表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

玉手箱開く

作者: 津嶋朋靖

 オーストラリアのウーメラ砂漠。


 そこに、金属製のカプセルが舞い降りてきた。


 宇宙を旅してきた探査機はやぶさ2が持ってきたカプセルだ。


「おお! ここにあったぞ」


 カプセルは回収され、飛行機で日本に運ばれ、神奈川県相模原市にある研究所に持ち込まれる。


「何が入っているのかな?」

「中から煙が出てきてお爺さんになったりして」


 世界中の人たちが、カプセルが開封されるのを待ち望んでいた。


 だが、開封の瞬間を待ち望んでいる者はカプセルの中にもいた。


異星人A「くくくく、馬鹿な地球人め。我々が中にいるとも知らずに」

異星人B「外へ出たら早速侵略開始じゃ」

異星人C「一応降伏勧告はしておけよ。人道主義者が煩いからな」


 なんという事か!

 

 カプセルの中に、邪悪な異星人が潜んでいるではないか。


 え? 異星人というだけで、邪悪と決めつけるのはおかしい? 異星人差別だと?


 まあ、そうなのだが、とにかく彼らは邪悪なのだよ。


 この邪悪な異星人は、遥か昔にミラクルマンとの戦いに敗れて宇宙船で逃げ出していたのだが、旅を続けるうちに宇宙船が故障して小惑星リュウグウに不時着していたのだ。


 そのまま冷凍睡眠(コールドスリープ)で生きながらえてきたのだが、はやぶさの撃ちこんだインパクタの衝撃で目覚めてしまったのだ。


 そして地球の宇宙船がサンプル回収作業をしているのを見て、これ幸いとばかりに乗り込んだのである。


 そして、いよいよカプセルが開く時が来た。


 嬉々として異星人はカプセルから出てくる。


異星人C「地球人よ。我々は宇宙人である。降伏と服従を要求……え?」

異星人A「地球人て……巨人だったのか?」

 

 なお、この邪悪な異星人の平均身長は一ミリである。


 それでも果敢に地球人に攻撃をかけるが……


研究者A「ん? なんか今、当たったかな?」

研究者B「おい。このチリなんか動かなかったか?」

研究者C「気のせいだろう。まさかこの中にリュウグウ星人がいたとでも」


異星人B「おい、どうする? 攻撃が全然効いていないぞ? ていうか攻撃されている事に気が付いてもいない」

異星人C「降伏勧告も聞こえていないみたいだ」


 異星人は邪悪だった。


 しかし、弱かった。



 了

ミラクルマンじゃなくてもじゃなくても十分勝てますね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ