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特別編アリシア視点第1話 2人きりのイチャイチャ

 珍しい時間というのはあるもの。私は今現在刀夜くんと2人きりの時間を過ごしている。

 ルナさんとアスールさんが一緒にお買い物中。実は下着を買いに行ってるのだとか。私は残念ながらそこまではいってない。

 2人とも色々無茶なプレイでもしたのかな……。ちょ、ちょっと今度聞いてみよ……。


「アリシア?」

「ひゃ、ひゃい!?」


 エッチなこと考えてたせいで上ずった声が出てしまった。と、刀夜くんに変に思われないかな?


「…………? 大丈夫か?」


 刀夜くんが心配してくれてる。こう……何というか。うん、乙女心をくすぐられるよね。

 じゃなくて早く返事! 返事を返さないと!


「あ、え、えっと、へ、平気だよ?」

「…………」


 慌ててしまったので多分不審がられたよね。

 刀夜くんは少し何かを考えた後にソファに座る。


「アリシア、こっち来い」

「あ、う、うん」


 刀夜くんに言われた通りソファまで向かうと何故か手を掴まれる。


「と、刀夜くん?」

「ほれ」


 そのまま何故か後ろを向かされ、座らされる。前にしてもらった後ろから抱き締めてもらえるあれだった。


「あ、あの、こ、これ凄く恥ずかしいって前に言わなかったっけ!?」

「隠し事してるっぽいからな。お仕置きだ」


 これがお仕置き!? こんなお仕置きなら毎日でもされたい……ってそうじゃなくて!


「ふ、2人きりだから意識しちゃっただけで隠し事なんてないよ!?」

「え、そうなのか?」

「う、うん」


 本当はエッチなこと考えてたなんて言えない……! 刀夜くんに変態だって思われちゃう。


「…………離さなきゃ駄目か?」

「えっと……私は恥ずかしいから離して欲しい……かな」


 でもこれって刀夜くんが甘えてくれてるってこと……だよね?


「そうか……」

「あ、う、ううん。刀夜くんがしたいなら全然いいんだよ!?」

「…………いいのか?」


 刀夜くんの上目遣い! こんな風に言われちゃったらどんなことでも叶えたくなっちゃう。


「もちろん!」

「そ、そうか。じゃあこのままで」


 刀夜くんはギューっと私を抱き締める。こ、これは、し、刺激が強いよ。私の心臓が持たないかも!?


「あ、あの……や、やっぱり逆がいいかな……」

「逆? いや、俺はこっちの方が良いんだけど……」

「そ、それじゃあ抱き締め合う形でいい?」

「え? お、おう」


 刀夜くんが離してくれた隙に私は向かい合わせになる。そのまま刀夜くんに抱き付いた。


「えっと……ど、ドキドキするね」

「お、おう……」


 刀夜くんもちょっと恥ずかしそう。でも幸せだからこのままでもいいかも……。


「刀夜くん♡」


 つい刀夜くんを胸に抱き寄せてしまう。こうしてると本当に幸せ……。

 刀夜くんも手を背中に回して抱き付いてくれる。可愛いなぁ……。このままずっとこうしてたいくらい。


「アリシアはふかふかだ……」

「そ、そうかな?」

「あぁ……モチ肌だし気持ち良い」


 そうなのかな。でも刀夜くんが気持ち良くなってくれるならどんな肌でもいい。あ、流石にスライムとかゲル状は嫌だけどね。


「このまま寝たいくらいだな……」

「あ、それじゃあお昼寝する? 刀夜くん魔法の勉強で徹夜明けだよね?」


 ルナさんも怒ってそうだよ。そろそろ寝ないと身体に影響があるかもしれないし……。


「確かにそうなんだが……。流石にこの体勢はな…………」


 そんなに変かな? 好きな人に抱き締められるのが嬉しくないわけないと思うんだけど……。も、もしかして刀夜くん私のこと好きじゃないのかな!?


「い、いいいい嫌だったかな!?」

「嫌じゃなくて……その……ふ、2人きりだからな。い、意識しちまうというか……」

「刀夜くん可愛い!」


 なにこの可愛さ! 私が今まで見てきた人達の中でも一番に可愛い!


「ちょ、アリシア……」

「あ、ご、ごめんね」


 意識するって言ってるのに余計に抱き付いちゃった。刀夜くん大丈夫かな?


「…………」


 あ、余計に顔赤くしてる。可愛い……。

 仕方ないので刀夜くんから離れる。本当に名残惜しいんだけど仕方ない。


「なぁアリシア」

「何かな?」

「その……やっぱりちょっと寂しいから手だけ握ってもらってていいか?」


 刀夜くん……! どうして私の恋人はこんなにも可愛いんだろう!? 私の心がもう持たないよ!?

 

「う、うん」


 お互いに顔を赤くして手を握り合う。先程よりは繋がってない。でも何よりも心はより繋がっているように思えた。

 それからは何をするでもなく談笑した。刀夜くんの話やルナさんアスールさんの話。

 2人の話を聞いているうちに胸がチクチクしてきてちょっと嫌だった。私と2人きりの時くらいは私を見て欲しい。


「と、刀夜くん……」

「ん?」

「その……ベッド……行こ?」

「え」


 刀夜くんがキョトンとして固まる。でもやっぱり私を見て欲しい。だからもっと刀夜くんに甘えて欲しい。


「ベッドってその……え、そういうこと…なのか?」

「うん? そういうこと?」

「いや……でもまだ昼だぞ……?」


 お昼だからどうしたんだろう? 夜ならいいのかな。でもそれだとお昼寝にならな……うん? 夜?


「っ!? ち、ちち、違うよ! そういうことじゃないよ!?」


 つまりエッチってことだよね!? 何でそんな勘違いを!?

 あ、ベッドに行こってそういう意味にも取られちゃう!? わ、私のせい!?


「そ、そうか。ビックリした……」

「で、でもね」


 でも……。それで愛してくれて今は私だけを見てくれるなら……。


「そ、そういうことでも…………いいよ?」

「…………」


 刀夜くんが望むならだけど。とりあえず今は私を見て欲しい。ただそれだけ。


「あの……流石にそれは夜に……。今始めたら晩飯までに終われるかどうか……」

「そ、そんなにするの!?」


 今からだったら数時間くらいあるよ!? そ、その間刀夜くんを独り占め……は無理だよね。多分途中で2人が帰って来ちゃう。

 それじゃあやっぱりお昼寝の方がいいかな。刀夜くん寝てないしね。徹夜は身体に良くない。


「じゃ、じゃあ寝よっか……?」

「昼寝だな」

「うん」


 私達は刀夜くんの部屋に向かうなり手を繋ぎながらベッドに寝転んだ。


「早く寝ちゃおう? 刀夜くん寝てないんだから」

「あ、あぁ」


 刀夜くんの頭を優しく撫でると気持ち良さそうに目を細めてくれる。無防備な刀夜くん可愛い……。

 そのまま撫で続けていると程なくして心地好さそうな寝息が聞こえてくる。ふふ、もう寝ちゃった。


「寝顔も可愛い♡」


 もうずっと見ていたいくらい。それくらい可愛い。

 普段童顔なのに格好良いせいかな。こういう姿を見ると余計に可愛く見えてしまう。

 私は頭を撫でていた手を頬に変える。小顔気味で中性的な顔立ち。凄く可愛い。

 でもこんなに可愛いのに私の為にお父様に立ち向かってくれたり、ムイさんと戦ったりしてくれたんだね。


「ありがとう、刀夜くん」


 私は目を閉じて刀夜くんを優しく抱き締める。こうしてるだけでも幸せな気持ちを貰ってしまっている。

 私は刀夜くんの為に何が出来るんだろう? 何か力になれることはあるかな?

 なんて、刀夜くんはそんな打算的な人じゃないから多分何も考えてないんだろうなぁ。お返しとか期待してなさそう。

 でもそれは逆に見返りなく私を助けてくれたってこと。私の心をこんなにも持っていったのに肝心のその人は鈍いから気付いてくれない。

 そんな物語の本に出て来そうな主人公のような人。作中に出てくるヒロイン達がどうして悩んでいるのかよく分かる。

 私は今は刀夜くんの恋人だけどもっと深い関係になりたい。でもそれ以上の関係を望んでるのは私だけかもしれない。拒絶されるのが怖い。

 私は何よりも刀夜くんに拒絶されるのが怖い。だって初めて出来た私の一番大切な人だから。

 こんなにも私の心を揺らすのは刀夜くんくらい。これがきっと恋するということなんだよね。


「ふふ、可愛い顔して酷い人なんだから」


 頬をツンツンと突いてしまう。こんなにも可愛いのにいつも私はこの人のことを考えさせられてしまう。

 少しくらいやり返ししてもいいよね? 私は更に刀夜くんの頬を突いた。

 この世界では冒険者というのはすぐに死ぬ。冒険者だけじゃない。毎日どこかで誰かが死んでしまう。

 だから今この瞬間、この時を精一杯生きている。そんな貴重な瞬間をこの人に費やすことに私は全く苦に感じていない。


「ん……んぅ……」

「ふふ……」


 寝ぼけて嫌がる刀夜くんに微笑みながらも私は頬をツンツンと突き続けた。

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