98:透明なスライム
※本日の投稿が本当にギリギリになってしまいすみません、ただちょっと数日は投稿が安定しないかもしれません。
まふまふさんを抱きかかえながら落下した私は、細かい根っこや巨大な葉っぱにもみくちゃにされながら地面に激突しました。
【腰翼】で出来るだけ減速はしましたし、クッションになりそうな植物の多い場所を狙ったので速度はかなり殺せたと思うのですが、まふまふさんを抱えながらですからね、それなりの勢いで地面に叩きつけられ、息が詰まりました。
最悪リスポーンする事を覚悟したのですが、どうやら落下した先にスライム達が居たようで、それが丁度いいクッションになってくれたようですね。
私達に押しつぶされたスライム達は弾け、飛び散った粘液でボトボトになってしまったのですが、それくらいのデメリットは死な安という事にしておきましょう。
「っーぁ……はぁぁーー…」
あちこちぶつけたので体は痛みますし、『サルースのドレス』はボロボロで、イビルストラも今にも千切れそうになっていますが、落下距離を考えると体が動けば十分軽傷でしょう。
無茶なショートカットで追っ手も撒けたようですし、私は腕の力を緩めながらゆっくりと深呼吸をすると……腰に抱きつくような形になっていたまふまふさんの体からフローラルブーケのような香りと、しっとりした汗の匂いが入り混じった香りがしました。
「吸うな…変態娘」
匂いを嗅がれるのが恥ずかしいのか、赤くなったまふまふさんが憎まれ口を言ってくるのですが、危機的状況を脱出した安堵感か、緩く笑ってしまいました。
「すみません」
ブランド物の香水とまふまふさんの匂いが混じったこの香りは、何か安心しますね。
私は忠告を無視してゆっくりと深呼吸をしてみたのですが、いけない感覚がゾクゾクと昇ってきますね。これも一種のつり橋効果みたいなものなのでしょうか?
「やめ…なっ…さ…くぅっ」
私が下になっているのでまふまふさんのダメージは少ないようなのですが、ジャケットはともかく耐久度の低いビキニはボロボロで、トップスの方は千切れてどこかに飛んで行ってしまったようですね。
私の前に零れ落ちたIカップの先端が、何かを期待するようにみるみるうちに尖っていくのですが、それに比例してまふまふさんの顔が真っ赤に染まっていきました。
今の私はレッサーリリム状態ですし、お互い半裸のような状態で密着しているのでかなり強めに『魅了』が入っているようですね。
まふまふさんは自分の体がどういう状態になっているのかわかっていないようで、私の姿が大きく変わっている事への疑問すら口にする余裕も無いようです。ただただ歯を食いしばって、体の奥から湧きあがる奇妙な感情に耐えているようでした。
「ちょっと、待ちなさい、すぐどくか…くひぅッ!?」
まるで私から逃れるようにまふまふさんは体を動かすのですが、辺りはスライムの粘液だらけで、かなり滑るようですね。ズルっと落ちて来たまふまふさんの胸が私の顔を押し潰し、まふまふさんの体がピクピクと跳ねました。
何故かおもいっきり睨まれたのですが、私は何もしていないので今のは不可抗力のような気がします。反論しようにも私の口はまふまふさんの胸で塞がれていますし、コリコリした感触が唇の上を左右に揺れて下手に口も開けません。
「っ…~~~~…」
まふまふさんは羞恥に歪んだ顔で「変な事したら殺す」というように睨んできているのですが、期待の混じったうるんだ瞳で見られているとこちらまで変な気持ちになってしまいそうなのですよね。
切なげに太ももを擦るまふまふさんは苦しそうなのですが……いけませんね、変な空気に流される所でした。私は心を強く持ち、何とか気持ちを落ち着かせようと深呼吸をしようとするのですが、そうするとまふまふさんの香りに包まれて、クラクラしました。
「…っとに、何か、引っかかって……」
まふまふさんは悪態をつきながら立ち上がろうとしているようなのですが、スライムに滑って難航しているようですね。
上でモゾモゾと動かれるとあちこち当たって気持ちよくなってしまいそうになるのですが、バラバラに動くと余計にややこしい状態になってしまいそうで、どいてくれるまで待つ事にしたのですが……流石にこれだけ立ち上がれないというのはおかしくないですか?そう思い周囲を見てみると……周囲に飛び散ったスライムの破片が蠢いているのが目に入りました。
「待ってくだ…ッ…んんっ、何か、ぁああぁっ!!」
私はまふまふさんに警告を発しようとしたのですが、まるで「そうはさせない」と言う様に、股の間にスライムの破片が入りこみ、グリグリされて口からは甘い声が漏れました。
「何よ急に、耳元で変な声で…叫ばな…いぃ…ッで…んぁ゙ぁあッあ…っ!!?」
一瞬怪訝そうな顔をしたまふまふさんなのですが、スライム達が私の事を責め始めたタイミングで、まふまふさんの方も動き出したようですね。
むしろまふまふさんを責めるスライム達の方が激しく責め立てているようで、ぬちょぬちょした水音が聞こえてくるくらい激しく振動し、扱きあげているようでした。
「イぅ゙ゔッイッ…んくぅ…っ」
まふまふさんは必死に食いしばって耐えているのですが、余裕が無いのは一目瞭然ですね。その口から洩れる声は一段と高くなり、惚けた顔は私に助けを求めていたのですが、この状態でスキルを使えばまふまふさんも一緒に強制送還してしまいます。
私がスキルを使うのを躊躇っている間に、絡みついたスライム達の動きは激しくなり、魅了が入っていたまふまふさんは易々と限界を迎えたようですね。
「ん゙っ~~あ゙ーーー…ッッ!!??」
ビクンッビクンッと体を跳ね上げたまふまふさんは大きな波を迎えたようで、気持ちよさそうな蕩けた顔で私にもたれかかってきました。
「っ…ッ……」
その体温と匂いだけで反応しかけてしまったのですが、肌を密着させているとまふまふさんの体を責めるスライム達の動きが私の方にダイレクトに伝わってきて、刺激が一気に増しました。
「くっ…この…なんで…」
オートスペルが発動したのですが、まふまふさんを傷つけないためにも左手は使えません。右手で上に乗るまふまふさんを払いのけようとしたのですが、スライム達が手錠か何かのように腕に絡みつき、動きを封じられました。
「やッ!?なっ…こいつらッ、まだっ…ぁあ…動…っ!!?」
荒い息を吐きながら余韻に浸りかけていたまふまふさんなのですが、スライム達は休憩すら許してくれないようで、敏感になった身体を容赦のない動きで責め立てていきます。
こうなるともうまふまふさんは声を我慢する余裕はないようで、当然下にいる私に気を配っている余裕もありません。
「まふまふ、さ、ん、動か…ないっ、んッ」
スライム達と色々な液体でぬめったまふまふさんが私の体の上で動くたびに、全身を舐められているようなピリピリした刺激がきて、声が漏れてしまいます。
「まふか、まふぅかぁーぁああ…誰かがまふまふなんて変なあだ名で、呼ぶからぁっっ!!!」
もう自分でも何を言っているのかわからないのでしょう、私の言葉のどうでも良いところを訂正しながら、まふまふさんは叫びます。
「まふか…さん?」
ある意味ずっと間違え続けていた名前を耳元で囁くと、まふかさんは一瞬目を見開いたかと思うと、歓喜を爆発させていました。
「だめだめだめ、んあ…ッ、あうっ、んおっ…オ、オオオォォオオッッッ!!!」
凄い声をあげながらまふかさんはピンと足を張り、背をのけぞらせたかと思うと……糸の切れた人形のように私の体の上に落ちてきました。
何か幸せそうな余韻に浸っているのですが、どうやら意識が完全に飛んでしまったようですね。完全に脱力してしまったまふかさんの体を胸で受け止めると、スライム達の動きが止まっているのに気づきました。そして私の視界の中に転がり出て来たのは……。
「ぷいっ!」
あの蔦の上にいた、透明なスライムですね。どうやらまふかさんが踏んだ時に一緒に転がり落ちてきたようで、目と目の間の、額?の部分に踏まれたような跡がありました。
見た目は頭頂部の尖った40センチ程度の横に広い楕円形で、ぼんやり見えなくもないという不思議な色合ですね。
HCP社の場合、こういう透明なモンスターの内臓まで作り込む事があるのですが、このスライムは裏側から見ても反対側に目と口が見えるだけという、かなり不思議な見た目をしていますね。
そのデフォルメされた造形はどこかHCP社らしくないとも言えるのですが、ある意味HCP社らしいと言いますか……どうやら先ほどのエッチなスライム達を動かしていたのはこの透明なスライムのようですね。その事を示す様に、透明なスライムが淡く光るたびに周囲のスライム片が動き、透明なスライムに吸収されていきました。
「ぷいっぷいっ!」
一通り吸収し終えた後はまふかさんの上で飛び跳ねていたのですが、もしかして踏まれた事を怒っているのでしょうか?
その辺りのスライムの気持ちはわからないのですが、とにかくレアモンスターですし、上で跳ねられていると衝撃が来ますし、私は武器を取り出そうとしたのですが……まふかさんに押しつぶされている状態では剣もナイフも取り出す事ができません。
「ぷっ!?」
どうやらその殺気を感じ取ったようで、透明なスライムは私の方を見てぴょこぴょこと跳ねたかと思うと、そのまま飛び跳ねながら逃げて行ってしまいました。
※透明なスライムの見た目に関してちょっと書き足しました(11/16)。




