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特別編アリシア視点第3話 ピロートーク

 もっとワガママを言っていい。刀夜くんにそう言われてから私は自分のやりたいことを口に出すようにしていた。

 小さなことからコツコツと。でも刀夜くんに嫌われちゃうのは嫌だからあまり言い過ぎるのも良くない気がする。何事にも限度ってあると思うんだよね。

 ベッドで眠る刀夜くんは気持ち良さそうにしている。さっきまで沢山愛してもらっちゃったから疲れちゃったのかな?


「ふふ……」


 頬をツンツンと突くと刀夜くんは少し嫌そうに寝返りを打った。そっち向いちゃうと顔が見えなくなっちゃう。


「刀夜くん、こっち向いて?」

「すー……すー……」


 返事はない。心地良さそうな寝息が聞こえてくるだけだった。

 うぅ、ちょっと寂しいなぁ。背中に抱き付いてもいいのかな?


「え、えいっ……!」


 刀夜くんのたくましい背中に抱き付いてみた。こ、これは……正面からハグするのとはまた違う。本当に甘えてるみたいだった。

 刀夜くんの体温が暖かくて気持ち良い。お互い裸だから余計に感じられる。

 でもやっぱり私は正面から抱き締める方が好きみたい。刀夜くん早くこっち向いてくれないかな?


「と、刀夜くーん? こっち……お、おっぱいもあるよ……?」


 何て、これで反応しないよね。刀夜くんおっぱい好きだけどそこまで執着しないと思うし。


「んぅ……」


 刀夜くんが寝返りを打ってこっちを向いてくれる。

 ほ、本当におっぱい好きなんだね!? って絶対にたまたまだよね。

 刀夜くんがこっちを向いてくれたので抱き締めてみる。やっぱりこっちの方がいいなぁ。

 ギューっと抱き締めてみると幸福な気持ちで溢れてくる。今この瞬間が私は一番好き。もう本当にたまらない。


「刀夜くん♡ 刀夜くん♡」


 おっぱいを押し付けてちょっと大胆なことをしてしまう。でも私のおっぱいって気持ち良いのかな?

 刀夜くんは私を愛してくれながら色々としてくれるけど……。それってやっぱり私を気持ち良くさせてくれる為なのかな。

 あ、あれ? でもよくアスールさんが言ってたね。刀夜くんもやっぱりおっぱい好きなんだろうなぁ。

 こんなに素敵でもやっぱり男の子。でもそういうところも可愛いよね。こう、母性本能がくすぐられるっていうか。

 刀夜くんも自分の気持ちに正直になってもっと甘えて、ワガママを言ってくれてもいいのに。私はそれを叶えたいなぁ。


「ん……んぅ……」


 刀夜くんの目が少し開く。もしかして起こしちゃったかな?


「…………胸?」


 私が抱き締めていたからだろう。刀夜くんの第一声はそれだった。た、確かに目の前におっぱいがあったらびっくりするかも。


「ご、ごめんね! 可愛くてつい抱き締めちゃって……!」


 慌てて離す。刀夜くんは大きな欠伸を漏らした後に少し気だるそうに口を開いた。


「別に構わない……。でも……こう何もする気がない時ってどうすりゃいいんだろうな」


 エッチの後だからちょっと気だるいんだよね。も、もう少し寝てもらう方がいいのかな?


「寝ててもいいんだよ?」

「お前が起きてるのに俺だけ寝てるってのはな……」


 刀夜くんは身体を伸ばして目を覚ますと私の背中に手を回して優しく抱き締めてくれる。


「やっぱりこうしてるといいな」

「そ、そうだね」


 自分でするのはいいんだけど好きな人にされると心臓がとんでもないことに!


「すっごい心臓ばくばくしてるけど……大丈夫か?」


 刀夜くんが心配そうに顔を覗き込んでくる。その表情が更に私をドキドキさせる。


「あ、あの、こ、これは……え、えっと」


 なんて言おう!? むしろこの状況でなんて言えばいいのかな!?


「と、刀夜くんが素敵だから悪いんだよ……」

「え、お、おう」


 刀夜くんは少し頬を赤く染めてゆっくりと抱き締める手を緩めた。でも嫌だなぁ……せっかく抱き締めてくれたのに離れたくない。

 私は刀夜くんの後頭部に手を回すと胸に抱き寄せる。私はこうしてる方が落ち着くかな。


「な、なぁ……なんで俺は胸に顔を埋めてるんだ?」

「き、気持ち良くないかな!?」

「気持ち良いというか……なんか欲情しそうだから」


 あれだけしたのにまだ出来るの!? 刀夜くんって実は凄いんじゃ……。


「し、したいならもう一回する……?」

「いや……こうしてゆっくり話す機会も大事だろうしな」


 刀夜くん、私とのピロートークがしたいのかな? わ、私もしたい。


「刀夜くんはその……私のことどう思ってる?」

「どうって?」

「あの……例えばこういうところが好きとか嫌いとか」


 嫌いなところは全力で治そう。それはもう完膚なきまで無くしてしまう。刀夜くんの好きな女の子でいたいから。


「好きなところは腐るほど出てくるんだがな。嫌いなところは難しいな」

「そ、そうなの?」


 そ、それってつまり……えっと?


「好きなところって例えばどんなところ?」

「そうだなぁ。まず世話好きだろ? 優しくて几帳面なところもあるな。それに努力家で奥ゆかしさもあるな」

「す、凄くポンポンと出てくるね」


 刀夜くん私のことそんな風に思ってくれてるんだね。


「もっと具体的に語れって言われたら日付変わっちまうけど」

「24時間話せるってこと!?」


 まだ日付変わったばっかりだよ!? ど、どれだけ語れるんだろう……ちょっと聞いてみたいけど恥ずかしい。


「まぁそんくらい好きだってことだ。お前もうちょい俺に好かれてる自覚持った方がいいんじゃないか?」


 確かにそんなに好きでいてくれてるなら充分かもしれない。それに今も凄く幸せだからこれ以上なんてないような気もする。


「私も刀夜くんのこと大好きだよ? い、1日は恥ずかしくて無理かもだけどす、十数時間ならいけるよ!」

「お、おう……そ、そんなにか?」

「うん。たまにルナさん達と沢山情報交換したり刀夜くんのこと語ったりしてるよ?」


 あれ朝まで続くから一睡も出来ないんだよね。みんな話したい事があるから本当に終わらない。これ以上人数が増えたら本当に丸一日も出来そうなくらい。

 特に私とルナさんが……ね。アスールさんは少し落ち着いてる感じだけど。たまにすっごい爆弾持ってたりもするんだけどね。


「そんなことしてたのか。知らなかった……」

「ルナさんとアスールさんがどうやったら刀夜くんの1番になれるかを言い争っているうちに出来たって言ってたね」


 刀夜くんのこと好き過ぎるんだろうね。私も負けてないし負けられないけど! 刀夜くんの1番は私もなりたい!


「…………」


 でもこの調子で見ると刀夜くんは全員等しく愛してくれてるような気がする。誰が誰、じゃなくて本当に平等に。


「刀夜くんは私達のことで何かしてることある?」

「何か…………いや、ねぇな」


 そうだよね。ルナさん達が語ってくれるのがもうそれだもんね。何してたのか大体私達も知ってる。


「強いて言えば……き、嫌われないようにはしたい、と思ってる」

「私達が刀夜くんを嫌う……? うん、絶対にありえないね」

「言い切ったな……」

「うん! それに関しては絶対にありえないよ!」


 刀夜くんが嫌いになることなんてあり得ない。そんな自分は嫌だなぁ。

 私は自分の手を刀夜くんの手に重ねてギュッと握る。刀夜くんは嫌われるって思ってるのかもしれないけどそれは絶対にない。


「刀夜くんは私のこと嫌う?」

「それはないな」

「ふふ。うん、それと同じだよ」


 本当に私達はそういう関係なんだろうね。こんな人は多分もう二度と出て来ないと思う。


「そ、そうか」

「ふふ……」


 照れて視線をそらす刀夜くんが可愛い。このままずっと刀夜くんと一緒にいれたらいいんだけど。

 未来のことなんて誰にも分からない。だから今を全力で生きているのが私達だ。

 この幸せに浸ってあぐらをかいていたら多分置いていかれちゃう。刀夜くんにも、最強という肩書きからも。


「刀夜くん」

「ん?」

「私、もっと頑張るね」


 それは自分に対して。そして刀夜くんに対して約束の意味も込めて。


「…………お、おう?」


 刀夜くんはよく分かっていない様子だったがそれでも私の心は完全に決まった。

 自分の気持ちを優先することは悪いことじゃない。それが人間らしくて、そして私が刀夜くんに受け入れてもらいたい部分だから。

 そういう面をいっぱい出していこう。そうやってどんどんと刀夜くんとの関係を築いていこう。


「大好き」

「え、あ、あぁ?」


 最後に大好きなことを伝えて私はゆっくりと目を閉じた。

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