもらい押さえつけているのですが、押さえている私達の方が痛いくらいにシノさんはビクンビクンと痙攣していて、これはもう私達の声は聞こえていませんね。
説得は諦めて挿入した【オーラ】で一つ一つ破片を綺麗に取り出していくのですが……その都度欠片がシノさんの良い所に引っかかるのか、物凄く暴れました。
「ッぁ…はー…っ、はー…っ、はー…っ…」
そうして卵の破片を全部摘出した頃にはぐったりと虚ろな目をしていたのですが、それでもシノさんは何とかギリギリ最後まで耐えきる事に成功したようですね。
まあ最後の方はもう数センチ動かすだけでいっている状態で、その度に膣の内壁が収縮して作業が中断させられはしたのですが、シノさんが頑張った事には変わりはありません。
「それじゃあ最後にポーションを流し込みますね、そうしないと傷口が化膿してしまうかもしれませんし」
そうして子宮内に破片が残っていないかを入念にチェックした後に、これが本当に最後の仕上げと私は各種ポーションを【オーラ】で固めてみせるのですが、その固められた棒状の物を見てシノさんは大粒の涙が浮かぶ目を限界まで見開いてから、首を振ります。
「まっ、い、いい…大丈夫、だ、からッ!?や、やめ…ッ!?」
シノさんは最後まで駄々をこねたのですが……まあいき疲れて動けないようですし、問答無用で回復ポーションを固めただけの治療薬を物理的に挿入してしまいましょう。
「な、なになに!?この感じ、はへっ!?ほっ、ぉぉ゙お゙お゙お゙お゙っっ!!?イッ…イク、イッ…あ、あっーーー~~ぁ~…ッッ!!?」
どうやら挿入した治療薬のおかげで麻痺しかけていた膣内の感覚が一気に戻って来たようで、シノさんは自分では触れる事も出来なかった一番奥を私に突かれながらとうとう白目を剥いて意識が飛んでしまったのですが……お腹の中の卵に関しては、無事に排除する事が出来たようですね。
※合理的(だとユリエルが言い張る)状態異常の治療でした。




