187:武装ゴブリンとの死闘
やって来た武装ゴブリンの数は4体で、内訳としては剣持ちが2体に槍持ちが1体に弓持ちが1体です。
剣持ちの武装ゴブリンは両方とも小さな木の盾を持っており、全員がサイズの合っていないボロボロの皮鎧を着込んでいました。
地面の上にへたり込んでいた事と、近くの茂みが障害物になっている関係でまだ私達は発見されていないのですが、4体はギャッギャと騒ぎながらこちらに向かって歩いてきているので、見つかるのは時間の問題でしょう。
(牡丹は弓持ちを)
まだフワフワとした疲労感が抜けず、体に力が入りません。
こんな状態で戦う事になった私の心臓は早鐘のようにドキドキしていたのですが、逆にそのドキドキを緊張感に変えて、戦闘に集中しようと気持ちを切り替えます。
(ぷっ)
やり過ごせるという可能性が無きにしも非ずだったのですが【意思疎通】で発見された場合の打ち合わせを簡単にすませると、私は深呼吸をしてから剣の柄に手をかけようとして……ドレスが変化した事により、腰に止めていた剣が地面に落ちていた事に気づきます。
私はそんな事にすら気づいていなかった事に苦笑いを浮かべたのですが、牡丹が先に気づいて咥えて差し出してくれました。
(ありがとうございます)
(ぷい!)
剣を受け取りながらもう一度深呼吸をしていると、私の祈りも虚しく武装ゴブリンの剣Aがスンスンと匂いを嗅ぐ様な仕草を見せると「GOBUGOBU!」と何か仲間達に伝えています。
その言葉の意味はよくわからないのですが、ニュアンスから考えると私達を発見したという事なのでしょう。
これでやり過ごせるという可能性が限りなく低くなり、戦闘が不可避となりました。
「GOBUGOBU」と言いながら武装ゴブリン達は武器を構え、辺りをキョロキョロし始めるのですが、場所の把握が匂い頼りのせいか見ている方向はてんでバラバラです。
見つかるまでは時間の問題で、距離は少し遠かったのですが【腰翼】を使えば詰められない距離ではありません。
(牡丹…)
私は牡丹に目線で合図を送ると、先制攻撃をしかける事にしました。
(行きんッひっ、ッ!!?」
急に立ち上がった事で胸が上下に揺れ、先っぽで固定されているドレスが上下に引っ張られると、股に食い込んだIラインの繊維がゾリゾリと包まれた蕾を刺激し足元がふらつきます。
ヌルリと食い込んだ繊維に擦り上げられると繊維の一本一本が違う角度から皮を捲り上げ、敏感な蕾が顔を覗かせチクチクと刺激されました。
どれだけ別の事に集中しようとしても、ヌルヌルの繊維にいきなり敏感な部分をなぞり摘み上げられると、キュッと身体が硬直して動きが止まってしまいます。
私は足元がふらつきそのままへたり込んでしまうのですが、その様子を見ていた武装ゴブリン達は勝ったも同然と言う様に欲望をそそり立たせると、ニンマリと嫌らしい笑みを浮かべて我先にと襲い掛かってきました。
「ぷっ!?」
合図で飛び出した牡丹は出遅れた私に気づき振り返るのですが、こんな状態で遠距離から攻撃を続けられたらどうしようもないですからね、弓持ちの対処をそのまま任せる事にして、私は接近してくる3体を受け持つ事にしました。
(行ってください!!)
「…ぷっ!!」
連携も何もなく、我先にと襲い掛かってくる剣持ちと槍持ちの武装ゴブリン達。弓持ちはノタノタと矢をつがえようとしており、必然的に前衛と後衛が分断されます。
牡丹は盾を背負い、投げナイフを咥えながら近接組を迂回するように跳ねて弓持ちに襲い掛かっていました。
その様子を視界の端に捕らえながら、私も何とか近接組の武装ゴブリンを迎撃しようとするのですが……一度本格的にスイッチが入ってしまうと、胸全体が剥き出しの快楽神経の束になってしまったように疼き、ただのそよ風や呼吸の揺れですら耐えがたい苦痛となり身体を蝕みます。
(変な気持ちになると胸の奥がジンジンして…ッ!!?)
鋭敏すぎる蕾をヌルヌルと擦られるとどうしても体が跳ねてしまい、指先が震えます。
しっかりしないといけないと言うのはわかっているのですが、そう思えば思う程無理やり高められた身体は抗えない快楽に震え、息が漏れます。
武装ゴブリンのそそり立つ欲望と下卑た笑みにこれから起きる出来事を想像してしまい、倒錯した背徳感に背筋がゾクゾクしてしまったのですが、そんな不純な感情と擦れる喘ぎ声を抑えこみ、私は何とか気持ちを奮い立たせます。
(くっ…)
迎撃するために剣を抜こうとするのですが、震える力のない指先は滑り、手間取っている間に「GOBUGOBU!」と真っ先に駆け寄って来た剣Aがへたり込む私に斬りかかりました。
「GOBU!」
武装ゴブリン達はもう完全に私の事を無抵抗な獲物だと思っているようで、盾を使うようなそぶりを見せずに繰り出される攻撃はめちゃくちゃです。
狙うべき場所はもっと他にあると思うのですが、まずは服を引き裂いてやろうという邪な魂胆があるのか、最初に狙って来たのは大きく広がるスカートでした。
「っ…ひぃぅッッ!??」
私は何とか身を捩り回避を試みるのですが、刃こぼれした剣先がドレスに引っかかり、ギシリと引っ張られます。
幾ら刃こぼれした粗末な剣とは言え、普通に命中すればドレスの方がタダではすみません。
体に当たれば致命傷ですし、ただの布のドレスであれば簡単に引き裂かれていた筈の攻撃なのですが、今着ている『翠皇竜のドレス』はちゃんとしている時であればボスクラスの攻撃に耐えられる防御力があります。
色々な理由で幾分性能が落ちてしまっているのですが、武装ゴブリン程度の攻撃の場合、命中した箇所に縫い込まれた刺繍が力を発揮し攻撃を受け止めてくれるようでした。
「GI?GOBGO!!」
たぶん簡単にドレスを引き裂けると思っていたからなのでしょう、止められた事で剣Aは一瞬不思議そうな顔をしたのですが、すぐに破けないドレスに腹を立てたように矢鱈目ったらに剣を振り始めます。
(刃は通さないのですが、衝撃が…ッ!?ひ、引っ張られ…んひぃ!!)
狙いは何故か全部ドレスだったので致命傷とはならないのですが、衝撃は容赦なく襲って来ますし、無茶苦茶な方向に引っ張り回され、捏ね繰り回されると頭が真っ白になりかけます。
「GOBU!」
「GOBUBU!」
そんなタイミングで少し遅れて跳びかかって来た剣Bと槍持ちの武装ゴブリンは、矢鱈目ったらに振り回す剣Aを避けるように左右に分かれて襲い掛かって来ました。
この2体はもうすでに私を倒す事より引き倒して手籠めにする事しか考えていないような顔で、涎を垂らしながら跳びかかってきています。
1対1で考えた場合、スキルと種族補整を足した筋力値では私の方が圧倒的に上なのですが、剣Aの攻撃でバランスを崩していた事と意識が飛びそうになっていた事で不意打ち気味の攻撃となり、私は両腕を取られるような形で押し倒されます。
「ッ、ひぃぁっ!!?」
私は何とか武装ゴブリン達を振り払おうとするのですが、伸びて来た指が胸の先端を捻り上げると、ただただ情けない声が出て体が跳ねます。
「GOBUGOBU!」
ゲラゲラと笑い合う武装ゴブリン達に見下ろされていると途轍もなく情けない気持ちになるのですが、跳ねる身体は言う事を聞いてくれません。
「こ、の…」
ニタニタと笑う武装ゴブリンのそそり立つ物には嫌悪感しか湧かないのですが、どれだけ睨みつけようと武装ゴブリン達の動きは止まらず、グニグニと乱暴に揉まれると嫌でも反応を返してしまいます。
そんな惨めな私を見て武装ゴブリン達は笑い、このままでは不味いと焦燥感で頭が一杯になり八つ当たり気味の悪態が口から出そうになるのですが、そんな泣き言を言っている場合ではありません。
「GO…xt!!!?」
「んひぃんッ!?」
私は事に及ぼうと不用意に足側から近づいてきた剣Aの無防備な股間を蹴り上げたのですが、大きく広がったスカートは足に纏わり蹴り辛く、殆ど触れたという程度の威力しかありません。
片足を上げた事でIラインの食い込みが激しくなり、擦れて体が硬直してしまったのですが、履いている靴にピンスパイクがついているので蹴り自体はかなり痛かったようですね。
股間を押さえのたうち回る剣Aの姿を見ながら剣Bと槍持ちはゲラゲラと笑うのですが、その隙をついて私は【ルドラの火】を発動し、左手側にいた槍持ちの足を掴みます。
「GOBUUXOOOO!!?」
即死とまではいかないのですが、片足を燃やされた槍持ちはバランスを崩しその場に転倒し、のたうち回りながら悲鳴を上げました。
「GO!?」
反撃があるとは思っていなかった剣Bは一瞬棒立ちになり、私はその股間にぶら下げている袋を【オーラ】を込めた右手で殴ります。
「BU!!!?」
柔らかい手ごたえと軽い衝撃、無抵抗な弱者と侮っていた私からの反撃に剣Bは跳びあがり怒りを露にするのですが、股間を押さえながらだといまいち迫力はありません。
そのまま襲って来てくれればよかったのですが、手痛いしっぺ返しがあったからか剣Bは盾を構えるようにして距離をとり、懐から取り出したのは小さな小袋です。
(毒…)
見覚えのある袋に嫌な予感がするのですが、迎撃しようにも投げナイフは牡丹が持ったままです。
幾ら耐性装備を着ているとはいえ、あまり被りたくない毒物を取り出されて私は何とか距離をとろうと後ずさりをするのですが、そんな弱々しい私の姿を見ていた剣Bはニタリと笑います。
「GOx!!?」
「ぷいーーっっ!!!」
そして今まさに毒の袋が私に投げつけられるというところで、弓持ちを単独撃破して戻って来た牡丹が剣Bにおもいっきり体当たりをしかけました。
「あ、ちょっと、牡丹!?…ンッ、ふぁ、あぁ…!?」
ただ背後から強襲したという押し出し方向が悪く、武装ゴブリンは吹っ飛ばされるままに私の方に倒れ込んできて、その勢いのまま毒の袋が私の頭の上に叩きつけられます。
(やっぱり媚薬…ドレスが蠢くたびに、乳首が擦れて…こんなの耐えられ……んんんッッ!!?)
ボフンと撒き散らされたピンク色の煙により私と剣Bに媚毒が入り、対抗するように『翠皇竜のドレス』が蠢き始めたのですが、散々我慢していた身体にその刺激は強烈すぎました。
際限なく高められた快感には耐える方法がわからず、身体は痙攣を繰り返し、頭の中でバチバチと火花が散ります。
「GO、GOBUUXX……」
一緒に毒を被った剣Bはアヘ~っと悍ましい蕩け顔を私の上で晒しているのですが、あまりにも気持ち悪い顔と臭い息に嫌悪感が沸き上がり、擦りつけられる股間の硬い感触に吐き気を覚えます。
(こんなので突かれたら…んひぃっ!!?)
変な事を考える私をお仕置きするようにドレスが蠢くのですが、媚薬とドレスに侵されている身体ではもうその刺激に対抗する手段がありません。
「牡丹、牡丹ッ!?」
「ぷっい!ぷっい!」
牡丹が私の上に覆いかぶさる武装ゴブリンに追撃をかけてくれているのですが、その衝撃も今の私にはなかなか耐え難く、昂った身体はその衝撃が来る度に軽く果てて頭がチカチカします。
「ぷいっ!」
そうして何とか私の上に覆いかぶさっていた剣Bを倒した牡丹は、続いて股間を押さえながらヒョコヒョコと復帰してきた剣Aに襲い掛かって行きました。
「ぷーいっ!!」
牡丹は咥えたナイフを剣Aに叩き込み、ステップを踏むように左右からのフェイントを入れながら戦いを有利に進めているのですが、私はそれを手伝うどころか見ている余裕すらありません。
(駄目駄目駄目、またっ、くッ、ンンンッッッキュウゥゥウウウ!!!?)
繊維に絞り擦られるたびに強烈な刺激が身体を貫き、私はただただ媚毒とドレスの快楽に翻弄され続け、ビクンビクンと体を震わせる事しか出来ませんでした。
※ユリエルの台詞で(」で括られているところがあるのですが、最初心の中で呟いていたけど後半つい漏れてしまったという表現で、誤字ではありません。




