恵まれた環境にいるあなたは、それ以上何が欲しいと言うの?
私の家は、、、?
お父さんが、私が5歳の時に会社をリストラされて、、、。
お母さんは、体が弱く寝たきり状態になって私の下にはまだまだ小さい
弟や妹が5人もいる、、、!
お父さんは、リストラされてから仕事もせず家でお酒ばかり飲むように
なったわ、、、!
私がお父さんに、何度こう言っても、、、。
『お父さん! お酒飲み過ぎだよ! もう、飲むのやめて!!!』
『・・・うーん、うるさい! 俺に指図するな!!!』
『お父さん、』
小さな弟や妹が、夜中、夜泣きをすると、、、?
お父さんが、物凄い剣幕で怒鳴り散らすの、、、!
『うるさい! 何時だと思ってんだ!!! こんな時間に泣きやがって!』
『お父さん、直ぐに泣き止みますから、そんなに怒らないでよ!』
『次、泣いたら、、、? コイツを殴るからな!!!』
『・・・まだ、この子小さいんだよ! そんな事しないで、、、!』
『そもそも、お前が寝てばかりで、子供たちに何も言わないから、、、!
こんな事になってんじゃないのか、、、?』
『・・・ごめんなさい。』
『お母さんのせいじゃないよ! お母さんを悪く言わないで、、、!、、、』
『じゃ、早く泣き止ませろ!!!』
『・・・分かったわ! おいで、お姉ちゃんと外に行こう!』
『・・・ううん。』
▽
・・・毎日、こんな生活が続いていったの。
でも、そんなある日、、、。
私の家に、ある1人の女の子と年老いた綺麗なスーツ姿の老人が訪ねて
来たのよ!
『スミマセン! ココの家に、小久保麗華さんと言う方がいますか、、、?』
『・・・麗華は、私ですが何か、、、?』
『少し麗華さんにお話があるのですが、よろしいですか?』
『・・・あぁ、ははい。』
『では、我々の車に乗ってください! 違う場所でお話しましょう!』
『少し、待っててもらえますか?』
『はい!』
そして、私はその人たちに言われるまま、、、。
大きな黒の高級車に乗って20分ぐらいする所まできて、車が止まった!
『ココですよ!』
『えぇ!? ココですか?』
そこは、大きな屋敷で老人は私を家の中まで連れて行ってくれた。
『私に話って、何ですか、、、?』
『実は、お隣にいるお嬢さまとあなたを入れ替えたいのです!』
『ごめんなさいね、何もわたしから話さなかったから、、、! わたしは
あなたが、とっても羨ましいのよ! わたしにはないモノを持っているから!
わたしとあなたが入れ替われば、わたしはとても幸せになれるはず!!!』
『お嬢さま、』
『・・・私とあなたが入れ替わるって、、、? どういう風にですか?』
『中身を変えるのよ!』
『・・・中身?』
『わたしと言うモノは変わらないのよ! 見た目は変わってしまうけどね!』
『お嬢さま、本当によろしいのですか? 入れ替われば元には戻れませんぞ!』
『えぇ! それが、わたしの望みだからいいのよ! 爺や~!』
『・・・そうですか? どうか、お嬢さまの望みを叶えてあげてください!』
『そんな事、言われても直ぐには答えを出せないわ!』
『1週間あなたに、時間をあげます! その間、家族と思う存分! 思い出を
作ってください! それなら、いいですよね!』
『・・・でも、そんな事をしたら? 私は元の姿に戻れないんですよね?』
『そうですね! でも、あなたも今の生活から抜け出したいんでしょ? どうな
んですか、、、?』
『・・・それは、』
『では! “決まりね!” この書類にサインして!』
『・・・ははい。』
▼
私は家に帰り、1週間家族との思い出をたくさん作った、、、!
正直、私は断る事が出来なかったの、、、。
本当に心底、、、心が疲れてしまったから...。
お父さんは、お酒を飲むようになってからは、直ぐに怒鳴り散らすように
なってしまって、たまに暴力も振るうのよ、、、!
お母さんはずっと寝たきりで、私は1度もお母さんに甘えたり出来なかった!
弟や妹も、まだ小さくて私の言う事を聞いてくれないし!
お金もない!
我が家はいつも火の車状態だったの...。
毎日毎日、節約してもそれでもお金が足りない!
穴の開いた靴下や私のお下がりの服を弟や妹は、着ているのよ!
学校では、みんなにバカにされたりイジメられたりするし!
もう、、、そんな生活は嫌だわ!
*
そんな時に、この話を聞いた私は、、、つい引き受けてしまったのよ!
これが! 正解か? 不正解かは、、、あの時の私には分からなかった。
軽い気持ちだったのよ。
こうして、私とお嬢さまは入れ替わったの、、、!
▽
そして、、、。
私は、裕福なこの家で住むようになったわ、、、!
あの老人は、私の専属の執事だったのよ!
『お嬢さま、今日は何処に行かれますか、、、?』
『・・・何処って?』
『爺やがいいところに、お嬢さまを連れててあげますぞ~!』
『・・・いいところ?』
『えぇ! いいところです!』
私は、今まで見た事も行った事もないようなところにあちこち連れてて
もらったの、、、!
今までの私の生活では、絶対に知りる事の出来ない事をたくさん見せてくれたわ!
私はこの生活にも慣れてきて、、、執事の爺やに聞いたの、、、?
『ねえ、爺や? 私と入れ替わったあの子は、、、? またいつか、、、?
私と入れ替わる事があるのかな、、、?』
『それはございません! お決めになったのは“アノお嬢さま自身ですから!”』
『・・・そう、分かったわ!』
『あなたは、ずっとココで暮らすのですよ!』
『うん!』
▼
元お嬢さまは、、、?
『おい、麗華! また、泣いてるじゃないか? 早く泣き止ませろ!』
『だって! どうしたら? 泣き止むのよ! もう、泣かないでよ!』
『うるさい! 外に連れて行け!!!』
『・・・・・・』
弟や妹は、全然、泣き止まない!!!
『もぉ~うるさい! 泣くな!!!』
『・・・なんだか? いつものお姉ちゃんじゃない!!!』
『・・・あなたは誰なの?』
『お.お姉ちゃんよ! お姉ちゃんに決まってるでしょ!!!』
『違う! お姉ちゃんはもっと優しいよ~!』
『本当のお姉ちゃんを返せ!』
『お姉ちゃんは何処なの?』
『・・・・・・』
・・・心底、後悔していた、、、!
あの子と、入れ替わなければよかったと、、、!
こんな生活、もうやめたい!!!
・・・でも、もう元には戻れない!
『わたしは、なんて事をしてしまったんだろう!!!』
最後までお読みいただきありがとうございます。