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119:大規模アップデート

 私は昼過ぎまでに宿題を終わらせ、昼食を作ると言っていた両親の様子を見に行ったのですが……案の定2人がキッチンで料理を作りながらイチャイチャしていましたので、巻き込まれる前に自分の部屋に戻ってきました。

 あの様子だとお昼ご飯が出来るまでもう少し時間がかかりそうだったので、のんびり待とうと思ったのですが、壁を隔てた所で両親がイチャイチャしているというのは……モヤモヤしてしまいますね。

 完全防音なので物音や声が聞こえる訳ではありませんが、このままだと色々と考えてしまうので、お昼ご飯が出来るまでゲームでもしておこうと、私はブレイクヒーローズにログインする事にしました。


 大規模アップデートですし時間が伸びるかと思ったのですが、きっちり時間通りに終わったようですね。開幕スタートダッシュ組がすでにログインし始めているようなので、私も早速繋いでいきましょう。


 何時もの専用機ではないのでゲームIDの読み込みから始まったのですが、処理能力自体はこちらの(FDC)が上ですからね、ログインが始まってからはサクサクと進みました。


*****


 ログインした場所は、閉会式を見に来ていたのでアルバボッシュの中央広場辺りの、屋根の上でした。

 魅了対策でこんな場所から閉会式を見ていたのですが、メンテ明け(イベント後)の広場はガランとしており、時折プレイヤーがログインしてきているようでした。その人達は仕様を確かめたり、移動を開始したりしているようですね。


 私は動作チェックのために、眼下に広がるそんな風景を少しの間見ていたのですが……使っているF D C(ゲーム機材)の違いなのか、グラフィックの質が少しだけ下がっているような気がしますね。それを補う高処理能力のおかげで動き自体は滑らかなのですが、ゲーム内のアバターとの接続も何時ものと少し違い、薄皮一枚剥いたような、若干鋭敏すぎるきらいがありました。


 まあその辺りは誤差の範囲ですし、そのうち慣れてくるでしょうと、私は色々と変わった所をチェックしていく事にしました。


 アップデートで色々と調整されているのですが、一番大きく変わったところは時間加速が4倍から2倍に下げられた事ですね。

 もとより時間加速4倍はスタートダッシュ期間といいますか、お試しみたいな意味が強かったのですが、現実時間との差が大きすぎると色々とトラブルが起きるので、他のゲームでも多く採用されている2倍に下げられたようですね。

 まあPTプレイをしていて「ちょっとトイレに」と1人抜けたら、5分で戻って来たとしてもゲーム内では20分、長引いて10分とか15分籠っていると40分とか1時間戻ってこないという事になりますからね、色々とやりづらいという事なのでしょう。


 ログインさえしてしまえば時間加速による変化は無いのですが、倍率が変更された為、リアルとゲームの時間軸が変わり、9時から15時が日中、15時から21時が夜中、21時から3時が日中と、9時と3時で昼夜が分けられる事になりました。

 後は昼夜の違いがよくわからなかったという事で、夜中がかなり暗くなるようになったようですね。

 もちろん空に浮かぶ光帯(明かり)はそのままなので明るくはあるのですが、今までのように森の中を灯りなく進めるという程でもなくなったようです。どれくらい暗くなっているかは時間(夜中)になってみないとわからないのですが、【暗視(弱)】持ちの私としては願ってもない(暗視が無駄にならない)修正ですね。


 後は外部ネット関連も緩和されたようで、今まではネットに繋ぐために町まで戻ってくる必要があったのですが、公式の許可したサイト、公式が運営するサイトや掲示板などはフィールドのどこからでも接続できるようになりました。

 まあこの辺りは本国(フランス)の仕様をそのまま持ち込んでいたのを、やっと日本式に調整できたという事でしょう。

 本国の場合はモンスターが色々と……その、大変(エッチ)な攻撃をしてきますからね、外部ネットに接続し放題だとそういう画像や映像が流出し続けるというか、色々と問題があったので規制されていたという名残だったのですよね。

 日本運営ならその辺りは大丈夫と判断されたという事なのでしょうが……本当に大丈夫なのでしょうか?色々と前科があるような気がするのですが、その辺りは運営を信じる事にしましょう。

 まあ繋げると言ってもゲーム内と外では時間差がありますので、低速回線だったり不正な外部ツールが使われていないか検閲されたりするようなのですが、ネット関連は大幅改善ですね。


 システム回りも細かく変更点があるのですが、大きなところを取り上げると、各種ウィンドウの必要な部分を取り出して貼り付けておく事が出来るようになりました。

 これはどういう事かと言うと、自分のHPやMP、空腹度といったステータスバーを常時表示できるようになったという事ですね。

 これにより一々ステータス画面を開かなくてもいいようになり、一目で自分の状態がわかるようになりました。

 更にPTメンバーのHPやMPもPTウィンドウから確認できるようになっており、システム回りも大幅な改良されていますね。


 MAPにもピン()やコメントを貼り付けられるようになりましたし、なによりの大きな変化といえば、痛覚設定が50~99%の間で変更できるようになりました。

 普通のゲームですと0(1)~(0%か1%~)50%が主流なので十分高い数値のような気がしますが、50%(半分)まで変更できるようになったというのが大きいですね。

 私は別に痛みに耐えて戦いたいとか、リアルな戦場(痛み100%)を生き抜きたいという訳ではないので、痛覚設定は最低の50%にしておきます。

 もしこれで他の感覚が鈍るようなら戻しておこうと思ったのですが……本当に痛覚だけ遮断されているようですね、他の感覚が特に変わりがない事を確かめてから、私は設定を50%に設定しておきました。


 システム回りに関してはこれくらいで、後は修正された装備類なのですが……スライムはイベント終了と共に除去されてしまったとの事で、『イビルストラ』は【ランジェリー】スキルに対応した、収納ポケット付きの耐性装備になってしまったのですよね。


 牡丹と一緒にいたのはイベント中の1日にも満たない時間だったのですが、居なくなったら居なくなったらで何か寂しいような気がします。私がそんな風に、もういない牡丹の事を考えながらストラの表面を撫でると……。


「ぷい?」

 身に着けているイビルストラが震えたかと思うと、シュルシュルと手の上で丸まり、30センチ程のピンク色の瞳を持つ黒いスライムになりました。


 紫の幾何学模様が薄くなっているような気がしますが、模様の形状や細かな特徴はどこからどう見ても完璧に牡丹と一緒ですね。


「牡丹…?」


「ぷっ?」

 牡丹は「そうですが、何か?」みたいな顔をしていますが、これはどういう事でしょう?バグでしょうか?

 私が公式に問い合わせてみると、少しして『調整いたしましたので、ご自由にお使いください』という機械翻訳された返事が返って来ました。そしてその通知に被せるように『確認中です!!』と叩きつけるような連絡が来て、私がどういう事だろうと戸惑っていると、運営からの連絡はそれで終わりのようですね。とにかくまあ、牡丹は無事だったようなので、一応?喜んでおきましょうか?


「ぷぃ~…」

 私がぞんざいな扱いをしていると牡丹は怒るのですが、今は何か力なく、半分溶けたようにぺちゃりとへたり込んでいますね。

 そういえばイベント後半はずっと人と一緒に居たので、あまり空腹度を回復させてあげられませんでした。

 テイム用のステータス画面を見ると予想通り空腹度が減ってきているようだったので、わかりやすいようにHPやMP、空腹度と言ったステータスバーは牡丹の頭の上に張り付けておきましょう。


 そんな風にステータス画面を弄っていると、私は牡丹のレベルが上がっている事に気がつきました。

 前回までは『イビルスライム LV:1』と表示されていた所が『牡丹 (イビルスライム) LV:3/14』という表記に変わっており、レベルアップに伴い、スキル欄にはSPが2ポイント振り分けられていますね。


 『牡丹』は名前でしょうし、『(イビルスライム)』は種族でしょう。レベルの表示が少し謎ですが、現在レベルと最大レベルでしょうか?

 上限値の初期値が14というのはちょっと中途半端なような気がしますが、初期値10レベルの所を、何かしらの理由で4レベルあがって14になったという事でしょうか?

 この辺りの説明は特にないのが不親切なままなのですが、【テイミング】スキル自体所持している人が他にいませんからね、攻略サイトを当てにする事も出来ないので、自分で色々と検証していかないといけません。

 まあゲーム的なセオリーで言うと、何かしらの経験値かイベント、アイテムで増やしていくという所なのですが、牡丹の戦った相手の中で該当しそうなモンスターはキングスライムくらいしか思いつかないのですよね。そしてアイテムで心当たりと言うと……。


「牡丹…『キングスライムの魔核』はありますか?」

 フードの中身はまだ確かめていなかったのですが、回収していたアイテムの事を尋ねると、牡丹は「ムフー」と息を吐きました。


「ぷっ!」

 【意思疎通】で翻訳すると、「食べた」との事ですね。どうやら大量に手に入れたスライムの魔石も食べてしまったようで、その辺りがレベルの上限値に関係してきているようでした。

 魔核のレアリティや数を考えるとあまり効率は良くないのですが、あれだけ戦った(一撃を入れた)牡丹がまだレベル3ですからね、もしかしたらテイムモンスターのレベルは上がりづらいのかもしれません。


 それにしても、生産をしていない私からすると魔石の利用方法が今のところなかったので良いのですが、事前説明なくイベントモンスターの重要アイテムが無くなるのはちょっとショックですね。

 まあ嵩張るので金策用に売り払おうと思っていたのでいいのですが……私が魔石を勝手に食べた牡丹を嗜めるように目を細めると、お腹を空かせた牡丹がずっと私の胸を見ているのに気が付きました。


「牡丹…?」

 何か嫌な予感がしたのですが、牡丹はそんな私が何かアクションを起こす前に「ぷっ」と小さく鳴くと、ピョンと私の胸元に飛び込んできました。


「ちょっと…っ!?」

 咄嗟に体を捻って回避を試みるのですが、牡丹は器用に体の形を変えると、横を向いた時に残る胸に体を引っかけ、吸いついてきました。


「ッぅあ…ん!!?」

 30センチの水風船くらいという、それなりに質量のある物体の重さが一点に集中した訳ですので、正直痛みを覚悟していたのですが、胸から伝わってくるのは圧倒的な快感でした。

 予想していた痛みと快感の比率がおかしい事に脳がバグりそうになるのですが、私の反応が遅れているうちに、牡丹が先端の周りをれろれろと刺激し絞り上げると体が跳ね、ゾクゾクした刺激が脳に突き刺さります。

 

「牡、丹…やめ……ふっ…ン…ん゙ん゙ッ…」

 牡丹は吸いやすいように大きくしようと強めに扱きあげているのですが、それが痛気持ちいいというか、変な感じなのですが……これはもしかして、カットされている痛みの50%が別の感覚に置き換わっていませんか?


「んくふぅンンンンッ!!!」

 多分そう。乱暴に甘噛みされるほど痛みより快感の方が勝り、我慢しようと思っていても、声が漏れてしまいます。


「ぷぃ…?」

 時折牡丹は何かを確認するように私の顔を見上げてきているのですが、たぶん【意思疎通】で私の考えを読んでいるのでしょう。反応から弱点を確認すると、一番して欲しくない事を的確に実行し、牡丹は私の身体を追いつめてきました。


 考えが読まれている事と、乳首だけでいきそうになっている事が恥ずかしくて頭が沸騰しそうになるのですが、睨むだけでは牡丹は攻勢を強めるだけで、足腰はガクガクと震え、その場にへたり込みそうになります。


 それでも何とか吸い付く牡丹を引き離そうと手を伸ばしたのですが、私の意思に反して『サルースのドレス』の蔦が反対の胸や下の蕾を……摘みました。


「こっち、も……ふっ、んん…」

 やはりドレスの方も修正されていないようですね。むしろ前より繊細な動きが出来るようですし、蔦はしなやかで刺激するのにちょうどいい硬さとザラザラ感である事にどういう方向のアップデートなのかと言いたくなるのですが、牡丹と共にドレスにも責められると、もう何も考えられなくなります。


「ぷぅ~い」

 私が軽く達すると牡丹は満足したのか、ちゅぱちゅぱと母乳を吸うようにしゃぶりついてくるようになったのですが、その刺激が絶妙に焦らすような強さで、もどかしくてたまらなくなります。


 引き離そうと抵抗しても牡丹が暴れるだけですし、とにかくこんな人に見せられない顔や姿を人目に晒さないために、下から見えない位置に移動しようとしたのですが……そんな私の隙をついて、いきなり牡丹のトロトロした口が大きく育った先端を強く吸うと、私の思考は真っ白に埋め尽くされました。


「駄目ッ…ぼたん…ソれ、だっ、ん゙ぁああ…あ゙あ゙あぁッ!!?」

 声が漏れないように必死に口をかみしめ抑えるのですが、私は人の騒めきが聞こえるような場所で、牡丹が満足する(お腹が一杯になる)までたっぷりとMPを吸われてしまいました。

※『ご自由にお使いください』

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