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光闇の十字路 〜prince of princess〜  作者: 松代則夫
〜序章〜 暗黒街の楽園編
2/26

第1話 暗黒街の楽園 隠された浮遊島

 



「開かずの塔」


 そこから上空4千メートル。


 常識的考えられない場所





 そこに浮遊島が浮かんでいた。




 島の名は「バルザート」太古にロストした

魔法技術が全て揃った暗黒街(ナイトストリート)の上空に存在する幻の浮遊島


 今を生きる人類にとっては「宝島」とも言うべき至宝の島だった。

 代々ブラッド家が秘密裏に管理し封印していた幻の浮遊島である。

 もちろん他の貴族家はこの島の存在を知らない。


 そんな島に黒髪の少年カイリー•ブラッド

が転移魔法陣に現れた。



 この島の大きさは貴族の屋敷のような豪邸に下界に繋がる転移魔法陣、対抗魔法回路が組み込まれた鍛錬場、魔法実験場そこに隣接するドッグ

 そして、島全体を覆う偽装結界が何重にも張り巡らされていた。



 「よぉ、カイリー遅かったじゃねーか。」


 「いや、普通でしょ。」



 全く遅い素振りも見せず素っ気なくカイリーは答える。



 出迎えたのはこの島の管理人

ネルセンである。



 彼は魔法技師で主に魔法を応用した機械や装置、兵器など、魔法工業のエキスパートである。ボサボサの金髪に汚れた茶色の作業服を着崩した中年のオッサンが腰を下ろした。



「で、どうだった?」


「魔法学園に通う為の学費はたまったな、あとは.....」


「コイツを完成させるだけだな」



「ああ」




 二人が見上げた先に全長9メートルぐらいの大きさの飛行船がドッグに鎮座していた。


 「陸路だとどうしても平民を魔法学園に入れたくない貴族領を経由しないといけねぇからな、だがコイツがあればそんなものは無視していけるぜ。」



 「俺の魔法があれば別に強行突破も無理じゃないが6大公爵家とは『今は』関わらないほうがいいしな。」



 「その通りだよくわかってるじゃねーかガキのくせに」


 偉いぞ!!みたいに言うな。なんか腹立つ




 『暗黒街』から魔法学園がある王都まではどこのルートを通ってもいずれかの公爵領を通らなければならないのだ、しかし彼らは平民出身の魔法使いを自らの派閥で囲い込み駒とするなどして王立アールスレイン魔法学園には足を踏み入れさせないようにしているのだ。




 道中には幾つもの関所がありその周囲は周辺の魔力をすいあげ三重の堅牢な防護結界が展開されており破れたとしても直ぐに警報がなりその領地を治める貴族の私兵が破損箇所に雪崩れ込んで来るのだそれを突破してもその領地を出る場所にも結界があり、その前に他の領地貴族に情報が伝えられ追い詰められてしまう。

 カイリーは今は13歳王立の魔法学園は15歳からである。



 そう今の状態では2年後までに飛行船を完成させるしか方法がないのだ。



 「動力機関の中心部の魔力生成炉の試作品は無事起動して稼働出来た。まあ、元にあった設計図を見直して作った物だから上手くいくとは思っていたけどな」


 そう言って頑張ったぜと言うネルセンが妙に様になる。



 「魔法を応用した武装兵器も幾つか開発に成功してあとは最終チェックだけだ」


 ネルセンは魔法回路や魔法を使った動力を応用した兵器、武装補助デバイスの製作にも長けている。


 本当この男魔法ショボイのにこういうのは得意だよねぇー



 「う、うるせえよっ!!」

 狼狽えたようにネルセンが言ってきた。

顔に出ていたらしい、ポーカーフェイスはやっぱり大事だな。



 「俺の可変型ナックルダスターもよろしく頼むよ」



 「それについては俺オリジナルの魔法回路を繋げて試行錯誤した試作品が完成間近だ楽しみにしといてくよぉぉー」


 今回は自信作だ!っとグーサインする。



 めちゃくちゃテンション上げたネルセンが熱く語る。



 お前の自信作は性能いいから実はすげぇー期待してんだ俺


 この島は太古にロストした魔法技術の宝庫そしてそれを受け継いできたブラッド家は一般人には未知の魔法技術で溢れているのだ。



 ネルセンはブラッド家に仕えていた魔法技師の継承者故にこの島を任されている。


 特にこの島にある屋敷の書庫や実験場にはこの手の専門家にはまさに宝である。

 この島を秘匿してきたのは無用な争いを起こす火種にならないためでもある。

 もちろん島の警備は大量の半永久動力の魔力炉搭載の騎士(ナイト)型ゴーレムや、侵入者の魔力を検知するトラップなど様々な対策がなされ、細心の注意を払った絶海の孤島、それがバルザートだ。



 「今からならまだ余裕で間に合うそれまでに冒険者で路銀稼ぎと飛行船の素材集め頼んだぜカイリー」


 「任しとけ、ネルセン」


 2人は拳を打ち付けあい誓った。







 「で、今日の収穫を見せてくれ」




 ネルセンからそう言われたカイリーは手を誰もいない場所に一振りした。

 すると、そこから空間が裂け直径1メートルの巨大な魔石が飛び出した。




 「ほんと、お前の次元属性は便利だなぁー高レベルの魔法が使えるのは羨ましいぜ。」


 カイリーが使った魔法は特殊属性に分類される「次元属性」もちろん、使い手は極端に少ない。



 魔法とはまず誰でも使える。「基本属性」

の5属性と無属性がある。 これは魔力があればだれでも発現可能な魔法だ。



 但し魔力容量などの問題で誰でも高威力の魔法が発現できるわけではない。


 またちゃんとしたところ以外で教わらないとコントロール出来ずに暴走して使用者の命に関わるなど危険なのだ。

 その他資金面など例を挙げれば他の複数の要因もある。


 魔法はまず基本の無属性、

 そして基本属性の火、水、風、雷、土

の5大属性がある。




 火属性はその名の通り辺りに撒き散らすだけで驚異になり攻撃に秀でている。





 水属性は回復、分身 




 風属性は、移動、浮遊、探知、圧縮すれば攻撃にも転じれる。



 雷属性は、移動、速攻性のある攻撃、麻痺。




 土属性は、防御、物質生成またその硬さからそのままの硬度で攻撃すれば威力がでるなど汎用性は高い。




 そして特殊属性、代表的なのは

光属性、闇属性である。



 光属性は高威力の回復に加え植物の成長を促進させることが出来るなど優秀、

また全ての攻撃の中で最速の速さを誇る。

主に回復、浄化、が出来る。






 闇属性はあらゆるものを侵食し相手の魔力などを吸収出来たりする。

その他引力として重力を操れたりもする。





 カイリーの操る「次元属性」も特殊属性に分類される。




 別の次元に干渉し物を出し入れ出来たり戦闘では次元を歪ませ衝撃波を起こすことも可能な強力な属性だろうことがわかる。



 ネルセンは真剣な顔になりながら


 「特殊属性は人前であまり使うなよ。

 特に2つ持ちとかこの世界にどれだけしかいないことやら」



 平民が特殊属性を持っていると知れば我先にと囲い込みたい貴族達がやってくるとネルセンは危惧したのだろう。



 「ああ、わかってる。だけどなネルセン、

 この力はそんなクソやろう共を出し抜くには必要な力だ。魔法学園では2つのうち1つは持っているということをアピールしといたほうが牽制に使えるだろう?」



 「ああ、俺達が理想とする世界を創りあげるには必要だ、力で脅したり奪い取ったりするのは駄目だと言う奴がいるがそれは幻想論でしかないと思っている、だから力が必要だ、それだからこそ平凡な魔法使いの俺には無理だ。そこらへんはお前さんに任せるぜ」



 ネルセンはそう言って踵を返し。



 「じゃあ魔石運びこんでおくから引き続き素材集めと資金集め頼んだぜ!!ゆっくりしてる暇はねーからな。」



 「そんじゃあ、一発かましてくるわー」



 「おいおい、暗黒街(ナイトストリート)は潰すなよ⁉︎」



 「わかってるよ」




 ネルセンは、あ、これ絶対わかってないなと思ったが口には出さなかった。







そう言ってカイリーは転移魔法陣に魔力を流すと下界に降りて行った。











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