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265:ボス撃破のその後

 私達は『ギャザニー地下水道』に居るボスを倒してから脱出する事になったのですが、倒し終えた時にはもう皆さんの精神力や体力は一杯一杯の状態で、正面入り口から脱出するより『エルフェリア(出口)』側に抜けた方が早いのではないかという事になり、急遽方針を変えて障壁側を突破する事になりました。


 と言うのも、一度完全に撤退してしまうと次に来た時にボスがリポップする可能性がありましたし、そういう不確定要素のある選択をするくらいならモンスターが混乱している今のうちに皆で魔法の障壁を抜けようという話になり……調べてみると祭壇を破壊した影響が障壁前の『歪黒樹の棘』に出ているのか、黒い茨が縮んでスキルが少しだけ使えるようになっていたり、クリア条件が緩和されている影響で通過可能時間が3分になっていたりと、突破条件がかなり緩やかになっていたというのも『エルフェリア』側に抜けようとなった理由ですね。


「そういえば…」

 そうしてリンネさん達のギルドカードを障壁に押し当ててカウントが進んでいる間に、私はゴブリン達に囲まれている状態で【看破】を使ってしまった事を謝罪しておいたのですが、リンネさんは特に気にしていないというように手を振りました。


「あの程度で余所見をしたのは私の落ち度だからな、まだまだ修行が足りないと言う事だろう…むしろその後の事を考えると助けてもらったのは私達の方だから、私達の方から礼を言わなければならない状況なのだが…」

 そこまで言ってから、リンネさんの表情が曇る理由は『歪黒樹の棘』によって連れていかれたクランメンバーとはまだ連絡がつかない事で、リアル経由の連絡手段を持っているクランメンバーを通して連絡がつかないかを試している状態であるとの事です。


 因みにこの時に別れてしまったクランメンバーさんについては後日リンネさんと出会った時に詳細を聞く事が出来たのですが……とにかく大変な目に合ったものの、クロベルさんという後衛の纏め役みたいな人が飛ばされたメンバーを率いて纏め、無事に帰還して来たとの事でした。


 その人達の話では強制的に移動が中断したかと思うとヌトヌトした黒い大木の生える怪しげな森の中に落下したようで、そこからサバイバルしながら生還して来たとの事なのですが、その辺りは私が祭壇を壊した事(途中キャンセル)が関係しているのでしょうか?


 とにかく、そうして何とか生還して来た人達のおかげで西方に怪しげな大木の生えた黒い森が広がっている事がわかり、それがデファルセント(第二エリアのボス)の影響下にある土地ではないかと攻略掲示板が賑わう事となります。


 そうしてそういう新情報に攻略意欲を掻き立てられる人が居る反面、今回のゴブリンジェネラル及びエトワーデメーに襲われた事で「もうこんなゲームなんて嫌!」とリタイアしていった人達も結構いるようで、リンネさんのクランは半壊、10人ちょっと(半数以下)の小規模~中規模クランとして再出発する事となるのですが、残る事を決めた人はむしろこの惨劇で結束力が増したとの事で、何かとても仲が良くなったそうです。


 どういうふうに()()()()()()()のかはわかりませんが、世間一般では仲が良い事は良い事なので、きっとうまく収まったのでしょう。


 とまあこれらは後日のんびりと話しをした時の話であり、魔法の障壁の前で待っている間の彼女達は安否が不明で、飛ばされて行った人達は大丈夫だろうかとその無事を祈る事になります。


 後は……リンネさん達と情報交換をしてみた結果、意外とNPCが奇妙な祭壇の事を話していたりと、私の行き当たりばったりの攻略ではなく、ちゃんと町にはギミックについての説明や情報があった事を教えてくれました。


 とはいえ、リンネさん達は鉱石の話を聞いて堀に来ただけなのであまり詳しくは知らなかったようですし、私は魅了の関係で情報収集が苦手だったり、亀裂を飛び越えるつもりだったりとお互い情報収集不足だったり準備不足だったりした事がこの大惨事を招いた主原因だったみたいで、色々と反省する事が多いのですが、とにかく今は……。


「私達はもう少し動けますし、周囲の警戒に出ておきますね」

 私達はこのまま障壁を越えられるのでリンネさん達とはこのままお別れをしても良かったのですが、疲労困憊気味のリンネさん達を残してというのも心配ですし、ここまで来たら最後まで面倒を見ようと護衛に名乗り出ました。


「それは助かるが……そうだな、すまない」

 リンネさんは申し訳なさそうな顔をして隣の女性を確認するのですが……その女性の顔色が優れない事を見て眉を寄せると、断腸の思いだというように「迷惑をかけてすまない」というように謝罪を口にしました。


「重ね重ね、ありがとうございます」

 そうしてリンネさんの隣で一緒に頭を下げる金髪の女性なのですが、この人が話に出ていたテルマさん(リンネさんの恋人?)で、九死に一生を得た今はリンネさんと手を繋いで仲の良い様子で意味深な視線を交わしていたりと、あまりお邪魔しても良いような空気では無いですね。


「そう言う訳で時間までスキルの検証に付き合って欲しいのですが」


「…どういう訳よ?」

 これ以上2人の邪魔をしても悪いですからね、私達はよくわからないという顔をするまふかさんの手を引いてその場を離れたのですが……気が付くとそういう空気間を察してか、結構な数の人が障壁前から姿を消していました。


「まあまあ、私達も少しゆっくりさせてもらいましょう」

 ボス撃破後の小康状態といいますか、ゴブリンの攻撃も低調なので【魔水晶】と牡丹を防衛に出していれば対処可能ですし、少しのんびりとさせてもらいましょう。


(それにしても)

 『搾精のリリム』になって魔力が上がった事で【オーラ】の性能も上がっているのか、まふかさんの【狂嵐】に触れていてもピリピリする程度で済んでいるのですが、その刺激がまた絶妙に神経を撫でる感じで、触れているだけでも気持ちいとかもうまふかさんは色々とズルい身体をしていますね。


「な、なによ…?」

 指を絡めてその手の感触を楽しんでいるとまふかさんもしっとりと汗ばんだ手を握り返してきて、難しい顔をしている割には指の腹を擦りつけてきてと可愛らしい行動をして来たのですが……これは確実に誘ってきていますよね。


「っていうより、もしかしてあんたって…進化したの?何か見た目が変わっているような気がするんだけど?」

 今までバタバタしていましたからね、改めてゆっくりできたタイミングでまふかさんはそんな事を聞いてきたのですが、これだけ姿が変わっていると隠していても無駄なので、私は一番見た目が変わった尻尾の先の蕾を見せて振りながら答えます。


「はい、ゴブリンジェネラルと戦っている最中に」


「そう…」

 まふかさんが『ウガルル亜種』に進化して格好良く戦おうとした戦闘で私も進化した訳ですからね、悔しがられたり何か言われるかと思ったのですが……まふかさんは何とも言えなさそうな顔で恥ずかしそうに目を伏せて言葉を切りました。


 そして無意味に私の指先に指を絡めてモジモジしているのですが……くすぐったいので無言でモミモミし続けるのは止めてほしいですね。


「違うわよ!あーもう、何このモヤモヤ…あんた、また変なスキル使っているんじゃないわよね!?」

 私が何とも言えない顔をしていたからか、まふかさんが捲し立てるようにそんな意味不明な事を言うのですが……理由を聞いてみると、変な気持ちになってしまい落ち着かないのだそうです。


「変な気持ちって…何ですか?」


「知らないわよ、もう!」

 聞き返してみるとまふかさんは顔を真っ赤にしてへそを曲げてしまったのですが、妙にリンネさん達がソワソワしていたのもその影響じゃないかとの事で、アチコチから押し殺したような吐息や喘ぎ声が聞こえて来るのも私のせいじゃないかと疑っているようなのですが、流石に全部が全部私のせいだという事は無いと思います。


「よくわかりませんが…」

 ただ戦闘に次ぐ戦闘でとてもお腹が減っていますし、戦闘後の安堵感のせいで理性が効かなくなりつつありますし、中途半端に弄られた身体は昂ったままで我慢の限界一歩手前です。


 それなのに目の前には顔を赤らめ目を伏せるまふかさん(ご馳走)がいてと、私達はひっそりとイチャイチャしている人達から離れるように人気のない所までやってくると、私はまふかさんを壁に押し付けるようにして肩ドンすると、そのまま流れるように唇を重ねました。


「ちょ、あんた…いきな……んっ…ふっぁ…」

 少し背伸びをするようにしてまふかさんの口を塞ぎ、膝を股の間に入れて動きを制限するのですが……まふかさんはいきなりの事に驚きながらもそのまま身体を委ねるように力を抜いて、反対に私の身体を抱きしめながら舌をいれてきたりとなかなか積極的だったりします。


 そうして私はその口内をたっぷりと楽しむと酸欠と舌の感触に脳が蕩け、正面から抱きあっているだけで乳首が擦れて痺れ、だんだん硬く尖っていく乳首のコリコリした感触が楽しいですね。


 密着した身体を揺するようにしてまふかさんの胸を弄ぶと身体がピクンピクンと震えて喘ぎ声のような吐息を漏らし、そんな反応を見ていると余計にお腹が空いてきて、たまらなくなります。


 【搾精】


 そうしてまふかさんと唇を重ねながら口内を堪能しつつスキルを発動すると、まふかさんの精気が触れ合う唇と舌から流れてくるのですが……そのあまりの美味しさに子宮がキューっとなり、それだけでいきそうになりました。


 そうしてギューっとまふかさんの身体を強く抱きしると【狂嵐】が全身をピリピリ貫いて……おもいっきり歯を食いしばったまふかさんに舌を噛まれかけました。


「まふか、さん…?」

 慌てて舌を引っ込めると若干血の混じった涎が糸を引いて垂れていき、いきなり舌を噛み切られるかと思った事に抗議をするように目を細めてしまったのですが……まふかさんはまふかさんで酸素を求めるように口を開いて、過呼吸気味に身体をくの字に折りながら連続絶頂している最中と、なかなか酷い状況になっていました。


「っはぁー…ふァっ、あぁ…」

 どうやら【搾精】は性的な感覚も伴うようで、キスだけでいってしまったともいえる状況のまふかさんは目を白黒させながら潮を吹き、カクカクと足腰から力が抜けてへたりこみかけているのですが……そんな無様な姿を見ながらも、まふかさんという極上の味覚を一度堪能してしまった後では空腹が刺激されてしまい、歯止めがききません。


(やっぱりこちらの方が私好みですね)

 ゴブリンジェネラルのドロリと臭くて重い残飯のような物は確かにお腹が膨れるのですが、同じ食事ならまふかさんの明るい果物系のデザートのような方が味が好みですし、支えるフリをして股間に滑り込ませた膝を揺すりながら何度か【搾精】を使って精気を奪うと、押し当てていた膝はすぐにまふかさんの恥ずかしい愛液でふやけそうなくらいビチャビチャになりました。


 といっても別に苦しめたいとかいう考えはなくて、私はただまふかさんも気持ち良くなってくれれば良いと思っていたのですが、どうやらいった時に【呪印】が勝手に刻まれてしまったようで、途中からあからさまに反応が変わります。


(任意発動でないのが少し不便ですね)

 まあ『呪印』の解除は自由なのでいくたびに解除すればいいだけなのですが、まふかさんの中に私の影響が残っているという背徳感もありますし、残していた場合の持続時間とかログアウトすると途切れるのかどうかも気になりますし、とにかく私のお腹はまだまだ空いていて、このまま本番と行きたいところなのですが……流石に3分間では時間が足りません。


「あ、あんた…なに、した…の?」

 まふかさんはキスと股間への振動だけでいってしまった事を恥ずかしがるように顔を赤らめハヘハヘと情けない息をしていたのですが、私も進化したおかげかどれくらいムラムラしているか分かるようになった気がしますし、状態異常の『呪印』も入っていますからね、我慢するのは身体に毒だという事はわかります。


「スキルの検証ですよ?」

 私は努めて何でもないように答えて第二ラウンドに入りたかったのですが、魔法の障壁の色が通過可能になった事を示す色になっていたりと、残念な事にそろそろリンネさん達と合流しないといけない時間になってしまいました。


 そのあまりにも生殺しにも近い所業に少々ムッとしてしまったのですが、ここで怒っていても仕方がありませんからね、しぶしぶ集合する事にしましょう。


(牡丹)


(ぷい)

 私は周囲のゴブリン達の相手を任せていた牡丹に戻るように言って、頭の上に乗せたまま足腰が立たなくなったまふかさんを支えて集合場所に向かったのですが……冷静に考えると私はかなり酷い事をしているのかもしれませんが、そんな非道な扱いもまふかさんは受け入れてくれているみたいですね。


「もう一回キスしてくれたら許す…あ、でも普通にね?」

 何だかんだ文句を言いながらも許してくれて、私達はもう一度長いキスをして……ポカポカと殴られる事になって、集合時間を大幅に超過してから合流地点に向かう事になったのですが、合流して来た皆さんも大体似たようなものだったみたいです。


 というのもパラパラと集まってきた人達の中にはあからさまに何かありましたという様子の人達がいて、それなのに距離は肌が触れあうほどの近さでと、勿論中には疲れているからとそのままログアウトして行く人もいるのですが、半数くらいの人が変な空気に流されるように落ち着かない様子で、中にはチラチラと私達の事を見てモジモジしている人もいたのですが……ムズムズしてしまいますね。


 そして私達はリンネさん達とフレンド登録してから別れて、とても疲れましたしと自然な流れで入り口に居たエルフの人に『エルフェリア』の宿屋の位置を聞いてから向かったのですが……今まではその場のノリみたいなもので押し倒した事の方が多かったですからね、こうやってする事を目的として宿屋に向かうのはドキドキしてしまいました。


「何を今更…っていうより、このよくわからない状態異常を解いてほしいんだけど?」

 ただ私のそんなドキドキに対してまふかさんはどこか呆れた顔をしていたのですが、そんな酷い事を言うまふかさんにはたっぷりとお仕置きしないといけませんね。


一段回目(軽度)までなら良いですよ…でもどういう効果なのか調べたいので、どういう状態になっているのか詳しく(赤裸々に)教えてくれたら助かります」

 私がニッコリと笑うとまふかさんは赤くなってしまったのですが、改めて安全な場所まで来た時の安堵感や解放感はまさにゲームをしているという達成感に満ちていて、苦労はしたもののSPが6ポイントも貰えて、そんな気分の高まりと共に隣には半裸のまふかさんが居て、こうなったらもうとことんブレイクヒーローズを楽しむしかないなと心に決めてベッドの上に押し倒すのでした。

※『ギャザニー地下水道』攻略完了、これで後は幕間を少し挟んで、攻略が進んで行ったりしていきます。


※少し修正しました(9/16)。

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