表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

211/527

198:土地と準備

 止めなければ今すぐにでも出発しそうなカナエさんなのですが、流石に私にも色々な準備がある事や、これから第二エリア用の拠点を作ろうと思っていた事を伝えると、渋々不本意ながらというような顔をして、考え込みました。


「それもそうね、じゃあ19時、集合場所はここでいい?夕飯を食べた後くらいに行きましょう、それならお互いの準備も終わっているでしょ?」


「そうですね、わかりました…」

 私としては後日に回して欲しかったのですが、別の日にしませんかと言おうにもカナエさんはすでに19時出発で手順や予定を立て始めているようですし、今更「別の日にしませんか?」と提案する事も出来ず、崩し的に出発の時間が決定しました。


 まあ19時ならギリギリ【精神対抗(微)】のレベルを上げる事は出来そうですし、もし間に合わなかったとしても、マンイーターの蔦とフォレストスパイダーの糸を回収するくらいならこのままの姿(人間形態)でも大丈夫でしょう。


 因みに妙に強引に進めるなとは思ったのですが、カナエさん的には渡りに船だったようで、服をどうしようとテンパっていた時は気づいていなかったようなのですが、途中で表彰式に出ていた私の事を思い出したらしく「護衛してくれる人が欲しかったの」と安堵の表情を浮かべていました。


「流石に1人だとどうしようもないって思っていたけど…貴女って総合トップの人でしょ?頼りにしているわ」

 との事で、護衛を逃してなる物かという感じらしいです。


 この辺りは生産勢とナタリア(狩人)さんの関係と言いますか、カナエさんには気軽に素材回収を頼めるようなゲーム内での知り合いがおらず、何だかんだと言いながら他のプレイヤーとの伝手が出来た事が嬉しいようですね。


 というのもカナエさんの場合はW M(ワールドマーケット)に流れていないような珍しい素材を手に入れる場合は自分で採りに行かねばならず、流石に1人では色々と限界があったそうです。


 一応ブレイカーズギルドに依頼を出す事も出来るそうなのですが、細かく指定しすぎると嫌がられるし、大まかに指定すると気に入らない物が納品されてと散々だったみたいです。


「期待に応えられるよう、頑張ります」

 そんな事を言われたら私としてはこう返すしかなく、こうして私達は19時から南の森へ行く事を約束してお互いの準備に入ったのですが……なかなかスケジュールがタイトですね。


 とりあえず私は近場の問題からと第二エリアの拠点作りから始めたのですが、もうこうなったら適当に空いている土地を借りる事にしましょう。


「その場所ですと一日五千F(フラン)となります、これは土地代だけとなり、その上の小屋や建物はブレイカーの皆さんの負担となりますが、よろしいですか?」


「はい、そこでお願いします」

 どうせ仮の拠点ですしと、私は早速騎士の詰め所に行き、フリースペースの一角を借りたい旨を伝え手続きを終えました。


 位置はカナエさんのテントにもほど近い、セントラルキャンプの中心から見て西北西の一角です。


 柵からはテント単位で言うと一つか二つ分くらい離れた場所で、外周部に位置するのでモンスターの襲撃は少し心配ではあるのですが、この辺りなら他のプレイヤーの土地に囲まれたり変に絡まれたりする心配も無いでしょう。


 案ずるより産むが易しといいますし、荷物を置くだけの場所なのでと割り切る事にして、ホームとなる土地を手に入れた私はこの場所をセーブ地点として指定する事が出来るようになったのですが……流石に何もない広場に裸でリスポーンしたら大惨事ですからね、セーブ地点を移すのは後にして、まずはその上に建てるテントを調達する事にしました。


 因みに今回は敷地面積が狭いのであまり意味はないのですが、かなり大型な邸宅を建てたりお城を建てられたりという仕様なので、復帰地点はかなり細かく指定する事が出来ました。


 これは死んだ場合はベッドの上から目覚めるようにするとか、棺桶の中から復活するみたいなR P(ロールプレイ)も出来るのですが、私の場合はテントの中で復活するように設定すればいいですね。


 まあそういう色々ハウジング出来る仕様なのですが、今はそんな復活場所の心配よりもテントや備品の調達が先ですし、私達はセントラルライド(第一エリア)に移動する事にしました。


 アイテムとしてのテントは基本的にフィールドでの簡易拠点用(ログアウト用)の消耗品ですので、ホーム素材にするには協賛品のテント(効果のないテント)の方が都合がいいのですが、協賛品は協賛品でリアルの事情に合わせて作られているので、微妙に世界観にあっていないのですよね。


 まあこの辺りはホーム素材としてのテントという特殊なジャンルがそのうち増えてくるのかもしれませんが、今のところはそれ程種類が多くないですからね、協賛品のテントで妥協しておきましょう。


 そして協賛品のテントの問題は世界観にそぐわないというのもあるのですが、基本的には携帯性も考えられているので素材が薄く、中で灯りをともすと透ける(シルエットがわかる)という事も問題なのですよね。

 外と内を隔てる物が布一枚というのも不安になりますし、私の気にしすぎかもしれませんが、ロッジタイプの中にドーム型テントを張るようにして透け対策をしておきましょう。


 後は下に敷くシートやクッションを一緒に購入し、これでトータル10万F程度、一抱えある荷物は纏めて牡丹に収納してもらったのですが、その様子を見ていた周囲の人達から「おぉ~」という感嘆の声が漏れました。


 とにかくそういう事があったのですが、テントの準備は終わったのでこれから【精神対抗(微)】を上げていこうと思うのですが……流石に人前で『レッサーリリム』になるというのは差し支えがありますね。


 『レッサーリリム』になった時のドレスの責めもなかなか苛烈ですし、そうなるとどこか人気のないフィールドに出てとなるのですが……どこがいいでしょう?


「ぷい?」

 牡丹はミキュシバ森林を推してきたのですが、確かにローパー特需が終わり、ウェスト港へ行く道も開通してと、今は人が訪れる地ではありません。


 しかも特需の時に入り浸っていたので土地勘もなくはないという場所ですし、ローパー達が犇めく森の中というのも第二エリアの練習に丁度いいのかもしれませんね。


「そうしましょうか」

 目的地が決まりましたので、私達はブレイカーズギルドで『ローパーの駆除』という増えすぎたローパーの間引き(討伐)クエストを受注してから、ミキュシバ森林に向かう事にしました。


「【展開】…ッぁ」

 途中襲って来た角兎やゴブリンは牡丹に任せて私達はミキュシバ森林に入り、周囲に人が居なくなってから『レッサーリリム』になったのですが……今まで無理して人間形態で戦っていた反動か、魔人化の影響と【翠皇竜】のスキルで底上げされた能力上昇に脳汁が出て、テンションが上がります。


 この認識力の上昇と言いますか、ある種の全能感、世界の画像度が上がるような感覚にゾクゾクして下腹部がキュンとなってしまうのですが、緩んだ私の意識を戒めるように『翠皇竜のドレス』が息を吹き返し、蠢き始めました。


(わかっていた、事、ですが…これは……)

 この『翠皇竜のドレス』は一見すると生物的な素材で出来た背中の大きく開いたチューブトップドレスなのですが、そこはよくわからない事をするHCP社ですからね、ただのドレスではありません。


 蓄えている魔力(MP)を使い色々な効果を発揮するという優れ物なのですが、動かしたり再起動するためにはMPを吸わせる必要があり、その時の責めがなかなか強力です。


 胸の先端に絡まり覆った繊維は魔力を吸おうと蠢いており、腰の辺りから深く切れ込んだ食い込む繊維の束(Iライン)も、敏感な蕾を剝きあげるように揺れました。


 上と下の繊維は繋がっていて、胸の振動がそのまま下にまで伝わる構造ではあるのですが、魔力を吸う時のドレスは嫌らしく責め立てるように自律的に蠢き、後ろに回り込んだ繊維が私の弱い場所になりつつある尻尾とお尻をグニグニと刺激します。


 ただ食い込みや擦れならそのうち不感症になるのですが、上下左右バラバラに絶妙な強弱をつけた刺激を与えられると、慣れるという事も出来ずに私は良いように弄ばれました。


「ふぅぁあ……」

 それでもドレスの責めが来ると身構えていた私は、何とかその刺激に耐えようと試みるのですが……ぷっくらと膨らんでしまった先端を搾り取るように微細な繊維が蠕動(ぜんどう)し、グニグニとを大きく揉みしだかれると口から弱音が漏れてしまいます。


 それに一度スイッチが入ってしまうとドレスの呪いが発動し、胸の感度がよくわからないレベルまで高まってしまうというデメリットもこのドレスにはあるのですが、そんな状態(糞ザコ)の擦られただけでどうしようもなくなる場所から魔力が搾り取られる時の快感は耐える方法がわからず、それだけで頭がパチパチして、意識が何度か飛びました。


 自分でも駄目な顔をしているというのがわかり、涎が垂れ、こんな有様で本当にこのドレスを使いこなせるようになるのかはわからないのですが……何とかドレスの責めに耐えようとスカートの上から股間を抑えモジモジとしてしていると、牡丹が物欲しそうな顔で私の胸を見ている事に気がつきました。


「牡丹…駄目、ですよ?だから、だめ、だっ…ひぃゅぁああッッ!!?」


「ぷっ!」

 牡丹は「わかっている」というような顔でへたり込む私の胸にピョンと跳びついて来て、その柔軟性の高いプヨプヨの体で胸に覆い被さると、そのトロトロした口先が先端に吸い付いてきました。


「ふぅぁ…ああ、ん゙ん…ッ!!?」

 牡丹は乳輪を広げるようなグリッとした強さで先端を押しつぶし、コスコスと優しく擦り、それからまるで赤ちゃんのようにチュパチュパと吸い付いてくるのですが、呪いの効果か幸福ホルモンがドバドバと溢れていくのがわかります。


「は…ひっ…はっ…」

 呼吸すらままならず、ヌルリと湿った繊維の束が胸の動きに引っ張られて下の蕾をにゅるると擦り上げられると、その動きに合わせて大事な所が露出し刺激が強くなりました。


「ぷぅ~ぃ」


「牡丹…ん゙っん、ん゙…!!!」

 ドレスと牡丹、ぐちゅぐちゅと一つと1人にMPを吸われ続け、私は何とか喘ぎ声を上げないように口を押えながら、ローパーの蠢く森の前でビクンビクンと体を震わせていました。

※こんな感じですが、ユリエルと牡丹は仲良しです。


※あとカナエさんは生産者としては他人に厳しく自分にも厳しくというタイプで、あまり交友関係は広くありません。

 元から黙々と作業をするのが得意と言う感じで、永遠と投石器を作っていて表彰されたのですが、流石に第二エリアの敵を見てこれはどうしようもないなと諦めかけていました。


 カナエさん視点で言うと、生産自体は面白いけど流石に1人じゃ無理そうだし、そろそろ潮時かなと思っていたところにたまたま通りかかったのがゴルオダス戦でのTOPプレイヤーで、「あれ、これってチャンスじゃない?」みたいな感じで、もう少しだけ続けようかなといった感じです。


 実はモンスターについては服が溶かされちょっと弄られた程度で済んでおり、青年誌とかレディーコミックとかならエッチな描写も多いし、対象年齢が上のゲームだとこういう事もあるのかもという風にゲーム歴の無さのせいでよくわかっていないという感じです。

 口ではきっと「ハレンチ!」と言いますが、抑圧した諸々への解放感とかは感じており「すぐにやめよう」という感じではないという、ちゃんとブレイクヒーローズ向きの人材ではあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ