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242:とあるPTvsゴブリン(リンネ視点)

※今回はユリエル達とほぼ同時期に『ギャザニー地下水道』にやって来たとあるPTのお話となります。そしてちょっと長めです。

 ペルギィには幽霊が、南の森には蜘蛛がという訳で、そう言うのが苦手なクランメンバーがいたために、正直に言うと『ギャザニー地下水道』にやって来たのは消去法だった。


 とはいえ本当にそれだけ(好き嫌い)という訳ではなく、情報通のクロベルがここには『リンニェール鉱』という鉱石が採掘できるという情報を仕入れて来たからで、幽霊を退治するにも鉄のような蜘蛛を倒すにも高性能な魔法の武器が必要だろうという事で、トータル21人という中規模クランである『マスカレイド・スター』の当面の目標は魔法武器の制作と定めて、その新種の鉱石を採掘するためにやって来たのだ。


 そういう話(新武器を作ろう)になったのは生産職の割合が多いクランだからというのもあったかもしれないのだが、攻略は無理でもゴブリン程度なら現状の装備でも追い払えるだろうという軽い気持ちでやって来たというのが『ギャザニー地下水道』だった訳だ。


 因みにこの『マスカレイド・スター』とは、始めた時期が同じだったという理由で組んでいた固定PTが成長し、地獄のようなゴルオダス戦を越えてから誰からともなくじゃあ一緒にという話しの流れで作る事になった女性専用のクランだ。


 このゲームはその……まあ色々あるので、同性同士固まっていった結果自然発生したクランであった為に実力はバラバラで、わざわざこのゲームをプレイする事を選んでいるので性格がちょっとアレだったりする連中が多いんだが、クランメンバー一同「このクソゲー!」という思いは一緒で、そう言う点ではある意味同志的な繋がりだからか意外とメンバー同士の仲は悪くなかった。


 まあ既にこのゲームが受け付けなかった連中は引退していった後であると言うのも大きかったのだが、残っているのは何かしらの楽しみをこのゲームに見出した連中か、むしろそう言う卑猥な事を楽しみにしている奴らばかりだ。


 このダンジョンも相手がゴブリンだからという事で最悪の場合はそういう事になるという事は織り込み済みで、中には「それはそれで」みたいな奴も参加していたんだが、私は当然そういう邪な事が目的ではなくて、小学校の頃から習っている剣道の腕を試したくてゲームをプレイをしており、ハキハキとした体育会系だった性格が災いしてかクランマスターを押し付けられて今に至るという訳だ。


「GOBU!」


「GOBU!」

 そんな自分の要領の悪さ(押し付けられた)みたいな事を考えていると、周囲を囲んでいるゴブリン達の中から下っ端の雑兵の如き通常ゴブリンが3体飛び出してきた。


 我先にと欠けたナイフを片手に襲って来ていたのだが、幾ら剣を仕事にするつもりのない腕前とはいえ、高校では全国大会にも出場した事がある私は1対3程度では後れを取るつもりはない。


「やぁぁああああっ!!」

 私は後ろ(後衛)を気にしながらも最小限の動きで先頭の1体目の腕を斬り払い、二体目を返す刀で一刀し、及び腰になった3体目を袈裟斬りに斬り倒したところで、隣で弓を構えて術師(ゴブリンシャーマン)を狙っていたテルマから注意喚起の声が飛んだ。


「リンネ!」

 周囲を囲むゴブゴブという狂騒や、後ろで鎚を振るい採掘をしている生産班の騒音の中でも不思議と聞こえやすい落ち着いた声に促されるように、私は飛来する矢をスレスレで回避する。


「くっ…」

 飛んできた数本の矢を避けると、折角のゲームなのだからと長めに設定した髪の毛を掠めて千切れていった。


(相手の攻めが消極的だから助かっているが、流石に後衛を守りながらだとなかなか手厳しいものがあるな)

 流石に入ってすぐの場所には欠片のような鉱石しか残っていないという事で、私達は襲い来るゴブリン達を蹴散らしながら一つ目の柵を越え、脇道に逸れて採掘スキルの反応する鉱床跡を掘り返しており、周囲はもうゴブリンばかりだ。


 正確に言うとクロベル率いる採掘班が横穴に入り採掘を行い、その50メートル前方の広場でゴブリン達の相手をしている私達が半包囲を受けている形だ。


 今回は物量で押してくる相手という事で参加できるクランメンバー総出でやって来ており、参加人数はどうしても用事でこれない4人を除いた17人。

 そのうち純粋な戦闘要員は私を含めて5人で、それに生産と戦闘が半々の4人を加えた計9人が前衛で、4人が横穴の中で採掘に専従し、残りがその護衛といった配置となっている。


「テルマ、助かった」


「うんん、それは良いんだけど…」

 隣で戦っているテルマは光の加減で薄く紫色が入る白色の前下がりボブをしており、ぱっちりとした若紫色の垂れ目とロップイヤー(垂れ耳)を思わせる髪型とがあわさってどこか兎のような姿を連想させた。


 そして私の感謝の言葉に対していつも通りのフニャフニャとした曖昧な笑みを浮かべてみせたんだが、すぐにその表情には真剣みが入り、周囲のゴブリン達を見据えながらこう言った。


「私達、どこかに追い込まれている気がする」


「それは…」

 テルマに言われるまでもなく、敵の攻撃は奇妙なレベルで散発的だ。


 物量で押してくる事もなく、遠距離攻撃が激しいだろうと今回は盾持ちでない連中まで盾を持ってくるようにと声をかけて対策をしていたのだが、まるでこちらをおちょくっているような攻撃しかしてこない。


「なに、今のところは順調だ、このまま行けば問題ない」

 私達の今回の目的は採掘であり、討伐ではない。時間稼ぎが出来ているのなら後はクロベル達(採掘班)が上手くやってくれるだろうと、リーダーが不安そうな顔をしていてはいけないとあえて楽観視してみせたものの、テルマのこの手の不安が的中する事が多い。


「……うん」

 不安そうな表情を浮かべながらも、テルマはテルマで私を励まそうという様に花がほころぶような笑顔を浮かべると心が熱くなり、それだけで百人力を得たような心地になり力が湧いてきた。


(不思議なものだな)

 テルマとはただ同じ日の同じ時間帯にブレイカー登録をしたからという理由でPTを組む事になったんだが、いつの間にか呼び方が「テルマさん」から「テルマ」に変わり、相手も「リンネさん」から「リンネ」に変わり、そのちょっとした変化が訪れるまでに私達の間にも色々あった。


 『ミキュシバ森林』での失態や、テルマとの肉体関係とか、正直自分の剣の腕を確かめたいという目的で始めたゲームが、いつからかテルマがいるからという目的に擦り変わっていったのだが、それはそれで悪くないと思う。


「ねえリーダー(リンネ)、ちょっとマジヤバそうなんだけど」

 こんな醜悪なゴブリン達に囲まれている筈なのに、テルマの笑顔に若干心がほっこりしていると、一緒に前衛を務めているルシアーノから声がかかった。


「ホブゴブリンか…」

 彼女が示す先にいるのは2メートル前後のブヨブヨした醜悪な巨漢がいて、樽のように突き出たお腹をぼりぼりと掻きながら丸太のようなこん棒を片手に持ち、スケベおやじのように鼻を伸ばすたるみきった表情は醜悪この上ない。


 そして何より、女を見つけたとニャチャリニチャリという笑みを浮かべながら腰巻からはみ出るくらいのそそり立たせる物があり、アチコチから「キャーッ」と幾種類も(悲喜こもごも)の悲鳴があがる。


「気を引き締めろ、来るぞ!!クロベル!まだかっ!?」


「んーもうちょっと……って言いたいけど、切り上げた方がよさそうね、すぐ撤収する!!」

 新手の出現に隊列が乱れ、その隙をつくようにゴブリン達の猛攻が始まったんだが、今まで何とかなっていたという油断も手伝い、アチコチから苦戦を告げる悲鳴があがった。


 私が悲鳴に気づいて振り向いた時には一番左端に居たメンバーがゴブリン達に引き倒されており、致命傷は受けていないもののかなり不味い状態だ。


「この!」

 槍を振るい、近くにいたクランメンバーが救出に動いているのだが、その突出したところを狙われてと、全体的には押し込まれている。


(不味いな…)

 ゴブリン達の目的がどう考えてもアレ目的の為かこちらも即死はせずに救出の時間が稼げているので何とかなっているのだが、私達のレベルも戦力も整っているとはいえず、このままだと一気に戦況をひっくり返されかねない。


 しかもテルマの懸念通り、ゴブリン達は私達をどこかに誘導したい様で、前衛(防衛班)後衛(採掘班)が分断され始めており、私達は禍々しいオーラを放っている壁の茨の近くまで押し込まれ始めていた。


氷花弾(ひょうかだん)準備!」

 撤収が始まったという事で早々に二つある切り札のうちの一つ目を切る事にしたのだが、これは『氷結の大地』にある特別な花を加工した爆弾の一種で、氷属性の魔法を放つ爆弾だ。


 花のレア度から高価な消耗品ではあるし、威力が使用者の魔力に影響するからか値段にそぐわない(魔法の専門が居ない)低威力しか出ないのだが、それでも手軽に属性攻撃が出来る爆弾として重宝されていた。


「OK~じゃあ行くよー」

 既にこの事を予想して投擲準備をしていたのだろう、半生産であるルシアーノが鞄の中から青白い冷気を放つ一握りのガラス玉を取り出し投擲すると、砕けてどこかいつもより小さな氷の花が咲く。


「GYUGOx!?」

 投げつけた物がたまたま品質の悪い物だったのか、当たったのが耐久度の高いホブゴブリンだったからか一撃必殺とはならなかったのだが、他のメンバーも次々に投擲し始めるとアチコチでゴブリン達の悲鳴があがり、奴らの中で動揺が広がった。


 というのもこの『氷花弾』には直接的な攻撃力は低いものの、氷の障害物と数メートル範囲のツルツルと滑る氷の膜を作る事による妨害効果があり、それがこういう集団戦では特に効果を発揮する。


「GOBBU!?」


「GOBU!?」

 どうにも品質が低い物が多いようでいつもより効果が出ていないようなのだが、それでも私達が投げた10発近い『氷花弾』が氷の花を咲かせると相乗効果でかなり広い範囲を氷漬けにし、その上を通過するゴブリン達が無様に転倒し始めたのだ。


「【スラッシュ】!やぁぁああああああぁぁぁっ!!!」

 それでも時間が経過すれば氷が溶けて踏み越えてくるのは確実で、私は今のうちに体についた氷をバサバサと振り払おうとしているホブゴブリンの間合いに踏み込むと、上段からの小手狙いで剣を振るった。


 ゲームなのだから掛け声を出す必要性はないのだが、昔からの癖で裂ぱくの気合を入れながらでないと落ち着かず、体の内から出る気迫をそのまま声にのせて一刀を放つ。


「BUBOxt!!」

 本来なら(急所)(両断)を狙うべきなんだが、身長差的に頭は狙い辛く、胴はブヨブヨした脂肪があり……私は一撃必殺という夢を捨て、的確に相手の無力化を狙おうとこん棒を持っている右手に狙いを定めて、渾身の一撃をぶつけるつもりで叩き切る。


 ザンッと斬り飛ぶホブゴブリンの腕とこん棒。


 相手が人間ならよほどの事が無ければ無力化出来る一撃も、持って生まれたタフネスだけで耐えたホブゴブリンは丸太のような左手を振るい暴れるのだが、今更そんな大振りを受けてやる謂れもなく、私はその攻撃を後ろに跳んで易々と回避する。


「こてぇえええぇっ!!」

 むしろその振り回している腕に合わせるようにして再度踏み込むと、私は反対の腕も斬り飛ばした。


「BUOOOxx!!?」

 鋼の剣を少し強化した程度の武器では脂肪の塊のようなホブゴブリンを両断する事は出来ず、その両腕を斬り落とす事で無力化するに留めておいたのだが、あっさりと強敵を無力化した事でアチコチから「おぉぉおおお!!」と歓声が上がった。


「まだ戦闘中だ!油断せずお互いを援護して数を減らせ!」

 両腕からホログラムを上げながら暴れてはいるが、こいつはもうすぐ出血ダメージで死ぬだろう。


 それでも私は油断せず、周囲に注意喚起を呼び掛けながら両腕を無くして暴れるホブゴブリンのまぐれ当たりに巻き込まれないように距離をとり、横合いから斬りかかって来たブッシュゴブリン達を打ち据えながら後退する。


「GGBOOUUOGUGOOOOOOOOOxxtt!!!」


 そしてこれなら無事に脱出できるかと思い始めたタイミングで地下水道全体に響き渡った咆哮によって肌がピリピリと痛み、暗い呪詛にも似たようなその殺気に産毛が逆立った。


 奥の方から追加でやって来るホブゴブリンが10体、それだけでメンバー内から悲鳴があがり、それより頭一つ抜けた個体を見て私達は絶望した。


 そいつはブヨブヨ太ったホブゴブリンと違い筋肉質な体をしており、呪術的な意味がありそうな金属製の軽鎧を着て、左右に湾曲したかなり大きな(1.5mくらい)長方形の盾と、人間なら両手で扱うような巨大な戦斧を持っていた。


(この殺気、これがここのボスだと思うが、だがなぜこんな所まで…)

 もう少し研鑽を積みレベルを上げれば届くかもしれないが、今の武器では文字通り歯が立たないという事が一目でわかる威容と殺気に後ずさりしてしまい、気圧される。


 居るとしたら一番奥の居住区だと思っていたのだが、こんな手前(一つ目の壁を越えた所)で遭遇するとは思っていなかった。


 とにかくこんな所まで出張って来るような腰の軽い奴だという事がわかったのだが、その目がニタニタと女をいたぶる事しか考えていない昏い色をしている事に気が付いて、私はこいつはただ20名近い女性が近くにいるからという理由だけでルールを無視して(ボスは最奥)やって来た事を理解し、言い知れぬ恐怖と嫌悪感を抱いた。


「下種が」

 私は自分を奮い立たせるように呟いたのだが、いつの間にか虎の尾を踏んでいた(ボスを呼び寄せていた)事実は変わらず、私達はかなり危険な窮地に立たされてしまったようだった。


 反対に自分達の頭の出現にゴブリン達の士気は上がり「GOBUGOBU!」という叫び声が地下空洞に唱和してかなり五月蠅い。


 それでも私としてはこのVRゲームでしか体験できないような殺し合いの気配に自然と笑みが浮かび、1対1なら間違いなく勝負を挑んでいたとはいえ、今はクランを率いる身だ。


 メンバーの殆どがその威圧感に固まり後退してしまい、それに合わせるように動いたので完全に壁際に追い込まれてしまい、採掘班と分断されてしまった。


 護衛は残しているので直ぐに総崩れという訳ではないし、こちら側に敵の主力が来ているので大丈夫だと思うのだが、合流しようにも弓や魔法での妨害でままならない。


「テルマ…」


「大丈夫だと思う、やろう」

 こうなったらと最後の切り札を切ろうかとテルマに視線を向けると、そこには何時ものへにゃりとした笑顔があり、それで腹は括った。


「よし、火炎弾(かえんだん)黒弾(くろだん)を使う!用意、3…2…1…てぇぇっ!!」

 装備面で劣る私達が用意していた最後の切り札が『火炎弾』だ。


 これはワイバーンの(ねぐら)のある山脈で獲れる鉱石と魔石を組み合わせた爆弾で、一カ所に固まってさえいればゴブリン数体を吹き飛ばす威力があり、直撃させればワイバーンすら落とす事が出来た。


 それを投げつけられるだけ投げつけてから、一斉に逃げる。


 最初に使わなかったのは単純に赤字覚悟になるからという事と、その威力から地下水道の崩落を恐れたからだ。


 そして黒弾というのは言ってしまうと魔法の煙幕の事なんだが、これから煙に巻こうという相手の前で「煙玉を使う!」なんて宣言してやる必要はないので、一種の隠語みたいなものだ。


 『リンニェール鉱』を採掘していたクロベルの反応からしてあまり採掘が捗っていたとは思えないが、それでも魔法剣が4~5本も出来ればそれで他の場所の探索も出来るようになるし、成果としては上々だろう。


 そう思いながら私達は打ち合わせ通りに一斉に『火炎弾』を手近なゴブリン達に投げつけ、煙玉を使用したんだが……何故か爆発は起きず、焚火程度の煙しか発生しなかった。


「なんで!?こんな時に調合ミスっ!?」

 その多くが不発になり、真っ先に投げたルシアーノが叫び声をあげているのだが、皆の反応も似たり寄ったりだ。


「違う!アイテムのせいじゃない、何かおかしいぞ!!」

 仲間の作ったアイテムを信じられなくなったらお終いだと声をかけたものの、何故爆発しないのかがわからず、私もかなりパニックになりかけている。


「く、こ、この…!なんでっ!?」

 『火炎弾』が不発という事で、中には『氷花弾』を再度投げている奴もいるんだが、そちらも小さな飴玉のような氷の粒が出来るだけで、ゴブリン達は笑いながらその氷を踏みつぶし近づいて来た。


「ひっ…」


「茨がっ!」

 メンバー内には作戦が崩壊した事で動揺が走っていたのだが、テルマは冷静に状況を観察していたのか、爆発が起きない原因を探り当てた。


 『歪黒樹(わいこくじゅ)の棘』


 おどろおどろしい見た目をしているが、結局ただの舞台背景で戦闘には関係ないだろうと思っていた黒い茨が爆弾の爆発に合わせて怪しく光り、そのエネルギーを吸い取っているのだ。


「くそっ!」 

 最初の『氷花弾』は多少なりとも効果を発揮したのだ、このように無力化が発生するのは茨の重なる(多く茂る)一部分だけだと思うが、そんな場所に私達は知らず知らずのうちに追い詰められてしまっていた。


「どうするのリーダーっ!?」

 中にはスキルが使えなくなったという悲鳴のような報告もあり、無力化されつつある私達にゴブリンが舌なめずりをしながらにじり寄ってきているのだが、ゴブリン達が女性を追い詰めてする事と言えば一つだろう。


「GOBBUGO!!」

 そんな私達の絶望を堪能するようにニタニタと笑っていたボスゴブリンが戦斧を高らかに掲げ、それが無慈悲にも振り下ろされると……ゴブリン達の蹂躙が始まった。

※『入り口付近で戦闘が始まったみたいですし、私達も動きましょうか』


 『了解…って、そういう作戦だっていうのはわかっているけど、何かコソコソしているみたいで気に食わないわね』


 『そう言われましても、この人数で正面突破なんて出来ませんよ?』


 『そりゃあ…そうだけど……ああ、もう!何かむしゃくしゃするのよね!!』


 『まあまあ、暴れる機会はこれからあると思いますし』


 『それはそれで嫌よ!』


 「ぷぃ~…」


 という別の場所に居る2人と1匹の会話でした。「他のPTと同時に動く事で疑似的に攻略人数を増やす事にしました」みたいな一文だけで済ませると、裏で何が起きているのかわからなくなりそうなので、今回はとあるPT目線で1話書いてみる事にしました。


※ブレヒロは偶数日投稿の為、次回の投稿は8月2日の20時投稿となります。


※少し修正しました(7/31)。


※誤字報告ありがとうございます(8/9)。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いろんな意味で 未来は進んでいるなー [気になる点] このゲームもしかして酸欠とか そういう要素もある⁇ それだと…
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