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特別編ルナ視点第2話 オシャレはデートの基本です

 ご主人様とたくさん愛し合って気が付けば辺りは明るくなってしまっていました。ベッドでした後にお風呂場でもう一度、またベッドに戻ってしてしまったのが問題でした。

 ですがこの幸福感のお陰で後悔はありません。むしろもっとしたいくらいです。


「ふんふふんふ〜ん♪」

「随分と機嫌良さそうなだな」

「はい! それはもうご主人様の愛をたくさん感じましたから!」

「そ、そうか……」


 ご主人様は照れたように視線を逸らします。可愛いです。愛おしいです。

 手早く朝食の用意を致しますと2人でそれをし食します。現在時間は6時前でした。1時間程は誰も起きてきません。


「今日……このまま2人でデートにでも行くか」

「いいんですか!?」

「あぁ。あいつらには書置きしてれば充分だろうし」


 ご主人様とデートです! 精一杯おめかししませんと。


「私、頑張ります!」

「え、何を?」


 ご主人様は乙女心を分かっていません。女の子はこういう時はとても頑張るものなんです。

 朝食を食べ終えるとご主人様には少し待ってもらい、服を着替えます。

 水色の縦セーターと呼ばれるものです。ふわふわの生地を使用していてご主人様に抱き締めていただいても問題ございません。

 足元はスカートに致しましょうか。ミニは恥ずかしいのでロングで。清潔感が大切だと学びました。

 髪も櫛で整えますとゴムで括ります。サイドテールと言うんでしょうか。もう少しふんわりとさせた方が良さそうです。


「うん……よしっ!」


 身だしなみを整えると急いで居間へと戻ります。ご主人様は退屈されていませんでしょうか!?


「お、お待たせ致しましたご主人様!」

「いや、そんなに待ってな…………え?」

「え?」


 ご主人様が私の姿を見て絶句されました。へ、変なところございますでしょうか!?


「…………」

「あ、あの、ご主人様?」

「…………」

「ご主人様……?」


 ご主人様が固まったまま動きません! ですが視線はずっと私の方を向いていて……な、何事ですか!?


「…………嫁にしたい」

「え? よ、嫁?」


 嫁って確かご主人様の世界の言葉で……意味はずっと一緒にいたいって事ですよね!?


「ご、ご主人様それは!」

「ルナめちゃくちゃ綺麗だな。もう俺駄目っぽい」

「ご、ご主人様!?」


 ソファに横になったご主人様は何やらとても満足されたような表情を浮かべました! そ、そんな!?


「で、デートは中止ですか!?」

「いや、行こう」


 しかしすぐに戻っていただけました。よ、良かったです。


「うーん……しかしこの可愛さ。他の男が寄ってくるんじゃ……」

「そ、そう思ってくださるのはご主人様だけです」

「いや、それはない」


 キッパリと言われてしまいました。


「お前は鈍いからな」

「ご主人様には言われたくありませんよ!?」


 ご主人様も充分鈍いです。も、もちろんそういうところも素敵なんですが……。


「ひ、ひとまず行くか」

「はい!」


 デート楽しみです。何しましょうか……ご主人様が一緒ですとウィンドウショッピングだけでもとても楽しいです。

 家を出ると私は早速ご主人様の腕に抱き付きます。デートといえばこちらは定番です。ご主人様も慣れていらっしゃいますよね?


「ご主人様」

「…………」


 あ、あれ? ご主人様は耳まで真っ赤にされて視線を逸らしていました。な、何でしょうか?


「キュン死しそう」

「ご主人様!?」


 キュン死って何ですか!? ど、どどどういう意味でしょうか!?


「だ、大丈夫ですか!?」

「大丈夫だ。ある意味大丈夫じゃないけど大丈夫だ。俺今日一日持つかな……」


 な、何か緊急事態でしょうか? これはデートどころではない気がします。


「何かあったんですか!?」

「お前が可愛いし綺麗だからだろ……」

「ふぇ……?」


 私が……え? 私のせいですか!? それにご主人様は先程から……。


「そ、そそ、そうなのですか!?」

「お、おう……。まさかの自覚無し。流石天然」

「私天然じゃありませんよ!?」


 ですが私のことを可愛いと思ってくださるのですか。先程まで私の裸を見ていただけでいましたのに。


「周りの視線独り占めしておいてよく言うよな……」

「周りですか?」


 よく見ると注目されてます!? こ、これは一体どういうことでしょうか!?


「何故慌てる……」

「い、いえ、もしかしておかしなところがありますか!?」

「いや、だからお前が綺麗だからみんな見てるんだろ」


 そんな馬鹿な!? 私が綺麗だなんてそんなことありません!


「くっ……今なら何言われても頷いちまいそうだ」

「本当ですか!?」


 それなら色々としたいことがあります! 普段はご主人様恥ずかしがってしまうので出来ませんがしたいことがたくさん!


「で、では! 私のことをお姉さんって呼んでください!」

「え、いや、何故」

「子供の頃のご主人様にそう呼んでもらってました!」

「お、おう……」


 ご主人様は少し考えると少し頬を染めて私に視線を合わせます。


「お、お姉さん」

「ご主人様!」


 嬉し過ぎてご主人様に抱き付いてしまいます。


「ちょ、ルナ!?」

「あ、す、すみません。ってご主人様お顔が真っ赤です!?」

「い、今のルナに抱き締められるとそうなるんだよ……」


 今の私ですか……? どうして普段の私では駄目なのに今の私にはそういう反応をされるんでしょうか?


「お前オシャレすると凄いんだな……」

「ほ、本当ですか!?」


 オシャレするとご主人様はとても意識してくださるんですね! 普段は当たり前のように可愛いや綺麗と言ってくださるのですが今回意識してくださるのならして良かったです。


「そ、それよりどこか行きたいとことかあるか?」

「私は特にありませんよ」

「じゃあ無難にショッピングモール歩き回るか」

「はい」


 ご主人様はデートにあまり慣れていない様子でした。そもそも異世界にいた頃は友達すら少なかったと聞きます。

 ショッピングモールに向かうと大勢の人が行き来していました。ご主人様はこういう場所は苦手なのかと思いましたが……。


「はぁ……」


 溜息を吐いていらっしゃいました!?


「相変わらずここは人が多いな」

「そうですね。あの、場所変えますか?」

「いや。買いたい物があるしな」

「そうなのですか?」


 買いたい物とは何でしょうか? 鍛冶師に関する本などでしょうか。それなら私も出せますが……。

 ご主人様が向かった場所はアクセサリーショップでした。ど、どうしてでしょうか?


「ご主人様、アクセサリーに興味がおありなんですか?」


 意外です。ご主人様は色々なことを知っていらっしゃいますが色々な事に無頓着な方だと思っていました。


「ん? いや、俺は全く興味ないけど」


 で、ですよね? 私の認識は間違えていないようでした。


「ではどうして……」

「お前にプレゼントだけど?」

「え!?」


 プレ…ゼント? わ、私にですか!?


「何でも似合いそうだから困るんだよな……。これとか綺麗なんだけどな」


 ご主人様が手に取ったのはハート形の金色のネックレスでした。確かにとても可愛らしいです。


「ふむ……」

「ど、どうですか?」


 ご主人様はネックレスを私の胸元まで持っていくと姿を確認する。


「ヤバイな。可愛過ぎて鼻血出そう」

「え、えぇ!?」

「まぁ鼻血は冗談だが……。普通に綺麗だから困るな……」


 ご主人様は照れた様子で視線をそらします。そんな反応を見せられますとこちらも照れてしまいます。


「あ、あの……」

「ん?」

「どうして私にプレゼントを?」


 私は別に何かお祝い事もありませんし……。


「いや……まぁお前には特に普段から世話になってるし」

「それなら皆様の分必要ではないですか?」

「それはそうなんだが……」


 ご主人様は耳まで真っ赤にされて視線をそらしますをとても可愛らしいです。


「そのな……ま、まぁあれだ。今日のデートの記念と……」

「は、はい」


 記念にですか。確かにこういうものがありますと思い出に残ります。


「あと……恋人に送るネックレスってのはそのな……色々意味があるらしくてな」

「そうなのですか?」

「あ、あぁ。俺の世界での話だが。…………永遠に繋がっていたいとか一生一緒にいたいだとかそういう……」

「っ!?」


 それはつまり永遠の愛の誓いですか!?

 急激に体温が上がってしまいます。私も耳まで真っ赤になってしまっていることでしょう。


「も、もちろん俺のワガママだからいらないなら諦めるけど……」

「欲しいです!」

「お、おう……」


 く、食い気味に言ってしまいました。ですがここでご主人様からの素敵な贈り物を断るなんて選択肢はございません。


「あ、これなんて良さそうだな」

「どれですか?」


 ご主人様が手に取ったのは三日月と星で円を作った金色のネックレスでした。確か私の名前も月から付けたとおっしゃっていましたね。


「ご主人様はどうして私に月という名前を付けたのですか?」

「え? まぁ第一印象だな。その髪が月みたいだったから?」

「そうなのですか?」


 自分ではあまり意識しませんでしたが。ですが確かに月と同じ色です。


「…………暗闇を明るく照らしてくれる存在、とかな」

「え?」

「何でもない……。これでいいか?」


 ご主人様は私に先程のネックレスを当てると少し微笑んだ。


「やっぱり綺麗だな」

「はい。とても可愛らしいと思います」

「いや、俺が言ってるのはネックレスじゃなくお前の方だけど……ま、まぁいいか」


 わ、私の方でした!? それに綺麗と!?


「じゃあ買ってくる」


 ご主人様はあっさりと決めて購入されます。私はその背中を見ながら先程の台詞を思い出していました。


「…………暗闇を照らしてくださったのはご主人様の方ですよ」


 精霊という奴隷の運命をあっさりと断ち切ってくださいました。思えばご主人様はそういったものと常に戦っていた気がします。

 それは弱者と言われる鍛冶師だったり、有翼種のことだったり、性別の垣根であったり、エルフ族や獣人族であったり。

 そういった固定観念に縛られないからこそ自由な発想が出来、そして魅力的に写ってしまうのでしょう。


「あ、あの、お一人ですか!?」

「え?」


 いきなり声を掛けられて振り向いてしまいます。そこには緊張した面持ちの男性が真っ直ぐにこちらを見つめていました。


「俺とデートしてくれませんか?」

「えっと……すみません。私ただ今デート中ですので」

「そうですか……」


 落ち込んだ様子の男性ですが仕方ありません。私はもう心に決めた方がいらっしゃるのですから。


「私はご主人様一筋ですので」


 私は心の底からそう笑顔で告げました。

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